125 螺旋
木曜日, 4月 4th, 2019
ロックンロールを
丁寧に
パンクシーンを
敬虔に
空なるソウルに
爆発を
沈むリズムに
上昇を
あえてピンチに
挑まない
きたるチャンスに
奢らない
ダンスのきれる
足運び
ラセンをえがく
道のあと
Archive for the ‘詩’ Category125 螺旋木曜日, 4月 4th, 2019
ロックンロールを 丁寧に パンクシーンを 敬虔に
空なるソウルに 爆発を 沈むリズムに 上昇を
あえてピンチに 挑まない きたるチャンスに 奢らない
ダンスのきれる 足運び ラセンをえがく 道のあと
124 不在の身体月曜日, 3月 4th, 2019
眼は 閉じるためにある 闇と親しくなるように
暗黒に潜む 閃光
耳は 塞ぐためにある 沈黙に浸されるように
静寂に沈む 音声
腕は 抱えないためにある 空中を掻けるように
手放すべきもの もとよりない
足は 立ち止まるためにある 地に根を張れるように
歩むべきこと 前後もない
身体中の あらゆる不在こそが あるいは 在ることそのもの
123 一瞬ずつを土曜日, 2月 2nd, 2019
殺人的な空腹感 末期的な疲労感 生死も有無も おそれのままに
自滅志向の自明性 神経系統の神秘性 自虐し自慰し 敗走する脳細胞
絶対的に絶体絶命 相対的に相思相愛 普遍なるもの 移ろうもの
此岸と彼岸の つながる川辺 天と地とを つらぬく風
過去は加工し 未来は見ない 今一瞬ずつを 捨ててはたぐって
122 溶解水曜日, 1月 9th, 2019
無気力な身を もてあまし 希薄な日々の くり返し
空白の過去 かえりみるとも 心にあく穴 不安にかられ
つかみどころのない 液体のような 現在 現実
ペン先から 一片ずつ つむぐ言の葉 紙の上
発語はいつか 己を離れ ねかした末に 発酵する文字
溶けゆく固まり ゆるゆると 解けゆく絡まり ほろほろと
121 夢と現と月曜日, 12月 3rd, 2018
まぼろし三昧 ゆめ三昧 うつつ摑めず 空ろなむくろ
暗雲ずくめ 黒ずくめ 病みあがりの闇 ただ漂う
心はここに 身はみちに 歩みあるのみ 踏み入る深み
止むに止まれず 祈りの命 夢はゆめゆめ 有無うまず
120 風もにわかに土曜日, 11月 3rd, 2018
希薄な空気を 息する身体
濃密なヒミツの 波打つ脳内
実体らしきは 目に見えず
遠い金属質の 音の交錯
失われる 自我より帰すもの
到達のない 生死の遍歴
日と光 闇と夜気
風もにわかに 吹き溜まる
119 小舟木曜日, 10月 4th, 2018
凍える人よ 我が身をくるむ 敷布をはがせ
飢えたる人よ 我が身をみたす 食餌をこばめ
寒さ 空腹 孤独 闇 それらもあるいは 密かな快感
生きているから 痛むんだ 死に向かうから 道はあるんだ
行く方は 羅針盤の 針のさすまま 天道まかせ
うねる 波のまにまに 小舟が浮かぶ
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