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母子生活支援施設

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==母子生活支援施設==
 
==母子生活支援施設==
'''望まぬ妊娠 救いの手 虐待予防 妊婦に相談役 厚労省 専門家 産院に''' <br>
+
'''「未来を開く第一歩に」 母子支援施設と福祉事務所の職員が共同研修会'''<br>
'''◇10か所でモデル事業'''<br>
+
大阪、東京、福岡、大分から約50人が参加した <br>
乳児の虐待死を防ごうと、厚生労働省は来年度、望まない妊娠に悩む女性を支援するため、産科医療機関などに児童福祉司らを配置するモデル事業に乗り出すことを決めた。<br>
+
全国のさきがけを目指した「母子生活支援施設職員と福祉事務所等職員との共同研修会」が7月8日、大阪府社会福祉会館で開かれた。<br>
貧困や未婚などで悩む妊産婦の相談に乗り、出産後の生活をサポートすることで虐待予防につなげるのが狙い。<br>
+
「母子の未来を開く第一歩は、施設と行政が顔の見える関係になること」。<br>
まずは全国10か所で事業を始め、検証したうえで全国に広げたい考えだ。〈関連記事34面〉<br>
+
大阪、東京、福岡、大分から参加した約50人はそんな思いを共有し、新たな一歩を踏み出した。<br>
厚労省によると、虐待死の詳細な検証を始めた2003年度から13年度までに虐待で亡くなった18歳未満の子供は582人(心中を除く)。<br>
+
主催は、大阪府社会福祉協議会・母子施設部会。<br>
このうち0歳児が256人(44%)と年齢別では最も多く、生後24時間以内の死亡は98人(17%)を占めた。<br>
+
開会のあいさつで荒井惠一・部会長は、ひとり親世帯で親が就業している場合の日本の相対的貧困率は、54・6%にのぼり、OECD加盟国の中で最悪と指摘。<br>
0歳児が被害者となったケースの大半は実母が加害者で、若年や未婚などによる望まない妊娠や経済的困窮、精神疾患などが背景にあったものが目立った。<br>
+
「大阪の母子世帯は6万世帯だが、施設数から見ると、0・5%の300世帯しか受け入れられない」とし、「それなのに施設の利用率は80%と低く、全国的に見ても、暫定定員(定員割れ)の施設が35%を超えている。全国の課題だ」と訴えた。<br>
多くの自治体には、妊娠に悩む女性を対象に保健師らが相談に応じる拠点があるが、こうした女性の間では行政窓口に行くのをためらったり、自治体の窓口自体を知らなかったりする傾向が強いとされ、<br>
+
研修会の第1部では、2017年12月に部会内で結成された施設職員7人による大阪魁プロジェクトチームの活動報告が行われた。<br>
いかに実態を把握し、支援につなげるかが課題となっている。<br>
+
チームは、近畿母子生活支援施設協議会が17年6月にまとめた「入所時対応に焦点化したアンケート調査報告書」を読み込んだ。<br>
そこで厚労省は、妊婦との接点が多い産院や助産所などの医療機関と、貧困状態にある母子を受け入れる「母子生活支援施設」や民間シェルターに注目。<br>
+
「適切な入所を促すカギは、福祉事務所の窓口職員と現場の施設職員のつながりにある」「窓口職員への協力や情報提供が不足している」「『サポートが必要』と判断した母子のうち、3割が入所を決めていない」……アンケートで浮かんだこんな事実を踏まえて、府内68カ所の福祉事務所を訪れて情報交換。<br>
これらの施設に児童福祉司や助産師らのコーディネーターを置き、妊娠や出産の相談に応じるとともに、出産後の住居の確保や就労支援に向けた調整役を担ってもらうことにした。<br>
+
パイプの強化のために初の共同研修会を企画した――と1年半の歩みを報告した。<br>
例えば、女性が妊娠を確認するために受診したり、出産間近に救急搬送で運ばれてきたりした場合、<br>
+
研修会の第2部は、グループワーク。<br>
コーディネーターが相談に応じ、出産後の子供を乳児院に預けたり、母子でシェルターで暮らしたりするなどの可能な支援策を提示。<br>
+
大阪市立大大学院生活科学研究科の中島尚美・特任准教授をファシリテーターに迎えて、入所を躊躇している相談者にどのような声掛けや情報提供を行うか、などについて議論を深めた。<br>
育てる意思がなければ、児童相談所と連携して養子縁組に向けた調整を行ってもらうことも想定している。<br>
+
中島准教授は、「顔の見える関係がカギ。どういうふうに自立支援計画を立てているのか…入所後も、リアルタイムでお互い(施設と行政)が知っている、伝え合っている、それが大切だ。<br>
厚労省はモデル事業の費用として来年度予算の概算要求に約7800万円を計上。<br>
+
退所後の切れ目のない支援や地域との連携にもつながる。その意味で、今日は大きな第一歩を踏み出したのではないか」と講評した。<br>
産院などへの委託事業として実施する自治体を募ったうえで、自治体に対し、コーディネーターの人件費や活動費を全額助成する方針だ。<br>
+
【視点】未来の砦たれ <br>
'''児童虐待問題に詳しい才村純・関西学院大教授の話'''<br>
+
大阪での取り組みは、さきがけになる「必然的な要素」をはらんでいる。<br>
「望まない妊娠をした女性は行政の支援から漏れやすく、身近な産院などを中心とした今回の取り組みは画期的で効果が期待できる。ただ、実効性を高めるには、取り組みの認知度を高めて女性が相談しやすい環境を整えるとともに、女性と信頼関係を築いて出産後も長期的に支援できる枠組みをつくることが大事だ」<br>
+
DVや虐待、貧困の連鎖などが深刻化し、命を失う悲劇が後を絶たないからだ。<br>
〔◆平成28(2016)年8月29日 読売新聞 東京朝刊〕<br> 
+
そもそも、「等身大の母子生活支援施設」を伝えきれていない。<br>
 +
入所も退所も母親との「契約」で決まる。<br>
 +
契約内容をきちんと説明し、受けられるサービスを丁寧に伝えることから、支援が始まる。国を挙げての啓発が急がれる。<br>
 +
少子化を国難と認識し、だれもが活躍できる社会を目指すなら、措置費の改善は急務だ。<br>
 +
財政が厳しいからと、入所をDVに限定している自治体さえある。<br>
 +
母子生活支援施設は、生き直しの場でもあり、希望の砦だ。<br>
 +
その数が、こんな時期に、なぜ、漸減しているのか。母子の悲鳴が聞こえてくる。<br>
 +
〔2019年07月25日 福祉新聞編集部〕 <br>
  
'''(子どもと貧困)頼れない親:上 3歳、おなかすいて盗んだ 親は借金返済、3人の子残され'''<br>
 
万引きで補導されたのは3歳の保育園児だった。<br>
 
2012年春、西日本のスーパーマーケット。ズボンとシャツのポケットにあめとチョコを詰め込み、背中にロールパンの袋を隠していた。<br>
 
数カ月前から児童相談所(児相)が「経済困窮によるネグレクト(育児放棄)」の疑いで見守っていた家庭の次男。<br>
 
「一度にたくさん盗んでいるからこの子は初犯じゃない。食べさせて、きつく叱ってください」。警察官は母親(43)に言った。<br>
 
5歳上の長男、4歳上の長女も万引きでの補導歴が複数あったが、次男が補導されたのは初めてだった。<br>
 
トラック運転手の父親(50)は仕事で深夜まで帰らず、泊まる日も。<br>
 
母親は家政婦として住み込みで働き、ほぼ子どもだけでアパートで暮らしていた。<br>
 
料金滞納でガスは年中不通。水道、電気もよく止まった。<br>
 
子どもたちの食事は1日15分ほど戻る母親らが用意したカップ麺やそうめん。空腹を満たすため万引きした。<br>
 
小学校を休みがちになり、午前1時ごろまで遊ぶ日もあった。<br>
 
□'''児相に通報度々'''<br>
 
一家がこんな状態になったのは、父親が連帯保証人になっていた友人の借金を数年前に背負ったのがきっかけだった。<br>
 
給料はほぼ返済に充て、母親もパートで働いたが、家計をうまくやりくりできず、ヤミ金融から借りてしのいだ。<br>
 
「力になる」と話す友人の女性にも、母親は金を借りた。<br>
 
半年ほどすると家の手伝いを強要されるようになり、11年春から友人宅に住み込み始めた。<br>
 
ヤミ金からの厳しい取り立てに追われ、「この人に頼って返済し続けないと家族を守れない」と思い詰めていた。<br>
 
1年余りたって、不登校気味の子どもたちを心配した小学校が役所に連絡。<br>
 
児相職員が月に一度は家庭訪問し、改善を求めたが、母親は「子どもの面倒は見ている。私たちが育てる」と主張し続けた。<br>
 
その後も「外で子どもが1人で遊んでいる」「大人の姿がなくて心配」と近所から通報が相次いだ。<br>
 
13年に入り、家賃滞納で子どもたちは引っ越した。<br>
 
転校先の小学校が無断欠席を心配して役所に連絡。<br>
 
職員が家を訪ねると両親は不在で、食事も与えられていなかったため児相に連絡し、一時保護された。<br>
 
□'''母子一緒がいい'''<br>
 
子どもを児童養護施設に入れることも打診されたが、二度と一緒に暮らせなくなるのではないかと心配した母親が固辞した。<br>
 
生活保護も考えたが、時間がかかると聞いてやめた。<br>
 
「現状では家族まるごと支援する方法はない」と言われ、離婚して、子どもと母子生活支援施設に入った。<br>
 
給付金を受けながら職業訓練学校に通い、医療事務の資格を取得。就職し、18万円ほどの月収がある。<br>
 
施設に入っても、子どもたちの乱れた暮らしはすぐには戻らない。<br>
 
布団の上で食事をとる。夜更かしなどのせいで登校を嫌がる。幼児のようにだだをこねる……。<br>
 
「子どもだけにしていた日々の影響がこんなにも大きいとは」と母親。<br>
 
負い目があり、いいなりになるか極端に叱るかしがちだった。<br>
 
職員や学校の助言で変化の兆しもある。<br>
 
今春、中学に進んだ長男(12)は警察官になる夢ができた。<br>
 
不登校状態だった長女(11)は少しずつ登校を始めた。<br>
 
次男(7)は発達障害と診断されて支援学級で学ぶ。<br>
 
長男は子どもだけの日々をこう振り返る。<br>
 
「おなかすいてた。両親は一生懸命やってくれてた。もう忘れた」<br>
 
□'''親子の困難探り、総合的支援を'''<br>
 
親が養育困難に陥り、深刻な貧困状態にある世帯を丸ごと支援する手段は、生活保護を除くと乏しい。<br>
 
親子を一体で保護する唯一の児童福祉施設が母子生活支援施設で、全国に247あり、3542世帯が入所する(2014年)。<br>
 
ただ「支援を必要とする世帯の一部にすぎない」と、児童相談所の勤務経験がある帝京科学大学の和田一郎講師(児童福祉)は言う。<br>
 
「貧困が背景のネグレクトなど、目に見えにくい虐待は、一時保護に踏み切る判断が難しい」とも指摘。<br>
 
親と関係がこじれそうな時でも、児相の職員が安心して判断できるよう、福岡市のように児相に弁護士を常駐させることを提案する。<br>
 
日本社会事業大学の宮島清・准教授(児童福祉)は<br>
 
「現状では、子どもや母子を地域から引き離して施設などに保護するか、中身がほとんどない『見守り』の二つしかない」と話し、<br>
 
介護保険のように、調査に基づいてケアプランを作り、実践していく仕組みが必要だと指摘する。<br>
 
ソーシャルワーカーが、子と親の困難を探り、当事者も一緒に、生活、就労、子育て、医療、住居などの支援を総合的に決める。<br>
 
「国が貧困対策を最重要課題と位置づけ、所得の再分配を進め、必要な予算と人材を確保すべきだ」と話す。<br>
 
□'''主な相談窓口'''<br>
 
<児童相談所全国共通ダイヤル> 189に電話すれば、最寄りの児童相談所につながる。24時間、子どもや保護者からのSOS、近所からの相談を受け付ける<br>
 
<NPO法人「CAPNA」(名古屋市)> 全国の虐待防止に取り組む民間団体ネットワークの事務局を担当。<br>
 
月~土曜の午前10時~午後4時に電話(052・232・0624)で相談に応じるほか、ホームページ(http://capna.jp/)からメールで相談も受ける<br>
 
<子どもの人権110番> 最寄りの法務局・地方法務局につながり、法務局職員か人権擁護委員が、虐待やいじめ、体罰などの相談に応じる。<br>
 
電話は0120・007・110(平日の午前8時半~午後5時15分)<br>
 
〔◆平成28(2016)年5月8日 朝日新聞 東京朝刊〕 <br>
 
  
[[Category:児童福祉施設の周辺ニュース|ぼしせいかつしえんしせつ]]
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<HTMLet>meisan_tokyo_08</HTMLet>
[[Category:児童虐待の周辺ニュース|ぼしせいかつしえんしせつ]]
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[[Category:児童福祉施設|0ぼしせいかつしえんしせつ]]
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[[Category:子どもの虐待|0ぼしせいかつしえんしせつ]]

2023年2月21日 (火) 16:34時点における最新版

母子生活支援施設

「未来を開く第一歩に」 母子支援施設と福祉事務所の職員が共同研修会
大阪、東京、福岡、大分から約50人が参加した
全国のさきがけを目指した「母子生活支援施設職員と福祉事務所等職員との共同研修会」が7月8日、大阪府社会福祉会館で開かれた。
「母子の未来を開く第一歩は、施設と行政が顔の見える関係になること」。
大阪、東京、福岡、大分から参加した約50人はそんな思いを共有し、新たな一歩を踏み出した。
主催は、大阪府社会福祉協議会・母子施設部会。
開会のあいさつで荒井惠一・部会長は、ひとり親世帯で親が就業している場合の日本の相対的貧困率は、54・6%にのぼり、OECD加盟国の中で最悪と指摘。
「大阪の母子世帯は6万世帯だが、施設数から見ると、0・5%の300世帯しか受け入れられない」とし、「それなのに施設の利用率は80%と低く、全国的に見ても、暫定定員(定員割れ)の施設が35%を超えている。全国の課題だ」と訴えた。
研修会の第1部では、2017年12月に部会内で結成された施設職員7人による大阪魁プロジェクトチームの活動報告が行われた。
チームは、近畿母子生活支援施設協議会が17年6月にまとめた「入所時対応に焦点化したアンケート調査報告書」を読み込んだ。
「適切な入所を促すカギは、福祉事務所の窓口職員と現場の施設職員のつながりにある」「窓口職員への協力や情報提供が不足している」「『サポートが必要』と判断した母子のうち、3割が入所を決めていない」……アンケートで浮かんだこんな事実を踏まえて、府内68カ所の福祉事務所を訪れて情報交換。
パイプの強化のために初の共同研修会を企画した――と1年半の歩みを報告した。
研修会の第2部は、グループワーク。
大阪市立大大学院生活科学研究科の中島尚美・特任准教授をファシリテーターに迎えて、入所を躊躇している相談者にどのような声掛けや情報提供を行うか、などについて議論を深めた。
中島准教授は、「顔の見える関係がカギ。どういうふうに自立支援計画を立てているのか…入所後も、リアルタイムでお互い(施設と行政)が知っている、伝え合っている、それが大切だ。
退所後の切れ目のない支援や地域との連携にもつながる。その意味で、今日は大きな第一歩を踏み出したのではないか」と講評した。
【視点】未来の砦たれ 
大阪での取り組みは、さきがけになる「必然的な要素」をはらんでいる。
DVや虐待、貧困の連鎖などが深刻化し、命を失う悲劇が後を絶たないからだ。
そもそも、「等身大の母子生活支援施設」を伝えきれていない。
入所も退所も母親との「契約」で決まる。
契約内容をきちんと説明し、受けられるサービスを丁寧に伝えることから、支援が始まる。国を挙げての啓発が急がれる。
少子化を国難と認識し、だれもが活躍できる社会を目指すなら、措置費の改善は急務だ。
財政が厳しいからと、入所をDVに限定している自治体さえある。
母子生活支援施設は、生き直しの場でもあり、希望の砦だ。
その数が、こんな時期に、なぜ、漸減しているのか。母子の悲鳴が聞こえてくる。
〔2019年07月25日 福祉新聞編集部〕


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