無糖ブーム
無糖ブーム
国内清涼飲料市場、18年は1.0%増 「無糖」ブームで紅茶飲料好調 富士経済
清涼飲料市場の推移。
富士経済がこのほど実施した国内の清涼飲料市場調査によると、「無糖」ブームを背景に市場は緩やかに伸長していることが分かった。
なかでも紅茶飲料は甘さ離れした商品の人気により大幅に伸長しているという。
■調査結果の概要
18年の清涼飲料市場は17年比1.0%増の5兆2,152億円。
夏季の記録的猛暑による需要増とともに、西日本や北海道の震災における生産減に対しても、各メーカーが特別便などを通じた安定供給に努めたことから販売額が増加につながった。
品目別では無糖茶飲料やミネラルウォーター類、機能性飲料、炭酸飲料が夏場の猛暑を背景に伸長したが、これまで健康志向により好調を維持してきたドリンクヨーグルトの成長は鈍化したとしている。
19年はさらなる少量化により販売量は縮小が予測されるが、販売額では一部容器の値上により昨年と同様の伸びを示すと予想している。
注目市場は以下の通り。
■紅茶飲料
11年以降は無糖茶やミネラルウォーター、フレーバーウォーターへの人気の高まりにより紅茶飲料は需要が停滞していたが、18年発売の「紅茶花伝 クラフティー」(コカ・コーラシステム)がヒットしたことで市場は拡大した。
19年もリキッドコーヒーとして大ヒットした「クラフトボス」から紅茶フレーバーが登場したことで、さらなる市場拡大が期待されている。
こうした無糖ストレートタイプの伸長に加えて、甘さ控えめミルクティなど各メーカーによる紅茶飲料の市場投入が相次いでいることから、リキッドコーヒーとともに無糖商品の拡大が期待されている。
■無糖炭酸飲料
18年は前年比29.6%増の561億円と大幅に拡大。市場を大きく牽引したのが「ウィルキンソン タンサン」(アサヒ飲料)や「カナダドライ ザ・タンサン」(コカ・コーラシステム)。
19年も前年比7.1%増の601億円と拡大を予測している。
紅茶飲料と同様に無糖タイプが需要を伸ばし、フレーバーや炭酸強度の違い、ブランド別の買い分けなど需要の細分化が進んでいるという。
今後も引き続き無糖炭酸から有糖炭酸への需要流入が期待できるため拡大すると予測している。
〔2019年8月3日 財経新聞〕