国宝
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<td>李相日監督が「悪人」「怒り」に続いて吉田修一の小説を映画化。<br> | <td>李相日監督が「悪人」「怒り」に続いて吉田修一の小説を映画化。<br> | ||
任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた人生ドラマ。<br> | 任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた人生ドラマ。<br> | ||
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任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまう。<br> | 任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまう。<br> | ||
喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主・花井半次郎は彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。<br> | 喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主・花井半次郎は彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。<br> | ||
喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。<br> | 喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。<br> | ||
| − | + | そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく揺るがされる。<br> | |
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主人公・喜久雄を吉沢亮、喜久雄の障害のライバルとなる俊介を横浜流星、喜久雄を引き取る歌舞伎役者・半二郎を渡辺謙、半二郎の妻・幸子を寺島しのぶ、喜久雄の恋人・春江を高畑充希が演じた。<br> | 主人公・喜久雄を吉沢亮、喜久雄の障害のライバルとなる俊介を横浜流星、喜久雄を引き取る歌舞伎役者・半二郎を渡辺謙、半二郎の妻・幸子を寺島しのぶ、喜久雄の恋人・春江を高畑充希が演じた。<br> | ||
脚本を「サマーウォーズ」の奥寺佐度子、撮影をカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「アデル、ブルーは熱い色」を手掛けたソフィアン・エル・ファニ、美術を「キル・ビル」の種田洋平が担当した。<br> | 脚本を「サマーウォーズ」の奥寺佐度子、撮影をカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「アデル、ブルーは熱い色」を手掛けたソフィアン・エル・ファニ、美術を「キル・ビル」の種田洋平が担当した。<br> | ||
2025年・第78回カンヌ国際映画祭の監督週間部門出品。<br> | 2025年・第78回カンヌ国際映画祭の監督週間部門出品。<br> | ||
| − | + | 〔2025年6月11日〕</td> | |
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| + | <th>感想(松田武己)</th> | ||
| + | <td>知人のBさんと見に行きました。<br>緊張感のある2時間半のあと、Bさん「どえらいものをつくりましたね」。<br> | ||
| + | 私も同感で、「歌舞伎の世界デビューになりますね」。世界にはすでに歌舞伎の愛好者はいますが、大衆的な物語ができたと思いました。<br> | ||
| + | 日本の古い体質と陸続きにある歌舞伎界を土俵に2人のライバルの敬意と敵意、離間と接近、男性的な友情を描きました。<br> | ||
| + | いちばんは曽根崎心中の場面でしょう。喜久雄が選ばれて演じる場面で俊介はこの世界から離れる。中程まで見たとき「この映画は“難しい”」という感じを持ったほどです。<br> | ||
| + | 十数年後に俊介が連れ戻され、復帰した俊介は曽根崎心中への出演を申し出る。<br> | ||
| + | 時を隔てて演じられた2人の曽根崎心中の演技により“難しい”というより“見事”にしてくれた。<br> | ||
| + | 歌舞伎界という日本の舞台芸術の奥行と継続も知らしめたのではないか。<br> | ||
| + | 好評のようで1日4回の上演回数が続く。日本人の鑑賞力の並々ならぬレベルも知った気がします。<br> | ||
| + | 〔2025年8月15日〕</td> | ||
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2025年8月19日 (火) 15:39時点における最新版
作品名 国宝
| 監督:出演など | 監督:李相日 出演:吉沢亮、横浜流星、渡辺謙、他 製作国:日本 |
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| あらすじ | 李相日監督が「悪人」「怒り」に続いて吉田修一の小説を映画化。 任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた人生ドラマ。 |
| 感想(松田武己) | 知人のBさんと見に行きました。 緊張感のある2時間半のあと、Bさん「どえらいものをつくりましたね」。 私も同感で、「歌舞伎の世界デビューになりますね」。世界にはすでに歌舞伎の愛好者はいますが、大衆的な物語ができたと思いました。 |

