日回りの会
日回りの会
主催者 | 平田弘子 |
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所在地 | 広島県福山市 |
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脱路上生活 広がる支援 福山 官民連携 交流会やアパート提供 孤立を防ぐ仕組み必要
福山市内で、元路上生活者たちの自立を支援する動きが広がっている。市民団体や市などが連携し、相談会や就労支援に取り組む。
アパートでの生活を始めたものの孤立する元路上生活者も多く、継続的なサポートが求められている。
市内の市民団体が月2回開いている、元路上生活者たちを支援する交流会「きんようきっさ」。
9月中旬、同市三吉町南に約10人が集まった。
主催する平田弘子さん(82)たちが、まぜご飯やサラダなど約20種類の料理を準備し、交流した。
参加した60代の男性は2001年、ボランティアで炊き出しをしていた平田さんと知り合った。
その後、団体や市の支援で路上生活をやめ、生活保護の受給でアパート生活を始めた。
「いつも食事は1人。ここだと安心できる」と話す。
男性は5年前にがんが見つかり手術。
保証人となったのも平田さんだった。
平田さんは「交流があったので継続的に支援できた。ただ、人間関係を築くのが苦手で、交流会に顔を出さなくなった人もいる」と話す。
市内の就労支援施設「ふくでん」では11年から、市と連携し元路上生活者たちを受け入れている。
現在、約20人が近くのアパートに暮らし、同施設で就労作業をしている。
自立し、別の職場で仕事を始めた人もいる。
市内の路上生活者は04年に58人が確認されたが、ことしは6人に減少。
生活保護の受給でアパート暮らしを始めたり、就労した人も多い。
一方で、病気などで孤立するケースも目立つ。
市内では15年度、単身の受給者10人が自宅での死後、4日以上たって見つかった。
ケースワーカーや民生委員が安否確認をしているが、体調の急変に即応するのは難しい。
支援対策を研究している、大分大大学院福祉社会科学研究科の垣田裕介准教授(社会政策)は「支援には長期的な視点が必要で、家族のような役割が求められる。官民でサポートする仕組みが必要」としている。
〔◆平成28(2016)年10月16日 中国新聞 朝刊〕
福山の路上生活者減少 今年は6人 01年以降最少 孤独死防ぐ支援課題
福山市内の路上生活者が減少している。
今年は6人と、市が調査を始めた2001年以降で最少。
最多だった04年の約10分の1に減った。
市は、ボランティア団体と連携した住居確保や就労の後押しの効果とみる。
一方、アパート生活を始めた人が孤独死するケースもあり、孤立を防ぐ支援の重要性が高まっている。
調査は01年から毎年実施。今年は1月に調査し、6人を把握した。
04年には58人を確認しており大幅に減少。
芦田川河川敷やJR福山駅周辺などで生活していた人が、生活保護の受給でアパート生活を始めたり、就労につながったりした事例も多いという。
市内では00年ごろから、複数の市民団体が路上生活者を対象に炊き出しなどを始めた。
02年、就労や住居の確保を援助するホームレス自立支援法が制定。
市は各団体と連携して支援を進め、生活保護を受給する場合、敷金の支給も進めた。
課題となっているのが、住居に移った後の孤立だ。
市内では今年4月、生活保護を受給する50代男性が、自宅で死亡してから1カ月以上過ぎて見つかった。
関係者によると、男性はかつて路上生活をしていたという。
市内で昨年度、単身の受給者10人が自宅での死後、4日以上たって見つかっている。
市民団体「日回りの会」は10年から、住居に移った人が孤立しないよう、定期的に集まる場を設けている。
月2回のペースで交流会を開き、毎回10人前後が参加する。
主催する同会の平田弘子さん(82)は「アパート暮らしを始めても、病気などで孤立する人が多い。市とも協力し、継続的な支援につなげたい」と話している。
〔◆平成28(2016)年9月11日 中国新聞 朝刊〕