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Center:2003年5月ー当事者の会に来るのはどんな人

提供: 不登校ウィキ・WikiFutoko | 不登校情報センター
2011年3月21日 (月) 17:57時点におけるMatsu4585 (トーク | 投稿記録)による版
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当事者の会に来るのはどんな人

〔回答文ですが、実質の回答はどんな人がいるのかの「どんな人」のなかの3人に書いてもらいました〕
相談者・本人。相談者=年齢・学年22歳、性別・男、家族構成?

いきなり送りつけてしまい、申し訳ございません。
このような手紙を誰かに、どこかに出そうと思い立ってから、もう2か月位経ってしまいました。
私は現在22才の男で、今年の3月に4年制の大学を出ました。
無職でバイトもせず、九か月ほど前から、ただ家にいるという毎日です(その間習い事をひとつしましたが)。そのうえ小遣いも貰っており、自分の好きなものを買っています。 就職活動はしませんでした(スーツを買ってもらい、証明写真を撮り、履歴書を用意したところで終わりました)。 自分が" ひきこもり"という状態なのか、それとも"うつ"などの…なんというのでしょうか…、心身症や精神障害? などが表れているのか分かりませんが、直面して いる問題は、就職はおろかアルバイトでさえも、"働く"ということがイヤでたまらないということです。
このことについて、私がもっとも怖れこといることは、甘え・わがまま・すねかじりと言われることです。そして父親から就労を急かされていることです。ただ、父に実際にそう言われたことはありません。いつ言われるかと気にしている状態です。
確かに私は母親にべったりな子供です。そのために、相談事も、文句も(当然、育て方云々のことも)鉾先は母にだけ向けていました。
ただ、この問題に関 しては私がヤルしかなさそうです。母は協力してはくれていますが、あまり熱意は伝わってきません(傲慢と思われた方もいるでしょうね…)。
父にも、打ち明けて援助を請う気はありません(やはり、恐怖の対象です)。その存在が必要であり、原因だと言う人もいるでしょうが。スイマセン。
私は気分の波が頂点にある時は、なんだか、アルバイトくらいならできそうな気がしてしまいます。何でも楽しもうと、忘れたままでいようと、時間がかかるものなのだと。
が、谷にある時は、誰もが恨めしく、妬ましく、幸せを罪とし、物事を極論化して(単純化とも言うのでしょうか?)批判し、姉か母に「う ん」と言わせようとします。
まぁ、とにかく、自分が不幸せであることが許せなくなるのです(不幸とおもうことがまず傲慢と思う方はもう自ら放って下さい)。
どこかで、その権利を得られるだけのことはして来たと思っているんでしょう。そして、この状態から治ることは罪だと感じる…というか、治らないぞ、というような気分になるのです。
この時、私はよく、「自分とそれ以外の人間」という観点…図式でものを判断できるように、友達もいないし、人間関係を作らず、好きな人も作らないのだ。
これは、そのためにオレが負っているデメリットであり、だからこそ、"自分以外は~"と言えるんだ。と言うことがあります。 すみません、気がたってきてしまいました。荒っぽいことを書くかも知れません。

本題に入ります。具体的なことを教えて頂きたいのです。どんな人が来る場所なのか、どんなことがあるのか、どうすればいいのか、どんなことをしてくれるのか、するとどうなるのか、どんな人がいるのか、何をする必要があるのか。
私は、臨床心理士と、地方自治体の機関には失望したことがあります。どちらも1度しか接触しませんでした。それで審判を下すのはちょっと…と思いますが、不安なんです。
援助してくれるという団体に、いざ行ってみた時に(この行動にでるまでの葛藤は分かって頂けると思いますが)「ああ、君はひきこもりでも、うつでも、自律神経失調症でもないなぁ。少しわがままなんじゃなぁい? 苦労してみたら。ほら、結局動いて人と触れあってみないと、なかなか変われないしね。家で考え込んでいてもさぁ」というようなことをもし言われたら、他の団体にも行かなくなるでしょう。
また、自分より重度の人、環境の悪い人を見聞きしたら、「それに比べてオレは…甘えているだけかも」と思ったり、逆に軽度の人だったら「なんだよ、お前のはただの甘えじゃ無いの?」と思ってしまうかも知れない、という不安があります。
2か月位前から、頭に"わた"がつまっているような感覚がある。なんとなく重く、それまでさんざん自分のことについて考えて悩んでいたのに、 いつのまにか集中力がなくなり考えるという能力が退化しているような、めんどうくさい感じです。カゼのひきはじめのようなボーッとした感覚が1日も途切れ ることなく今に至っている。
友達がほしいとは思わない。自分と似た状態の人とも話したいとは思わない。治りたいと思っているのか分からない。治りたくない日はあった。働きたいとも思っているのか分からない。働かずにくらせればイイと思ったことはある。
こういう風に思ってしまう病気なのかもしれない。この手紙は、14ぐらいの団体に出すつもりです。電話は怖くて出来ませんでした。スイマセン。
助けてくれると言われても信用できないんです。車イスになりたいと思ったことがあります。今は多分思っていませんが。別に片手か片足がないとか、指が1本もナイとか、誰の目にも見えるハン ディです。人は、体より心の方が複雑で多種多様であると思ってるんじゃないでしょうか。
でも、働くこと、人間関係を築くことは誰にでもできると信じてい る。すぐ傷ついたり、失敗を怖れるのは弱いことだと決められている。
だから、自分の持つ悩みが、苦しみが目に見えるように外面化してくれればいいのにと思う。そして、望まずして出たのが今のこの状況なのに。べき思考と完璧を求める姿勢は止まりません。プライドも高いと思います。とにかく人が怖い。社会は自分をけなそうと待ちかまえている。今より不幸になるに決まってる。悲劇のヒロインを演じたいだけなのかもしれません。
被害者だと言い張りたくて書いているのかも。精神病だと診断されたいと 思ってます。書きたいことは全部は書けませんでした。これを書くのに3日かかりました。本当はもっと黒い感情をブチまけたい。人の話は苦痛。読んで下さっ てありがとうございました。

【回答1-松田】

5月7日に手紙を受けとりました。このところずーっと忙しいので、あなたの名前と住所を伏せた手紙のコピーを取り、3人に見せました。
少し年長の男1人、女人です。それぞれ、感想を兼ねた手紙を書いてもらいました。忙しくて返事が書けなくなるかもしれない気がしていて、そうならないための方法です。
一昨日、3人の手紙がそろいました。それぞれ正直な気持ちでしょう。お互いに受けとめ方の違う部分もありますが、受け止め方には唯一の正しい正解などあるわけではありませんから、それぞれが正解に当たるものだと思います。
「M」くんが書いているように、私にはケアという考えはほとんどありません。また人助け自体を目的にしているわけでもありません。私は、自分のでき そうなことを見つけ、それをやろうとするだけです。
そのやろうとすること、していることが人の役に立てばいいと思いますが、人助けのためを第一目標にしているわけではないのです。
結局、自分で自分を受け入れ、その自分を自分でどうにかする以外に前に進む方法はないのではないか。これが私の考え方です。
私という外部の人間が人助けに動いても、それがいい方に出るのか裏目に出るのかやってみてからのことです。でも自分にやれるだけのことはやってみよう、それが私の姿勢です。何かの参考にしていただければ。 松田

【回答2-Sさん】

ちゃんと病院に行って医者と相談しましょう。お金はかかるけど、その方が『自分は今何の病気なのか、何をやりたいのか』が分かって来るから。自分を見つめ直せられるから。 自分を傷付けても、何も良いことありませんよ。
だからって他人も駄目です。物を傷付ける方が楽です。心が落着くはずです。物は、いつか壊れる物ですから。
確かに無職の人だと、すぐお金の事を考えてしまいますが、私は自分が傷ついたり他人が傷付くよりかは物が傷付く方が、心が楽だと思いますよ?
  「傷」 や「心の傷」って時間や医者が治してくれるのだと思う。時間でも医者でもない私には何も出来ない。だから、ストレスがたまったら「物」にやつあたりしましょう。
あと無職の件ですが、これも時間が…。 周りの人達が何を言っても無理な時もあります。私だって、そうでしたから。TVゲームなり何なりやっちゃって下さい。そのうち暇になって「あ、そろ そろバイトでもしてみようかな?」と思ったら…ね? フリーターにだってなれますよ。
無理に行動を起こさなくても良いんです。自分に合わせた「時間」で。 「マイペース」で。 友達は別に要らないよ。「要る!」と思った時につくったらよいと思う。私はつくるの苦手だったらか大変だったなー(今もか)。S(23歳・女)

【回答3-Yさん】

手紙拝見させて、いただきました。僕は、25歳になる、今は、無職の者です。ボランティア活動をしながら、仕事の練習のようなことをしている、ところです。
僕は、パソコンができるわけでもないですし、車の免許もないですし、何か取り柄があるわけでもないので、何もありません。
僕は、今あまり人とうまく接しられないようで、そのことでよく、「周りの人に迷惑をかけてしまっているんじゃないか」とか思ってしまい、不安になり、ものすごく落ち込んでしまいます。
なので、不安になるという気持ちは、わかるような気がします。
僕も、20歳の時、バイトもしていない時、社会と関わる気がないと思ったことがあります。 また、アルバイトの面接などでも、「前は何をしていました?」と聞かれて、「何もしてません」なんて言えないので、その前にやっていたバイトを言ったりしていました。
それとか、「何をしていました?」と聞かれて、「何も、してません」なんて言えないので、面接に行けない と、いうようなこともありました。そういうようなことで、外に出ないでいる時間が長ければ長いほど、どんどん出られなくなってくるということは、あると思 います。
それと、「頭がボーとする」とありましたが、家にいるとどうしても睡眠時間が長くなってしまうので、そのためじゃないかなと思います。
僕も、頭がボーとしていた時はありました。
僕は、自分が精神病だと診断されたいという気持ちは、ちょっと理解できないと思いました。 たぶん、何でもないのではないかと思います。何で自分を病気にしたがるのかがわからないと思いました。
外に出ていく勇気が、ちょっと持てないんじゃないかなと思いました。 また、自分のことを「ひきこもり」だとは、思っていないのではないのかなとも思いました。僕もそう思っていました。自分のことが、よく見えませんでした。 自分について考えるにしても、「何で自分はこうなったんだろう」と考えるのではなく、(以前は、僕もそう考えていました)自分は、何がやりたいんだろうとか考えた方がいいのではないかと思いました。
ある人に、こんなことを言われたことがあります。「後ろは壁で、もう後ろには行けない。前に進むしか、ないんだよ。過去のことなんか、考えてもしょうがないんだよ。もっと自分の先のことを考えろよ」と、言われたことがあります。
手紙に、「父親から、就労を急がされている」とありましたが、それでは就職もバイトもたぶんできないのではないかと僕は思います。
人は、自分の思いで動くと思います。やりたければ、やればいいと思います。自分が、就職やバイトがしたいと思えばできると思います。
また、母親にべったりとありましたが、親と少し距離をとって、自分の行く場所を探して、親に依存しないように少しずつでも思っていけば、自分のこととか、考えられるようになるのではないでしょうか。
できるだけ、自分のことは、自分でやっていくようにしていけばいいのではないでしょうか。
自分の食べる物は、自分で料理したり、食器を洗ったりだとか。そういうとこからしていくのはどうでしょうか。 自分を変えることは、なかなか、できないかもしれないですけど、できると思います。 Y(25歳・男)

【回答4-Mさん】

はじめまして。 私は、不登校情報センター・あゆみ仕事クラブの一会員です。センター代表の松田さんに、「この人の手紙を読んで、もし返事が書きたかったら書いて」と言われて、なんとはなしに貴方の手紙を拝見し、ふと返事を書きたく思ったので書かせていただきました。
貴方の手紙には、「自分と同じような人と話をしたいとは思わない」とありますが、今の私もわざわざそうしようとは思いませんが、この手紙は私にとって"わざわさ"の範囲ではないので書きます。
  さっそく不登校情報センターに出入りしている者として、具体的な貴方の質問にお答えします。

「どんな人が来るのか」・・・年齢は20代前半~30代中ごろが多いです。男女比は男9~7に対し、女1~3くらいです。学歴は中卒の人もいますが高卒と大卒が半々くらいでしょうか。
「自 分を引きこもりだと思っている人たち」が来ています。客観的に常識的にみた本人の状態の重い軽いは問わず、いろいろな人が来ています。だから「自分は 引きこもりじゃないけど、無職だし、内気だし、友だちいないし…」という人も来ています。私も見方によっては引きこもりとは言えないので、これに該当する かもしれません。
* 私 も他の場所で「キミはソレだけ話が出来るから引きこもりじゃない。来るな」と言われたことがあります。しかし、いくら表面的な話ができても、それだけでは 社会の中ではやっていけないということは、当事者でないとわからないのでしょう。その団体の人たちは「自己満足」のために「引きこもり支援を考えているの だな、と思った。
「どんなことがあるのか」・・・当事者たちが「おしゃべりする、たむろする、その場にやって来 る」が基本です。ワークショップというグループカウンセリング的な企画が週1回あります。「ファーストステップ」という当事者オンリーのサークル(いずれ 情報センターからの独立を考えている)が月2回 あります。また、どこかに遊びに行く企画や鍋会が不定期であります。
当事者は原則無料でセンターに出入りしているカウンセラーのカウンセリングを受けられます。しかし、基本的に、スタッフはいません。初めて来た人に声をかけるかどうかは、その場に居合わせた人のめぐり合わせしだいです。来ている人の状態 (重い軽い)がバラバラですからトラブルもあります。
* 私 自身、自分より状態の良い人に対して「それは甘えだ!」と思ったり、自分より状態の悪い人に対しては「悩みに重いも軽いもないんだよ! いいな! 病名が 付いてる人は!」と思ったりすることがあります。「みんな死んじゃえ!」「この世界に行き(生き)たいとこなんてない!」と思うことも…。
「どうすればいいのか」・・・センターに来たときは、自分の直感に従い行動を選択してください。
「どんなことをしてくれるのか」・・・基本的になにもしてくれません…と思います。いる場所を提供してくれる、誰でも建物の中に入れる、松田 さんとカウンセラーさんが話を聞いてくれる(しかし松田さんに「ケア」という考え方はありません)。
最近、引きこもりの仕事の場というふれこみで「あゆみ仕事クラブ」が発足し、松田さんに申し出れば、パソコンを使った文書入力、ポスティングの仕事などを貰えますが、あまし収入にはなりませんし、そういう仕事が常にあるというわけではありません。なにかすることで気分転換にはなるかもしれません(僕はそれが目的で会員になっています)。
「するとどうなるか」・・・不登校情報センターも当事者たち自身も「日々変化の連続」ですから、この答えに「区切りを付けて答える」のは難しいです。
「ど んな人がいるのか」・・・「自分では人間関係が苦手だと思っている」人が多いです。表面上は明るい人・暗い人両方います。基本的にみん な優しそうに見えますが本当に優しいかどうかはしりません。私も含めて、臆病で不器用なのは確かでしょう。私は自分や周囲を見て「弱さと優しさは違う」と いうことを痛感しています。
「何をする必要があるのか」・・・ここは「~ねばならない」というスタンスがほとんどありません。
* 人から「まとはずれな理解をするな」と怒られることがあるので、答えになっていなかったらすみませんでした。

貴方のお手紙を拝見して、貴方の苦しみが何となくわかる気がしました。私が文章化でなかったことを文章化してくれてありがたい…と思ったくだりもありました。あれだけのことを書くのは大変だったでしょう。
社会は引きこもりを見下すかもしれません。でも、そんな社会っていったいなんなのでしょうか? 人より優越することを至上とする今のこの「プライド社 会」の病理は、私や貴方がかかえているプライドの病理よりもはるかに病んでいるのではないでしょうか?私は自ら抱え込んでいるプライドに、どうにかされてしまいそうです…。けれども、この社会は自らの病理に気づく力と勇気すらないのです。なにか見下すことは、ちっとも誇らしいとは思えません。
私は、高校2年の3学期から不登校となり、3年には単位の貯金で進級するも、そのまま不登校・休学。翌年度も休 学したのち中退、「1年生から高校生活をやり直したくて」通信制高校1年へ入学。そして次年度留年、その翌年考えが変わって前の学校の単位を生かして3年 に同じ学校へ編入。次年度留年を経て、昨春卒業しました今年25歳の男です。
今は特にアルバイトも含めた仕事はしていません(あゆみ仕事クラブを除いて)。親のスネカジリです。
「と りあえず不登校経験がある」から私は、自分を誤魔化しながらも「引きこもり」と名乗れるのかもしれません。しかし、「客観的にみて症状が軽い自分」の苦し みが理解されることはないのではないか、という絶望が憎悪に変わりそうな部分は、自分の中にあります。
でも、私のように誤魔化しのきかない貴方は、もっと苦しいでしょう。 センターには、高校・大学を表面上滞りなく卒業したけれど、葛藤を抱えている人たちもたくさん来ています。交流してみるといいかもしれませんね。
私は、だんだん友だちを意識してつくろうという気がなくなってきました。そういうことに対する憧れも覚めてきました。
ただ、いつか「本当のコミュニケーション」(プライドが高くて傷つきやすい自分を、皮肉や愛想で防衛しないコミュニケーション)がとれる人間になりたい。 もしも気が向いたら来てみてください。そのとき私も気が向いたら(実に勝手な言い草だけど、自然体で生きたほうがいいような気がするので…)あなたと話してみたいです。 M(25歳・男)

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