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カテゴリ:二本松市(福島県)

提供: 不登校ウィキ・WikiFutoko | 不登校情報センター
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二本松市

二本松市教育支援センター
2017.08.01 福島県二本松市

君はひとりじゃないよ ■二本松市教育支援センターを9月1日に開所しますお気軽にご相談ください
◎問い合わせ・相談先…教育支援センター TEL 24-8400 Fax24-8231
※文部科学省の各種調査で定義している『不登校児童生徒』とは、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくてもできない状況にあるために、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いた児童・生徒のことをいいます。
ある日突然、自分の子どもが学校に行きたくないと言ったら、周囲の人はどうすれば良いのでしょうか。
文部科学省では、平成18年度に不登校だった中学3年生の生徒に対し、5年後の状況等の追跡調査を行い、その調査結果を平成26年に公表しました(平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書) 。
この調査結果によると、不登校の理由で一番多かったのが、「無気力で何となく学校へ行かなかった」 で調査対象者の43・6%を占め、「いじめや友人との人間関係」 が40・6%、「勉強についていけなかった」 が26・9%などでした。
同省がまとめた平成27年度の全国の不登校児童生徒数は、小学生が27,583人、中学生が98,408人で、この人数は、全児童生徒数の1 ・ 26%を占め、平成3年度に比べると約2倍となります。
市内にも、何らかの理由で学校へ通えなくなっている児童生徒がいます。
一般的に不登校となってしまう原因として、以前は「友人関係のトラブル」によるものが多かったですが、最近では「無気力」「学業不振」「家庭での問題」など、本人・学校・家庭に関わるさまざまな要因が複雑に絡み合っている場合が多く、原因が多様化してきていると言われています。
また社会的な背景として、核家族化、少子化、地域における人間関係の希薄化などにより家庭が孤立し、このような家庭においては、過保護・過干渉・しつけへの自信喪失などにより、子どもが不登校に陥りやすいという調査結果も出ています。
『うちの子に限って…』と思いがちですが、今や不登校は、どの児童生徒にも起こりうる問題だと言っても過言ではありません。
『学校へ通えなくなったとしても、いろいろな体験を通して仲間と関わる喜びを感じてほしい…』
『保護者の皆さんの、子どもの就学に関する不安や悩みを少しでも解消したい…』
そんな願いから、市では教育支援センターを開所します。

■教育支援センターってどんなところ?
まずは電話等でご相談ください
学校教育上の悩みや障がいのある子どもの就学についての相談、不登校児童・生徒への支援などを目的とした二本松市教育支援センターを開所します。
場所 二本松市若宮2-69

主な業務 ・不登校児童・生徒への学校復帰に向けての適応指導。
・児童・生徒および園児等の就学に関する相談。
・教職員等の特別支援教育に関する研修および相談。
対応する職員
・教職経験のある教育指導員…3人
・スクールソーシャルワーカー(SSW)…1人
開所日 9月1日(金)

●業務1 適応指導教室『ふれあいスクール』
学校生活への不適応により登校できずに悩んでいるお子さんに対し、学校生活への復帰に向けて、一人一人の児童・生徒に寄り添い、学習指導をはじめ体験活動等を実施します。
対象者 二本松市立の小学校および中学校に在籍している児童・生徒で、学校生活や集団生活になじめず登校できない状態にありながらも、本人や保護者が学校への復帰を望んでいる方。
指導内容 一人一人の児童生徒に合った内容の学習をします。また毎週木曜日には、体験活動を予定しています。
社会体験や自然体験、制作体験など幅広く体験活動を行い、集団への適応力を高めたり自分の良さに気づいたりすることで、学校への復帰を促していきます。
開設時間 月曜日から金曜日までの午前中(9時?正午)を原則とします。
※児童・生徒の希望があれば、午後も自主学習を行います(~午後1時45分まで)。
※土日・祝日は休みで、夏休みや冬休み、春休みもあります。
入級手続きなど
・ふれあいスクールに通級するには、学校(原籍校)を通しての申し込みが必要。
・ふれあいスクールに通級していても、在籍は原籍校にあり。
・原籍校へ復帰したい場合は、いつでも戻ることが可能。
・ふれあいスクールに通級すれば、原籍校での「出席」と同じくカウント。
●業務2 教育相談
学校に行けない子どもや、障がいのある子どもの就学についてなどの相談に応じます。
相談受付時間 開所日の午後2時15分~4時45分
※来所での相談の場合はあらかじめ予約が必要で、電話のみでの相談も受け付けます。
※家庭での養育相談などは、家庭児童相談室22-0783で受け付けています。
●業務3 教職員の研修
公立小・中学校、幼稚園・保育所等の職員を対象に、特別支援教育についての研修会を、外部講師を招いて開催します。
〔広報にほんまつ 平成29年8月号〕

interview▼ 教育指導員 菅野藤雄(すげのふじお)さん 昭和57年4月に船引町立石森小学校で教員生活をスタートさせ、今年3月に二本松北小学校の校長を最後に退職する。
『笑顔で、仲良く、元気に』そして『自立』を教育の中心に据えて実践してきた。
不登校とは、『学校に行きたくても行けない状態』 のことを言います。
大人の目から見ると、「病気やケガ、経済的理由もないのにどうして学校に行かないの?怠けじゃないの?」と思いがちですが、そうではありません。
不登校のお子さんは、学校に行けないことへ大きな悩みを持っています。
学校行事に参加できたり休日に外出したりできるのに、いざ学校へ行くとなると足がすくんでしまう場合などもあります。
このような場合、同年齢集団への不安(いじめによるものではなく)が不登校の原因となっているようです。
家族や、普段あまり接していない人たちと関わりを持つことは大丈夫なのですが、同級生や先生などには不安を感じているのです。
このようなお子さんに、『学校へ行け!』と強制しても登校できないことは、お分かりいただけるかと思います。
では、どうしたら学校に行けるかということになりますが、さまざまなケースがありますので一概には言えません。
しかし、不登校で悩んでいるお子さんの多くは、自分に自信が持てずにいるようです。自身を持たせるには、その子の「良さ」を認めてあげるとともに、その「良さ」に気付かせてあげることが大切です。
「ふれあいスクール」では、一人一人の実態に応じた学習指導やさまざまな体験活動を通して、自分の「良さ」に気付かせることで自信を持たせ、学校への復帰を支援していきたいと考えています。
教育支援センターでは、さまざまな体験活動を通して自分の「良さ」に気付かせ、一歩目を踏み出すきっかけになるよう支援していきます
〔広報にほんまつ 平成29年8月号〕

interview▼SSW(スクールソーシャルワーカー) 池田奈央(いけだなお)さん
東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻修士課程を修了。
知的障がい者の授産施設で生活支援員として活動する。
社会福祉士や音楽療法士の資格を持ち、現在はSSWとして、県北管内の教育支援センターなどで活動している。
スクールソーシャルワーカー(以下「SSW」)として二本松市で勤務となり、地域における関係機関との取り組みの大切さを感じながら、学校を基盤とした『協働』を心掛けて現在活動しています。
『きょうどう』という字がさまざまある中で、この『協働』は、現場のニーズや地域の特性を生かし、異なる組織や専門家が、多様化・個別化していく問題に協力し合って取り組むことを意味します。
SSWは問題の解決に向けて、学校に在籍する子どもさんやそのご家族はもちろん、学校の先生や病院などの関係機関、地域の方々と協働します。
問題を抱える子どもを取り巻く環境とそれを支える社会を概観すると、互いに歯車がかみ合っていないことが多いように感じます。
そうした観点から、歯車がかみ合うように支援をしていくことで、教育と地域との協働が生まれ、より良い支援につながると考えています。
私がSSWとして活動していると、スクールカウンセラー(以下「SC」)との違いについてよく聞かれます。
SCは子ども個人の心のケアに重点を置く専門家です。
それに対しSSWは、学校や家庭、児童相談所、病院などといった、子どもを取り巻く複数の関係機関とのつなぎ役となり、情報提供や調整を行います。
SSWとして活動していく上で、子どもを取り巻く環境(関係機関)の役割を明確化することを大切にしながら、日々活動しています。
子どもの最善の利益を軸に、子どもたちやそのご家庭が孤立しない環境づくりを、常に心掛けていきたいと思います。

教育支援センターは君の力を信じて寄り添い続けます
学校に行けなくなった子どもたちは、再び学校で友達と遊び、勉強したいと願っているはずです。
そんなとき私たち周りの大人にとって大事なことは、そうした子どもといろいろな話をしながら、子どもの思いを理解し、子どもの力を信じて、優しく寄り添い続けることなのかもしれません。
文部科学省がまとめる「不登校児童生徒への支援に関する報告書」によると、学校に通わせることが絶対ではないという保護者の意識があることを指摘しています。
学校は、子どもたちにとってはまさに一つの実社会であり、人間関係を学ぶ場所でもあります。
子どもは、家庭とは違う場所に自分の居場所を持つことで、人間関係を学ぶことができます。
もし学校へ通えなくなったとしても、再び登校できるまでの間、教育支援センターが子どもたちのもう一つの居場所となり、学校復帰を支援します。
「中3のとき、自分から学校へ行こうと思えて行くようになった。それは、一緒に支援センターに通級していた後輩からいろいろ頼られるようになったことで、『頑張ろう』という気持ちになったからだと思う。」
この言葉は、文部科学省が行った5年後の追跡調査の中で、不登校を経験した生徒が当時を振り返って語った言葉です。
学校や家庭だけでは解決できない問題を、教育支援センターでは一人一人の児童生徒に寄り添いながら、解決へ向けて一歩一歩、共に歩んでいきます。
〔広報にほんまつ 平成29年8月号〕

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