映画ウォッチ

文化庁芸術祭賞優秀賞など数々の賞を受賞した 関西テレビ制作のドキュメンタリー「検証・揺さぶられっこ症候群」シリーズをもとに、新たな取材と視点を加えて映画として完成させた。
２０１０年代、赤ちゃんを激しく揺さぶり脳に重度の損傷を負わせる「揺さぶられっこ症候群」（Ｓｈａｋｉｎ Ｂａｂｙ Ｓｙｎｄｒｏｍｅ＝ＳＢＳ）の疑いで親が逮捕・起訴される事件が相次いだ。
マスコミでも大きく報じられるなか、幼い命を守るという使命感のもと診断にあたる医師たちがいる一方で、刑事弁護人と法学研究者による「ＳＢＳ検証プロジェクト」が立ち上がる。
プロジェクトのメンバーは無実を訴える被告と家族に寄り添い、事故や病気の可能性を徹底的に調査。
「虐待をなくす正義」と「冤罪をなくす正義」は激しく衝突し、やがて無罪判決が続出する前代未聞の事態へと展開していく。
監督は、関西テレビに企業内弁護士として入社したのち、刑事司法の問題に向き合うべく報道記者に転身した上田大輔。
８年間にわたりＳＢＳ事件を追い続けた上田監督が、事件の加害者とされた人物や家族との対話を重ね、報じる側の暴力性というジレンマに苛まれながらも、司法とメディアのあるべき姿を問いかける。

したリアルタイムサスペンス。東京のどこかに“爆発予定の爆弾”が仕掛けられたという前代未聞の事態のなか、 取調室での攻防と都内各地での爆弾捜査の行方を同時進行で描きだす。

酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男。自らを「スズキタゴサク」と 名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。やがてその言葉どうりに 都内で爆発が起こり、スズキはこの後も１時間おきに３回爆発するという。スズキは尋問をのらりくらりと 交わしながら、爆弾に関する謎めいたクイズを出し、刑事たちを翻弄していくが……。

スズキとの交渉に挑む刑事・類家役で山田祐樹が主演を務め、スズキタゴサク役で佐藤二朗、爆弾捜査に 翻弄する巡査・倖田役で伊東沙莉、スズキの過去を知る刑事・等々力役で染谷将太、類家の上司・清宮役で 渡部篤郎、幸田巡査の相棒・矢吹役で坂東龍太、スズキの見張り役を務める刑事・伊勢役で寛一郎が共演。 「キャラクター」「帝一の国」の永井聡監督がメガホンを取った。ロックバンド「エレファントカシマシ」 の宮本浩次が主題歌を担当。

したヒューマンミステリー。昭和から平成へと続く激動の時代を背景に、過酷な人生を生きる天才棋士の 光と闇をドラマチックに描く。

山中で身元不明の白骨死体が発見される。現場には、この世に７組しかない希少な将棋駒が残されていた 。駒の持ち主は、将棋界に彗星のごとく現れ時代の寵児となった上条圭介であることが判明。さらに捜査 を進めていくと、圭介の過去を知る重要人物として、賭け将棋で圧倒的な実力を誇った裏社会の男・東名重慶 の存在が浮上する。やがて、謎に包まれていた圭介の生い立ちが明らかになる。

主人公の天才棋士・上条を坂口、圭介に大きな影響を与えた賭け将棋の真剣師・東名重慶を渡辺が演じ、 事件の真相を追う刑事役で佐々木蔵之介と高杉真宙、圭介の恩師役で小日向文世、圭介の父役で音尾琢真 、東北一の真剣師役で柄本明が共演。さらに映画版オリジナルのキャラクターである圭介の元婚約者・ 宮田奈津子を土屋太鳳が演じた。「ユリゴコロ」「隣人Ⅹ疑惑の彼女」の熊澤尚人が監督・脚本を手がけた。

ユーモアを交えて描いた「Mr.ノーバディ」の続編。

ロシアンマフィアとの壮絶な死闘から４年。焼失させた３０００万ドルを肩代わりした組織の借金を返済するため、ハッチ・ マンセルは休日も返上し昼夜を問わず任務をこなしていた。その結果、家庭は崩壊寸前になってしまう。妻や子供たちとの 関係を修復するため、一家でバカンスを計画するが、旅先の寂れたリゾート地は巨悪組織の密輸ルートとなっていた。やがて ハッチは、地元保安官とのささいな衝突をきっかけに、巨悪組織を相手取ったド派手な全面戦争に巻き込まれていく。

「ベター・コール・ソウル」のボブ・オデンカークが、前作に続いて主人公のハッチを演じた。ハッチの妻ベッカ役を 「グラディエーター」のコニー・ニールセン、ハッチの父デヴィッド役を「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のクリストファー・ロイド が再演。冷徹さとカリスマ性を併せ持つ巨悪組織の女帝レンディーナを、「氷の微笑」「カジノ」のシャロン・ストーン が演じる。監督は「ＫＩＬＬＥＲＳキラーズ」「カジノ」のティモ・ジャヤント。