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その一票は引っ込めないで

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ひきこもっていてもその一票は引っ込めないで

会報『ひきこもり周辺だより』2023年4月

さすがに書くネタに困ってきた今日この頃。
あまり面白いものを書こうとか思うとドツボにはまって全く書けなくなるのでなんとかしようといろいろ考えていました。
そうしてよくよく思い返してみると、そもそもこれを書き始めたのは松村さんの代理を頼まれたからなんですよね。
そして原稿料なんかをもらっているわけでもない。そう考えると毎月書くネタ不足で悩み苦しんでいるのが馬鹿馬鹿しく思えてきます。
いっそもっと好き勝手に自分の思考を書き散らしてしまっていいのでは?
そう必死に自分に言い聞かせているところですが、思えばこういう発想の転換はひきこもり訪問を続ける上でも必要なものでした。

実際やってみなくとも何となく想像はつくと思いますが、訪問を続けていても一朝一夕で本人の様子というのは変わるものではありません。
たいていは何年もかけて少しずつ少しずつ変化が表れてくるようになります。
けれどクライアント=ご両親としてはできるだけ早く社会復帰してほしいと望んで依頼しているわけです。
私自身は結果なんてそうそう得られるわけではないとわかっていても、ご両親は結果を求めているだろうということを想像するとこれがなかなかしんどいのです。
それに私自身、これまでもさんざん書いてきましたが積極的に人に働きかける方ではありません。
友人と遊ぶ際も自分から誘うことはほとんどないくらいです。当然訪問の際も私の方から遊ぼうとか外に出ようとか働きかけることは多くありません。
こんな調子で良いのかと思い悩むことは数え切れないくらいありますが、そのたびに「これは義務ではなく権利なんだ」と気持ちを切り替えるようにしています。
ひきこもり訪問は与えられた権利であり、その権利の範囲内で好き勝手やる分には構わないだろうし、実際何も文句を言われないということはそういうことなのだろうと考えれば気持ちが少し楽になります。
こうして文章を書くことも私に与えられた権利であり、何を書こうと私の勝手であるはず。
だから平気で政治ネタなんかも書いてしまうというわけです。

以前から繰り返し書いていることですが、私は訪問先で当事者に対してああしろこうしろとは言いません。
ですが、一つだけ口を酸っぱくしてお願いすることがあります。
それが選挙の際は必ず投票に行ってほしいということです。
特定の政党に入れろとは言わない、何なら白票でも構わない、とにかく投票にだけは行ってほしい。
ただでさえ少子高齢化で高齢者の絶対数が多いのに、忙しいからとかあるいは反対にひきこもっているからで若者が投票を棄権していたらいつまで経ってもシルバー民主主義から脱却することは不可能です。
高齢の有権者からすれば老後の福祉の安定を最重要視するのは当然ですし、候補者がより多くの票を得ようと思えば高齢者向けの政策を優先課題として掲げるのも当たり前でしょう。
それは自己の利益を追求した結果であり、それを他者を顧みないエゴイズムだとは思いません。
ですがそれでは五十年、百年先を見据えた政治などとうてい不可能です。
はっきり言って私が子どもを持つことはこの先ないでしょうし、私が接している人たちもそこは諦めている人も多いです。
それでも自分たちの後の世代のためにできることはやっておきたい。その思いは共有できるものと信じています。
たとえひきこもりであっても……、いやむしろひきこもりであるからこそ投票という形で自分の政治的主張を表に出してほしいのです。
彼らは社会に対して何かしら不安なり不満なり抱えているからこそひきこもっているはずで、それを健全な方法で表現するのはとても大切なことです。
と言うと、当事者の中にも「いや、ひきこもっているのは自分が悪いんで」と考える人もいるかもしれません。
他人のせいにしないというのは立派なことで好感は持てますが、やはり一個人にそう思わせてしまうことに対して社会や政治に何の責任もないとは私には思えません。
まあ本当に俗世間に興味がなくて自分は好きなことを勝手にやっているだけです、という本物の世捨て人にだけは投票に行ってほしいと言ったところで意味はないでしょうが、今のところそういう人には会ったことがありません。
話は戻りますが、人混みが苦手な人には期日前投票を勧めています。
当日に行くよりははるかに空いていてスムーズに投票が済むのでかなり負担は少なくできるはずです。

余談ですが、先日除名処分を受けた元参議院議員のガーシー氏。
彼は結局何がしたかったのでしょうか? そして彼に投票した人たちは何をさせたかったのでしょうか?
国会に出席するつもりがないことは選挙当時から表明していたことなので、本人よりもそれを承知(のはず)で投票した人たちにより強く怒りを覚えます。
同時に所詮この程度が日本の政治のレベルなのだとも思いました。
政策よりも政局が大事、と言わんばかりに足の引っ張り合いをしているのを見ていれば政治に対して興味を失うのも無理のないことではありますが、だからといって面白半分で政治的な見識のない人物を当選させられたのではたまったものではありません。
結局彼一人のために多くの金と時間が無駄になりました。政治に無関心でいることは結局われわれ自身の身に災いとなって降りかかることになるという良い証左と言えます。
あるいは彼は自分の身をもって政治に無関心でいることの恐ろしさを世間に知らしめようとしたのでは、なんていうのは考えすぎですね。

また余談ですが、私が関わってきた子が最近になって就職しました。
現在定職についていない私とは立場が逆転したわけですが、不思議とお互いの関係性は変わらないままです。
相変わらず頼りにしてくれている様子で、困っていることや愚痴を聞かせてくれます。
とは言え私にできることにも限界があるわけで。職場の対人関係を良くする方法を聞かれても、まさにそれでこっぴどい目に遭った自分としては非常に回答に困ってしまうわけです。
結局私にできることは困っていることを聞いて、一緒に困ってあげることくらいですね。
そんなことでもけっこう楽にはなるみたいですよ。

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