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『ルポ保健室』

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『ルポ保健室』

下関市のかねはら小児科の金原です。メーリングリストで、様々な立場で多様な取り組みを教えていただき有り難うございます。
全国の小児科医のメーリングリストで紹介があった「ルポ保健室」を私も一気に読ませていただき、この本で紹介された養護教諭の活動に大変感銘を受けました。
この本は、このような養護教諭や保健室の使い方があることを子どものサポーターや学校関係者に知っていただくための貴重な本だと思います。
私は、臨床心理士や作業療法士・理学療法士などと一緒に、発達支援室ベースキャンプを運営し、心の問題や発達の相談や支援を行っていますが、
10年くらい前から子どもの受診時にクリニックに付き添う形で来院していただく、尊敬している一人の養護教諭がおられます。(市外からおいでになります。)
この、本に登場する先生方と同じように、暖かさと行動力で子どもや家族の気持ちに寄り添い、担任や管理職との間を取り持っていただいていますので
先日、この本をプレゼントしました。
一方で、保健室の利用の方法が1時間ルール(?)があり長く保健室にいることができない学校もかなり有ります。中学校が多いようです。
学校と年間50〜60回ケース会議をしていますので、学校のいろいろな事情もあるようで、教室に入れない期間が長引く子は、相談室の利用を勧められているようです。
保健室には、他の子どもの多く利用しますので、相談室の方が気持ちが落ち着く子もいますが、相談室は教師がいないことも多いので、保健室の方がいいと思っていても
利用ができにくい場合もあるようですね。
しかし、今も、この本の養護教諭とはいかないまでも、もっと違った形の保健室だったらいいなと思っています。
来月、市教委から青少年健全育成推進大会の講演を依頼されました。講演の演題は「親と子の笑顔が輝く街」で、子どもの貧困のことにも触れます。
(和田浩先生や阿部彩先生のご発表や著書からも引用しスライドを作成中でした。)
教育長や各学校の校長や生徒指導担当教諭他多くの学校関係者が参加されるようなので、この本をスキャンし、パワーポイントを1枚作成しました。
この1枚は、 「保健室は逆境を生きる子どものオアシスに」というタイトルで、養護教諭は専門家への架け橋に
•養護教諭の役割は、少しへこんで保健室にやってくるこども達にできることは、こころにばんそうこうを貼ってあげることだ。
(中山志保子、千葉市立朝日ヶ丘小学校 児童心理)
学校の誰かが心の安全基地にという言葉も加えました。
今後も、ルポ保健室を、多くの方に読んでいただきたいと思っています。
〔2016年10月17日・貧困ネット、かねはら小児科の金原〕 

ノンフィクションライターの秋山千佳と申します
日頃は皆様からの情報に学ばせていただく+交流会などに参加させていただくばかりで、自分では一度も投稿したことがありませんでした。
が、本日の和田様と打越様からのメールに拙著『ルポ保健室』が登場し、びっくりすると同時にお二人のレビューに励まされ、初めて投稿いたします。
お二人には要点を押さえたレビューを書いていただき、心より感謝申し上げます。
養護教諭は、和田様がおっしゃるとおり「手間ひま」、より具体的に言うなら、子どもの本来持つ力を信じて「待つ」ことを大事にしつつ自己肯定感を育めるように寄り添っています。
結果を出すことを急ぎがちな昨今の学校(だけではなくて社会全体の傾向といえるでしょうか)にあって、貴重な存在だと感じます。
ただ、保健室の果たす役割が当事者たち以外に知られているかというと、残念ながらそうとは言えないでしょう。
むしろ学校の中でも軽視されるなど、現状では力を発揮するにも限界があり、結果として救われない子どもたちが出るという、子どもにとっての不利益が生じています。
そんな悲しい現状を変えるためには、保健室が困難を抱える子どもを救う最前線だという認識を、学校現場さらには社会全体で、もっと共有しないといけないと思っています。
自己肯定感を育てる接し方というのもそうですが、養護教諭の視点は、子どもに寄り添おうとするすべての大人にとって見習うべきものがあると感じます。
本書が貧困問題に取り組む皆様方の参考になりましたら幸甚です。
〔2016年10月16日・貧困ネット、秋山千佳〕 

秋山千佳さんの「ルポ保健室」(朝日新書)を読みました。本当に共感するところばかりの本でした。
「医療機関ができる支援もこういうことなんだ」と思いました(保健室が子どもへの支援が中心なのに対し、医療機関では親への支援が中心になるという違いはありますが)。
例えば第3章で柳先生が言う「保健室は困った時に行くところ」という言葉。
私は「小児科はよろず相談所であるべきだ」と思っています。
何か困りごとがあった時に、風邪で受診したついでにちょっと聞いてみる、あるいは風邪もひいていないけれど「どこに相談したらいいかわからないので」とやってくる、それでいいと思うのです。
その時大事なのは、「否定されない、評価されない、生きているだけで大丈夫と言ってくれるところ」であることなのでしょう。
困難を抱えた生徒はネガティブな姿を見せます。
「すぐハサミをなくす」「忘れ物が多い」「すぐさぼる」「『死ね』としか答えない」「表情がない」など。
その背景には実は深刻な困難を抱えているのですが、そのことを率直に話してくれません。
あるいはあいまいな訴えをくりかえしながら悩みを打ち明けてもいい人かどうかを慎重に見ている場合もあるのでしょう。
休みがちな生徒が保健室に来た時に「また?」と言ってしまい、その子は登校しなくなったという痛恨の経験も語られています。
これは「時間外にしか来ない」「医者の指示を守らない」「スマホばかり見ていて子どもに関心を示さない」など「問題患者」「困ったお母さん」と呼びたくなる人たちが、
実は多くの困難を抱えている姿とまったく同じです。
私たち医療者が、そうした人たちのがんばっているところをちゃんと知って「がんばったね」「何かあったら言ってね」と言い続けることが必要なのだと思います。
第2章に登場する相葉さんと長谷川先生の関係からは「自己肯定感を育てる」とはこういうことなのだと感じます。
父・母・姉からずっと虐待されてきた相葉さん。
あいまいな、とらえどころのない訴えも実は心からのSOSなのでしょう。
しかし、ずっとそういう環境に育ちそれが普通だと思っていた彼女が「こんなのいや」と感じ、それを誰かに知ってほしいと思うようになるまでには、かなり手間ひまが必要だったのだと思います。
そして「保健室に行って先生と話すようになって、生きててよかったって思える」ようになります。
中学卒業後次々と彼女を困難が襲いますが、「自分のために必死になってくれた大人がいたという事実」が彼女の支えになります。
阿部彩さんが「自己肯定感は、逆境に屈せず貧困から抜け出す原動力となる」「良好な親子関係や良好な教師との関係は自己肯定感の低下を緩和する。この効果は貧困層の子どもにより大きく現れる」(子どもの貧困/不利/困難を考えるⅠ、ミネルヴァ書房2015)と報告していますが、
自己肯定感を育てる接し方が、子どもと関わる私たち専門職には必要だし、子ども食堂や無料塾でもそれが大きな目標になるのではないかと思います。
貧困問題に関わる多くの人に読んでほしい本です。
〔2016年10月16日・貧困ネット、和田浩〕 

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