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ひきこもりが社会的に広がった時期

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ひきこもりが社会的に広がった時期

社会的ひきこもりの起源(1)
人間にとってひきこもるというのは、珍しいことではありません。
元気が出るとか調子がわるい、などと同様によくあることと思います。
今回「社会的ひきこもりの起源」というタイトルを設けるのは、この数十年の間に、とりわけ日本で生まれた事態が、これまでのひきこもりと区別して考えられるからです。
この数十年に広がった事態には、特定の起源を設けて考えられます。

私がそれを初めて知ったのは、1980年代後半の教育編集者をしていたころです。
中学生を中心に登校拒否——やがて不登校といわれるようになった生徒の状態が広がりました。
小中学校の教師と接点があった私は、教師たちから登校拒否、不登校という言葉をよく聞いていました。
ただ直接にその状態の生徒を見聞きすることはありませんでした。
教師たちから不登校の生徒の話をきくなかで、単にそれだけではない話もありました。
教師が自宅に訪問しても会えない、家からも出ない、家族とも顔を合わせない…という状態の生徒がいるということです。
この時点で私はひきこもりを特別に不登校と分けていたのではありません。
不登校のより程度の深い状態ぐらいの受けとめ方でした。
私のなかではひきこもりを区別して認めたのはその後になります。
私の認識とは別に、1980年代を今日のひきこもり、社会的ひきこもりが生まれた時期と考えたいのです。
しかし、ひきこもりの存在が広く認められるようになったのは、1990年代といってもいいでしょう。
教師たちの一部は知っていたでしょう。家族も知っていたでしょう。
ただそれが今日のように社会的広がりをもつようになるとは予想していなかったのではないでしょうか。
子どもの世界に生まれていることは、おし隠すことはできません。
子どもの親たちは心配して医療機関に行き、教育相談に行きました。
それらは小さな動きから始まったのですが、学校・教育をゆさぶるほどのものになりました。
心理相談室(カウンセリングルーム)やフリースクールを各地につくり出しました。
そして不登校の子どもの親の会の延長にひきこもり家族会がつくられてきているのです。
不登校もひきこもりも、はじめは教育における生徒の問題行動の1つと考えられました。
問題行動をどう立て直すのか、いかに学校に来られるようにしようかを考えたと思います。
相談を受けた精神医学や心理学の場では、通常とは異なる、正常とはいえない「心の問題」をつきとめ、改善しようと努めたと思えます。
これらの視点や動きは必ずしも無駄であったとはいえないでしょうが、事態の基本はそういうものではないことが自然に明らかになりました。
子どもの問題ではなく、学校や教師に問題がある、子どものおかれている家庭・家族に問題がある、という形で論じられもしました。
もう少し視野を広げて社会問題であるとした人もいます。
個別的(個々の子どもの例)ではそういえるでしょうが、多くの子どもに対してはこれではうまく説明できなくなりました。
精神医学や心理学では「心とからだ」の問題として研究が進められています。
学校や教育では、いろいろな点に手が加えられました。
例えば、適応指導教室(文科省が期待する教育指導要領の適用外の教室)ができました。
学年制が壁になっている視点から義務教育学校や中等教育学校ができました。
大検が改められ高校卒業程度認定制度ができました。
2016年になると「教育機会確保法」がつくられ、学校外のフリースクール等が公的な教育過程と認められました。
これらは主に不登校に対応して来たのです。
やがてその延長であり背後のひきこもりにも対応し始めました。
これらはそれぞれに意味のあることと認めて、今回の「社会的ひきこもりの起源」を考えなくてはなりません。
それは社会の動き、日本社会の大きな変化のなかで不登校やひきこもりが生まれているので、その関係を明らかにしようとする試みです。
私が起源を考えるとき、不登校の生徒たちが1980年代に生まれたことに注目します。
1980年代までの日本社会が何かあり、それが不登校やひきこもりとどう結びつくのか。それが追求テーマです。

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