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大学教育の学費減免

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大学教育の学費減免

低所得家庭の学費減免 高等教育、奨学金拡充 骨太の方針
5日に公表された政府の「骨太の方針」の原案には、消費増税分を使って大学など高等教育の負担を軽減する具体策が盛り込まれた。
年収380万円未満の低所得層の学生向けに授業料を減免するほか、給付型奨学金を拡充する内容で、2020年度から始まる。
主な支援対象は年収270万円未満の住民税非課税世帯。
国立大に通う場合、授業料(年約54万円)を全額免除し、私立大の場合は一定額を上乗せし、70万円ほどを減額する。
給付型奨学金には通学費や課外活動費、自宅外生の住宅費などが含まれ、私大に通う自宅外生なら総額年100万円規模になると想定される。
また、年収300万円未満ならば非課税世帯の3分の2、年収300万~380万円未満ならば3分の1の支援額を出す。
低所得層を集中的に支援することを問題視する声もあり、自民党教育再生実行本部はより幅広い層が支援を受けられる制度として国が授業料を肩代わりし、卒業後に収入に応じて「後払い」する仕組みを提案している。
ただ、この日の原案では反映されず、中間所得層については「機会均等について検討を継続する」との表現にとどまった。(根岸拓朗)
□制度、周知求める声
「子どもの進路の幅が広がるのはありがたい」。
高校3年と、高校1年の双子の3人の娘を一人親で育てる西日本在住の女性(42)は政府が決めた高等教育の支援策について、こう話す。
契約社員としての収入は月14万円ほど。入学金や制服、備品も3人分かかり、「4人で食べるので精いっぱい」。
住民税非課税世帯にあたるため、新たな支援策の対象となる。
長女は国立大をめざし、下の2人も大学に行きたいと考えている。
女性は支援策を歓迎しつつ「情報をしっかりと伝える仕組みが必要」と話す。
「生活するだけで精いっぱいのなか、自分で制度を調べられる一人親家庭は限られるのでは」
低所得層を対象とした、大学独自の支援策も広がりつつある。
東洋大2年の福田圭佑さん(20)は昼間は大学の入試課で非常勤職員として働き、夜間に経営学部で学ぶ。
非常勤職員の年収約180万円に加え、大学から年26万5千円の給付型奨学金が出て、学費や生活費をまかなえる。
高3の時は就職を考えたが、高校の先生から東洋大が「独立自活」の推薦入試をしていると聞き、進学を決意した。
「就職しかないと考えている人に、大学という道が開けるのはいいことだと思う」と言い、支援の広がりに期待する。
ただ、大学の支援だけでは格差が解消しないという指摘もある。
一人親支援のNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子理事長は「高校に入るのが経済的にやっとという家庭もとても多い」と指摘する。
「塾などの教育費が増える一方、生活がギリギリの世帯はお金をさけず、教育格差が広がっている。そうした点にも目を向ける必要がある」と話す。
〔◆平成30(2018)年6月6日 朝日新聞 東京朝刊(土居新平、山下知子)〕

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