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いじめから子供を守ろう!ネットワーク

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いじめから子供を守ろう!ネットワーク

所在地 〒141-0031 東京都品川区西五反田1-29-3
五反田シティハイツ302
TEL 03-5719-2170
FAX 03-3492-7137
mail kodomo@mamoro.org

5校に1校が「いじめなし」報告。文科省「いじめ認知件数」の疑問
10月17日に発表された、文科省実施の「全国小中学校児童の問題行動や不登校などに関する調査」。
この調査において、いじめ認知件数が歴代最多を記録したことを受け、文科省は「初期段階のものも積極的に認知している」と前向きに評価しているとのことですが、果たして額面通りに受け取って良いものなのでしょうか。
今回の無料メルマガ『いじめから子どもを守ろう!ネットワーク』では、当調査結果を多方面から読み解きながら、複数の不可解な点を指摘しています。
いじめの認知件数公表について
文部科学省から、昨年度の「いじめ認知件数」が発表されました(注1)。
文科省の調査によると、平成30年度(2018年4月~2019年3月)に、全国の小中高校などが認知したいじめの件数は54万3,933件、前年度(41万4,378件)から約13万件増加し、過去最多となりました。
学校別にみると、小学校42万5,844件(前年度31万7,121件)、中学校9万7,704件(同8万424件)、高等学校1万7,709件(同1万4,789件)、特別支援学校2,676件(同2,044件)と、特に小学校で、10万件以上増えていることが明らかになりました。
また、いじめによって生命等への危険や不登校になった疑いのある「重大事態」についても、小学校188件(前年度145件)、中学校288件(同224件)、高校122件(同102件)、特別支援学校4件(同3件)で、全体では前年度を128件上回る602件と、いじめ防止対策推進法の施行で集計が始まった平成25年度以来最多でした。
いじめ認知件数が増加したことについて、文科省は、「初期段階のものも積極的に認知し、個別の事案に対応している」と、前向きにとらえていると報道されています。
「いじめゼロが良い学校」という考え方は淘汰されて、「軽微ないじめも見逃さずに解決する学校が良い学校」と、先生方の意識も変わりつつあるように思えます。
ただ、今回の調査でも、地域や学校によって意識に差があることがうかがえます。
都道府県別、指定都市別の児童生徒1,000人当たりの認知件数をみると、指定都市では、新潟市が、児童生徒1,000人当たり250件、都道府県では、宮崎県が101.3件と報告しているのに対して、佐賀県はわずか9.7件しか認知していません。
さらに、いじめが1件もないと報告している学校は19.2%と、ほぼ5校に1校の割合です。
確かにいじめがゼロの学校もあるのかも知れませんが、5分の1の学校がそうであるというのは、あまりにも現実離れしているように思えます。
いじめの正確な認知を推進するために、文部科学省は、昨年3月26日付の「通知」(注2)で、各学校において、いじめの認知件数がゼロであった場合は、そのことを児童生徒や保護者向けに公表し、検証を仰いで、認知漏れがないか確認することを求めています。
全学校の5分の1で、本当に、子供や保護者に対して、いじめがゼロで間違いないかの確認をしているのか、かなり疑問です。
各学校が独自のいじめの定義を決めるなどしているために、いじめの基準がまちまちになってしまっており、このようなことが起きていると言えます。
また、調査結果では、いじめ認知件数やいじめの態様等のほか、いじめ加害生徒に対する措置や、いじめ被害生徒への対応等も明らかにされています。
私たちのところへの被害者側からの相談では、「いじめっ子がいる教室には怖くて入れない、でも、被害を受けたほうが保健室登校させられて、教室で授業を受けられないのはおかしい。
加害生徒を別のクラスに替えてほしい」「クラス替えが無理なら、いじめ防止対策推進法に基づいて、加害生徒を今の教室から出して、別室で勉強するようにしてほしい」という要望が実に多いのですが、加害生徒に対する措置に関しては、ほとんどの学校がなかなか認めてくれません。
文科省の調査結果を見る限り、加害生徒の「学級替え」、被害生徒の「学級替え」ともに、多くはありませんが行われていることが示されています。
「クラス替えはできない」という学校に対しては、「他の学校では行われていると文科省が発表している」事実を示して交渉することで、対応が変わることもあります。
また、被害者側が要望する、加害生徒を今の教室から出して教室以外の別室で学習させるというのは、いじめ防止対策推進法が「いじめに対する措置」の一つとして定めているものです(同法23条4項・注3)。
この「別室指導」について、今回の発表では、6万1,569件、いじめ全体の11.3%となっています。
私たちへの相談では、クラス替えできたという事例はありますが、加害者を別室で学習させたという話は聞いたことがありません。
ここまでの数の「別室指導」が行われたのでしたら、しっかりとしたいじめ指導が示されているとは思うのですが、この数値を見る限り、「加害者を別室に呼んで叱った」数と勘違いしているのではないかと思われます。
いじめのご相談を受け付けています。
ご心配なことがありましたら、ご遠慮なくご連絡ください。
いじめから子供を守ろう ネットワーク 松井 妙子
※ 注1:「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査結果について」
※ 注2:平成30年3月26日 いじめ防止対策の推進に関する調査結果に基づく勧告を踏まえた対応について(通知)
※ 注3
いじめ防止対策推進法(いじめに対する措置)
第23条 (1項~3項 省略)
4項 学校は、前項の場合(注:いじめがあったことが確認された場合)において必要があると認めるときは、いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。
image by: Shutterstock.com
〔2019.11.06 まぐまぐニュース『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』〕

いじめに対応できない教師。我が子を守るために親が読むべき一冊
2019.09.30 5 by 『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』
子供のいじめ被害を学校に相談しても、担任教師らが誤った対応を取り続け結果的に状況が悪化してしまう、というケースが後を絶たないようです。
今回の無料メルマガ『いじめから子どもを守ろう!ネットワーク』では、保護者ができる効果的な学校への要望の出し方を記すとともに、教師向けに書かれたいじめ指導の本の内容から保護者が学べること等を紹介しています。
いじめ解決、教師はどうしたら良いのか
夏休みが終わって1カ月経ちましたが、まだ、学校に行けていないという相談もあります。
ある保護者は1学期からいじめを学校に相談していましたが、いじめは止まらず、お子さんは7月頃から学校に行けなくなりました。
夏休みに入ってちょっと落ち着き、「今度は学校に行けるかも」と思っていたのですが、学校にいじめ加害者がいると思うだけで、お子さんは腹痛を起こし学校に行くことができません。
いじめが止まって、安心できる学校でなければ、被害を受けている子供は学校には行けません。
学校でのいじめを止められるのは先生だけです。
ですから、いじめを相談しても、いじめを止めてくれない先生には、保護者の方は、はっきりと「いじめを止めてほしい」と伝えることが大事です。
「そんなことまで言わないと先生はいじめを止めてくれないのですか?」と、多くの保護者はあきれます。
しかし、残念なことに、「いじめられています。何とかしてください」と保護者に言われても、「しばらく様子を見てみましょう」などと言い、結局は何もしない先生もいます。
いじめが止まらないので、再度、保護者が先生にお話しすると、「見ていましたが、いじめはありませんでした」との説明。
「先生の目の前でいじめをする、いじめっ子などいるはずありません」と保護者は怒り心頭です。
さらには、いじめを増幅、悪化させるような対応をする先生もいます。例をあげると、
いじめをなくすには仲良くさせることが大事だと、加害者と被害者を隣の席にする
教室で「A君の受けているいじめについて話し合おう」と言って子供たちに話し合いをさせる
加害者たちが言う被害者から受けた迷惑を信じて、双方が悪かったとして、被害者にも謝罪させ、加害者側のいじめを正当化する
「相手をゆるすことも学ばなければいけない」と言って被害者側を黙らせる
学校が何もしてくれないので、「教育委員会に相談します」と言ったら、「教育委員会は私の友達ばかりだから、言っても無駄ですよ」と教頭に脅された。
このような非常識な対応をされたという相談がきています。
実は、非常識な対応をする教師の中には、保護者からいじめを相談されても、何をすればいじめが解決するのか、わからない先生が少なくないのです。
そこで、私たちは、「いじめ被害経緯書」だけではなく、学校への「要望書」という文書を作って、いじめを止めるために、学校に何をしていただきたいのかを明確にお伝えすることをお勧めしています。
詳しくはこちらをご覧ください。
教師のいじめ解決の具体的な方法について、『いじめ 困った時の指導法40』(明治図書出版刊)という教師向けの書籍をお勧めしたいと思います。
「いじめから子供を守ろうネットワーク」のセミナー等でもお話ししていただいた千葉孝司先生(公立中学校教諭)のご著書です。
「まえがき」で、千葉先生は、読者である先生方に問いかけます。
あなたはいじめ対応に自信がありますか。いじめ対応は難しいものです。
隠そうとするものを見つけ出し、被害者の心に寄り添い安心させ、加害者に行動を変容させ、傍観者には、大人に知らせることができるようにさせ、保護者には、被害者側・加害者側双方に納得してもらう必要があります。
どれか一つでも大変な難問です。それを同時に行わなければなりません。命にかかわる場合もあります。…(後略)
このように、いじめ対応の難しさを述べたうえで、同書は、
いじめの事実を加害者が認めない場合
いじめが解消しても体調不良や不登校が続く場合
(被害者が)死にたいと口にする場合
加害者の保護者が指導内容に抗議してきた場合
等、教師が、いじめ加害者、被害者、傍観者、保護者等との対応で困った場面を、40例想定して、なぜそうなのか、どうすれば相手の心に寄り添えるのか、相手を安心させられるのか、相手に納得してもらえるのか、教師としてどう支援していくのか等を解説し、さらに、具体的に事例ごとに、教師と、加害者、被害者、保護者等との会話例を、良い例、悪い例で示しています。
また、子供がいじめを訴えた場合の教師の不適切な対応も取り上げています。
(教師に)話をきちんと聞いてもらえない場合
被害者の立場を考えずに、教師が加害者にすぐ伝えてしまう場合
(被害者が教師から)「自分にも悪いところがあるのでは」と言われる場合
等の事例を挙げて、教師の「いじめに対しての感度の低さ」、「人権意識の低さ」、「(加害者の報復等への)想像力の不足」、「いじめについての根本的な認識の不足」等を指摘しています。
教師は、生徒の立場で考える「被害者ファースト」の姿勢で、「何があってもいじめは許さない」という意志を示すこと等が述べられています。
「まえがき」の最後で、著者は、
本書で示すアイデアを、教師は子どもにとって最後の砦なんだという気概をもって実践していただけることを願っています。
と結んでいます。教師に向けた書籍ですが、保護者にとっても、子供たちのいじめの実態がよくわかり、さらには、「先生、このようにしていただきたいのです」と、学校への要望としてお伝えできるなど、とても役立つ書籍ではないかと思います。
いじめの早期解決に向けて、ご相談を受けています。お子さんのことでご心配なことがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。
いじめから子供を守ろう ネットワーク
松井 妙子 image by: Shutterstock.com
〔2019.09.30 5 by まぐまぐニュース 『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』〕

どうすればいじめの根源「自分以下を求める心」を消し去れるのか
子供から「いじめを止める勇気」を奪う、教師たちの呆れた言動
日常風景に溶け込む「仲良しいじめ」は担任や家族も気づかない
人間は弱い生き物で、どうしても自分より「下」の人間を探し出そうとするようです。
今回の無料メルマガ『いじめから子どもを守ろう!ネットワーク』では、いじめの土壌になっている「自分以下を求める心」の克服に焦点をあて、そのために必要な「自信」を身に付ける3つのポイントについて、具体的な事例を交えながら解説しています。
「自分以下を求める心」の克服―子供を「いじめっ子」や「傍観者」にしないために―
かつて高校に勤務しながら、教育学者の髙橋史朗先生の下で学ばせていただいたことがありました。
当事、髙橋先生は明星大学の教授でいらっしゃいました(現在は麗澤大学教授)。
私は、戦後の歴史教育の今日に至るまでの影響と、その問題点を明らかにし、あるべき歴史教育の姿をについて研究していました。
不肖の学徒でしたが。併せて、髙橋先生には「いじめ」や「不登校」に関することもご指導いただきました。
その中で「自分以下を求める心」という言葉を聞きました。
それは、「いじめ」をする心とはどのような心であるか、との問いかけに対する答えでした。
他者との比較や競争に心が支配されておらず、自己の重要感や価値を自覚していれば他の人を「いじめる」気持ちは起きないと思います。
私も、自分自身を振り返ってみると「自分以下を求める」ことはありました。
しかし、「求め」ても自分の下には誰もいないということがしばしばでしたが(笑)。
「自分以下を求める心」は、自己信頼(自信)がない、つまり、自分の素晴らしさや良さを把握していないことから芽生えてくるのだと思います。
そうしますと、「自信をつける」、「自分の良さを把握する」、そのためにはどうしたらよいか、ということになります。これが難しいところです。
第1には、親を中心とする大人の支え、言いかえますと、「受容」と時に「愛情に裏打ちされた厳しさ」(これも高橋先生から教わりました)が必要です。
中には、保護者の方が子供を受け入れることができない家庭もあります。
その場合は、教師をはじめ周りの大人の関わり方が大切です。
「受容」の中には、子供に関心を持ち長所を見つけ褒めることが含まれます。
褒め言葉は長く子供の心に残り支えになるものです。
第2には、子供自身の問題ですが、努力の姿勢を身につけることです。
勉強やスポーツ・文化的活動で努力をし、少しでも成果を挙げられるようになることです。
特に勉強は、努力の成果が表れやすいものです。
第3には、子供の心を感動で揺さぶることだと思います。
筑波大学名誉教授の村上和雄先生風に言えば「遺伝子をONにする」ということです。
そのツールとしては、日本の誇れる話、先人や現代に生きる人の立派な志や行動・生きざまを紹介し、感動を与えることです。
今の若者はそういう話を求めていると思います。
人間のすばらしさに感動し、「自分もあのようになりたい」と思うのではないでしょうか。
現在、小中学校で熱心に道徳教育が行われていますが、戦後教育では特に戦前、戦中のことはほとんど学校で語られることはないと思います。
「自虐史観教育」の弊害の現れです。
勇ましい武勲の話や、戦前戦中に関わらず、その時代その時代に「世のため人のため」に尽力した数多くの偉人たちの話は、感動を呼びます。
そのような事実を知ることが、自分の生き方を考える上での良き教材になると思います。
いじめが被害者の心を破壊する
また、「アメリカにおいて1974年から2000年の間に発生した校内銃乱射事件37件(犯人41人)に対する連邦教育省の調査では、41人中31人(75%)がいじめ、脅迫、暴行などを受けたことがあると答えた」(矢部武『間違いだらけの「いじめ」対策』)としています。
このように、「いじめ」は被害者の心を破壊し、その怒りが外に向けられれば上記のような加害を行い、内に向けられれば自ら命を絶つことにもつながりかねません。
被害者も加害者も傍観者も、誰をも幸せにしない「いじめ」から離れることが大切です。
花々の美しさは様々であり、それぞれの個性を生かして咲いているかのようです。
その違いや多様性は豊かさの現れです。人も各自の個性の花を咲かせている姿こそが豊かさの現れです。
お互いに「自分以下を求める心」の克服を心掛けていきましょう。
元公立高校 校長 清川 洋
〔2019.08.03 30 by まぐまぐニュース 『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』 〕

いじめ撲滅に本気で乗り出した文科省と、教育現場の呆れる本音
今までも幾度となく学校や文部科学省、教育委員会の「いじめに対する対応」について疑問を投げかけてきた無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』。
今回は文科省で開催された「いじめ防止対策協議会」の内容を紹介するとともに、文科省の姿勢が良い方向へ変わりつつある現状を記しています。
いじめ認知件数と文科省
当団体にも取材がありましたし、マスコミにも大きくとりあげられましたので、ご存知の方も多いことと思いますが、10月25日に文部科学省から、平成29年度(2017年4月~2018年3月)のいじめ認知件数が公表されました。
全国の小中高校等で認知された「いじめ」は41万4,378件で、前年度(32万3,143件)から9万1,235件増加し、過去最多でした。
これは、「平成29年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によるもので、小学校が31万7,121件(7万9,865件増)、中学校が8万424件(9,115件増)、高校が1万4,789件(1,915件増)、特別支援学校が340件増の2,044件との結果が出ています。
今回の増加には、小学校、中でも低学年での認知が進んだことが大きな一因と見られます。
この発表に関連して、10月29日に文部科学省で開催された、「いじめ防止対策協議会」の傍聴に行ってまいりました。
今回の議題は「いじめの重大事態に係る調査報告書の分析について」というものでした。
会議の冒頭、文部科学省の担当官から、前述の調査結果について説明がありました。
いじめ認知件数が増加したことについては、「いじめの認知はいじめ解決のスタートラインに立つものであり、良い傾向である」と説明がなされ、加えて、認知が進んだ理由としては、「文科省がいじめを積極的に認知する学校を肯定的に評価することを通知した」ことを挙げていました。
この説明を聞いても、いじめに対する文科省としての姿勢が大きく変化していることがうかがえます。
もはや、「いじめ認知件数が少ない教育委員会はよくやっている」という評価は過去のものになりつつあります。
併せて、「いじめを隠蔽するような学校や教育委員会は論外なのだ」という姿勢が示されたと言えます。
ただ、この変革はまだまだ始まったばかりでもあります。
現に今回の調査結果でも、いじめ認知件数は地域によって大きな差がみられました。
児童生徒1,000人あたりの認知件数は、宮崎県が108.2人であるのに、最少の佐賀県は8.4人となっています。
ちなみにも全国平均では30.9件となっており、前年度23.8件よりはやや増えたという程度です。
全国の児童生徒数に宮崎県の認知件数の割合を掛け算すれば、約150万人の子供がいじめの被害にあったことになります。
今回から政令指定都市ごとのいじめ認知件数も公表され、新潟市では1,000人あたり258.3人との数字が出ています。
これを全国に当てはめると、350万人を超える子がいじめられたことになります。
「4分の1以上の子供がいじめ被害にあっている驚くべき数字だ」と感じる方も多いことだと思いますが、「実態を反映しないいじめ認知件数では意味がない」と何年も訴え続けてきた私たちとしては、ようやくここまで来たかという気持ちです。
新潟市の教育委員会は、よくここまで踏み込んだものだと称賛に値する姿勢だと思います。
一方、全国の学校のうち、4分の1の学校が「いじめゼロ」と回答している現実が示すようにこの流れに逆らうような姿勢をまだ保ち続けている学校も少なくありません。
いじめ防止対策協議会を傍聴しての感じですが、委員の皆様も私たちと同意見の方が増えているように感じました。
少し前にはこの「いじめ防止対策協議会」においても、「そんなことでは現場の教師が委縮する」、「教師は俺たちを信用できないのかと言っている」などの教師側の立場としての意見もかなり出ていたのですが、教師側、学校側を擁護するような意見はほとんど影を潜め被害者や保護者の立場に立った意見が数多く聞かれました。
いじめ認知件数についても、「都道府県だけではなく、教育委員会ごとの認知件数の資料はあるのか。
認知件数が少ない教育委員会には視察に行き、いじめを認知する場合の定義など徹底してはどうか」という意見もありましたし、「いじめゼロ」と回答している学校ついて「まだ、4分の1の学校がいじめを認知していないではないか」と批判的意見もありました。
いじめによる自殺者数についても
いじめが原因の自殺が(わずか)10人。この数字がひとり歩きしてほしくない重大事態の発生件数が474件と過去最多であるが、いじめ自殺が10件との関係は?自殺した児童生徒数が、文科省の数値(250人)と警察庁の数値(341人)とで、91人も異なっている児童生徒の自殺250人のうち、140人が原因不明とはどういうことなのか
と、調査の不備が指摘されるなど、私たち保護者も納得できる意見が聞かれました。文科省の担当官からは、
自殺者数は警察の数値が正確だと思う。
家庭から学校には(自殺であると)必ずしも伝わらない病気で亡くなったと説明を受けることもある。
通信制の高校生の場合、保護者から学校を辞めるとの連絡があれば、それに対応するだけなので、(生徒が亡くなった、自殺だった等)把握できない自殺直後はいじめが原因だとは分からない遺書が残っていないので自殺原因を特定できない等の回答がなされ、
学校からの報告のみが調査の対象になっていることが不備の理由であり、
文科省としても問題として認識しているとのニュアンスを含んでおりましたが、
委員の中からも、「子供の死因の1位は自殺なんですよ」と子供の自殺についてもう一歩踏み込んだ調査を要求する声が上がっていました。
この日の議題である第三者委員会のいじめ調査報告書についても様々に意見が交わされました。その中でも、
第三者委員会の調査報告書が、後に裁判になったときに使われるのではないか後に裁判に使われることを念頭に調査報告書を作成すべきではないかとの意見が印象的でした。
教育現場にいる方の本音としては、教育委員会が設置した第三者委員会がいじめ等を認めた結果、被害者側から市町村等を相手に裁判を起こされるのは不当だということなのでしょう。
しかし、いじめがあって重大事態にまでなってしまった以上、責任を負うべきことは当然です。
市町村等が裁判で不利にならないように調査報告書を作成するとしたら、第三者委員会によるいじめの隠蔽にほかなりません。
なお、この意見に対しては、他の委員から、「裁判に調査報告書が使われることを意識することは間違い」と一蹴されていました。
今回、いじめ防止対策協議会の傍聴を中心に述べてまいりましたように、文科省、そして教育委員会の姿勢は変わりつつあります。
教育委員会から、学校に対して「いじめがあったら、ごまかさないでちゃんと報告しなさい」という指示が出るようになってきています。
それに比例して学校でのいじめ解決が早くなっています。
ただ、まだまだ浸透しきれていない学校も多く、いじめに悩んでいる子供たちや保護者がいます。
お子さんのことでご心配なことがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。
いじめから子供を守ろう ネットワーク
井澤一明 松井妙子
image by: Shutterstock.com
〔2018/11/7 まぐまぐニュース! MAG2 NEWS〕

世の教師よ自覚はあるか。いじめ解決は教員の気概にかかっている
教育の現場で頻発する「いじめ」を見つめ続けてきた無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』。
学校は30~40人の生徒と担任教師で構成された一種の閉鎖的コミュニティーで、外からはうかがい知れない世界です。
今回の記事では、本人の頑張りや周囲の大人によるサポートがあったとしても、最終的にいじめを解決するにはカギを握る教師を動かすしかないと力説しています。
いじめと戦う子を応援しよう
先日、小学4年生の男の子から電話をもらって30分ほど話しました。
「学校にいやな奴がいて、悪口をいいふらされている。しかも、それを信じたクラスの子がからかってくる。月曜の始業式に出たくない」という内容でした。
内容を以下にまとめてみます。
加害者とその仲間からは、1年の時にも2年の時にもいじめを受けていたが、3年のときにはクラスを替えてもらったのでいじめられなかった。
4年になったら全員同じクラスになってしまった。
その子と一緒になるのがいやなので、中学は受験を考えている仲良しの子はいるが、その子たちにも守ってはもらえない。
いじめが続くのは耐えられないので、転校も考えている。
両親も転校については了解した。
今の担任の先生はいじめについて知っているが、先生にはいじめを止める力がない。
このように、しっかりと自分の将来をみつめながら、冷静にいじめられている状況を分析していることに驚きました。
私から、担任の先生に話をしてあげられること
学校と交渉するには、大人、保護者の力が必要なこと、小学生で不登校を選ぶと、自力で勉強することはかなり大変な道であること。
あと半年近くあるので、不登校を選ぶよりは転校の方がいいこと。
本人自身が、転校も視野にいれているので、いじめの相談というより、自分の考えでいいのかどうかという確認のために電話してきたようでした。
最後に、両親と話して結論を出すことと、もう一度、電話をもらうことを約束して電話を切りました。
しっかりしていて小学4年生というのが信じられないほどでした。
こんなに、しっかりした子であっても、いじめに対して一人で立ち向かうのはほとんど不可能と言っても過言ではありません。
教員が、いじめに介入してくれなければ、いじめが止むことはありません。
私たちは「いじめを解決した」と言うことはありますが、実質的には、現場の先生たちが「解決している」のです。
私たちは保護者の方にアドバイスしたり、一緒に学校に付き添ったりしながら、学校に対して「いじめ解決」を促すことによって解決に導いているのに過ぎないのです。
教師の力が必要なのです。
なんと言っても、いじめが解決されるかどうかは、教師の気概や指導力に左右されます。
保護者から相談されなければ、何もしないで済まそうとする教師までいますので、この先生にやる気になってもらうことが必要です。
そのため「交渉力」が重要となるのです。
一人の子を守るためには、保護者、教師、周りの大人が連携することが必要です。
大人がいじめを発見する一番の方法は、子供たち自身が、親や教師にSOSを出すことです。
日頃から、「SOSを出しても怒らないよ。大丈夫なんだよ」と伝えてあげて欲しいと思います。
保護者の皆様には、子供たちの変化を見逃さないように見守ってあげて欲しいと思います。
新しい学期が始まりました。子供たちも様々に変化する季節ともいえます。
気になることがありましたら、ご遠慮無くご相談いただければ幸いです。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
image by: Shutterstock.com
〔2018/9/15 まぐまぐニュース!MAG2 NEWS〕

寺で地獄絵図を見て恐れる事がいじめを防止してた時代があった
いじめられっ子のび太が主人公の『ドラえもん』が始まったのは1969年、つまり半世紀前からいじめは存在していたわけですが、現代のように陰湿ではなかったとよく言われます。
今回の無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では、暴走を抑え切れない最近のいじめに警鐘を鳴らし、どうすれば歯止めを効かせられるのかについて論じています。
伝えたい「天知る 地知る 我知る」
日本の夏と言えば、お盆の季節でもありますが、50年近くも前、私の田舎では8月のお盆の頃に「施餓鬼(せがき)」というものがありました。
施餓鬼とは、地獄の餓鬼道におちて苦しむ衆生に食事を施して供養する仏教の行事(法会)のことです。
当時、そんなことを知るはずもなく、強制的に子どもたちはお寺に集められ、お墓の掃除をさせられ、意味不明のお経を正座で長時間も聞かされるという苦痛以外のなにものでもない行事でした。
特に「怖かった」と印象に残っているのが、地獄絵を見せられての話でした。
体から吹き出る血、奇妙に膨れたお腹、真っ赤な炎の中を鬼に追いかけ回される半裸の亡者や餓鬼の姿。
小学生にとって「死」というものはめちゃくちゃ怖いものでした。
その「死」に直結したお寺で「地獄絵図」を見せられ脅されるという、子供からみると、とんでもない行事があったのです。
小学校も中学校も廃校になった現在の田舎では、そんな行事も、もう思い出でしかありませんが、当時は、悪いことをしたら「鬼が来る」、「地獄に落ちる」というのは、「当たり前」のこととして教えられていました。
現代の子どもたちは「あの世なんかない」と思っている子が多いようですが、私の田舎では「あの世」と「この世」はある意味一体化していました。
うちの父もこのような体験をしています。
ある夜、親戚の家を訪ねた帰り道のこと、いつもの道を歩いていたはずなのに、ふと気がつくと、何キロも離れたところにいることに気付きました。
父は大慌てで夜道を駆けて家にたどり着くと「狐にだまされた~」と大声で家族に訴えていたものです。
本人は驚いても村では大きな話題にはなりませんでした。
「人魂が飛んでいた」とか「死んだ婆さんが訪ねてきた」、「戦死した叔父が家に入ってきた」とかの話は日常茶飯事なので、村では「へーっ、そうだったか」くらいですまされてしまう程度の話なのです。
そんな伝説や昔話の世界に住んでいたのですが、かといって小学校時代が、「みんな仲良し」というわけでもなく、現代とはかなり違いますが時にはいじめもありましたし、ケンカもありました。
それでも、心の何処かには「悪いことをしたら地獄に堕ちる」という感性を持っていたように思います。
現代の「いじめ問題」が重い理由の一つには「節度がない」という点が挙げられると思います。
不登校になるまで攻め続ける精神科に通うまで追い詰める葬式ごっこ自殺の練習させる。
目を覆いたくなるような事件が続いています。
それは限度を「知らない」子どもたちというより、「限度が分からない」子どもたちが増えているからだと思うのです。
その背景には日本に風土に根づいていた「あの世と結びついた価値観」というものが失われていったことも影響しているのではないでしょうか。
仏教だけでなくキリスト教にも天国、地獄や煉獄という考え方がありますし、NHKの「西郷どん」の西郷隆盛が大切にした「敬天愛人」(天を敬い人を愛する)という言葉もありますが、儒教にも「天が見ている」という考え方があります。
「天知る 地知る 我知る 人知る」との言葉もありますが、目に見えない存在が、「必ず見ている」という感覚は、悪いことをしてはいけないという心のブレーキとして働いていたように思います。
結局、道徳やモラルと呼ばれる考え方の背景には、仏教やキリスト教、あるいは儒教と言った考え方が根底にあり、そこから「何が善で、何が悪なのか」という規範が生まれ、何千年にも渡って語り継がれてきたと言えます。
若いお母さんの間で『絵本 地獄』(風濤社)が人気だと聞いています。
この絵本を見せると子どもたちが「いい子」になるというのです。
対処療法的にみれば「いじめ解決」は学校に委ねるしかないのが現実です。
学校に見放されたならば、「転校する」か、「学校に行かない」という選択肢をとるしかなくなってしまいます。
しかし、もっと大きな視点で考えた場合には、子どもたちの「心」に訴えていくことがより重要なのだと思います。
そのためには「家庭」や「社会」において「善なること」、「悪なること」を教えると同時になぜ、その考え方が大切なことなのかを伝え続けることが必要だと思います。
そのためには、古い考え方だという方もいらっしゃるとは思いますが「天国や地獄がある」という考え方は、子どもたちの暴走を抑止する考え方としては効果があるのではないでしょうか。
そして、大人である私たち、親や保護者、教師が、子どもたちのお手本となる生き方を示すことが何よりも重要なのだと思います。
いじめの相談も夏休みに入って少なくなってきました。
しかしながら、いじめられない状況になっても、いじめにおびえている子もいます。
新学期のことが頭によぎって苦しんでいる子もいます。
何か不安なことがありましたら、ご遠慮無く、ご相談ください。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
image by: Shutterstock.com
〔2018/8/14 まぐまぐニュース!MAG2 NEWS〕

不登校でも「いじめ」を認めない学校。聞こえてくる親たちの悲鳴…
3月に文科省が発表した「いじめによる長期の不登校に関する指針」。
無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では、被害者の立場に立つという姿勢を鮮明にした点を評価できるとしながらも、第三者委員会の人選等についてはまだ改善の余地があると指摘しています。
いじめによる不登校
先月、文部科学省から、いじめによる長期の不登校に関する指針が発表されました。
いじめによる不登校の中でも、特に「重大事態」となった場合の調査等について、そのあり方を学校等に示したものです。
2013年9月に施行された「いじめ防止対策推進法(いじめ防止法)」は、「重大事態」を、
1.心身や財産に深刻な被害が生じた疑いがある場合
2.相当期間欠席を余儀なくされている疑いがある場合
としています。その上で、学校や教育委員会に調査組織の設置を義務付けています。
この2.の「相当期間」は、文科省の「不登校」の定義を踏まえ、年間30日を目安にしています。
ただし、児童生徒が一定期間、連続して欠席している場合は、この目安にかかわらず迅速に調査に着手することを、文科省の「いじめ防止基本方針」は規定しています。
しかし、自治体によって対応にばらつきがあることが課題とされています。
今回の「指針」には、以下のようなことが示されています。
•学校は、重大事態に至る前(判断の目安となる30日になる前)から、教育委員会などに報告・相談すること。
•同じく重大事態と判断する前から、関係する児童生徒から聴き取りを行うこと。
•重大事態が発生した場合は7日以内の報告が望ましい。
•いじめられた児童生徒を徹底して守り通すということを教職員が言葉と態度で示すこと。
•いじめた児童生徒に対しては、その行動の背景に目を向けるなど教育的配慮の下で指導を行うこと。
•いじめを行った児童生徒への指導・支援方策も記載すること。
•詳細な事実認定が必要な場合は、弁護士や警察OBなど外部の専門家への依頼も検討すること。
•調査結果はいじめられた児童生徒や保護者に説明すること。
•調査結果を調査報告書にする。
•調査報告書などの保存期間は5年とすることが望ましい。
この指針では、学校のとるべき対処として、重大事態に至る前から、報告、相談、聴き取り調査など行い、迅速な報告を求めています。
また、いじめられた子供を守る姿勢を明文化し、調査に専門家を入れることを促し、調査結果の説明、調査報告書の作成、保存など、いじめ被害者側に立った内容となっています。
従って、「被害者の立場に立つという姿勢」を鮮明にした点は高く評価できると思います。
ただ、私たちへの相談では、「不登校になっているのに学校がいじめを認めない。第三者委員会にいじめを調査してほしい」という保護者の方も少なくありません。
重大事態と判断されたならば、ただちに「第三者委員会」を設置することを盛り込む必要があると思われます。
さらに「第三者委員会」の公平性・中立性を保つために、委員の人選については、学校側の言い分が通るようなお手盛りの委員とならないように、被害者側が推薦する人を委員とすることも検討すること、被害者側の了解を得ること等の、被害者側の意向を尊重することを指針に入れることも必要です。

ともあれ、皆様とともにこの指針が徹底されることを注意深く見守ってまいりたいと思います。
私たちは、お子様のいじめについて相談を承っています。気になることがございましたら、ご遠慮無くご相談ください。
いじめから子供を守ろう ネットワーク 松井妙子
〔MAG2 NEWS 2016年4月13日〕

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