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| ==陸前高田市== | | ==陸前高田市== |
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− | ===[[:Category:周辺ニュース|周辺ニュース]]===
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− | ◆'''被災地ひとり親家庭 続く困窮'''<br>
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− | 東日本大震災から五年が過ぎても、被災地のひとり親家庭の困窮は変わらない。<br>
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− | 子どもの不登校で親が働けないなど、新たな問題も起きている。それぞれの家庭の状況に応じた“伴走型”の支援がより一層、必要とされている。<br>
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− | '''「がんばれ」よりも伴走型支援 在宅で働く→PC講習や仕事発注 子が不登校→フリースクール構想'''<br>
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− | 「がんばってみようかな」。岩手県陸前高田市内の仮設住宅。<br>
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− | ノート型パソコンでデータ入力を頼まれたシングルマザーの女性(40)がつぶやいた。<br>
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− | 中学生と小学生の二人の子と暮らすこの女性は、昨年九月からNPO法人「マザーリンク・ジャパン」(東京都渋谷区)のパソコン講習を受ける。<br>
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− | 現在は、同法人が請け負った経理伝票の入力やウェブサイトの文書作成といった作業をパートや家事の合間に行い、収入を得ている。<br>
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− | 住んでいる仮設住宅から子どもたちの学校は遠く、送迎のためフルタイム勤務は難しい。<br><br>
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− | パートの月収は八万円前後。女性は「子どもを進学させてあげたい。パートを掛け持たずに子どものそばで仕事でき、助かっている」と語る。<br>
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− | 同法人は震災直後から、同市など被災地のひとり親家庭に食糧支援をしてきた。<br>
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− | 昨秋から、月収十万円以下で、親族から助けを得られない母親に対し、収入を増やすための支援を始めた。<br>
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− | 無償で中古パソコンを支給して表計算などの講習を行い、伝票入力といった仕事を母親らに発注する。<br>
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− | 寝占(ねじめ)理絵代表は「月三万円を稼げる人を十人生み出すのが目標」と話す。<br>
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− | これまでに十五人のシングルマザーが受講、月四万円の収入を得た人もいる。<br>
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− | 一方、「生活が苦しい上に、震災後の生活の変化で子どもがストレスを抱え、母親が働けない深刻なケースもある」と寝占さん。<br>
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− | 同県内の仮設住宅に住む小学六年生の女児(11)は、震災直後から夜中、部屋中を壁に体を打ち付けて走り回るようになり、三年前から不登校になった。<br>
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− | 女児は一人でいるのを怖がるため、母親(44)は仕事に就けない。<br>
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− | 寝占さんが訪問する家庭の約二割に、このように学校を休みがちな子がいるという。<br>
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− | 被災した子どもの心のケアをする「いわてこどもケアセンター」では、二〇一四年度の受診者数(沿岸地域のみ)は延べ千四百四十六人と、前年度の同八百九十六人から六割も増えた。<br>
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− | 三人の医師が奔走しても診察が追いつかず、初診まで半年以上、待ってもらっているという。<br>
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− | 同センターの八木淳子副センター長は「震災後『がんばろう』のスローガンで元気に努めてきた子が多いが、ストレス状態が長引き、がんばりが利かなくなっている」と説明する。<br>
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− | 余裕のないひとり親家庭は、なおさら受診の機会から遠ざかる。<br>
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− | 八木さんは「ストレス状態がさらに長引けば、無力感、孤独感などから生きる希望まで失ってしまう。震災の爪痕はあまりに深く、支援はまだまだこれから。人知れず苦しみに耐える親子を見逃さぬよう、寄り添いながら、学校、家庭、地域とも連携し支える必要がある」と話す。<br>
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− | こうした家庭との出会いなどから、マザーリンクは被災地の不登校児童・生徒対象のフリースクール創設に向け、寄付を募っている(HPは「マザーリンク」で検索)。<br>
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− | 寝占さんは「ひとり親家庭にも個々の実情がある。ニーズを把握して、伴走するような支援をしたい」と話している。<br>
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− | 〔2016年4月12日・貧困ネット、平成28(2016)年4月5日 東京新聞 朝刊〕 <br>
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