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青森県立田名部高等学校 定時制課程

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青森県立田名部高等学校 定時制課程

所在地 〒035-0054 青森県むつ市海老川町6-18
TEL 0175-22-1184
FAX 0175-23-7233

田名部高校定時制社会人向け高校入試説明会
入学試験説明、校内見学(希望者)を行います。
日時:2019/11/25(月)18:30〜19:20
場所:田名部高校
対象:高卒資格を得たい社会人
問合せ:田名部高校定時制木村・石岡
【電話】22-1184
〔広報むつ令和元年11月号〕

母の罵倒、貧困にひとり耐え/連載・命はぐくむ
「子どもの貧困は身近にある。意識して目を向けることが大切」と語る三浦さん=12月、むつ市の高校で
「帰ってくるな」「おまえ、知らねえから」-。
母から娘へ送られたLINE(ライン)の記録には、乱暴な言葉が並んでいた。
スクールソーシャルワーカー(SSW)・三浦和之さん(40)は昨年、青森県下北地域の高校に通う井上マイ子さん=仮名=と面談した。
高校の教員が「マイ子さんが泣きながら登校することがある。一度会って話を聞いてもらえないか」と、三浦さんに相談したのがきっかけだった。
面談を重ねるうちに、マイ子さんは、教員にも話さなかったことを、打ち明けるようになった。母との不仲、その日の食事にも困る貧困状態…。
母子家庭のマイ子さんは、アルバイトをして学費と生活費を捻出していた。
幼い妹のために、食事の準備や掃除などをしていた。お金がないため、食事も我慢することもあった。
母は、子育て放棄(ネグレクト)の状態だった。マイ子さんの言動が気に入らないと、LINEで罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせていた。
マイ子さんの外見は、髪形も服装も、持ち物もごく普通。時折、明るい表情を見せる。教員が、三浦さんに相談しなかったら、複雑な家庭環境は分からなかった。
「だれにも相談できず、悩みを抱え、地域に埋もれている子はいる。貧困などの家庭の問題を引きずっている子は身近にいる」(三浦さん)
精神保健福祉士の資格を持つ三浦さんは普段、障害福祉施設で働く。
週1回、むつ市内の高校で生徒の相談に応じているほか、要請があれば、他の高校にも足を運び、生徒の生活状況や悩みを聞き、ケースに応じて福祉制度を紹介している。
修学旅行の積立金を滞納している子、親が出稼ぎで不在のため、自宅に1人取り残された生徒、発達障害の子…。抱える問題はさまざまだ。
12月9日、弘前大で開かれた子どもの貧困に関するシンポジウム「教育と福祉の出会うところ」に、パネリストとして参加した田名部高校定時制(むつ市)の工藤清彦教頭(54)は、経済的に厳しい下北地域の家庭の現状を説明した。
田名部高校定時制には生徒約80人が在籍。約7割がアルバイトなどの仕事に就いている。
住民税非課税と生活保護を合わせた世帯は約半数、ひとり親家庭も半数以上に上る。
生徒を対象に行ったアンケートでは、将来の夢や希望が「ほとんどない」「ない」が合わせて40%に上った。
「貧困は学習意欲の低下、休学や退学などさまざまなマイナスの影響をもたらす。希望する学校があっても学費などが払えず進学できない。
生活費を考えると自宅から通勤できる職場を選択せざるを得ない」と工藤教頭。
「子どもの夢や希望が経済的な要因で奪われることがないように、早い段階からの支えが必要だ」と、参加した教員や福祉関係者らに訴えた。
田名部高校定時制で毎年行われる生徒たちによる生活体験発表会では、「女手一つで育ててくれた母の負担を少しでも軽くしたい」「夢をかなえるため貯金をしたい」との声が聞かれる。
前を向く子どもたちの姿を見ながら、工藤教頭は教育と福祉が連携した支援の必要性を一層強く感じる。
SSWの三浦さんは最近、マイ子さんと接触できる機会が減ったことを気に掛けている。
「どうしているかな」。100円ショップで買った化粧をつけ、努めて明るく振る舞うマイ子さんの姿を思い浮かべながら思う。
「子どもたちの高校卒業後の道筋を付けてあげたい。将来を見越した支援ができれば」
◇ ◇
スクールソーシャルワーカー(SSW) 
子どもを取り巻く生活環境に焦点を当て、教育と福祉をつなぐ支援を行うために学校などに配置される専門職。
児童・生徒、保護者らが抱える諸問題の解決に向け、関係機関との連携・調整を行ったり、保護者や教職員の相談に応じてアドバイスする。
県内には本年度、教員OB、社会福祉士、精神保健福祉士ら25人が配置されている。
〔2017/12/22(金)東奥日報〕

この人むっちゅ星
青森県立田名部高等学校定時制2年  佐藤 知幸子(ちさこ)さん
11月20日(日)に東京・六本木ヒルズで開催された第64回全国高等学校定時制通信制生徒生活体験発表大会~定通高校生の青春メッセージ~において最高賞の文部科学大臣賞に輝いた佐藤さん。
「念願だった高校生活」と題した発表は、高校進学を断念せざるをえなかった佐藤さんが、息子や娘の同級生たちが高校を退学してしまうのを目の当たりにし、
自分が頑張ることで若者たちに何か伝えられるかもしれないと定時制高校に進学、たくさんの方々にお世話になった感謝と現在の充実した気持ちを綴っています。
  同級生はほとんどが10代と苦笑いする佐藤さんですが、「学ぶことがこんなに楽しいと思ったことはありません」とも。
みんながこの発表を励みにして高校生活を頑張ってほしいという自身の想いを語りました。
県内初の快挙という受賞、本当におめでとうございます。
〔広報むつ 平成29年1月号〕 

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