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ネット依存症

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==ネット依存症==
 
==ネット依存症==
'''学校へのスマホ持ち込み許可へ? 「ネット依存」になる子とならない子の違いとは'''<br>
 
今年2月、文部科学省が、小中学校への携帯電話やスマホの持ち込み禁止を見直す方向で検討すると発表し、大阪府は先行して、公立小中学校内への携帯電話やスマ
 
ホの持ち込みを認める際のガイドラインを、府内の市町村教委に通知しました。<br>
 
そうした中で懸念されるのが、SNSやスマホゲームなどをやめられなくなる「ネット依存」の拡大です。<br>
 
学校内への持ち込みに反対する意見でも、ネット依存拡大への懸念がありました。<br>
 
一方で、全くネット依存にならず、ほどよい距離感を保って使いこなしている子どももいます。<br>
 
ネット依存になる子とならない子は、何が違うのでしょうか。<br>
 
青少年のインターネット利用などに詳しい、作家・ジャーナリストの石川結貴さんが解説します。<br>
 
'''中高生のネット依存は2倍に増加'''<br>
 
一般的に使われている「ネット依存」とは、「ネットをやめたくてもやめられない(制御不能)」「ネットから離れることに不安や恐怖を感じる(禁断症状)」「ネットを使いすぎて実生活に多大な影響が出たり、心身の健康状態が悪化したりしている(実生活のトラブル)」「現実逃避や不快感から逃れる目的でネットを使う(現実逃避)」などの問題が複数生じている状態を指します。<br>
 
過度なネット利用で、昼夜逆転や睡眠障害、暴力や暴言、不登校といった問題が起きている状態を「ネット依存」と考えると分かりやすいでしょう。<br>
 
多くの子どもは「いや、自分はそこまでひどくないよ」「まだ全然大丈夫」などと思っているかもしれません。<br>
 
しかし、実際にはネット依存は身近な問題になりつつあります。<br>
 
厚生労働省研究班の調査(2018年8月公表)では、「病的なインターネット利用が疑われる」中高校生は全国で93万人、7人に1人と推計されています。<br>
 
同様の調査は5年前にも行われましたが、このときは推計51万人でした。<br>
 
たった5年でネット依存が疑われる子どもが2倍近くにも増えているわけです。<br>
 
この問題の背景はいくつか考えられますが、そのうちの一つが「スマホの普及」でしょう。<br>
 
「いつでもどこでも使える」「無料のアプリやコンテンツがたくさんある」「楽しく刺激的」「簡単で便利」、こうした特性を持っているスマホは「使い始めたらやめられない」という状況を作りやすく、自分ではあまり意識していなくても、「楽しくて便利でタダなんだから、使って当然」という心理になっていきます。<br>
 
「当然」のものがないとき、私たちはどんな気持ちになるでしょうか。<br>
 
例えば、「あって当然」の電気が停電で使えなかったら、不安になり、怖くなり、一刻も早く使いたい、と焦りますよね。<br>
 
これをネットやスマホに置き換えると、「ネットから離れることが不安」「スマホがないと怖い」という意識になります。<br>
 
こうした不安感が高じると、「やめたくてもやめられない」という依存状態になる可能性があります。<br>
 
'''「自信」「自尊感情」「充実感」「生活目標」が関係'''<br>
 
ネット依存になりやすい人には、いくつかの特徴があるといわれています<br>
 
。例えば、孤独や孤立への不安が強いこと。一見楽しそうにしていても、子ども社会は「同調意識」が強いものです。<br>
 
「ぼっち(一人ぼっち)になったら終わり」といった空気感が強く、「みんなと同じようにしていなくては」「浮いたらダメ」、こんな意識がまん延しています。<br>
 
こうした背景から、SNSでいつも誰かとつながっていないと不安、仲間とのSNSをやめられないという「きずな依存(つながり依存)」になりやすいといわれています。<br>
 
また、自己否定感や現実生活への不全感がある場合、「本当の自分はこんなはずじゃない」という気持ちが強くなりがちです。<br>
 
その気持ち自体は自然なものですが、現実逃避のためにネットゲーム(オンラインゲーム)にのめり込むと、「ゲーム依存」になる可能性があります。<br>
 
ゲームでは興奮や達成感、仲間からの称賛などが得られますが、「何が何でもランキングを上げたい」「みんなに勝つまでは絶対にやめられない」などと自分を追い詰めてしまうと、抜け出す機会を失ってしまいがちです。<br>
 
依存の本質は、「欲しい」と感じる強い欲求、激しい欲求が起こり、それを自分ではコントロールできなくなる状態を指します。<br>
 
逆にいうと、自分で自分をコントロールできるような心の強さ、自信や自尊感情、充実感や生活目標、こういう土台のある子どもは依存に陥りにくいといえます。<br>
 
「実生活で信頼できる友達がいる」「自分の価値を見いだす場所がある」「多様な経験を積んだり発散できたりする機会がある」、ネット依存にならない子どもにはこうした共通項があります。<br>
 
また、そもそもネットに使う「時間」がなければ、過度にのめり込むことができません。<br>
 
「今は受験勉強を頑張らなくては」「部活動や趣味に忙しい」「家の手伝いやバイトがある」など、「ネット以外のことに時間を使う」子どもの場合、必然的にネットからは遠ざかります。そう考えると、実生活の充実や生活目標というのも大きなポイントになるでしょう。<br>
 
'''学校への持ち込みで依存拡大の可能性?'''<br>
 
学校へのスマホ持ち込みに、個人的には大きな危惧を感じています。<br>
 
ネット依存が拡大するかどうか、はっきりとしたことは言えませんが、「可能性」としては大きいと思います。<br>
 
スマホは「使い始めたらやめられない」「使えないと不安」という状況を作りやすいです。<br>
 
持ち込みが許可されれば、通学の途中など「利用時間」も増えるでしょう。<br>
 
つまり、心理的にも物理的にも、いっそうスマホから離れることが難しくなってしまいます。<br>
 
さらに、子ども社会の「同調意識」という点から考えても、みんなが使っている(持ってきている)となれば、ますますプレッシャーが大きくなります。<br>
 
スマホ持ち込み禁止の今でさえ、例えば、出会い系などの危険なアプリを使いたくない子どもが、周囲の友達から「家に帰ったらやりなよ」と勧められて断れないという声を聞きます。<br>
 
これが今度は学校帰りに、その場で「やりなよ」と半強制的に勧められるかもしれません。<br>
 
校内へのスマホ持ち込みを許可する方針の大阪府では、利用ガイダンスの素案として「学校にいる間は児童生徒が管理」としています。<br>
 
子ども自身が机やカバンの中にしまっておくという方針のようですが、休み時間など先生の目の届かないところでの利用が完全に防げるでしょうか。<br>
 
スマホの校内持ち込みが禁止されている学校でも、こっそり持っていく子どもが少なくありません。<br>
 
「授業中でも隠れてゲームをやっている」「校内のトイレに入ってSNSをチェックしている」などと話す子どもがいる状況を考えると、今後、ネット依存が拡大する可能性は高いように感じます。<br>
 
また、私が気になるのは「校内へのスマホ持ち込み」という方針について、当の子どもの意見はどれくらい反映されているのかという点です。<br>
 
子どもたちを取材していると、「スマホ疲れ」を訴える中高校生が結構います。<br>
 
「スマホがなかったら楽なのに」「スマホ(SNSなど)に縛られて苦しい」「スマホをやめて携帯に変えたい」などと言うのです。<br>
 
実際に「持ち込む」ことになる子ども本人の意思はどうなのか、仮に持ち込むとなったら、子ども自身はどんなふうに管理したいのか、彼らの考えをきちんと把握できているのでしょうか。<br>
 
保護者の意見や学校の方針も大事ですが、やはり当事者である子どもの気持ちをしっかりと反映させ、大人と子どもで話し合っていくことが必要だと思います。<br>
 
'''保護者が「ネット依存」を知る必要性'''<br>
 
ルールを作る、危険性を周知する、といったことは何年も前から言われていて、それらはとても大切だと思います。<br>
 
ただ、私は現状のネット教育、特に家庭や保護者のネット教育には不足している点がたくさんあると感じます。<br>
 
例えば、「ネットの危険性」を教えるといっても保護者自身、何がどう危なくて、仮に危ない場面になったらどうすればいいのか、具体的なことをあまり理解していないのではないでしょうか。<br>
 
一方的に「危ないからダメ」と言っても、子どもは「何が、なぜ、どんなふうに危ない」のか分からない。だから、保護者が言う「危険性」に説得力がないんですね。<br>
 
子どもをネット依存にさせたくないのなら、まずは「ネット依存」がどういうものか、保護者が情報収集をしてほしいと思います。<br>
 
できれば、お子さんと一緒に情報収集をして、「こんなふうになるんだって」「もしこうなったらどうする」などと会話してください。<br>
 
そうした会話の過程で、子どもがネットにハマっている理由や、やめられない事情を話してくれたら「チャンス」です。<br>
 
例えば、「LINEは疲れる」などと言われたら、そこから、子どもの友達関係の悩みが聞き出せるかもしれません。<br>
 
現実生活でコミュニケーションを取る、子どもの気持ちや現状に寄り添う、子どもと一緒に考えたり意見交換したりする。<br>
 
先ほどの「校内持ち込み」と同様ですが、要は、子どもの声を反映しつつ、一緒に考えるというスタンスが大切です。<br>
 
また、子どもに「ネット利用記録」をつけさせるのもよいでしょう。<br>
 
例えば、1カ月間、毎日のネット利用時間を記録してみます。<br>
 
1日に3時間使っていたら、1カ月で90時間、1年で1080時間になります。<br>
 
これを日数に換算すると、1年で45日。<br>
 
「夏休みより長い期間、1年で45日間もネットに費やしているけど、これで本当に大丈夫?」と子どもに問いかけてみてください。<br>
 
私が取材先の子どもにこの方法を取ると、たいてい「やばいー!」「こんなに使ってると思わなかった」などの声が上がります。<br>
 
こんなふうに、子ども自身が考えるための「材料」を与える、子どもが主体的に自分の利用状況をコントロールできるように導く、それがネット依存の防止には大切なのです。<br>
 
〔2019年4/18(木) オトナンサー〕 <br>
 
 
 
'''「スマホ漬け」の子を性根からたたき直す知恵'''<br>
 
'''「スマホ漬け」の子を性根からたたき直す知恵'''<br>
 
わが子がネット依存になってしまったら……(写真:freeangle/PIXTA)<br>  
 
わが子がネット依存になってしまったら……(写真:freeangle/PIXTA)<br>  
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ルールを作る方法については、過去の記事「子どものスマホデビュー、知らないと怖い基本」を参考にしてほしい。<br>  
 
ルールを作る方法については、過去の記事「子どものスマホデビュー、知らないと怖い基本」を参考にしてほしい。<br>  
 
〔2018年6/24(日)東洋経済オンライン 高橋 暁子 :ITジャーナリスト〕 <br>
 
〔2018年6/24(日)東洋経済オンライン 高橋 暁子 :ITジャーナリスト〕 <br>
 
'''治療は「親子関係」から 不登校につながる「ネット依存症」'''<br>
 
シンポでネット依存症の治療について報告する三原聡子さん(左)、片上素久医師(右から2人目)ら=横浜市で 写真 <br>
 
夏休み明けは、子どもたちの不登校が増える時期。<br>
 
その原因の一つとして十年ほど前から注目されてきたのが、ネット依存症(インターネット使用障害)だ。<br>
 
中学生から大学生までの男子に多くみられ、オンラインゲームに没頭するケースが多い。<br>
 
課金制のゲームで浪費したり、親との関係がこじれて、暴力につながることも。<br>
 
八日に横浜市で開かれた日本アルコール関連問題学会のシンポから、二つの医療機関の取り組みを紹介する。<br>
 
「この時期の外来は、新しい予約がぎっしりです」。<br>
 
大阪市立大病院精神神経科の片上素久医師が説明した。<br>
 
大半はオンラインゲームに没頭して、生活が昼夜逆転し、夏休み明けから学校に通えなくなった子どもたちだ。<br>
 
こうしたネット依存症が広がる原因を、片上医師は「勉強で一番になることは難しくても、ゲームでは成果が出て、友達の称賛を浴びることができる。現実の社会で成果が上がらない場合は、依存しやすくなる」と分析する。<br>
 
親は治療に熱心でも、本人の治療意欲は著しく低いのが共通点だ。<br>
 
その状態で無理にネットを絶たせると、ますます治療から遠ざかってしまう。<br>
 
親の「過度な期待」に応えられず、自己否定感を抱いている場合が多く、家族の関係のゆがみを修正することが治療の基本だという。<br>
 
片上医師は、自己肯定感を高めるためには、家庭で親が接し方を改める必要があり▽少しでも本人ができたことをほめる▽新しいチャレンジにはお駄賃をあげる-などの対応が有効と指摘した。 <br>
 
治療法として、集団精神療法も取り入れている。互いの体験を語り合うことで、ネットに依存している自分の状態を把握し、孤独感が薄まることで病気に立ち向かう力になるという。<br>
 
      ◇<br>
 
依存症の治療で知られる国立久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の臨床心理士・三原聡子さんは「ゲームの刺激に対する脳の前頭葉などの反応は、アルコールなどさまざまな依存症と似通っている」と指摘し、進行すれば治療が必要になることを強調した。<br>
 
同センターでは、認知(考え)のあり方を修正する認知行動療法、ネット以外の楽しみを見つけるためのデイケアなどのほか、必要に応じて二カ月程度の入院治療を取り入れている。<br>
 
スポーツ、作業療法、グループ療法などを組み入れつつ、睡眠や栄養の状態を改善し、今後の生活設計を医師らと話し合っていく治療で、ネットを使う回数が減ったり、学校へ通えるようになるなどの成果が出るケースが多い。<br>
 
二〇一四年からは、夏休みなどに治療キャンプを実施。渋々参加した子どもたちは、ボランティアの大学生と接したり、自然に触れたりする中で新しい楽しみを覚え、ネットを使う機会を減らせることが多いという。<br>
 
ネット依存症を扱う医療機関は徐々に増えてきたが、治療はまだ手探りの状態。<br>
 
三原さんは今後の課題として▽依存対象や治療段階に応じた効果的な認知行動療法のテキストの作成▽臨床データの蓄積▽予防教育への応用-などを挙げた。<br>
 
<ネット依存症> インターネットに過度に没入し、パソコンや携帯が使用できないといらだちを感じるなどして、実社会の人間関係や心身の健康に弊害が出ているのに、依存をやめられない状態のこと。中国や韓国でも大きな社会問題になっている。<br>
 
〔2017年9月19日東京新聞(編集委員・安藤明夫)〕 <br>
 
 
'''治療は「親子関係」から 不登校につながる「ネット依存症」'''<br> 
 
シンポでネット依存症の治療について報告する三原聡子さん(左)、片上素久医師(右から2人目)ら=横浜市で<br>
 
夏休み明けは、子どもたちの不登校が増える時期。<br>
 
その原因の一つとして十年ほど前から注目されてきたのが、ネット依存症(インターネット使用障害)だ。<br>
 
中学生から大学生までの男子に多くみられ、オンラインゲームに没頭するケースが多い。<br>
 
課金制のゲームで浪費したり、親との関係がこじれて、暴力につながることも。<br>
 
八日に横浜市で開かれた日本アルコール関連問題学会のシンポから、二つの医療機関の取り組みを紹介する。<br>
 
 
「この時期の外来は、新しい予約がぎっしりです」。<br>
 
大阪市立大病院精神神経科の片上素久医師が説明した。<br>
 
大半はオンラインゲームに没頭して、生活が昼夜逆転し、夏休み明けから学校に通えなくなった子どもたちだ。<br>
 
こうしたネット依存症が広がる原因を、片上医師は「勉強で一番になることは難しくても、ゲームでは成果が出て、友達の称賛を浴びることができる。現実の社会で成果が上がらない場合は、依存しやすくなる」と分析する。<br>
 
親は治療に熱心でも、本人の治療意欲は著しく低いのが共通点だ。<br>
 
その状態で無理にネットを絶たせると、ますます治療から遠ざかってしまう。<br>
 
親の「過度な期待」に応えられず、自己否定感を抱いている場合が多く、家族の関係のゆがみを修正することが治療の基本だという。<br>
 
片上医師は、自己肯定感を高めるためには、家庭で親が接し方を改める必要があり<br>
 
▽少しでも本人ができたことをほめる▽新しいチャレンジにはお駄賃をあげる-などの対応が有効と指摘した。<br>
 
治療法として、集団精神療法も取り入れている。<br>
 
互いの体験を語り合うことで、ネットに依存している自分の状態を把握し、孤独感が薄まることで病気に立ち向かう力になるという。<br>
 
      ◇<br>
 
依存症の治療で知られる国立久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の臨床心理士・三原聡子さんは「ゲームの刺激に対する脳の前頭葉などの反応は、アルコールなどさまざまな依存症と似通っている」と指摘し、進行すれば治療が必要になることを強調した。<br>
 
同センターでは、認知(考え)のあり方を修正する認知行動療法、ネット以外の楽しみを見つけるためのデイケアなどのほか、必要に応じて二カ月程度の入院治療を取り入れている。<br>
 
スポーツ、作業療法、グループ療法などを組み入れつつ、睡眠や栄養の状態を改善し、今後の生活設計を医師らと話し合っていく治療で、ネットを使う回数が減ったり、学校へ通えるようになるなどの成果が出るケースが多い。<br>
 
二〇一四年からは、夏休みなどに治療キャンプを実施。<br>
 
渋々参加した子どもたちは、ボランティアの大学生と接したり、自然に触れたりする中で新しい楽しみを覚え、ネットを使う機会を減らせることが多いという。<br>
 
ネット依存症を扱う医療機関は徐々に増えてきたが、治療はまだ手探りの状態。<br>
 
三原さんは今後の課題として▽依存対象や治療段階に応じた効果的な認知行動療法のテキストの作成▽臨床データの蓄積▽予防教育への応用-などを挙げた。<br>
 
'''<ネット依存症>'''<br>
 
インターネットに過度に没入し、パソコンや携帯が使用できないといらだちを感じるなどして、実社会の人間関係や心身の健康に弊害が出ているのに、依存をやめられない状態のこと。<br>
 
中国や韓国でも大きな社会問題になっている。<br>
 
〔2017年9月19日 東京新聞(編集委員・安藤明夫)〕 <br>
 
  
 
'''実は大人も!? ネット依存症 睡眠障害や自殺リスクに関連'''<br>
 
'''実は大人も!? ネット依存症 睡眠障害や自殺リスクに関連'''<br>
217行: 86行:
 
〔あなたの健康百科編集部 2017年06月08日〕 <br>
 
〔あなたの健康百科編集部 2017年06月08日〕 <br>
  
'''「ネット依存」の中高生、飲酒・喫煙傾向 厚労省が分析'''<br>
 
中高生の飲酒の日数とネット依存の関係 (表)<br>
 
インターネットに夢中になり、使う時間を減らすのが難しくなる「ネット依存」が疑われる中高生は、飲酒や喫煙をよくする生徒ほど該当する割合が高いことが、全国調査をもとにした厚生労働省研究班の分析でわかった。<br>
 
未成年者の飲酒・喫煙といった違法行為の依存につながる共通要因がある可能性が出てきた。<br>
 
調査は2012年度、全国の中学・高校から無作為に選んだ264校に調査票を送り、生活習慣やネットの使用状況などを質問。約10万人から回答を得た。<br>
 
「ネットのために人間関係などを台無しにした」「問題から逃げるためにネットを使う」といった回答をもとに、男子の6・4%、女子の9・9%が「依存の疑いが強い」と判断した。<br>
 
飲酒習慣との関係を分析すると、飲まない生徒ではネット依存が疑われる割合は7・3%だったが、月に6~19日飲酒する生徒では15・6%、20日以上では25・1%と、飲酒の頻度が高いほど依存の割合も高い傾向だった。<br>
 
喫煙についても、吸ったことがない生徒ではネット依存が疑われる割合は7・7%だったのに対し、「ときどき吸う」では16・9%、「習慣的に吸う」では14・9%だった。
 
ネット依存と飲酒や喫煙習慣がどう関わっているのか、この調査だけでははっきりしない。<br>
 
分析をした大分大の井谷修准教授は「同じ要因が、別のタイプの依存症状として表れているのかもしれない。依存を幅広くとらえて、予防や治療のための対策を考えていくべきではないか」と話す。<br>
 
調査では、ネット依存が疑われる生徒は全国で52万人近いと推計された。<br>
 
その後も中高生らへのスマートフォンなどの普及が進み、ネット依存の生徒は現在、さらに増えているのではないかと予想されている。 <br>
 
〔朝日新聞デジタル(編集委員・田村建二) 2017/5/11(木)〕 <br>
 
  
 
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2021年11月20日 (土) 10:18時点における版

ネット依存症

「スマホ漬け」の子を性根からたたき直す知恵
わが子がネット依存になってしまったら……(写真:freeangle/PIXTA)
これは昨年、私が関東地方のある公立中学校に講演に行った際、生徒の母親から相談された事例だ。
「息子は今日も学校に行かないんです……」と、彼女は深刻そうな顔で言った。
彼女から成績の下降を強く叱責されたことがきっかけで、息子の山崎佳祐くん(仮名)はその講演会の1年ほど前から自室にこもって昼夜問わずネットゲームに入り浸るようになった。
ゲームをやめさせようと彼女は彼のパソコンを取り上げたこともあったが、怒鳴ったり、物を投げたり、たたいたりするようになって逆効果だった。
ネットゲームに依存するまではかなり良い成績だっただけに、それでも彼女は連日、佳祐くんを責め立てた。
しかしその度に、大げんかになり、次第に彼は学校を欠席しがちに。
2年生に進学してからは、とうとう1日も学校に行かなくなってしまったという。
■「ネット依存」は世界的に深刻な問題
「出席日数が足りないから卒業できないと思っているみたいで。息子はもう学校にまったく行きたがらないんです」
公立中学校なら卒業できないことはまずないし、そもそもまだ中学2年生である。
たとえ不登校が続いたとしても、通信教育などを活用すれば、学力はカバーできる。
だが、それよりも問題なのは、自力では立ち直れそうにない彼の状況だ。
彼のように1年近く「ネット依存」が続いた場合、治療には医療機関を頼るしかない。
私はネット依存専門の外来を持つ病院を彼女に紹介した。
しかし、問い合わせが殺到しているため、病院側がすぐには対応できない状況だという。
日本にはまだネット依存症を治療できる医療機関が少ない一方、相談したい患者の数は年々増加している。
ネット依存症は、彼のように日常生活や心身の健康、人間関係よりもネットの利用を重視してしまい、利用時間などをコントロールできない状態をさす。
実生活に支障が出ることが一番の問題だ。
海外では、数日間ネットに没頭した人がエコノミークラス症候群をきっかけに死亡したケースも出ている。
iPhoneなどで知られるアップルは6月4日、「スマホ依存症対策」としてアプリの利用時間などを制限できる新機能を、次世代ソフトウェア「iOS12」に搭載すると発表した。
また、グーグルも昨年から、アプリの利用や端末の利用時間を制限できるサービス「ファミリーリンク」を提供し始めており、今やネット依存は世界全体の問題となっている。
最近は注意を促す報道や番組も増えているため、わが子がネット依存になることを恐れて、「子どもにスマホを持たせたくない」「パソコンの利用を禁止したほうがいいのでは」と考える保護者も多い。
しかし、その考えはあまりおすすめしない。
家庭には、スマホやパソコン以外にも学習用タブレットやゲーム機などネットが使える端末は多くある。
もし子どもが隠れて使うと、トラブルに直面したとき親に相談できず、問題が深刻化する可能性があるからだ。
インターネットをまったく使わせないのは、現実的ではない。
ネット依存を遠ざけたければ、子どもの「セルフコントロール力」を養ったほうがいい。
たとえば、ネット依存の治療に長けた医療機関が採用している「認知療法(自分が置かれている状況を冷静に見直す治療法)」が参考になる。
もし自分の子どもがネット依存症の疑いがあるようだったら、一度ネットやゲームの利用時間を紙に書かせて、可視化させたほうがいい。
そうやって「置かれている状況を客観視」させることが、セルフコントロール力の向上につながる。
ちなみに冒頭で紹介した佳祐くんも、その後、なんとかネット依存専門の外来で認知療法を受けられるようになった。
彼の場合、毎日ネットゲームのプレイ時間を記録することで、一日のうち寝る以外はゲームをしている状況や、これまで自分がゲームに費やした時間の総量を把握して、われに返ったそうだ。
ゲームでは強くても学校に行かず、友達もいない自分の状況を客観視して、「ゲームはやめたほうがいいかもしれない」と言えるまでに変わった。
まだ以前のように学校には通えていないそうだが、これから徐々にゲームのプレイ時間を減らしていけば、正しい生活リズムを取り戻すことはそれほど難しくはないだろう。
■「他に熱中できるもの」を持つことも大事
また、ほかに「やりたいこと」や「将来の目標」がはっきりしている子は、依存症にはなりづらい。
逆に、やりたいことや目標などがない子ほど、友達の誘いや誘惑に引っかかってしまい、ズルズルとネットを使い続けて依存症になる傾向にある。
もし自分の子どもが後者であるなら、積極的に目標ややりたいことを見つける手助けをすることをおすすめする。
たとえば子どもが受験を予定しているなら、志望校の学園祭や説明会などに参加させて、「この学校に行きたい」という気持ちをかきたてるなどだ。
子どもが小さい場合は、目標を持たせることが難しいこともある。
実際、わが家でも当時まだ幼稚園児だった息子が、夫のダウンロードしたスマホゲームにはまってしまったことがあった。
ゲームをアンインストールしても、欲求は収まらなかった。
しかし、息子が小学校に入学して、けん玉にはまってからは「ゲームをやりたい」とねだらなくなった。
けん玉では他の子どものトップに立てたため、1人でゲームをしているより楽しかったようだ。
ほかに夢中になれることがあれば、子どものゲームやネットの優先順位は低くなる。
外遊びや習いごとをさせるなど、子どもが小さいときは可能なかぎりスマホを使えない環境におくといいだろう。
ネットやスマホは非常に魅力的なツールだ。
大人でもゲームやSNSに熱中しすぎる人は少なくない。
大人でさえのめり込みすぎるものを子どもだけで使いこなせるようにするのは難しいのだから、きちんとルールを作って、保護者が見守りながらうまくコントロールできるよう練習させることを推奨する。
ルールを作る方法については、過去の記事「子どものスマホデビュー、知らないと怖い基本」を参考にしてほしい。
〔2018年6/24(日)東洋経済オンライン 高橋 暁子 :ITジャーナリスト〕

実は大人も!? ネット依存症 睡眠障害や自殺リスクに関連
近年、小学生でもスマートフォンを持っていることが珍しくなくなってきている。
スマートフォンやタブレットの普及もあり、いつでもどこでも手軽にインターネットにアクセスできる便利な世の中になった。
しかし、一方で弊害もある。「インターネット依存症(ネット依存症)」は、過度なインターネットへの依存によって、日常生活に支障を来す状態だ。
このたび、韓国の成均館大学校などの研究グループは、成人を対象にネット依存に関する調査を行い、その結果を発表した。
研究の詳細は、4月6日発行の科学誌「PLOS ONE」(2017;12:e0174619)に掲載されている。
成人の6.35%がネット依存症
ネット依存症は、子どもだけでなく、今や大人にも多いという。しかし、これまでネット依存症に関する研究は、若い人を対象としたものしか行われてこなかった。
そこで研究グループは、韓国内に住む成人を対象に、ネット依存と自殺や睡眠との関連について調査した。
今回の調査では、20項目の質問から成るインターネット依存度テスト、精神疾患を診断する世界保健機関(WHO)の複合国際診断面接(韓国版)、自殺に関するアンケートを実施。
その中から、18~64歳の男女3,212人を無作為に選び、調査対象とした。
この3,212人のうち204人(6.35%)がネット依存症と評価された。
ネット依存症の人は、そうでない人に比べて、若年、男性、未婚者、失業者である傾向が強かった。
しかし、両グループの睡眠時間に大きな差は見られなかった。
また、ネット依存症の人は、そうでない人に比べて、寝つきが悪かったり、睡眠の持続が困難になったりすることが多かった。
さらに、寝ても疲れが取れない、日中の活動に支障を来す、平日に10時間以上睡眠を取るといった傾向も見られ、睡眠の質が低下していた。
睡眠不足+ネット依存で高まる自殺リスク
続いて、研究グループは、睡眠不足の有無で分けて、ネット依存と自殺との関連について検討した。
その結果、睡眠が不足しているネット依存症の人は、睡眠不足ではあるがネット依存症ではない人に比べて、自殺を計画したり試みたりする頻度が高かった。
性別や年齢、学歴、婚姻の状況で偏りが出ないよう調整して解析したところ、睡眠不足かつネット依存症の人は、睡眠不足ではあるがネット依存症ではない人に比べて、
自殺を計画するリスクが3.83倍、生涯のうち自殺を試みるリスクが 3.34倍、それぞれ高かった。
一方、睡眠不足の無いグループにおいて、性別や年齢などを調整したところ、ネット依存症の人は、そうでない人に比べて、特別な理由なく死にたい気持ちが高まる自殺念慮のリスクが2.17倍高かった。
同様に、自殺を計画するリスクは3.33倍高かった。
さらに、ネット依存症の人は、睡眠障害が重度になるほどインターネット依存度テストのスコアが悪く、ネット依存の重症度が高まることが分かった。
こうした傾向は、過去に自殺を試みた経験のある人でより顕著だったという。
研究グループは「若者ではなく成人を対象とした研究で、睡眠障害のあるネット依存症の人は、自殺を計画したり実行に移したりするリスクが高いことが示された」と今回の結果を振り返り、
その上で「本結果はもちろん、適切な睡眠が心の健康にとっても重要であることを踏まえ、われわれ専門家は睡眠障害とネット依存が併存することを認識すべきだ」との考えを示した。
さらに、研究グループは「インターネットのコンテンツに関する情報や、どういったデバイスを使ってインターネットにアクセスしているかといったことを含めて、検討していく必要があるだろう」と今後の課題を示している。
〔あなたの健康百科編集部 2017年06月08日〕

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