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介護は家族の世代継承機能になるのか?

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介護は家族の世代継承機能になるのか?

家族は世代継承の機能をもつ。こういう命題を立てて考えをすすめています。
世代継承の機能は「子育て」において最も明瞭に表われます。家族のだれかが病気とか体調不良になった。
そういうときの看護や介護も容易に理解できるでしょう。
長期の障害者などの介護は家族内ケアの重要な内容ですし、高齢者介護も長期に及ぶこともあります。
これらの家族内ケアは、家族の世代継承機能にどう位置づけられるのでしょうか。
子育てと同じ世代継承機能を成り立たせるのと同列に考えられるのでしょうか? 
私にはこれに答えるのはなかなか難しいのです。
あるときふと思いました。
世代継承機能として家族の役割が低下したとき、それらが強く表われやすいのはどこだろうか? 
子どもへの虐待、家族内の障害者や高齢者への虐待がそれではないかと
。 最も近い関係にあるからこそ、この家族機能の低下は家族内の弱い立場(看護や介護を受ける、いわば家族内ケアを受ける側)への否定的な形で表われるのではないか?
この家族内の対応力低下を補うため生まれたのが、若年者(とくに子ども)のヤングケアラーの発生ではないか。
そして苦しい状態におかれた子どものストレスの発散のしかたが子どもの間の「いじめ」の遠因になるかもしれない。
そういう子どものストレスが家族内の人や場で生まれるのが家庭内暴力ではないのか……との思いに至りました。
このように家族の世代継承機能の低下、困難は反対側の問題行動として表出しているのではないか。
そこを別角度からみたのが、子どもの不登校であり、いじめの発生や家庭内暴力であり、ヤングケアラーの問題ではないのか? 
これらの問題行動の原因のすべてを「家族の世代継承機能の低下」で説明できるとは思いませんが、重要な要素になると思いいたりました。
これをもって高齢者への介護が家族の世代継承機能を立証するとはいえそうにはありません。
しかし、その機能の欠如が、家族を発生源として表出したのではないのでしょうか?
それは犯罪発生が、社会生活の困難の発生と強い相関関係にあるのを思わせます。
基本的には取り締まる以前に、問題発生の遠因に目を向けるのが必要だと思います。
とはいえ、「介護は家族のもつ世代継承機能にどのような関係をもつのか」という問いへの答えは十分に引き出せていません。
どなたか答えてくれませんか? 犯罪はいかなる理由があるにしても、合理的・倫理的に説明できないのと同じかもしれません。
「介護は家族のもつ世代継承機能」も別口の人権とか人情で説明するしかないのでしょうか。

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