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「ひきこもり理解と支援の促進」学習会における当事者の報告

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2016年12月19日 (月) 20:19時点におけるMatsu4585 (トーク | 投稿記録)による版
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「ひきこもり理解と支援の促進」学習会における当事者の報告

(2015年1月27 KHJ関東ブロック・東東京支部・学習会「ひきこもり問題の社会的理解・支援の促進」で報告したM・Sくんの準備草稿による)
体験発表・取材受付>当事者の出前体験発表サービス・M.S

サイト制作部:適当な発表の場が出来るまでの仮置きとします。〕

経験者が望むことですが、ひきこもりという存在を知ってほしい、認識してほしい、高年齢のひきこもりがどんなことに困っているのか、それを知ってほしいというのが望みです。
支援する側と当事者の間にズレみたいなものを感じるので、その辺を埋めるきっかけ、私の経験談、主観ですが、高齢ひきこもりについての認識や理解に役立てていただければ幸いです。
今回は、どういった仕事が向いているか、社会復帰にあたって足かせになって困っていること、高齢の当事者がどんなことに直面しているかを話します。

まず仕事に関して
人間関係が固定化しやすい職場で他者と関わりながら職務や作業やミッションをこなすことが苦手です。
変化に対応すること、順応することが苦手です。
人事異動とか業務の変更など、またノルマや納期、成果を上げると言ったことが過度に極端なプレッシャーや圧力を感じ、その圧力に屈して職務を全うできなかったり、人間関係のこじれから、職場を辞してしまうことが多々あります。
普通の人でも難があることを、ひきこもりやそういった気質のある人間は数十倍もの影響を受け、心理的、精神的な圧力に屈しやすいのです。
したがって一人で黙々と作業ができ、人間関係の薄い、あまり監視や干渉のない現場が向いていると思います。
私のまわりだと倉庫業作業、郵便配達、清掃、スーパーの品出し、試験会場の監督、決まったルートをまわる営業など、反復性のある同じル―ティンワークをこなすことが得意な人が多いと思います。
あるいは一対一の対個人サービスに力を発揮する人もいます。
独学でメイクやカラーセラピーを極め事業にしている人がいます。
ホームヘルパーの資格をとって訪問介護に従事している人が多数います。
福祉に関心を持っている当事者は多いです。
社会福祉士、精神保健福祉士の資格を取得したり、勉強している当事者もいます。
プログラマー、Web制作、スマホのアプリ、ラインのスタンプをつくっている当事者もいますが、これはモデルマイノリティ―だと思います。

社会復帰で何がいちばん気になるのか
履歴書の空白です。
嘘をつくのが苦手、挫折がありや成功体験が乏しく、ソーシャルスキルや経験の少なさがコンプレックスとなって行動に移せなくなっています。
面接で“今まで何をしてたんですか”と聞かれるのがキツイです。
40歳ともなれば、一般的にはそれなりの地位に就いているわけで、セールスアピールのない自分に困っている状態です。
キャリアを積んで、実績を問われても、何のスキルもない40歳の人を雇ってくれるところなんてあるのか?
年をとって気力・体力も衰えていて、社会不信、人間不信に陥っている当事者もいます。
仮に高齢のひきこもり当事者と接するに当たり、キャリアを積んだ社会人の転職ではなく、一個人が0やマイナスからスタートするととらえていただきたいです。
先ほど述べたように不信感や精神的疲労の極みにいるので、付かず離れず、粘り強く、支援というか、併走する感じで携わってほしいです。

支援者に望むこと
目線を低くしてください。
具体的な支援の内容を私は把握していませんが、できれば時間をかけて対話して、彼らの経験談から、彼らの望むべき道を探っていってください。
データや体系的なものにこだわらず、当事者も、「どうせ実数をたくさん出したいんだろう」「就労した人数が多いと実績になるんだろう」と懐疑的になっているので、心理的な壁を少しでも低くするために、対話や併走を試みてください。

高齢の当事者が何に困っているのか
親が死んだ後のライフプラン。
持ち家の維持、相続税、固定資産税におびえている当事者がいます。
それから兄弟間のトラブル、遺産相続で裁判に発展しているケースもあります。
親の介護、生命保険信託など一般の人がこうむる問題がひきこもりにも降りかかってきています。
それが外出や社会参加のトリガーになりえますが、なかなか難しいと思います。
最後に住宅問題、低所得者向けの物件、単身男性入居可能なUR、親子で入居可能な老人ホーム、東京都など各自治体が提示するアパート・マンションの物件、空き家、公設宿泊所、公営の低家賃アパート、シェアハウス、緊急小口資金貸付、総合支援資金……働きもしないでそんなことばっかり調べてるんじゃないかと思われますが、制度や情報を知っているだけでもゆとりが違うので。
こういうことを聞けない、つながれなくて不安になっています。
何でもかんでも就労すれば解決というのはやめてください。
就職した後も挫折感、劣等感、違和感をかかえながら生きていくので。

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