江戸川区のひきこもり調査に思う
江戸川区のひきこもり調査に思う
江戸川区はひきこもりに関する大規模な実態調査をし、その報告書が出されました。
今回調査対象ではひきこもり(らしい)人は7919人ですが、他にも確認した人がいるので江戸川区はひきこもりを9096人としています
(ただし厚生労働省基準とは微妙に違います)。
調査への回答は10万世帯からで、区内には35万世帯ありますから、可能性としてはひきこもり(らしい)人は2万人以上いても不思議ではないです。
江戸川区人口は約70万人で、1世帯当たり平均2人です。
多く見積もれば13世帯に1人のひきこもりがいる計算です
(私は15~20世帯に1人はいると推測します)。
人口比は最大2.8%になります。
また1人住まいのひきこもりもひきこもりのうち9.6%です。
この報告書では「何も必要ない、今のままでもよい」と答えた人が32%います。
①本人なりには(ときに家族を含めて)働くとか、社会参加をしなくてもいい人が多数いるということです。
その内訳は一様ではないですが、考えてみるにかつては多くの女性がそうであったともいえます(結婚は別です)。
②32%の半分が女性なので(回答者は男48.4%、女51.6%)、男性家事手伝い、主夫、および家族介護者がいると想定できます。
男性にも「このままでもいい」と考える人はそういうタイプが含まれます。
③さらに考えるに、就職型ではない、従来の仕事型ではない、収入を得られる方法が世の中にはある程度増えていると考えられます。
例えばユーチューバー、不動産収入、株式投資などです(その収入が安定的に継続しているわけではないにしても)
④これまでの常識の範囲で考えると、今ある資産等で人生を乗り切れると考える人もいます。
⑤障害者手帳・障害者年金の受給者、生活保護の受給者もいます。
この中のひきこもり該当者が今回の調査以外ですでに把握されている人です。
上のすべてのタイプがこの32%にいると推測できます。
その分布はわかりませんが、④だけで「32%」になるのではないのは確かでしょう。
上に示した1人住まいのひきこもり、男性家事手伝い、主夫、家族介護者、ユーチューバー、不動産収入、株式投資の人は私の知る範囲でもいます。
それに主婦のひきこもり(ひきこもり的であったが結婚した人)、「今ある資産等で人生を乗り切るつもりの人」もいます。
ひきこもりの状態の多様性が今回調査で少し現われ始めました。
ここを意識して調べれば多様性がより分かるでしょう。
ひきこもり対策が、大きな社会的な変動の一部になることが明瞭になるでしょう。
④だけで「32%」になるわけではないとなると、これまで気づかない、気にしないところで生活する(できる)人が社会に生まれているとも言えます。
全体人口比ではなお数%ですが、大きな変化が動かしがたくゆったりと続いていると考えられます。