苦手なのは仕事ではなく、そこにいる横暴な上司
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会報『ひきこもり周辺だより』2023年9月号<br> | 会報『ひきこもり周辺だより』2023年9月号<br> | ||
− | + | 先月はどうしても書く気力が起きず、お休みさせていただきました。<br> | |
− | 反響と一口に言っても批判的なものと好意的なものとに大別されますが、それについては触れていないわけです。<br>批判されれば凹みますが、評価されるのもそれはそれで次へのハードルが高くなって書きづらくなります。そのどちらでもなかったためにこうして元気に駄文を垂れ流せるのです。<br> | + | おかげさまで今回は気力十分…というわけにはいきません。ギリギリでいつも生きています。<br> |
+ | それでも今回こうして書く気になれたのは、私の思っていたよりこの文章の反響があるらしいと松田さんからうかがったからでしょう。この「反響がある」という所がミソです。<br> | ||
+ | 反響と一口に言っても批判的なものと好意的なものとに大別されますが、それについては触れていないわけです。<br> | ||
+ | 批判されれば凹みますが、評価されるのもそれはそれで次へのハードルが高くなって書きづらくなります。そのどちらでもなかったためにこうして元気に駄文を垂れ流せるのです。<br> | ||
− | さて、以前ここで話題にしたとある人物のことを覚えている方はいるでしょうか。<br> | + | さて、以前ここで話題にしたとある人物のことを覚えている方はいるでしょうか。<br> |
− | その後もときどき連絡を取り合う関係でしたが、そんな彼が先日SNSで婚約の報告をしていました。<br>もうこの年になると友人・知人が結婚するくらいはよくあることなので何とも思わないですが、とうとう自分の弟分が結婚する日が来たのかと思うと感慨深いものがあります。<br> | + | 私が昔「自分にとってゲームは肉みたいなもので、好物ではあるけどそれ以外の物も食べたくなる」と言うと、「僕にとっては米ですね」と返した子です。<br> |
− | いつかこういう日が来るだろうとは思っていましたが、いざこの日を迎えてみると案外冷静でいられるものですね。<br> | + | その後彼はあっさりパン派に転向して米をほとんど食べなくなったという所までは書いたと思います。彼は私が訪問をしていた相手の中で一番付き合いの長い子でした。<br> |
+ | その後もときどき連絡を取り合う関係でしたが、そんな彼が先日SNSで婚約の報告をしていました。<br> | ||
+ | もうこの年になると友人・知人が結婚するくらいはよくあることなので何とも思わないですが、とうとう自分の弟分が結婚する日が来たのかと思うと感慨深いものがあります。<br> | ||
+ | いつかこういう日が来るだろうとは思っていましたが、いざこの日を迎えてみると案外冷静でいられるものですね。<br> | ||
+ | もう少し内心自分も結婚を焦ったりするものかと思っていました。<br> | ||
+ | まあそれは来世に期待するとしましょう。H君、おめでとうございます。<br> | ||
− | H君に限らず、私が昔担当していた子で今は立派に働いているという人は何人もいます。それを知ったときも特に焦りはしませんでした。<br>いや、そこは焦らないと駄目だろうという話ではありますが、まあ元々彼らは私よりもはるかに自活していけるだけの力を持っていると思っていたのでそこに驚きはないのです。<br>そのうちの一人、Y君とこんなやりとりをしたことがあります。<br> | + | H君に限らず、私が昔担当していた子で今は立派に働いているという人は何人もいます。それを知ったときも特に焦りはしませんでした。<br> |
+ | いや、そこは焦らないと駄目だろうという話ではありますが、まあ元々彼らは私よりもはるかに自活していけるだけの力を持っていると思っていたのでそこに驚きはないのです。<br> | ||
+ | そのうちの一人、Y君とこんなやりとりをしたことがあります。<br> | ||
「君はちゃんと働いて、20年後は会社の社長になるんだ。そして、その頃路頭に迷っている俺を助けに来るんだぞ」<br> | 「君はちゃんと働いて、20年後は会社の社長になるんだ。そして、その頃路頭に迷っている俺を助けに来るんだぞ」<br> | ||
「逆じゃないんですか?」<br> | 「逆じゃないんですか?」<br> | ||
「逆じゃねえよ、甘ったれんな。自分がじっとしていたら誰かが助けに来てくれるなんて思っていたら大間違いだ。というわけで頼んだぞ」<br> | 「逆じゃねえよ、甘ったれんな。自分がじっとしていたら誰かが助けに来てくれるなんて思っていたら大間違いだ。というわけで頼んだぞ」<br> | ||
「ええ……」<br> | 「ええ……」<br> | ||
− | 当時Y君はとても無口で全然笑わない子だったのでなんとか笑わせようとして言った冗談でした。<br> | + | 当時Y君はとても無口で全然笑わない子だったのでなんとか笑わせようとして言った冗談でした。<br> |
+ | 実際笑ってもらえたので良かったですが、しかし今思い返すと本音がダダ漏れでしたね。<br> | ||
+ | Y君、私は宣言通り路頭に迷いそうなので待ってますよー。<br> | ||
− | こんなことを言っていますが一応焦ってはいます。正確には全然焦らない自分に焦っています。いつぞやは起業するなんて言っておいて結局全く動いていませんし。<br> | + | こんなことを言っていますが一応焦ってはいます。正確には全然焦らない自分に焦っています。いつぞやは起業するなんて言っておいて結局全く動いていませんし。<br> |
− | + | ただ今でもひきこもり訪問を仕事にできれば良いなとは思っているのですよ。<br> | |
− | そんな所へちょうど実家を建て直す話が持ち上がったので、新しい家には自分の部屋はいらないと宣言してみました。<br>これで残り時間1年と少しの間に生計を立てるようにならなければ冗談ではなく路頭に迷うことになります。<br> | + | いつかも言ったかもしれませんが、「引き出し屋」みたいな輩にやらせるくらいなら私にやらせてくれれば良いのに、とは強く思います。<br> |
+ | とはいえただでさえ就職するエネルギーがないのに起業するエネルギーなんてあるわけもなく。<br> | ||
+ | 現在は何でもいいから仕事をする方向に一所懸命に自分を追い込んでいるところです。<br> | ||
+ | そんな所へちょうど実家を建て直す話が持ち上がったので、新しい家には自分の部屋はいらないと宣言してみました。<br> | ||
+ | これで残り時間1年と少しの間に生計を立てるようにならなければ冗談ではなく路頭に迷うことになります。<br> | ||
いっこうに尻に火がつかないので自分で自分に放火した形ですが、それでもなお「ホームレスってのも悪くないかもな」とどこかで思っている自分がいることには呆れますね。<br> | いっこうに尻に火がつかないので自分で自分に放火した形ですが、それでもなお「ホームレスってのも悪くないかもな」とどこかで思っている自分がいることには呆れますね。<br> | ||
− | ついでに今までバイトでやっていたひきこもり訪問も9月いっぱいで完全にやめることにしました。<br>働き始めるためには膨大な量のエネルギーが必要になるので、もう他人のためにエネルギーを割く余裕はありません。<br> | + | ついでに今までバイトでやっていたひきこもり訪問も9月いっぱいで完全にやめることにしました。<br> |
− | 収入源や人との関係を切るという行為は、あるいは第三者から見ればむしろ就職とは真逆の方向に向かっているように見えるかもしれません。<br>ですが私はそうして自分を逆境に追い込まなければ動くことが出来ないようなので仕方ないですね。<br> | + | 働き始めるためには膨大な量のエネルギーが必要になるので、もう他人のためにエネルギーを割く余裕はありません。<br> |
+ | 収入源や人との関係を切るという行為は、あるいは第三者から見ればむしろ就職とは真逆の方向に向かっているように見えるかもしれません。<br> | ||
+ | ですが私はそうして自分を逆境に追い込まなければ動くことが出来ないようなので仕方ないですね。<br> | ||
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+ | ひとまず10月になって完全な無職になったら旅行をしたいと思っています。<br> | ||
+ | そこまで実際やるかどうかは別として、行く先々で短期のバイトをしながら渡り歩くスタイルの旅行に憧れます。<br> | ||
+ | この際信じてもらえなくても構いませんが、私は労働そのものはむしろ好きです。<br> | ||
+ | 高校時代には学校に通いながら週5で4時間のバイトを苦もなく続けていました。<br> | ||
+ | 私が何より苦手なのは仕事をする上で避けて通れない人との摩擦、そしてその摩擦に長期に渡って耐えなければいけないことです。<br> | ||
+ | 私にとって働く際の条件で大切なのは給料でも休日日数でも福利厚生でも残業の多寡でもありません。<br> | ||
+ | その職場に感情的に声を荒らげる人間がいるかどうかです。<br> | ||
+ | ところがこの情報は求人情報には絶対に載っていません。ピットブルを飼っているのなら猛犬注意の表示くらいはしてほしいものです。<br> | ||
+ | だから結局以前書いたように職場ガチャ、上司ガチャにならざるを得ません。<br> | ||
+ | ですが仮にガチャを外したとしても旅先のことなら短い間耐えれば済むことですし、何とかなるような気がします。<br> | ||
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2023年10月24日 (火) 23:16時点における最新版
苦手なのは仕事ではなく、そこにいる横暴な上司
会報『ひきこもり周辺だより』2023年9月号
先月はどうしても書く気力が起きず、お休みさせていただきました。
おかげさまで今回は気力十分…というわけにはいきません。ギリギリでいつも生きています。
それでも今回こうして書く気になれたのは、私の思っていたよりこの文章の反響があるらしいと松田さんからうかがったからでしょう。この「反響がある」という所がミソです。
反響と一口に言っても批判的なものと好意的なものとに大別されますが、それについては触れていないわけです。
批判されれば凹みますが、評価されるのもそれはそれで次へのハードルが高くなって書きづらくなります。そのどちらでもなかったためにこうして元気に駄文を垂れ流せるのです。
さて、以前ここで話題にしたとある人物のことを覚えている方はいるでしょうか。
私が昔「自分にとってゲームは肉みたいなもので、好物ではあるけどそれ以外の物も食べたくなる」と言うと、「僕にとっては米ですね」と返した子です。
その後彼はあっさりパン派に転向して米をほとんど食べなくなったという所までは書いたと思います。彼は私が訪問をしていた相手の中で一番付き合いの長い子でした。
その後もときどき連絡を取り合う関係でしたが、そんな彼が先日SNSで婚約の報告をしていました。
もうこの年になると友人・知人が結婚するくらいはよくあることなので何とも思わないですが、とうとう自分の弟分が結婚する日が来たのかと思うと感慨深いものがあります。
いつかこういう日が来るだろうとは思っていましたが、いざこの日を迎えてみると案外冷静でいられるものですね。
もう少し内心自分も結婚を焦ったりするものかと思っていました。
まあそれは来世に期待するとしましょう。H君、おめでとうございます。
H君に限らず、私が昔担当していた子で今は立派に働いているという人は何人もいます。それを知ったときも特に焦りはしませんでした。
いや、そこは焦らないと駄目だろうという話ではありますが、まあ元々彼らは私よりもはるかに自活していけるだけの力を持っていると思っていたのでそこに驚きはないのです。
そのうちの一人、Y君とこんなやりとりをしたことがあります。
「君はちゃんと働いて、20年後は会社の社長になるんだ。そして、その頃路頭に迷っている俺を助けに来るんだぞ」
「逆じゃないんですか?」
「逆じゃねえよ、甘ったれんな。自分がじっとしていたら誰かが助けに来てくれるなんて思っていたら大間違いだ。というわけで頼んだぞ」
「ええ……」
当時Y君はとても無口で全然笑わない子だったのでなんとか笑わせようとして言った冗談でした。
実際笑ってもらえたので良かったですが、しかし今思い返すと本音がダダ漏れでしたね。
Y君、私は宣言通り路頭に迷いそうなので待ってますよー。
こんなことを言っていますが一応焦ってはいます。正確には全然焦らない自分に焦っています。いつぞやは起業するなんて言っておいて結局全く動いていませんし。
ただ今でもひきこもり訪問を仕事にできれば良いなとは思っているのですよ。
いつかも言ったかもしれませんが、「引き出し屋」みたいな輩にやらせるくらいなら私にやらせてくれれば良いのに、とは強く思います。
とはいえただでさえ就職するエネルギーがないのに起業するエネルギーなんてあるわけもなく。
現在は何でもいいから仕事をする方向に一所懸命に自分を追い込んでいるところです。
そんな所へちょうど実家を建て直す話が持ち上がったので、新しい家には自分の部屋はいらないと宣言してみました。
これで残り時間1年と少しの間に生計を立てるようにならなければ冗談ではなく路頭に迷うことになります。
いっこうに尻に火がつかないので自分で自分に放火した形ですが、それでもなお「ホームレスってのも悪くないかもな」とどこかで思っている自分がいることには呆れますね。
ついでに今までバイトでやっていたひきこもり訪問も9月いっぱいで完全にやめることにしました。
働き始めるためには膨大な量のエネルギーが必要になるので、もう他人のためにエネルギーを割く余裕はありません。
収入源や人との関係を切るという行為は、あるいは第三者から見ればむしろ就職とは真逆の方向に向かっているように見えるかもしれません。
ですが私はそうして自分を逆境に追い込まなければ動くことが出来ないようなので仕方ないですね。
ひとまず10月になって完全な無職になったら旅行をしたいと思っています。
そこまで実際やるかどうかは別として、行く先々で短期のバイトをしながら渡り歩くスタイルの旅行に憧れます。
この際信じてもらえなくても構いませんが、私は労働そのものはむしろ好きです。
高校時代には学校に通いながら週5で4時間のバイトを苦もなく続けていました。
私が何より苦手なのは仕事をする上で避けて通れない人との摩擦、そしてその摩擦に長期に渡って耐えなければいけないことです。
私にとって働く際の条件で大切なのは給料でも休日日数でも福利厚生でも残業の多寡でもありません。
その職場に感情的に声を荒らげる人間がいるかどうかです。
ところがこの情報は求人情報には絶対に載っていません。ピットブルを飼っているのなら猛犬注意の表示くらいはしてほしいものです。
だから結局以前書いたように職場ガチャ、上司ガチャにならざるを得ません。
ですが仮にガチャを外したとしても旅先のことなら短い間耐えれば済むことですし、何とかなるような気がします。