母子生活支援施設 東さくら園
| 所在地 |
537-0022 大阪府大阪市東成区中本４丁目１-21 |
| TEL |
06-6972-6010 |
| FAX |
06-6972-6086 |
| MAIL |
higashi@sakuraen.jp |
家に眠る食品、寄付で生かす 「フードドライブ」広がる窓口【大阪】
生活が厳しい家庭に届けるため、家庭で食べきれない食品を持ち寄る「フードドライブ」。
集められた食品を管理し、届けるフードバンク団体や企業の活動が活発になったことで、スポーツジム、寺や自治体の窓口など、身近な場所に広がっています。
□ジムで240トン受け付け
１月中旬、大阪市住吉区のスポーツジム「カーブス」に、会員で近所に住む主婦辻厚子さん（64）は、お中元のそうめんを持ってきた。
「ついでに持ってこられるのが便利」 辻さんが食品を持ち寄るようになったのは３年前。
３人の子どもたちが社会人になり、そうめん、スープの缶詰、レトルト食品など、ついつい買いだめして食べきれない食品をそれまでは捨てていた。
「子ども食堂を手伝いたいと思っているけどハードルが高くて……。でもこれなら参加しやすかった」と話す。
フードドライブは、1960年代に米国で始まり企業や学校で定着している。
受け付けるのは、賞味期限内で、基本的に常温で保存できる食品。
女性限定のスポーツジム「カーブス」は、本拠地の米国で99年にフードドライブを始めた。
日本では、2007年11月に始め、今年で10回目。
期間を１カ月と定め、全国の会員と会員以外にも参加を呼びかけてきた。
参加人数は、初回は約２万８千人だったが、昨年は約17万人に。寄せられた食品も、約50トンから約240トンに増えた。
２回目までは11月に実施していたが、「お歳暮や年末年始が終わった後の方が便利」との利用者の声を受け、３回目から年明けにした。
集められた食品は、児童養護施設や、地域のひとり親を支援する民間に届けられる。
貧困やＤＶ被害などを理由に入所する母子を支援する母子生活支援施設「東さくら園」（大阪市）では、６年前から食品の提供を受け、職員が退所者や地域の困窮した世帯に届けてきた。
ある高校生は、母と二人暮らし。
パートで働く母の給料日前は、いつも職員にＳＯＳを出し、米やレトルト食品をもらいに来る。
廣瀬みどり施設長（59）は「この寄付がなければ、あの子は育たなかった。まさに、命をつなぐ食料です」と話す。
〔◆平成29（2017）年2月8日 朝日新聞 大阪朝刊〕
