東松山市教育委員会
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埼玉16歳殺害1週間 閉鎖的コミュニティーに危険性 市教委、問題を把握
埼玉県東松山市の教育委員会は30日、中村幸一教育長らが会見し、逮捕された中学3年の男子生徒2人について、学校と地域で作る県の「いじめ・非行防止ネットワーク」で問題生徒として名前が挙がっていたことを明らかにした。
事件を防げず、中村教育長は「重く受け止めている。課題を検証していきたい」と述べた。
市教委によると、14歳の生徒は学校にたばこを持ち込み、15歳の生徒は教師に暴言や胸ぐらをつかむなどして1学期の半分以上を欠席したという。
17歳の無職少年も中学3年時に欠席と夜間外出が問題視され、16歳の無職少年も中学時代に夜間外出や喫煙があった。
また、同県川越市の中学3年の男子生徒も昨年6月から今年3月まで東松山市の中学校に在籍していたが、ほとんど登校していなかったという。
中村教育長は今後、不登校対策や地域・警察との連携の強化を図ると表明。
ネットワークで把握しながら事件が起きたことについては「課題があった。ほかに対策を講じられたのではないか」と述べた。
問題行動が目立つ少年らが事件を起こしたことについて、高校中退などの若者を支援するNPO法人「さいたまユースサポートネット」の青砥恭代表理事は「同じような境遇にある子供たちがつくる閉鎖的なコミュニティーが危険性をはらんでいる」と指摘する。
「嘘をついたり、電話やメールを無視したりしたから殺した」。
少年らが当初供述した殺害動機は、ささいなものだった。
青砥氏は「学校を中退したり、複雑な家庭環境などにある子供は、閉鎖的なコミュニティーに属しやすい」とし、その中で関係が濃くなることで、今回のような「ささいな裏切り」に対する排除、対立が生まれやすくなるという。
また、学校中退などで複数の集団に属さなくなることは、子供の社会性の発達を阻害すると指摘。
「子供が地域で他者と関係性をつくるためにも、学校から市や児童相談所などに、問題を抱えた子供たちについて適切な情報提供をすべきだったのでは」と述べた。
〔2016年9月9日・貧困ネット、◆平成28(2016)年8月31日 産経新聞 東京朝刊〕