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N高等学校

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2018年12月9日 (日) 09:17時点におけるMatsu4585 (トーク | 投稿記録)による版
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角川ドワンゴ学園 N高等学校

所在地 〒904-2421 沖縄県うるま市与那城伊計224
TEL 0120-025-215
FAX
 

生徒全員を救う事を目指さない「N高」の戦略
インターネット上に「角川ドワンゴ学園N高等学校」を立ち上げた川上量生氏(右)。
開校から2年を経てどうなっているのだろうか(撮影:尾形文繁)
今年2月に著書『没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術』を出版したニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏と、インターネット上で角川ドワンゴ学園N高等学校を立ち上げた川上量生氏。
N高クイズ研究会の特別顧問も務める吉田氏と川上氏が、N高について、そしてビジネスについて語り合った。
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■人に自慢できるような通信制高校を作りたい
吉田:これは精神科医の斎藤環先生がおっしゃっていたことなんですが、「ニコ動は引きこもりに効く」らしいんですよ。
それと川上さんが立ち上げたN高等学校というのは、実はとても近いのではないかと思って、本日はお話を聞きに来ました。
ところでN高(N高等学校)は開校から2年経ちますが、初めのころと比べて状況が変わってきたというようなことはありますか?
  川上:最初に思っていたことと、やってみると違っていたことはいくつかありますね。
まず経営者的なことをいうと、始める前は初年度から1万人くらいは生徒が来るだろうと思っていたんですよね。
ところがふたを開けてみると1500人しか来なかった。
当然、僕はショックを受けたんですが、教育業界的には初年度でこれだけの人数が集まったということが驚きだったらしく、「1500人って驚かれる数字なんだ!」ということに僕はさらにショックを受けました(笑)。
吉田:そこはリアルサービスとネットサービスの違いという感じですね。
川上:それともう1つは、学生たちが予想外に早く学校に誇りを持ってくれたということ。
もともとN高設立は現在校長をしている奥平(博一)さんと、それまでいろいろな通信制高校の立ち上げに携わってきた中島(武)さんが、ドワンゴの取締役の志倉(千代丸)さんのところに持ち込んできた話だったんです。
彼ら曰(いわ)く、通信制高校の生徒たちが抱えている問題というのは友達ができないことと、恥ずかしくて人に通信制高校へ通っていることが言えないことなんだ、と。
そして、そういう子たちの多くはニコ動を見ている。
だったらドワンゴと角川が通信制の高校を作れば、彼らが行きたいと思える、そして行っていることを堂々と言える学校になるはずだ、と。
僕はその話に納得して、ネットの高校を僕たちで作ろうと決めたんです。
吉田:N高にはネット部活というのがあって、実は僕、クイズ研究会の特別顧問をやらせていただいているんです。
そこで実際にN高内のSlack(スラック)を見ていると、かなり頻繁にやりとりがされているし、なおかつそれが普通の友達と比べてまったく遜色のない関係になっていることも実感しますね。
川上:僕らとしても、通っていることを自慢できる学校を作ろうと思ってはいたんだけど。
「誇りを持てる学校を作る」というのは、すごく大変なことだと考えていたんです。
いろいろな努力をした結果、ようやく自慢できる学校になるんだろうと思っていたんですが、生徒たちが予想以上に早く受け入れて、誇りを持ってくれた。
ただそれは逆にいえば、いかにそういう存在が求められていたのかということでもありますね。
■進学校の不登校の子たちがN高を選ぶ
吉田:ネット住人ってコンプレックスと優越感の両方を持っていて、彼らの優越感側に寄り添う場所というのが、特に学校という世界にはまるでなかったんですよね。
川上:そうなんですよ。職場としてはIT企業とか、いわゆるネット住人たちがエンジニアとして輝けて、俺たちのほうがわかっていると胸を張れる場所があったんですが、学校にはなかった。
だからN高は設立を発表した段階で、そういう場なんだと認識されて、みんながそれに反応したんでしょうね。
吉田:うちの娘は中1なんですが、一時、ユル不登校をしてまして、1日中ず~っとネットを見ているんですよ。
それこそニコ動とかYouTubeなんかを。
それなのに本人に「だったら高校はN高がいいんじゃないの」って言ったら、本人は「ええ~っ」と。
川上:それはそうでしょう。
やっぱり通信制高校に対するイメージ自体はまだまだ低いですから。
実はN高の生徒って、進学校の不登校の子たちが多いんです。
どうせ通信制の高校に行くんだったら、せめて納得できて、ある程度プライドも満足させられるのがN高だという選択なんですよ。
今の若い子たちって基本的にすごく保守的だから、普通の選択以外は基本的に難しい。
だから今来ている子たちはやっぱりどこか「尖った子」たちなんです。
現状ではそういう、ある種はみ出した子たちが選択する学校なので、僕らはそこを超えたいと思っているんですけどね。
N高が「普通の選択」になるように。
■教育に関して僕らは素人である
吉田:学校経営者のなかには勉強や学校を聖域と考える方もいれば、ビジネスだと割り切って考える方もいます。
川上さんは経営者としてどちらの考え方なんですか? 
川上:教育にもビジネス的視点は必要だとは思います。
やっぱり費用対効果で考えるべきだと思うので。
ただ教育の世界に入るにあたって1つ決めたことがあって、それは「教育に関して僕らは素人であることを自覚しましょう」ということでした。
教育業界ってどこか聖域的なものがありますよね。
ある種のイデオロギーというか、たとえば、教育で人間の本来のあり方を教えるみたいなこととか。
これは僕の個人的な考えですが、本来の動物としての人間って、自我なんてないんですよ。
自我があるというのは、何かの勘違いか幻想でしかない。
人間は基本的に場当たり的に生きているものだから、周りの環境に大きく作用されるんです。
ただ、逆に場当たり的というのは環境に適応するっていうことだから、環境が重要なんですよね。
けれど近代の教育というのは、その環境を飛び越える自我を持てという、そういう哲学みたいなことをいうわけです(笑)。
吉田:確かにそうだと思います。
環境に左右されない自我の確立が大切と言われますよね。
川上:僕らは教育外の人間なので、その辺は正直わかりませんと。
だから、僕らはそういうことはやらないし、偉そうなことを言うのもやめようと決めたんですよね。
じゃあ僕らは何をやるかというと、そういう観念的なことではなく、もっと具体的に、進学したい人には大学合格させます、就職したい人には就職させます、という部分を徹底していこうと。
僕らはIT企業なので、現役のエンジニアを教師にした実践的な技能は教えられます。
少なくともこれができれば、IT企業だったら普通に採用されるよう技術を身に付けて卒業してもらう。
そうすれば、その子の人生は変わりますよね。
「人間力を育てる」なんていう漠然としたことではなく、実際に世の中を生き抜くための技術を身に付けてもらう。
これはプラスになったよねと、僕ら自身が心の底から思えることだけを教えようというのが、N高がやろうとしていることです。
そこを最低限の担保にしようと決めたんですね。
吉田:プログラミングに関しては、間違いなくその道筋が見えているわけですよね。
川上:僕らは専門家ですからね。
こうやればいいだろうっていうのがあって。実際に結果で出ています。
ほかにも作家志望の生徒には、プロの編集者が原稿を読んでアドバイスをするとか。
そんなふうに、他よりもいい教育ができることがわかっている部分に力を入れています。
教育の世界では、1人も落ちこぼれを出さずに全員を救う、みたいな考え方がありますが、それは僕らには難しすぎるので、全員を救うことはやめましょうと。
そうじゃなくて、Aというパターンで3人救って、Bというパターンで5人救って、足しても100%にはならないかもしれないけれども、少なくとも全体の何割かの生徒の人生は確実に変えられる。
そして、その数を増やしていこうと考えているんですね。
■生徒にとって必要なのはプライドとコミュニティ
吉田:授業に関しては、あくまでも知識と技術を教えることに特化していると。
川上:精神的な部分で生徒にとって必要なのは、プライドとコミュニティだと思っているので、それはそれで満足度を上げることを目指しています。
ただ、生徒の声を聞いてみると実際に十分なコミュニティが作れたと言っているのは全体の60%ぐらいですね。
20~30%はネット上でもコミュニティにうまく入れていない。
とはいえ、これまでの通信高校ではそもそもコミュニティなんてゼロに近かったわけですから、まずまずかなと思っています。
吉田:それでも選択肢自体がこの世に存在するということは、すべての人にとって絶対的にプラスですもんね。
川上:たとえば大学というのはある種のモラトリアムで、なぜそれが許されているのかといえば、基本的に大卒のほうが優秀な労働力になるはずであるという暗黙の前提があるからだと思うんですよ。
そして学生にとって、学校へ通うことの最大のモチベーションはコミュニティの場にいられることなんです。
職業訓練の場とコミュニティが両立しているのが学校という存在です。
僕らは生徒がいちばん求めているコミュニティを提供します。
同時に、彼らが社会に放り出されたときに生きていける武器を、やっぱりなんとしてでも身に付けさせたい。
それがN高のミッションだと思っています。
吉田:ちなみにN高の宣伝方法というのは、基本は口コミなんですか?
  川上: N高の場合は、割と最初からネットなどを使ったマスの宣伝は成功したんです。
それでもやっぱり学校選びって、アプリをダウンロードするのとは違いますから。
人生を賭ける選択って、当たり前だけど重いんですよ。
ですから営業する先は、やっぱり親と先生ですね。
その人たちにN高というのが普通の選択肢でありえるんだ、ということを納得してもらえるよう地道にやっています。
そこで重要なのは実績ですよね。
吉田:今のところ上がっている実績は、本人たちが楽しそうとか、そういうことでしょうか。
N高生本人が楽しそうであるとか。
川上:N高に限らずどの通信制高校でも楽しそうだっていうメッセージは発信するじゃないですか、スーパーの大売り出しとかと一緒で(笑)。
そういうメッセージは体験者による口コミでしか信じてもらえないメッセージだと思います。
だからマスに向けたメッセージとして伝えているのは、先進的な教育をやろうとしている、普通の高校ではできないようなことをやろうとしている、ということですね。
それも次第に広まっていると思います。
吉田:社会的には、東大合格者数何人とか、甲子園出場みたいなものはまだ出ていないわけですよね。
そこが付いてくるとどんどん普通の選択肢になっていくんじゃないかなと思いますね。
■合格者リストを出したら志望者が激増
川上:なるでしょうね。保護者だけじゃなくて生徒自身にとってもそこがいちばん大きいポイントだと思います。
今年、N高は2回目の卒業生が出ました。
そして去年はやらなかったんですけど、今年は合格した大学のリストを人数込みで公表したんです。
これって通信制高校では初めてで、今までどこもやっていないんですよね。なぜなら、公表できないから。
吉田:……そういうレベルではなかったということですね。
川上:累計のものは出しているんですけどね。
しかも大学名だけで、人数も出さず「これまでに卒業生が合格した大学リスト」というのを出しているところがほとんどです。
だから僕らは「今年この大学に何人合格しました」というのを発表したんです。
そんなに大勢はいません。早慶が1人ずつと、東工大くらい。
それでもやっぱり、願書の申し込みがものすごく増えました。
吉田:へぇ~。世間が見ているのはその辺なんですか。
川上:やっぱりそこなんですよ。人生を預けるわけですから。
いよいよ来年3月、N高で3年間学んだ子たちが初めて卒業するのですが、そこで東大合格者が出るかどうかというのが、当面のN高の世間における評価を分ける判断軸になってしまうと思いますね。
大量の消費者を相手にすることで大規模化してコストを下げる。
結果、低コストで高品質のものを消費者に届けるというのが資本主義の基本のモデルです。
けれど教育業界ではそれが難しかった。
40人が1つの教室に集まって一斉に同じ授業を受けるのは一見、効率的だけれど教育の質という点で考えると決して高くはない。
それよりも通信制高校でITとネットを活かして、一人ひとりに最適な教育をやったほうが効率がいいに決まっているんです。
ところが、現実の通信制高校というのはどちらかというと高校の卒業資格を得るためだけのものになっているところが多い。
でも本来はいちばんのエリートに最高の教育を、しかも低コストで提供できるモデルのはずなんです。
吉田:それをやっちゃおうというのがN高ですよね。
■1人の優秀な先生がいれば、何万人でも教えられる
川上:理念で言うとN高モデルは単純で、通信制高校なので授業をやるのは優秀な先生1人でいいんですよ。
1つの優秀な教材を使って1人の優秀な先生が授業を行えば、その先に生徒が何人いても、ある意味、原価は変わらない。
だからN高モデルは、生徒数が増えればどんどんお金をかけて教育の質を上げられるのです。
吉田:今はその増加を目指す段階にあるわけですね。
川上:そうです。N高みたいな教育をやろうとすると最低でも1万人、できれば2万人ぐらいの生徒がいないとお金的には厳しい。
現状でそんな通信制高校は世の中にないんですけど、このままのペースでいけば、N高は将来的にはそのくらいは達成できるだろうと思っています。
そこで最初から予算もそれくらい使っちゃおうと。
だから正直、今は赤字です。
けれど、いずれは必ず採算も合うし、もっとお金もかけられるようになると思います。
そうすれば他のどの高校にも真似できないレベルの教育を生徒一人ひとりに提供しつつ、ビジネスとしても収支が合うようになるんです。
川上 量生 :カドカワ 社長/吉田 尚記 :ニッポン放送アナウンサー
〔2018年10/22(月) 東洋経済オンライン(構成:岩根彰子)〕

ウイイレ日本代表はN高生 ゲームでも師は元プロ選手
eスポーツ日本代表の相原翼さん(右)に助言する元サッカー日本代表の秋田豊さん
アジア大会で公開競技に初採用されたeスポーツは1日、最終日を迎え、日本代表2選手が登場。
人気サッカーゲーム「ウイニングイレブン」でアジアの強豪と向かい合った。
代表の一人、相原翼さん(18)はネットで学ぶ通信制「N高」(本校・沖縄県うるま市)の3年生。
「この学校にいなかったら、今の自分はない」という。
2016年4月、「ニコニコ動画」を運営するドワンゴを統合した出版大手のカドカワが開校。
インターネットを駆使して時間を効率的に使い、高卒資格に必要な学習時間を最小限にする代わりに、空き時間に各分野のプロから自分の好きなことを学べるのが特徴だ。
暗記型教育からの転換をめざし「スマホネイティブ世代」に適した教育のあり方を模索している。
1期生の相原さんは「ウイニングイレブンが強くなりたい」と、九つある部活のうちサッカー部に所属。
同部ではJリーグ鹿島や日本代表でDFとして活躍した秋田豊さん(48)が特別顧問を務め、月に1回ほど、画面越しに実際のサッカーの戦術との類似点や心理状態などを助言する。
部員からのリクエストで、実際に秋田さんとフットサルをする機会もあった。
大会前の8月23日、相原さんは部員と壮行試合をした。
画面越しに観戦した秋田さんは「翼君は前はイケイケのサッカーをしていたけど、後ろを固めて少ない手数で攻めるようになった。
Jリーグが開幕した1993年の鹿島のサッカーを見ているみたい。あの時もアルシンドとジーコと黒崎さんだけで攻めていた。懐かしい」。
相原さんは「カウンターを仕掛ける意識が強くなった。アジア大会用には複数の陣形を考えています」と応じた。
小3の時に父が買ったウイニングイレブンで楽しさを知った東京都出身の相原さん。
大会出場権をかけた東アジア予選を勝ち抜いてから、ふさぎ込みがちだった性格は自他ともに驚くほど変わったという。
秋田さんが「本当によくしゃべるようになった」と言えば、本人も「殻がやぶけたと思う」と笑う。
N高の生徒は7月現在で約6800人。
元々通っていた学校になじめず不登校だった生徒がいれば、「自分の選択肢を広げたい」と偏差値の高い有名高から転校する生徒も。
フィギュアスケートの紀平梨花選手のほか、国際情報オリンピックの日本代表や囲碁のプロ棋士らも在校中という。
〔2018年9/1(土)朝日新聞デジタル(野村周平)〕

本校は沖縄離島でも生徒ゼロ? カドカワの通信制「N高」が人気、多彩な人材集まる
N高等学校の奥平博一校長
メディア・出版大手のカドカワが2016年4月に開いた通信制高校、N高等学校(N高)。
規制緩和や不登校生徒の増加などを背景に急増した通信制高校のなかには、ずさんな運営で閉鎖に追い込まれるところも出ているが、N高はカドカワのグループ力を生かして生徒を増やし、実績を積み上げている。
奥平博一校長にN高の強みと課題を聞いた。
◇  ◇  ◇
JR新宿駅の近く、代々木ゼミナール本部校の敷地内にあるN高の代々木キャンパス。
平日午後に訪ねると、教室やフリースペースで一心不乱にパソコンに向かったり、グループで楽しそうに議論したりする多くの若者の姿があった。
皆、N高の通学コースの生徒たちだ。
本校は沖縄離島でも生徒ゼロ? カドカワの通信制「N高」が人気、多彩な人材集まる
沖縄県の伊計島にある本校=N高等学校提供
■通学コース、求めに応じ開設
N高は基本的に通信制だが、開校翌年の17年4月に「通学したい」という生徒からの要望を受け、通学コースも開設した。
現在は首都圏に5つ、名古屋、大阪、福岡に1つずつキャンパスを構える。
在校生はネットコースと通学コース合わせて約6600人。
初年度の約1500人から2年で4倍以上に増えた。
ちなみに「N」にはNetやNew、Next、Necessary、Neutralなど多様な意味を込めている。
奥平氏は「生徒数は、予想以上に伸びています」と笑顔を見せる。
沖縄の「かりゆしウエア」姿なのは、代々木キャンパスに出張で来ているから。
N高の本校は沖縄県の離島、伊計島にあり、普段はそこで勤務している。
ただし、本校にいるのは教職員だけだ。
年に1度の泊まりがけのスクーリング(対面授業)のときだけ、多くの生徒たちでにぎわいをみせる。
通信制ならではの運営スタイルだ。
通学コースといっても、普通の学校のように先生と生徒が教室で顔を合わせて授業をするわけではない。
あくまでインターネットを使った通信授業だ。
それでも生徒の約3割が、「学校のほうが家より勉強がはかどる」「友達と一緒にプロジェクトを進めるのに効率的」など様々な理由で通学コースを選んでいる。
通学日数別に週5日、3日、1日の3コースがあり、これも自分で選べるという。
そもそもN高設立の背景には、日本の将来を担う人材を育てるには、一人ひとりの個性や価値観にあわせた多様な学びの形、進路選択が必要ではないかという問題意識がある。
また、幼いころからネットやパソコンに囲まれて育った、いわゆるデジタルネーティブ世代にとっては、「いつでもどこでも」というネットの利点を生かす学習方法の方が、大きな成果が見込めるのではという見立てもあった。
これまでの画一的な教育システムへのアンチテーゼとしてスタートしたのが、N高なのだ。
■「自立の武器」を身につける
それだけにカリキュラムも個性的だ。
単位制のため、自分のペースで勉強を進められ、自由時間も多い。
その時間を将来の進路選択に役立てられるよう、N高では高校卒業資格取得のための必修授業とは別に、数多くの選択授業を提供している。
例えば、IT(情報技術)業界への就職を考える生徒向けの「プログラミング授業」や、使える英語や中国語を学ぶ「外国語授業」、エンタテインメント業界を目指す生徒向けの「エンタテインメント授業」や「文芸小説創作授業」などだ。
企業や自治体、NPOの協力を得て実施する「就業体験授業」もある。
N高の授業に頼らずに自分で何かに打ち込むこともできる。
奥平氏は「教育の目的は、社会で自立するための武器を身につけること。それには高校時代にいろいろな体験をしておくことが大切です」と実践教育の重要性を説く。
同時に受験対策クラスも用意し、「大学受験にも力を入れています」(奥平氏)としている。
通学コースには、目玉ともいえる「プロジェクトN」という授業がある。
生徒が自ら社会的課題を見つけ、解決策を考えて成果として発表するという課題発見解決型の授業で、高校では珍しい取り組みだ。
チームで課題に向かうことで、チームビルディングやコミュニケーションのスキルも養えるという。
山田さんは「ディープラーニングを勉強中」
本校は沖縄離島でも生徒ゼロ? カドカワの通信制「N高」が人気、多彩な人材集まる
■ニコニコ動画のエンジニアが直接指導
N高ならではの強みは、カドカワグループの人材や資金力、ブランド力を活用できる点だ。
例えば、プログラミングの授業ではカドカワ傘下のドワンゴで働くトップエンジニアが講師を務め、ニコニコ動画のようなサービスを構築する技術を教える。
「プログラミングの授業のレベルは非常に高い」と奥平氏は胸を張る。
また、プロジェクトNで発表内容が優秀と認められると、経営コンサルタントの助言や年間総額1000万円の資金援助を得ながら、本格的に起業を目指すことができる。
プロジェクトの選考委員を務めるのは、N高の理事も務めるカドカワの川上量生社長、ドワンゴの取締役を務める夏野剛・慶応義塾大学特別招聘教授、実業家の堀江貴文氏ら、そうそうたる顔ぶれだ。
こうした独特のカリキュラムに魅力を感じてN高を志望する生徒も多い。
3年生の山田陽大さんは、群馬県内の進学校に通っていたが、プログラミングを勉強したいという思いが募り、1年生の冬にN高に転入した。N高のことは広告で知り、「これだ、と思った」という。
通学には片道2時間かかるが、それでも通学コースを選んだのは、「いろいろなイベントに参加する機会が多く、IT業界とのつながりもできる」からだ。
「現在はディープラーニング(深層学習)を勉強中。
将来はプログラミングで社会貢献したいが、当面はプログラミングをさらに深く学ぶため大学に進学するのが目標です」と抱負を語る。
同じく通学コースに在籍する2年生の小林優子さんは、毎年、多くが東京大学に合格することで知られる私立の中高一貫校からN高に進学した。
「学習方法が自分に合いませんでした。N高は自分のペースで勉強できるのがいい」と話す。
小林さんは、卒業に必要な単位を早々にとり、残りの時間をフルに受験勉強にあてる計画だ。
開校してまだ2年余りだが、大学進学の成果も出始めている。
1期生が巣立つのは来春だが、転入組の中からはすでに卒業生が出ており、18年には東京工業大学や筑波大学、慶応義塾大学、早稲田大学、東京理科大学などトップ校を含む多くの大学に合格者が出たという。
■eスポーツの日本代表も
進学実績だけではない。4月に米国で開かれた19歳以下の国際バレエ・コンクール「ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)」で、1年生の立花乃音さんがシニア女子部門で「トップ12」入り。
高校生がプログラミング能力を競う5月の「第12回アジア太平洋情報オリンピック」では、3年生の清水郁実さんが、灘高校、筑波大学付属駒場高校の生徒と並んで銅メダルを受賞した。
最近注目のゲーム対戦競技「eスポーツ」でも、3年生の相原翼さんが「第18回アジア競技大会」に向けた日本代表の12人に選ばれるなど、多彩な才能が花開いている。
奥平氏はこの間の成果を評価しながらも、現状に満足する様子はない。
課題は「イメージと認知度のアップ」だという。
N高の知名度は、まだ一般には高いとはいえず、通信制に対する社会の固定観念もあって、入学や転入に親や周囲が反対するケースもあるという。
奥平氏は「情報発信やカリキュラムの充実に一層力を入れていくと同時に、全員が『自分はN高の生徒だ』と胸を張って言えるような学校にしていくことが非常に重要」と力を込めた。
〔2018年7/23(月)NIKKEI STYLE(ライター 猪瀬聖)〕

ネットの高校「N高」の2018年度入学式はハコスコ配りVR動画を配信 全新入生が家やキャンパスから"参加”
ネットの高校「N高」の2018年度入学式はハコスコ配りVR動画を配信 全新入生が家やキャンパスから
1年目はスマートフォンを使ったVR、2年目はマイクロソフトのHoloLensと最先端の技術を取り入れた入学式を行ってきたネットの高校、N高等学校が4月4日に開催した2018年度の入学式で選んだのはハコスコ。
段ボール製のヘッドセットにスマートフォンを差して使う簡易版のVRゴーグルを新入学生らに配布し、メイン会場となった東京・六本木のニコファーレに来なくても、自宅や全国各地にある通学コースキャンパスで入学式の雰囲気を体験できるようにした。
「イベント」画像・動画ギャラリー
カドカワが開校した角川ドワンゴ学園がネットの高校として立ち上げたN高等学校は、インターネットを通じた学習を中心に、沖縄にある伊計本校でのスクーリング、全国各地に設置したキャンパスへの通学などを通し、生徒たちが学べる仕組みを提供している。
2016年度に第1期の新入生を迎えてスタートし、2018年度の今年は第3期生が2752人入学。
総勢で6512人が学ぶという、リアルでは相当な"マンモス校"へと成長した。
これからの社会に不可欠とされるプログラミングに関する教育や、マンガ、ライトノベルといったエンターテインメントに関する課外授業など、既存の高校にはないカリキュラムを提供して好評を得ているN高。
入学式も独特で、1年目はスマートフォンを使ったVRヘッドセットのGear VRを入学式の出席者に提供し、沖縄と六本木をつないで見せた。
2年目はMRデバイスのHoloLensを着用させて、ニコファーレ以外の場所や、ウルグアイ前大統領のホセ・ムヒカのスピーチを出席者に見せた。
3年目となる今年は、どういった最先端のテクノロジーが提供されるかと期待されたが、N高が選んだのは2800人近い新入生に同じような体験をしてもらうための方法。
YouTubeから360度のVR映像をリアルタイムで提供し、これをスマートフォンで再生しながら簡易版のVRヘッドセット越しに見ることで、自分もニコファーレの会場にいて入学式に参加している気になれる。
大人数でも、場所が遠く離れていても共通の体験が可能なVRの良さを取り入れた入学式と言えそうだ。
その入学式では、将棋で初となる永世七冠の資格を得て国民栄誉賞も授与された羽生善治竜王・棋聖が特別来賓として挨拶。
当人は登場せず透過型のディスプレイに投影される形での登壇となったが、「初心忘るべからず」という言葉を挙げて「始めたときのことだけでなく、それぞれの節目のときの気持ちも忘れないようにしよう」と話し、入学時の思いも、進級したときの思いも等しく心に刻んでおこうと呼びかけた。
また、情報にあふれた世の中で「何を作り出して何を社会に役立てるか」が大切で、クリエイティブな発想を持って臨む必要性を唱えていた。
新入生による宣誓も行われ、沖縄伊計本校にいる奥平博一校長が映し出された透過型ディスプレイに向かい、新入生代表の杉山航さんが不登校だった自分が通える高校に出会えたことを喜びつつ、「好きなことで成功する」という希望を実現するため、教員たちに「教育だけでなく協力をお願いしたい」と訴えていた。
入学式はこのあと、在校生が壇上にあがって校歌を斉唱し、新入生をお祝いして終了した。
〔2018/4/4(水)IGN JAPAN谷口隆一〕

近畿大学がドワンゴ、「N高校」と包括連携協定 ICTや人材育成分野で/大阪
"ドワンゴ代表取締役会長・角川ドワンゴ学園理事の川上量生さん(写真左)と近畿大学・清水由洋理事長"
近畿大学(東大阪市小若江3)、ドワンゴ、角川ドワンゴ学園「N高等学校」が11月15日、包括連携協定の締結と協定に伴う事業計画について発表した。
N高等学校は昨年4月に開校したインターネットと通信制高校の制度を活用した高校。「IT×グローバル社会を生き抜く『創造力』を身につけ、世界で活躍する人材を育成する」という理念の下、現代のネット社会に対応した教育を実践し、授業やレポート提出はネット上で行う。
高校卒業資格取得のための必修授業のほか、大学受験に向けた学習やプログラミング、ライトノベル、ゲーム、ファッションなど多様なカリキュラムが特徴で、現在はネットコースと通学コースを設け、2017年10月時点で4313人が在籍している。
今回の協定では、「情報通信技術」「学術・教育・研究・産業の振興」「人材の育成」「情報発信」の4分野で連携・協力するとし、同大生を対象に、N高校の学生向けに提供する双方向学習アプリ「N予備校」の講師によるプログラミング初心者を対象とした5日間の集中講座を開講。
プログラミング教育の充実を図る。同大付属高校では全校生徒が1人1台iPad を所有しており、その全ての端末への「N予備校」アプリの導入も検討しているという。
同大は医学から芸術まで14学部48学科を有する総合大学で、2017年5月現在、幼稚園から大学院まで学生約5万3000人が在籍。幅広い分野の知見と教育実績を生かし、学校法人間の高大連携を推進する。
〔2017/11/16(木)みんなの経済新聞ネットワーク(東大阪経済新聞)〕
   自然の美・厳しさ体感 東京・通信高生、小国でマタギ体験 降りしきる雪の中、山の斜面などを散策した生徒たち=小国町小玉川
学校法人角川ドワンゴ学園(東京)が運営する通信制高校「N高等学校」(本校・沖縄県)の生徒6人が、小国町小玉川の長者原集落に滞在してマタギ文化に触れている。
13日には雪原や山の斜面を散策し、自然の美しさや厳しさを体感した。
同校は昨年4月に開校。
全国の計15カ所で自治体などと連携して職業・生活体験を実施しており、その舞台の一つに小国町が選ばれた。
12日から4泊5日の日程で滞在し、ウサギ狩りや小正月の伝統行事「さいず焼き」などを体験する。
13日は、旧小玉川小中校舎で町猟友会小玉川班の舟山堅一班長(75)の講義を受講。
引き続き、かんじきを履き、宿泊している民宿「奥川入」周辺の雪原などを散策した。
生徒たちは勢い良く歩き始めたものの、慣れない雪に埋もれたり倒れたり。
四苦八苦しながらも、奥川入経営者の横山隆蔵さん(53)の先導で前に進んだ。
1年の荒木大河さん(16)=神奈川県厚木市=は「(散策は)すごくつらかった。焦ると、どんどん雪に沈んでしまう。でも上まで行ったときはうれしかった」、
1年沢田圭吾さん(17)=大津市=は「マタギについて知れば知るほど奥が深いなと思う。自分も狩猟免許を取ってみたい」と話した。
〔2017年01月14日 山形新聞〕 

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