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世田谷区立桜丘中学校

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'''世田谷の校則ゼロ公立中、授業中に廊下で自習してもOK'''<br>
+
''「校則なし」で区立中はどう変わったか 校則は誰のためにあるのか'''<br>
桜丘中学校の西郷孝彦校長 <br>
+
東京都世田谷区立桜丘中の前校長 西郷孝彦さん<br>
いじめが激減、校内暴力も消え、有名校進学数も平均学力も区のトップレベル──。<br>
+
「校則なし」を実現した公立中学校がある。東京都世田谷区の区立桜丘中だ。<br>
私立中進学率の高い東京都世田谷区で、「越境してでも行きたい」と人気となっている公立中学校が、世田谷区立桜丘中学校だ。<br>
+
服装や髪形は自由で、遅刻しても、教諭に大声で怒鳴られることはない。<br>
歴代の校長が「一日でも早く異動したい」と嘆息するほど荒れた同校で、2010年に就任したのが西郷孝彦校長(64才)。<br>
+
定期テストやチャイムもない。<br>
足かけ9年を費やして、自由にして多様な学校をつくり上げた。<br>
+
全国各地の学校ではいまだ、下着の色指定やツーブロック禁止など理不尽な校則がまかり通る中、桜丘中はどのように校則をなくしていったのか。<br>
窮屈な規則が苦手だという西郷校長は、納得のいかない校則の一つひとつを検証、ついには全廃してしまったという。<br>
+
前校長の西郷孝彦さん(66)に聞いた。<br>
'''◆授業中に教室の外にいてもいい'''<br>
+
'''校則はいったい誰のため?'''<br>
午前11時、教室では授業の真っ最中。<br>
+
3回にわたって考える3回目です。(共同通信=小川美沙)<br>
国語のクラスでは先生の読み上げる百人一首を血眼になって奪取する声が響き、美術のクラスではクラフト模型を組み立てる生徒たちの熱気が廊下まで伝わってくる。<br>
+
―校則をなくしたきっかけは。<br>
英語の授業時間にバスケットボールの試合や調理実習をすべて英語だけで行うクラスも。<br>
+
赴任した2010年当時、桜丘中は荒れていた。<br>
しかし廊下には、そのどれにも属さない生徒の姿が数人。<br>
+
服装や髪形に関する決まりがあり、教諭が声を荒らげて生徒を指導することもあったが、子どもたちを上から押さえつけたってうまくはいかないと感じていた。<br>
「教室にいるのが嫌だったり、入りづらかったりした時は、生徒の判断で、廊下で自習して構いません」<br>
+
学校にはさまざまな子どもがいる。「普通の子」なんて存在しない。<br>
職員室前の廊下には机とイスが並び、そこでタブレットを使って動画を見ながら自習したり、英語のテキストを解いたりする生徒たちの姿がある。<br>
+
こだわりが強い、朝起きられない、制服が着られない、学習障害や発達障害がある…。<br>
その様子を、ヒト型ロボットのペッパーが静かに見守っていた。<br>
+
こうした個性や特性を考えずに、「靴下は白」「中学生らしい髪形」など合理的な理由がない校則を当てはめると、それがストレスになり、不登校になる。<br>
校舎1階の理科室では、3Dプリンターを使って両生類の心臓を再現する授業が行われていた。<br>
+
廊下に設けられたスペースで過ごす桜丘中の生徒たち(2019年、西郷孝彦さん提供)<br>
4人ずつの班に分かれた生徒たちがパソコンのソフトを操って心臓の構造をデザインすると、3Dプリンターがカタカタと音を立て、立方体の模型を作り出す。<br>テーブルのあちこちから「デザイン通りだ」と歓声があがる。<br>
+
生徒全員に「学校は楽しい」と感じてもらえるにはどうすべきかを考えると、合理的な理由のある校則は一つもなかった。<br>
この授業を担当するのは、理科の長田浩貴先生。2年前、この学校で教師生活をスタートさせたばかりだ。<br>
+
それに、校則で「みんな同じ」を押しつけると、枠からこぼれ落ちた子がいじめの対象になる。<br>
「大学時代に3Dプリンターの研究をしていて、いつか授業に採り入れたいと考えていたんです。<br>
+
ある男子生徒は、学習障害があるためにタブレットの持ち込みを必要としていたが、別の中学では「一人だけ特例は認められない」と断られたそうだ。<br>
そう西郷校長に話したら、『やってみなよ、失敗してもいいから』と背中を押してくださったんです。こんなに早く実現するとは思いませんでした」(長田先生)<br>
+
桜丘中で受け入れ、これを機に「全員持ち込みOK」にした。<br>
失敗どころか、新しい試みの成果は上々。<br>
+
その生徒だけでなく、誰にとっても過ごしやすい環境を目指したからだ。<br>
「単に教科書を読むだけではなく、リアルな模型を作ることで、心臓の働きを理解してほしかったんです。<br>
+
―学校は集団生活を送る場で、ルールは必要だとされているが。<br>
そのうえで、もし心臓模型の構造を改善するとしたらどうすればいいか、自分たちで考えてほしかった。<br>
+
校則ありき、ではない。生徒が自ら考え、判断する力を伸ばすにはどうするか、だ。<br>
実際、生徒たちから挙がってきたアイディアは、ぼくの想像以上。発表を聞きながら、鳥肌が立ちました」(長田先生)<br>
+
どんな髪形や服装をするかは自分で決める。<br>
なかでも熱心に3Dプリンターを見つめていたのは、2年生のエイジくん(仮名)。このクラスの生徒ではない。<br>
+
帽子をかぶって来る子もいれば、メイクをする子もいた。<br>
「本当は体育の授業中なんですが、ぼくは集団行動が苦手で、サッカーをするのが怖いんです。<br>
+
チャイムがないから、自ら時間を管理する。授業中に居眠りしても、注意することはない。<br>
今、この教室の前を通りかかったら、3Dプリンターが見えたので、思わず中に入りました」(エイジくん)<br>
+
短時間の居眠りで頭はスッキリする。<br>
いきなり教室に現れた“珍客”を、ほかの生徒や先生が咎めることはない。<br>
+
教諭は授業に集中してもらえるよう工夫するようになり、居眠りも減った。<br>
授業が終わりに近づくと、「体育の先生が心配するから、顔だけ出して来いよ」と、長田先生は彼を送り出した。<br>
+
校則をなくしたもう一つの理由に、生徒に「非認知的能力」を身に付けてほしいという願いがあった。<br>
実はこのエイジくん、文字を書くのが苦手で、タブレットを利用してノートを取りながら授業を受けている。<br>
+
社会で活躍するためのコミュニケーション能力や柔軟な発想力など、紙の試験では測れないスキルを指す。<br>
「機械やコンピューターが好きで、タブレットを使ってもいいと言われてから、学校に来るのが楽しくなりました。<br>
+
そのために生徒に対し6つのことを実践した。<br>
この学校はぼくみたいな子どもも伸ばしてくれるんだなって。<br>
+
①言うことを否定しない②話を聞く③共感する④触れ合いを積極的に行う⑤能力ではなく努力を褒める⑥行動を強制しない―<br>
先生との壁? それはない。先生はぼくにとって頼れる存在です」(エイジくん)<br>
+
いずれも厳しい校則とは相いれないことだった。<br>
彼は自分の居場所を学校で見つけた。<br>
+
―生徒はどう変わったか。<br>
エイジくんに限らず、タブレットやスマホは、どの生徒にも解禁されている。<br>
+
「管理」されることに慣れた子は最初は戸惑うが、自由に思ったことを言わせた。<br>
ところが、読み書きに不自由のない生徒は持ってこなくなった。<br>
+
「授業がつまらない」でも「こんなの将来役に立たない」でも、とがめない。<br>
不思議と、SNS関連のトラブルも減った。西郷校長が言う。<br>
+
その結果、教諭との信頼関係を作りやすくなったと思う。<br>
「生徒は授業がつまらなければ、はっきり“つまらない”と言っていい。<br>
+
年に数回「ゆうゆうタイム」といって、生徒と教諭が一対一で自由に話せる時間を作ったが、生徒の表情が豊かになったと感じる。<br>
これまで日本の教育では、他人と同じように振る舞えない子どもたちに対して、“みんなと一緒にしなさい”とか“振り返って反省しなさい”という指導ばかりしてきました。<br>
+
こうして子ども本来の、自分自身に戻していく。<br>
ですがこれからの時代、子どもたちに身につけてほしいのは、誰にも負けない自分の才能の尖った部分、つまり“エッジ”を見つけて磨くこと。<br>
+
自分から進んで勉強しようとする生徒が多くなり、学力も身についた。<br>
人に取って代わってAIが単純作業を担うようになるであろう今後、他人とは違う“変なやつ”であることこそが、自分自身を輝かせるはずです」<br>
+
朝8時から、廊下に設けられたハンモックや椅子に座って、それぞれ勉強していた。<br>
確かに、アップル社の創業者のスティーブ・ジョブズは身なりを気にせず、裸足で資金提供者と交渉したというし、テスラ社のCEO・イーロン・マスクは、会社のいたるところで地べたに寝転がって仮眠するそうだ。<br>
+
友達に対する考え方も変わったようだ。<br>
こうした、世間の規範からはみ出した“変わり者”の彼らは、エッジを磨き、世界を驚かせる発明や事業をやってのけた。<br>
+
入学当初は他人の言動を気にしてばかりで、教師に「あの子はルール違反では?」と告げ口しに来た生徒もいた。<br>
2020年には知識や学力のみを問う大学入試センター試験が廃止され、表現力や思考力、判断力が重視される新テストが導入される。<br>
+
しかし、桜丘中ではそれが意味の無いことだと気づくと、「私は私、あの人はあの人」だと自分も、相手も尊重できるようになっていく。<br>
「自分がどの分野に向いているか」を判断し、「自分のやりたいこと」を見つけてその力を活用しようとすることは、まさに新時代を先取りしている。<br>
+
2、3年生ではいじめは全く無い。<br>
'''◆人と違うことに寛容になる'''<br>
+
―全国の中学、高校には、理不尽な校則がたくさんある。<br>
桜丘中は、障害がある生徒や、もともと不登校だった生徒も積極的に受け入れている。<br>
+
中高生が不安定な思春期にあることを忘れてはいけない。<br>
そもそも社会にはいろいろな人がいて、人はそれぞれ違うということが当たり前だとわかれば、自分と違う他人に寛容になれるという考えがあるからだ。<br>
+
合理的な理由がないルールで縛ると最初は反発する。<br>
だが、その取り組みも、最初からすんなりスタートできたわけではない。<br>
+
「内申書に響く」などと言われると、生徒は意見を述べるどころか、考えることさえ諦めてしまう。<br>
4年前、インクルーシブ教育(障害のある人とない人が同じ場所で学ぶのみならず、誰もが自由な社会に効果的に参加できる社会の実現をめざす教育)を導入しようとしたところ、「そんなことしたら、勉強ができなくなる」と保護者から猛反対されたことがあった。<br>
+
ストレスがたまると、勉強にも集中できないだろう。<br>
ならば、学校全体の成績をあげて納得させようと考えた西郷校長は、わかりやすく実践的な授業を次々、導入していく。<br>
+
学校は厳しい校則を運用する一方、社会で法に触れることが「治外法権」になり、曖昧に対処されがちだ。<br>
そして冒頭で説明したとおり、今や同校は区でもトップクラスの成績を収めている。<br>
+
これでは生徒を混乱させる。体罰は暴行、傷害罪で、学校の内も外も同じ法律を適用すべきだ。<br>
英語教育には特に力をいれ、すべてを英語だけで他の教科の勉強をしたり、作業をするCLIL(Content and Language Integrated Learning、内容言語統合型学習の略。<br>
+
桜丘中でも生徒が窓ガラスを割ったら、故意であれ過失であれ必ず弁償してもらった。<br>
教科やトピックなどの『内容』と『言語』を融合して学ぶ教育方法。<br>
+
校則はなくても、社会のルールである法律を守らなければならないという厳しさは、生徒も実感していた。<br>
1つのテーマをさまざまな角度で扱いながら、互いが意見などを交換し合い、言語を身につけていくこと)を導入している。<br>
+
日本は1994年に「子どもの権利条約」を批准した。<br>
「英語なんて、実はしゃべれなくても社会ではどうにでもなるよね」と笑いながらも、「でもね」と西郷校長はこう続けた。<br>
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12条に意見表明権を定めており、生徒がルールや学校のことについて自由に意見を述べる機会は保障されなければならないはずだ。<br>
「海外から翻訳されて日本で発信される出来事やニュースは、発信する側のバイアスがかかっていることもあれば、すべてでもない。<br>
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数年前、桜丘中でも生徒手帳に一部を抜粋して載せた。<br>
英語がわかるようになると、本当は世界のあちこちでそのニュースがどう発信されているのか、自分で判断できるようになる。<br>
+
子どもたちに、君たちの権利は認められ、大切にされているんだということを伝え、安心してほしかったからだ。<br>
その意味で英語を身につけてもらいたいのです」<br>
+
信頼とは、そうやってつくられていくと思う。<br>
〔2019年2/28() NEWS ポストセブン※女性セブン2019年3月14日号より一部抜粋〕 <br>
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×     ×   ×   ×<br>
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さいごう・たかひこ 1954年生まれ。今年3月まで東京都世田谷区立桜丘中校長。<br>
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著書に「校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール」<br>
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■関連記事はこちら<br>
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ボタンの間から下着の検査「何でここまで?」校則は誰のためにあるのか(1)<br>
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教諭も困惑、制服検査「あれはセクハラ」校則は誰のためにあるのか(2)<br>
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〔2020年12/25() 47NEWS〕 <br>
  
 
[[Category:中学校のニュース|せたがやくりつさくらがおかちゅうがっこう]]  
 
[[Category:中学校のニュース|せたがやくりつさくらがおかちゅうがっこう]]  
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[[Category:東京都(地域)|せたがやくりつさくらがおかちゅうがっこう]]  
 
[[Category:東京都(地域)|せたがやくりつさくらがおかちゅうがっこう]]  
 
[[Category:世田谷区(東京都)|せたがやくりつさくらがおかちゅうがっこう]]
 
[[Category:世田谷区(東京都)|せたがやくりつさくらがおかちゅうがっこう]]
[[Category:NEWS ポストセブン|せたがやくりつさくらがおかちゅうがっこう]]
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[[Category:47NEWS|せたがやくりつさくらがおかちゅうがっこう]]
[[Category:女性セブン|せたがやくりつさくらがおかちゅうがっこう]]
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2021年6月18日 (金) 12:48時点における最新版

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世田谷区立桜丘中学校

所在地 東京都世田谷区
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「校則なし」で区立中はどう変わったか 校則は誰のためにあるのか'
東京都世田谷区立桜丘中の前校長 西郷孝彦さん
「校則なし」を実現した公立中学校がある。東京都世田谷区の区立桜丘中だ。
服装や髪形は自由で、遅刻しても、教諭に大声で怒鳴られることはない。
定期テストやチャイムもない。
全国各地の学校ではいまだ、下着の色指定やツーブロック禁止など理不尽な校則がまかり通る中、桜丘中はどのように校則をなくしていったのか。
前校長の西郷孝彦さん(66)に聞いた。
校則はいったい誰のため?
3回にわたって考える3回目です。(共同通信=小川美沙)
―校則をなくしたきっかけは。
赴任した2010年当時、桜丘中は荒れていた。
服装や髪形に関する決まりがあり、教諭が声を荒らげて生徒を指導することもあったが、子どもたちを上から押さえつけたってうまくはいかないと感じていた。
学校にはさまざまな子どもがいる。「普通の子」なんて存在しない。
こだわりが強い、朝起きられない、制服が着られない、学習障害や発達障害がある…。
こうした個性や特性を考えずに、「靴下は白」「中学生らしい髪形」など合理的な理由がない校則を当てはめると、それがストレスになり、不登校になる。
廊下に設けられたスペースで過ごす桜丘中の生徒たち(2019年、西郷孝彦さん提供)
生徒全員に「学校は楽しい」と感じてもらえるにはどうすべきかを考えると、合理的な理由のある校則は一つもなかった。
それに、校則で「みんな同じ」を押しつけると、枠からこぼれ落ちた子がいじめの対象になる。
ある男子生徒は、学習障害があるためにタブレットの持ち込みを必要としていたが、別の中学では「一人だけ特例は認められない」と断られたそうだ。
桜丘中で受け入れ、これを機に「全員持ち込みOK」にした。
その生徒だけでなく、誰にとっても過ごしやすい環境を目指したからだ。
―学校は集団生活を送る場で、ルールは必要だとされているが。
校則ありき、ではない。生徒が自ら考え、判断する力を伸ばすにはどうするか、だ。
どんな髪形や服装をするかは自分で決める。
帽子をかぶって来る子もいれば、メイクをする子もいた。
チャイムがないから、自ら時間を管理する。授業中に居眠りしても、注意することはない。
短時間の居眠りで頭はスッキリする。
教諭は授業に集中してもらえるよう工夫するようになり、居眠りも減った。
校則をなくしたもう一つの理由に、生徒に「非認知的能力」を身に付けてほしいという願いがあった。
社会で活躍するためのコミュニケーション能力や柔軟な発想力など、紙の試験では測れないスキルを指す。
そのために生徒に対し6つのことを実践した。
①言うことを否定しない②話を聞く③共感する④触れ合いを積極的に行う⑤能力ではなく努力を褒める⑥行動を強制しない―
いずれも厳しい校則とは相いれないことだった。
―生徒はどう変わったか。
「管理」されることに慣れた子は最初は戸惑うが、自由に思ったことを言わせた。
「授業がつまらない」でも「こんなの将来役に立たない」でも、とがめない。
その結果、教諭との信頼関係を作りやすくなったと思う。
年に数回「ゆうゆうタイム」といって、生徒と教諭が一対一で自由に話せる時間を作ったが、生徒の表情が豊かになったと感じる。
こうして子ども本来の、自分自身に戻していく。
自分から進んで勉強しようとする生徒が多くなり、学力も身についた。
朝8時から、廊下に設けられたハンモックや椅子に座って、それぞれ勉強していた。
友達に対する考え方も変わったようだ。
入学当初は他人の言動を気にしてばかりで、教師に「あの子はルール違反では?」と告げ口しに来た生徒もいた。
しかし、桜丘中ではそれが意味の無いことだと気づくと、「私は私、あの人はあの人」だと自分も、相手も尊重できるようになっていく。
2、3年生ではいじめは全く無い。
―全国の中学、高校には、理不尽な校則がたくさんある。
中高生が不安定な思春期にあることを忘れてはいけない。
合理的な理由がないルールで縛ると最初は反発する。
「内申書に響く」などと言われると、生徒は意見を述べるどころか、考えることさえ諦めてしまう。
ストレスがたまると、勉強にも集中できないだろう。
学校は厳しい校則を運用する一方、社会で法に触れることが「治外法権」になり、曖昧に対処されがちだ。
これでは生徒を混乱させる。体罰は暴行、傷害罪で、学校の内も外も同じ法律を適用すべきだ。
桜丘中でも生徒が窓ガラスを割ったら、故意であれ過失であれ必ず弁償してもらった。
校則はなくても、社会のルールである法律を守らなければならないという厳しさは、生徒も実感していた。
日本は1994年に「子どもの権利条約」を批准した。
12条に意見表明権を定めており、生徒がルールや学校のことについて自由に意見を述べる機会は保障されなければならないはずだ。
数年前、桜丘中でも生徒手帳に一部を抜粋して載せた。
子どもたちに、君たちの権利は認められ、大切にされているんだということを伝え、安心してほしかったからだ。
信頼とは、そうやってつくられていくと思う。
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さいごう・たかひこ 1954年生まれ。今年3月まで東京都世田谷区立桜丘中校長。
著書に「校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール」
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ボタンの間から下着の検査「何でここまで?」校則は誰のためにあるのか(1)
教諭も困惑、制服検査「あれはセクハラ」校則は誰のためにあるのか(2)
〔2020年12/25(金) 47NEWS〕 

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