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Center:2007年3月ー不登校情報センターの継承と今後

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2011年8月2日 (火) 21:10時点におけるMatsu4585 (トーク | 投稿記録)による版
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目次

不登校情報センターの仕事の継承と今後

〔『ひきコミ』第43号=2007年4月号に掲載〕

最近のNPO法人の理事会で話している内容の中心は、不登校情報センターの将来とそこから現状をどう考えるかになっています。
とくにワークスペースとして当事者が頼れる程度の職場にできるかどうかです。
その条件づくりの一端を『ひきコミ』第42号の冒頭ページに「フリースペースとワークスペースの両立」の題で、理事長見解として発表しました。
2007年3月22日の理事会では、この1年間に、不登校情報センターを引き継ごうという有志を数名募集し、外部の人との協力関係をつくって、体制的にも業務内容的にも少しずつ明確にしていこうという方向を出しました。

[1]助成金企画の結果

2007年3月に入って、各種の助成金申請の結果が届きました。
2つの企画が認められ、4つは採用されませんでした。
採用されたのは、
(1)「発表報告会―広汎性発達障害者への訪問サポート活動」と
、 (2)「引きこもり経験者の絵画作品展と『作品画集』の制作」です。
いずれもイベント系です。
採用されなかった4企画は、
(1)最も重視していた「不登校・引きこもり等支援団体の情報インフラ」制作をはじめ、
(2)「不登校経験者における軽度発達障害者の影響」調査、
(3)「親の会・当事者の会の調査」、
(4)上記「情報インフラ」で入手した情報の出版に関するものです。
いずれも情報収集・提供の調査系統のものです。
『ひきコミ』第42号の「不登校情報センターは何をする事業所になるのか」で述べました。
私はこの助成金を、パソコンを生産財にするための設備投資的な役割に見立てて考えていました。
不採用になって(1)、(3)の企画がその直接的内容であっただけに残念な結果でした。
同時に助成金申請についての一つの学習経験をしたことになります。
昨年(2006年)8月にも1件の助成金申請が認められましたが、それは進路相談会に対するもので、これもイベント系です。
今度の助成企画をイベント系に固定するつもりではありません。
通りやすい企画というのはあるでしょうし、助成団体のねらう企画方向との融合性にも関係してくると思います。
現在はマイクロソフトへの「イベントニュース」制作とヤマト財団へのパソコン購入が助成申請途中です。
ほかにYAHOOとソフトバンクへの助成企画を考えていますが、これらはマイクロソフトへの助成とともにIT分野のものです。
これは企画の融合性からウマが合うのではないかと考えています。
これも助成金申請の学習になるのかもしれません。
なおイベント系の企画は、これからも助成金申請企画として考えていこうと考えます。

[2]「情報検索サイト」制作の今後

助成金企画として採用されなかった「不登校・引きこもり等支援団体等の情報インフラ」制作に関しては、これからも継続していきます。
これはパソコンを生産財にしていく不可欠の要素です。
助成金申請が認められることを前提に多くの準備をしてきました。
それは『ひきコミ』第40号の「カウンセリング、セラピー、ヒーリングの施設データ集め」でその一端を発表したことです。
これらは調査対象団体ですが、これに、フリースクール系、就労支援系、親の会、当事者団体系などを含めて数千件の支援団体になります。
2007年3月に入って、これら団体向けにアンケート式の調査表をつくりました。
完成したのは「心理相談・ 心理療法機関」、「各種ヒーリング施設」、「身体療法系施設」、「教育相談室」の4種で、このほかの分類分が、全部完成すれば10種ぐらいになるはずで す。
完成して4種のうち「教育相談室」を除く3種類に関して、ファックスで送信できるところに「ホームページへの掲載・リンク・アンケート調査」を発送しました。
「リンク」部分が収入になるのですが、ある程度の反応がありました。
決して十分ではありませんが、この方法で続けられる可能性を感じています。

[3]「情報収集」企画の継承のために

理事懇談会では、この「情報収集」作業を私個人でやるのではなくて、継承できるようにしなくては、この不登校情報センターの将来がはっきりしない旨の発言がありました。
それは実は私が以前から考えてきたことでもあります。
話していくうちに、いくつかのことがはっきりしてきました。
これは、かつて私が情報出版物として情報提供していたことをパソコンのウェブサイトの場で情報提供するようになった性質のものになります。
したがって不登校情報センターが発生した業務です。
「あゆみ仕事」として分担しているのは、 私が指示したことにもとづく支援団体のリストアップ、 リストアップした支援団体へのホームページへの掲載・リンクのお願い作業(FAX送信など)です。
このお願いに回答をよこした支援団体のホームページへの掲載とリンクです。
また同主旨の支援団体からのイベント情報を「イベント情報カレンダー」への掲載したり学校案内書の掲載などの作業です。
問題は、いろいろな情報の中から支援団体(の可能性のあるところ)を選び出していく作業です。
ここが案外と難しいのです。
一昨年(2005年)秋に、一度これをウェブサイト上のリンク集から抜き出していったことがありました。
フリ―スクール系、当事者の会、個人ホームページなどを探していく作業です。
数人にお願いしたのですが、残念ながらかなり苦しい作業のようでギブアップになりました。
これでもいくつかの成果が「多チャンネル」の「個人(当事者)」などのところに残っています。
いまはそのまま途切れています。
いま別の形である一人にお願いしていますが、それも苦業になっているのかもしれません。
その結果を期待もしているところです。
この「選び出し作業」とは、これは企画であり、たぶん創作作業的な内容があると思います。
これが容易にできないのです。
しかし、それだから不登校情報センターという「情報収集と情報提供」組織が生ませた理由でもあります。
それができれば一つの特技なのです。
それを継続していくことが不登校情報センターには求められていることになります。
いま思い直してみると、これは私の趣味です。
私は自分の趣味を仕事にし、それに不登校情報センターという名称をつけたのです。
私は、それを苦労ではなく楽しみとしてやっているからです。
もし時間が赦すのであれば毎日でもやり続けているかもしれない程度のものです。
この特殊技術か技殊技能をいくぶん普遍化して、数人が分担して自分なりの方法で継続できるようにすることです。
それがすなわち不登校情報センターの中心部分を継続していくことになるのでしょう。
私はその基本データを紙上の文書で処理してきました。
もし実際上の活用において可能ならばパソコンでできるのかもしれません。
継承しようとする人たちに工夫してほしいところです。
この1年間には、この引きつぐべき基本データづくり、「選び出し作業」の重要部分を何らかの形で示したいと思います。
意外と難しい作業です。
たとえば、小説の書き方とか、絵の描き方みたいなものです。
小説そのも の、絵画そのものではなくて、その創作のしかたを描くこと(マニュアル化すること)になる気がします。

[4]相談室と相談対応者の養成など

不登校情報センターを継続させていくためにはこのほかいくつかの要素が必要です。
明確にならない部分もありますが、いま現在、気になること、探っていることを列挙してみます。
相談室業務-不登校情報センター内の相談室をどうしていくかです。
これは当事者のフリースペースをどうするのか、どうなるのかとの関係でも重要です。
私個人で、当事者と直接に関わっていく必要がある状態の人が多数いることを実感しています。
これが相談活動と相談室を必要とする理由です。
それには訪問することも考えなくてはなりません。
その人が対人関係を求めたときの行き先・行き場としても考えなくてはならないからです。

各地の相談室などと協力関係をつくろうと考えています。
遠方の地で、相談や訪問が必要であるケースも持ち込まれてきます。
先日はこれに対して私なりに1つの方法を思いつき実行中です。
これが上手くいけばもっと広げられる可能性があります。
ある人には客員相談員という形でお願いすることになりました。

もう一つは、いわば相談対応者の養成という面があります。
これをたとえば、講習会とか研修会という形で取り組んでいくことがいいのかどうか。
これも少し前から思い浮かべていることです。
今回の助成金申請企画の結果をみると、この方向がいいのかもしれません。
先日は、内閣府による「若者の自立をたすけるユースサポーター」なる支援者を養成するために必要なことの取材を受けました。
これも相談対応の養成を考える一つの動機になっています。

他団体との協力に関しては、杉並区社会教育センターを拠点とした「出会いの機会」実行委員会の取り組みもあります。
社会福祉協議会やNPO団体との交流もあります。
不登校情報センターの継続のためには、これら外部の友好的な協力関係にある組織と人との協力も欠かせない、と思っています。

最後に、不登校情報センターの会員組織自体も見直さなくてはならない気がしています。
当事者を会員制にする、親の会を会員制にするのはいいのですが、それがイコールNPO法人の会員になっているのは不都合な面もある気がしてきています。
これは当然、会則(定款)に関わることですから総会に図って最終的には決めなくてはなりません。
会員をはじめ、いろいろな人からの意見を聞きたいと思っているところです。

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