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ひきこもり支援の特徴は陥没型の表現に対応すること

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ひきこもり支援の特徴は陥没型の表現に対応すること
〔2014年12月31日「ひきこもりの社会参加の仕方から支援方法を考える材料に」⇒改定2015年1月16日〕 

ひきこもりなどいくつかの傾向の居場所やイベントに出入りしているSくんと話して気づいたことです。
アスペルガー障害などの発達障害の人、セクマイ(性的な問題を感じているマイノリティ)、貧困状態の無職…等の人と比べたひきこもりの特色です。
どの社会グループにおいても個人差があることはあたりまえですから、大まかな特色という意味になります。
ひきこもりの特色は目立たないように振る舞うこと、または振る舞わないで目立たないでいることです。
積極性は基本的に期待できません。
Sくんのこの観察は私の経験からも納得できます。
(1)支援が後回しになる現状と理由
新しい社会問題が出てくるたびに、ひきこもりの問題はそれらのあとに回されていきます。
2000年をひきこもりが注目された「ひきこもり元年」とします。
その後、発達障害が注目され、ニートという言葉が浮上しました。
この時、引きこもりはこれらに関係すると認識されていましたが、対策として具体的に出てきたのは発達障害に対してであり、ニートに対してでした。
ひきこもりはこれらの対策が進むなかで一緒に解決をされるとでも思われたのでしょうか。
貧困と失業、ワーキングプア、セクマイ、虐待の影響、いじめの後遺症、震災による被災などが問題にされるたびに、ひきこもりは背後におかれてきました。
「ひきこもりの陰に隠れている発達障害」などと言われましたが、対策において陰に隠れたのは発達障害ではなく、ひきこもりの方でした。
ひきこもりの当事者は自ら動くことは少なく〈基本的に当事者として声を上げることはなく)、待っている状態になります。
突出ではなく陥没の形で表現するのですから、目につきません。
(2)心理的・社会的な背景
心理的または気質として、人に対して気遣い・慎重です。
それは周囲の人の感情や気分をきわめて鋭く察知する感受性に関係しています。
助けを求める気持ちはありますが、自分の問題を後回しにする傾向が強いのです。
そのときどきでそうしてきたことの結果が、社会問題としての対応においても後回しになって行ったかのごとくです。
この気質や心理的な状況は、彼ら彼女らの社会参加の過程にも表われます。
自分を表現する場を求めているはずなのに、人の集まる場は「がまんができる場か」になりやすくなります。
社会参加といっても気づいてみると独りでできる状況を求めています。
それがある程度(自分なりの忍耐できる範囲)できると、定着できます。
しかし、その状態が長続きできると保障されているわけではありません。
何かの事情で乱されると、そこは定着できる条件を喪失します。
これは自分の内側の忍耐力との相対的な関係です。
その力ができると、少々の変化でも持ちこたえられる場になります。
“ひきこもり支援”は、こういう状況に対応することが求められます。
それはかなり長期の性格をもつと思います。
ある職に就いたらとりあえず1件落着にはなりません。
しばらくしたら元の居場所などに舞い戻ってくることはよくあるか、別の形での社会との接点を求める状態に移ります。
これは多くのひきこもり支援団体から言われていることです。
さらに制度的な問題もあります。
(3)制度の問題もある
制度としてひきこもりの人が職につくときには、医師がかかわり障害者かそうでないかの診断を受けることになります。
障害者と診断されれば、それは障害者が職に就いたことになります。
障害者として診断されないと健常者が就職したことにカウントされます。
ひきこもりがどうなったのかはこの制度的な条件の中で消滅してしまうのです。

こういう状態にあるひきこもりへの対応の仕方を心理的、社会的、制度的につくる必要があります。
私はひきこもりの支援には「社会参加の到達を見届ける必要があるタイプの存在」があると考えるのはこのような状態や背景があるためです。

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