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カテゴリ:周辺ニュース

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「ひきこもり周辺ニュース」掲載の仕事 
不登校・引きこもり質問コーナー・部外者回答編

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所在地 北海道さいたま市
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目次

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ページ名 いじめの件数滋賀県・2019年 滋賀県 (いじめのニュース、  )
公立学校のいじめ認知件数過去最多/滋賀 県教育委員会の調査結果です。昨年度、県内の公立学校での「いじめの認知件数」と「不登校の子どもの数」がそれぞれ過去最多になったことが分かりました。
この調査は、県内すべての公立の小・中・高校、特別支援学校を対象に実施されたものです。
それによりますと、昨年度のいじめの認知件数は前の年より950件増えた7797件で、過去最多となりました。
いじめを認知した学校の割合は全体の96.6%で、こちらも、過去最多となりました。
県教育委員会は増加の理由について、「初期段階からいじめを見逃さず、積極的に認知を行っている結果」としています。
また、昨年度不登校の子どもの人数は、小学校で前の年より117人増えた734人。
中学校では前の年より19人増えた1335人で、それぞれ過去最多となりました。
県教育委員会は「憂慮すべき状況」として、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーなどの専門家を活用し、個々の子どもの状況に応じた支援を行うなど対策を講じるとしています。
〔2020年10/22(木) BBCびわ湖放送〕 

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ページ名 [[[不登校の件数滋賀県・2019年]] 滋賀県 (不登校のニュース、  )
小中学校で不登校が過去最多 「無気力・不安」が多数 滋賀県内、文科省調査
滋賀県内の不登校児童生徒数の推移
滋賀県内の2019年度の公立小中学校の不登校児童生徒の在籍率はそれぞれ0・90%(前年度比0・14ポイント増)、3・43%(同0・06ポイント増)で、ともに過去最多を更新した。
年30日以上の長期欠席者のうち、不登校は小学校が過去最多の734人(前年度比117人増)、中学校はこの10年間で最多の1335人(同19人増)。
高校は624人(同51人減)で在籍率は2・04%だった。
不登校の要因は、小中高とも「無気力・不安」が多数を占め、親子関係や友人関係、学業不振なども多かった。
いじめによる不登校は小学校が1人、中学校が2人だった。
県教育委員会幼小中教育課生徒指導・いじめ対策支援室は「(不登校増の)背景には(多様な学びの重要性を認めた)教育機会確保法の浸透がある」とする一方、「憂慮すべき状況。スクールカウンセラーなどを有効活用するとともに、登校できていない子が社会的に自立していくための支援体制も考えていかなければならない」としている。
〔2020年10/22(木) 京都新聞〕 

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ページ名 いじめの件数佐賀県・2019年 佐賀県 (いじめのニュース、  )
県内の学校で認知されたいじめの件数 2019年度は1300件余りに【佐賀県】
佐賀県内の学校で認知されたいじめの件数が、2019年度、初めて1000件を超えて、1300件余りに上ったことが分かりました。
県の発表によりますと、2019年度、県内の国公立と私立の学校で認知されたいじめの件数は、小学校が674件、中学校が461件、高校が197件、特別支援学校が5件で、あわせて1337件でした。
前年度の950件より4割増え、初めて1000件を超えましたが、児童生徒1000人当たりでは、3年連続、全都道府県で、最も少ない件数でした。
また、子供の暴力行為の件数は、前年度から90件余り増え、301件、不登校の子供の数は150人余り増えて1619人で、いずれも近年増加が続いています。
いじめの防止対策として県教育委員会は、いじめにつながる兆しを早い段階で察知できるよう研修などで教員に指導していくとしています。
〔2020年10/22(木) 佐賀ニュース サガテレビ〕 

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ページ名 いじめの件数香川県・2019年 香川県 (いじめのニュース、  )
児童・生徒の問題行動調査まとまる…岡山では「不登校」・香川では「いじめ」が増加【岡山・香川】
岡山・香川の小・中・高校で2019年度発生したいじめなどの問題行動や不登校の数がまとまりました。
岡山では小・中学校で不登校の子供が増加しています。
文部科学省が行った調査はすべての小・中・高校と特別支援学校を対象に行われました。
このうち岡山では2019年度、30日以上欠席した児童・生徒のうち不登校の子供は、小学校で前の年度に比べ137人多い909人、中学校で147人多い1746人でした。
小学校では1000人当たり9.1人と全国平均を上回っています。
無気力や不安によるケースが多くを占めていますが、家族行事を優先させるなど保護者の学校教育に関する無理解によるものも増えているということです。
一方、香川県ではいじめが増えました。
2019年度、把握したいじめは3190件で前年度より241件、8.2%増加しました。
内容は冷やかしや悪口が多く、高校では携帯電話などで誹謗中傷するケースが目立つということです。
一方、1000人当たりの件数では全国平均を下回っていて、香川県教委では潜在的ないじめを把握できていない可能性があり、積極的な把握に努めていきたいとしています。
〔2020年10/22(木) OHK岡山放送〕 

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ページ名 いじめの件数静岡県・2019年 静岡県 (いじめのニュース、 )
県内でも深刻化する“SNSいじめ” 背景にコロナも…休校などで増加か
新型コロナの影響は教育現場にまで及んでいます。
10月22日に開かれた県の教育をめぐる会議で教育委員会側が示したのはいじめへの懸念。特に問題視しているのがSNSを使ったいじめです。
<県教育委員会 木苗直秀教育長>「現在、子どもたちを取り巻く環境は、いじめや不登校の件数が増加傾向にあり、経済的・社会的な事情を抱える子どもたちが多い」
22日県庁で開かれた総合教育会議。この場で木苗直秀教育長が危機感を示したのは、いじめや不登校の問題です。
県教育委員会による独自の調査によりますと、2020年は3月から5月にかけて新型コロナの影響で休校が長引いたことなどから、SNSを使ったいじめや問題行動が多くなる傾向が分かりました。
具体的には、インターネットへの誹謗中傷の書き込みや、許可なく友人の写真をSNSに載せてしまうなどの行為です。
<県教育委員会 宮崎文秀義務教育課長>「自宅にいる時間も長くなり、小中学生のスマホ使用率高くなる。
オンライン学習などを通じて、学習の機会でもあると同時にスマホを扱う時間が長くなる。
SNSやインターネットにつながる時間も長くなり、その時の影響が少なからずある」
県教委では、今後スマホの講座などを通して家庭とも連携しながら正しい使い方の教育を徹底していく方針です。
〔2020年10/22(木) 静岡放送(SBS)〕 

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ページ名 おおさか教育相談研究所 大阪府大阪市 (いじめのニュース、メンタル相談・大阪府、 )
低学年の不登校、過去最多を更新「早期支援を」
いじめの認知件数が過去最多となった文部科学省の問題行動・不登校調査では、不登校の小中学生が前年度より約1万7千人増えて18万1272人になり、過去最多を更新した。
近年、特に深刻化しているのが学校に通えない子供の低年齢化だ。
小学1、2年生の不登校も増えており、専門家は「早い段階からカウンセラーらによる支援が必要だ」と指摘している。
小学1年の息子が5月の連休明けから登校を渋るようになり、担任の教諭からの心無い一言でまったく通えなくなった-。
NPO法人「おおさか教育相談研究所」の甲斐真知子副理事長によると、不登校の子供を持つ保護者の交流会で、そんな母親の悩みが語られるようになった。
同研究所には近年、低学年の保護者からの相談が増えている。
甲斐さんは「低学年の場合、子供自身がなぜ学校に行きたくないのかを具体的に言えないこともある」という。
神戸市のフリースクール「フォーライフ」でも、約10年前までは小学生の在籍者は1人程度だったが、この数年で増加。
昨年度は19人のうち7人で、過去最多となった。
受け入れ対象は5年生以上だが、4年生以下の保護者からの問い合わせも増えたという。
原因は「複合的だが対人関係や勉強のつまずきが多い」と話す。
文科省の調査によると、令和元年度の中学生の不登校は12万7922人で、前年度比6・9%増。
一方、小学生は5万3350人で19・0%と大幅に増えた。
平成24年度と比べると約2・5倍もの増加で、特に1、2年生はいずれも約2・9倍になった。
原因は「無気力・不安」(41・1%)▽「友人関係をめぐる問題」(10・2%)▽「学業の不振」(4・3%)-などだが、背景の一つとして考えられるのが社会的な風潮の変化だ。
平成29年2月、不登校の子供の学校以外での学びを支援する「教育機会確保法」が施行され、学校に行かないことも選択肢と考えられるようになった。
大阪市教委の担当者は「学校がすべてという時代ではなくなった」と指摘する一方、「一度不登校になると、なかなか復帰できない傾向がある」とも話す。
実際、今回の調査でも「前年度から継続して不登校」という児童が各学年で3~5割を占めた。
岡山県総社市教委の担当者は「小学校低学年で不登校になり、高学年、中学生になってもそのまま通えないケースが出てきた」と明かす。 都心部を中心に、不登校の子供を対象としたフリースクールや学習塾など、さまざまな“受け皿”は増えている。
だが、数や質などには地域格差もあり、学力や社会性向上への懸念もある。
不登校問題に詳しい奈良女子大の伊藤美奈子教授(臨床心理学)は「小学生の不登校は、原因を探り適切な支援をすれば復帰できるケースも多い。
長期化を防ぐため、早い段階でスクールカウンセラーや行政の支援機関を活用してほしい」と呼びかけている。
〔2020年10/22(木) 産経新聞(藤井沙織、地主明世)〕 

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ページ名 不登校の件数鹿児島県・2019年 鹿児島県 (不登校のニュース )
鹿児島県内の公立小中学校 不登校児童・生徒数が調査開始の1991年以来最多
鹿児島県内では2019年度、公立の小中学校の不登校の児童・生徒数が、調査を始めた1991年以降で最も多かったことが分かりました。
これは国と県教育委員会が、県内の公立の小中学校など809校を対象に調査した結果分かったものです。
それによりますと、2019年度、県内の公立学校のうち小学校では466人、中学校では1511人が、不登校となっていて、いずれも調査を始めた1991年以降最も多くなりました。
県教育庁義務教育課の山本悟課長は「スクールカウンセラーや電話、SNSでの相談態勢やきめ細かく児童・生徒の悩みをしっかり早めにアプローチして把握し、確認して早めに対応していくことが不登校を減らせる要因かと思う」と述べました。
一方、2019年度の県内の公立学校のいじめの認知件数は2018年度を約2600件上回る1万259件で、6年ぶりに1万件を超えました。
件数増加の背景について県教委では、アンケート調査を増やすなどしていじめの状況を積極的に把握する学校が多くなったことがあるとみています。
いじめの内容としては全体を通して「ひやかしやからかい、悪口を言われる」が66・4%と最も多くなっていますが、高校ではパソコンやSNSでの誹謗中傷が2番目に多いということです。
〔2020年10/23(金) KTS鹿児島テレビ〕 

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ページ名 不登校の件数島根県・2019年 島根県 (  )
小中学校での不登校 島根県が全国ワースト1位(島根)
小中学校での不登校が島根県内では児童・生徒1000人あたり24人と全国47都道府県でワースト1位となった事が国のまとめでわかりました。
文部科学省は都道府県が調査した昨年度1年間の状況をまとめきょう公表しました。
その結果、島根県内での不登校は私学も含めた小中学校合わせて1257人で過去最多だった前の年より214人増加して過去最多を更新しました。
これを児童・生徒1000人あたりに換算すると24・0人となり全国平均の18・8人を大きく上回って全国ワースト1位でした。
このうち指導の結果登校できるようになったのは338人で、全体の約3割に留まっていて対応の難しさを改めて示しています。
(島根県教育指導課 子ども安全支援室 塚田英樹室長)
「なぜ多いかは言いにくい所があって、本当にひとつひとつのケースが全部違っている。未然防止を図っていく事が大事。」
一方、鳥取県内の不登校は私学も含めた小中学校合わせて825人で前年より93人増加。
また1000人あたりは全国平均の値と同じ18・8人で全国20位となっています。
県ではカウセリングのほかLINEによる相談受付なども活用し、子どもたちの心のケアに務めたいとしています。
〔2020年10/22(木) TSK山陰中央テレビ〕 

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ページ名 いじめの件数静岡県・2019年 静岡県 (いじめのニュース  )
静岡、小中学校のいじめ初の減少 不登校は7年連続最多を更新
  県内小中学校のいじめ状況調査
令和元年度の静岡県内公立小中学校でのいじめ認知件数が、定義が厳格化された平成25年度以降で初めて前年度に比べて減少したことが、文部科学省の調査で22日明らかになった。
小学校は前年度比16・1%減の1万766件、中学校は同11・5%減の3295件だった。
前年度までは小学校は5年連続、中学校は4年連続で過去最多を更新していた。
一方でいじめの解消率は小学校が前年度を7・0ポイント下回る66・3%、中学校は同7・9ポイント下回る64・4%と、ともに下落していた。
いじめ認知数が全国的に上昇傾向にある中、静岡県内で減少に転じたことについて、県教育委員会は「定義が浸透し、いじめを許さない風土が先生だけでなく、子供たちにも行き渡ったのではないか」と分析。
年度末に新型コロナウイルスによる休校があったことも、わずかとはいえ調査結果に影響があったとみている。
解消率低下は「いじめの解消とは、被害者がつらいと感じていないことが前提。やられる側の立場に立って対応している」ことが背景にあるという。
文科省は「丁寧に慎重に対応することで、解消率が低下するのは問題ではない」との見解を示している。
いじめ発見のきっかけは小学校の約6割、中学校の約3割が学校から児童生徒や保護者へのアンケートだった。
内容別では「冷やかしやからかい」「悪口を言われる」といった比較的分かりやすく、認知しやすいものが多かった。
「パソコンや携帯電話などでの誹謗(ひぼう)中傷」は小学校では84件、中学校でも180件と全体の数%にとどまっていたものの、認知が難しく、一度発生すると深刻化しやすいことから、注意深く対応する必要がある。
いじめと対照的に不登校は、小学生が1981人(前年度比16・1%増)、中学生が4300人(同7・9%増)とともに7年連続で過去最多を更新した。
新たに不登校になったのは中学1年時が826人と最も多く、中1の不登校生全体の7割を占めた。
小学校から中学校への環境変化に適応できない「中1ギャップ」が不登校増加の要因の一つと推測できる。
暴力行為は、小学生が1913件で同15・8%増えたものの、中学生は1246件(同4・7%減)とわずかに減少していた。
小中学生ともに加害者にはコミュニケーション能力の不足や発達上の問題が散見されるという。
調査は県内の公立小503校の約18万7千人と公立中264校の約9万2千人を対象に行われた。
〔2020年10/22(木) 産経新聞〕 

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ページ名 不登校の件数・2019年  (不登校のニュース、  )
小中不登校18万人 過去最多、7年連続増 文科省・問題行動調査
文部科学省が22日公表した問題行動・不登校調査によると、2019年度に不登校が理由で小中学校を30日以上欠席した児童生徒は18万1272人で、過去最多を更新した。
増加は7年連続で、約10万人が90日以上欠席していた。
内訳は、小学校が5万3350人、中学校が12万7922人。
学年が上がるごとに人数が増え、中3は4万8271人だった。
全体の児童生徒に占める割合は、小学校で0.8%、中学校で3.9%。
不登校の主な原因は「無気力、不安」が最も多く、「いじめを除く友人関係」「親子の関わり」が続いた。
学校などで指導を受けた結果、19年度中に登校するようになった児童生徒は、全体の22.8%にとどまった。
高校は5万100人で、前年度を下回ったが、横ばいが続いている。
不登校の増加について、文科省は「憂慮すべき状況」としつつ、休養の必要性や支援強化をうたった教育機会確保法が17年に施行され、「趣旨が浸透してきた側面もある」としている。
  〔2020年10/22(木) 時事通信〕 

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不登校の兆候 気づいてあげて!我が子に「不登校の兆候」が見られたら…その時、親ができる対応策とは ベネッセ 教育情報サイト 不登校とはどのような状態? 我が子に不登校の兆候が見られたときにできる対応策

子どもが急に「学校に行きたくない」と言い出したり朝になると体調不良を訴えるようになったりしたら、どのように対応すればよいのでしょうか。いざというときに冷静に判断できるよう、不登校になる理由や、兆候が見られたときにできる対応策をまとめてみました。 不登校とはどういう状態のことを言うの? 文部科学省の『不登校の現状に関する認識』の中には、『「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。』と不登校についての定義が記されています。

この定義から、たとえ学校を休みがちであっても、年間30日以内であったり、遅刻や早退が多かったりするだけの場合には、不登校には当てはまらないということが理解できます。

・不登校の定義は文部科学省で定められている ・年間30日以内の欠席は不登校と定義されない 不登校になる理由 不登校になる理由はさまざまですが、文部科学省では下記の7つのタイプに分類しています。

《不登校のタイプわけ》 ・学校生活上の影響 ・あそび・非行 ・無気力 ・不安など情緒的混乱 ・意図的な拒否 ・複合 ・その他

不登校が続く理由については、「複合」「不安など情緒的混乱」「無気力」が小学校・中学校ともに上位を占めています。

「不安など情緒的混乱」が理由の場合には、前日の夜までは登校の準備をしていたとしても、翌日の朝になると体調不良を訴えて布団から出てこないとか、休日だけは体調がよく外出できるといった特徴が多くみられます。 子どもに不登校の兆候がみられた際の対応策 では子どもに、朝起きないとか体調不良を訴えるといった不登校の兆候がみられた場合には、どのように対応すればよいのでしょうか。お子さまが学校に行きたくない理由を話したがらない場合には、無理に聞き出そうとせず、まずは担任の先生やスクールカウンセラーに相談してみましょう。 状況によっては、学校に無理に行かせることが逆効果となる場合もあるので注意が必要です。学校を休んでいる間も普段通りに接していると、そのうち気持ちが落ち着いて自分の気持ちを話してくれたり、自ら学校に行ってみたいという気持ちになったりすることもあります。勉強が遅れるのではないかと心配になるかもしれませんが、お子さまの気持ちを尊重し焦らずに見守りたいですね。

・担任やスクールカウンセラーに相談 ・無理に学校に行かせると逆効果になることも ・普段通り接することを心掛けよう

まとめ & 実践 TIPS 子どもが学校に行きたがらなくなることには、何らかの理由があります。もし不登校の兆候が見られたとしたら、無理に学校に行かせるのではなく、まずはじっくり話を聞くことから始めてみましょう。話したがらないのであれば、担任の先生やスクールカウンセラーなど専門家の力を借り、周りと協力しながら焦らず寄り添っていきたいですね。

出典:ベネッセ教育サイト『不登校の兆しがあったら? 保護者にできる対応と予防策』 URL:https://benesse.jp/kosodate/201409/20140909-1.html 出典:ベネッセ教育サイト『子どもが不登校になったら? スクールカウンセラーが質問に回答』 URL:https://benesse.jp/kosodate/201312/20131203-1.html 出典:文部科学省『不登校の現状に関する知識』 URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/futoukou/03070701/002.pdf 出典:文部科学省『1 不登校とは(不登校の定義とタイプわけ)』 URL:http://www.yokkaichi.ed.jp/e-center/html/futoukou_tebiki/images/01-09.pdf

プロフィール ベネッセ 教育情報サイト 「ベネッセ教育情報サイト」は、子育て・教育・受験情報の最新ニュースをお届けするベネッセの総合情報サイトです。 役立つノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで豊富なコンテンツを配信しております。 〔2020年10/22(木) ベネッセ 教育情報サイト〕 

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コロナ禍のいじめ問題 尾木ママ いじめ問題の深刻化を懸念「コロナ禍の今年は激増している可能性大」 尾木直樹氏 尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏(73)が22日、ブログを更新。新型コロナウイルスによるいじめ増加の可能性を示唆した。 全国小中高の2019年度のいじめ認知件数は約70000人増の61万件。自殺や不登校などの重大案件は700件以上を記録したそう。尾木氏は「政府はいじめの掘り起こしを精力的にやった『成果』だと胸張っていますが、重大事案がこんなに多くてはとんでもないですね」と指摘。

続けて「いじめ発見の遅れとネットいじめは隠れますから発見は困難ではないでしょうか?」と前置きしつつ「早期発見、早期対応、いじめ克服の原則です――。いじめる方が悪いから厳しい対応が必要です」と主張。 2020年度は例年と比較して、新型コロナによる心的影響を受ける子供たちが増加することが予想される。尾木氏は「ストレスが心理的背景にあるとするとコロナ禍の今年は激増している可能性も大です――。親もわが子の様子に敏感でありたいものですね!!」と警戒感を示した。 東京スポーツ 〔2020年10/22(木) 東スポWeb〕 

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ページ名 いじめの件数和歌山県・2019年 和歌山県 (いじめのニュース  )
いじめ認知、児童数の1割超 和歌山県内公立小で最多更新
昨年度に和歌山県内の公立小学校で認知されたいじめ件数は5723件(千人当たり129・1件)で4年連続で過去最多を更新したことが文部科学省の調査で分かった。
4年前の2・4倍になった。児童数に占める割合は1割を超えているが、県教育委員会は「認知漏れがないよう、小さな変化やトラブルを見逃さず、軽微な事案も積極的に対応したため」としている。
文科省による児童生徒の問題行動などについての調査で、県教委が22日、県内の状況を公表した。
県内公立学校のいじめ認知件数は、小学校、中学校、高校、特別支援学校の全校種で前年度より増加した。
小学校では、2015年度の2345件(千人当たり49・6件)以降、右肩上がりに増加。
16年度は3305件(71・4件)で過去最多となり、17年度3875件(84・8件)、18年度5329件(117・4件)、19年度はさらに394件増え、過去最多の更新を続けてきた。
千人当たりの件数も増加しており、ここ2年は児童数に占めるいじめ件数の割合が1割を超えている。
近年では低学年での認知が増える傾向にあり、増加数のほとんどが1、2年生という。
中学校は505件(千人当たり23・9件)。17年度の288件(12・6件)から、2年連続増加し、千人当たりでは2倍近くになった。
高校は134件(6・0件)、特別支援学校は26件(18・4件)で、いずれも18年度より16件増えた。
内容はいずれの校種も「冷やかしやからかい、悪口や嫌なことを言われた」など軽微なものが多いという。
国立、私立を含めた県内全校種の千人当たりの認知件数は、17年度41・9件(全国30・9件)、18年度58・1件(40・9件)、19年度65・1件(46・5件)。
全国的に増加傾向にあるが、それを上回るペースで上昇している。
全国順位も17年度13位、18年度12位、19年度11位となっている。
解消率は93・3%(全国4位)で、全国上位を維持している。
県教委はいじめの防止に向け、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを学校に配置しているほか、昨年7月にLINE(ライン)を活用した相談窓口を開設。相談が認知につながったケースもあるという。
県教委は「今後もアンテナを高くし、認知漏れゼロを目指すとともに、組織的な対応の徹底を図る」としている。
新型コロナに関連するいじめについては、現時点では報告はないという。
■不登校、小中で増加 暴力は中学で半減
不登校も県内の公立小中学校で増加傾向にある。
小学校は17年度218人(千人当たり4・8人)から19年度294人(6・6人)に、中学校は17年度704人(30・8人)から19年度812人(38・4人)に、いずれも2年連続で増えた。
高校は398人(19・2人)で、18年度より1人増えた。
暴力行為は小学校が97件(千人当たり2・2件)で、17年度の142件(3・1件)から2年連続で減少。
中学校は186件(8・8件)で、18年度393件(17・9件)から半分以下への大幅減となった。
高校は52件(2・3件)で18年度と同数だった。
〔2020年10/23(金) 紀伊民報〕 

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ページ名 いじめの件数佐賀県・2019年 佐賀県 (いじめのニュース、  )
小中高いじめ最多1337件 前年度から1.4倍増 19年度佐賀県内
佐賀県内の国公立・私立の小中高と特別支援学校が把握した2019年度のいじめの件数は1337件で、18年度から約1・4倍に増加した。
認知件数に関する統計が始まった06年度以降、最多になった。
県教委は「いじめにつながるような兆しを、より早い段階から認知するようになったため」と分析している。
県教委によると、これまでの認知件数は、15年度が452件だったが、16年度556件、17年度833件、18年度950件と年々増加している。
19年度の児童生徒1千人当たりの件数は13・8件で、全国平均の46・5件を大きく下回った。
都道府県別では3年連続で最も少なかった。
19年度の内訳は、小学校が674件(前年度比233件増)で約半数を占め、15年度の3倍以上だった。
中学校461件(同92件増)、高校197件(同64件増)、特別支援学校5件(同2件減)だった。
このうち、19年度末までに1063件(79・5%)が解消され、解消に向けた取り組み中が245件、卒業や転学などは29件だった。
このほか、暴力行為の発生件数は301件で、前年度から93件増加した。
内容別では、生徒間の暴力が173件、教師に対する暴力が67件、器物損壊が59件、対人暴力が2件だった。
不登校も1619人と、前年度から158人増えた。内訳は小学校が333人、中学校が920人、高校が366人だった。
暴力行為や不登校が増えたことについて県教委は「さまざまな背景があり、要因を特定するのは難しい」とする。
新型コロナウイルスの影響については、統計の該当期間に休校や春休みが含まれることから「何とも言えない」と説明した。
〔2020年10/23(金) 佐賀新聞(岩本大志)〕 

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女性シンガーのうじたまい 【人気TikToker直撃第3弾】ひきこもりの過去、即興アカペラに込めた「大人は楽しいぞ」 連載(3)女性シンガーのうじたまい 即興アカペラ15秒の前向きな曲 TikTokを軸にアーティストとして着実なキャリアを積み上げているシンガーがいる。透き通るような白い肌が魅力的、モデルとしても活躍が期待されそうなたたずまいの彼女は、うじたまい。「独りうた~September調子はどうだい~」がSNSで総再生回数1億超えを突破し、8月21日には新曲「ふたりぼっち」が配信リリースされた。まさに令和時代が生み出したヒロイン。TikTokで彼女のカバー曲投稿をきっかけに、大きなバズを生み出したクリエーターも少なくない。「独りうた~September調子はどうだい~」では、自身のひきこもり経験を踏まえて歌う彼女だが、インタビューではひきこもりの過去を感じさせない底抜けの明るさが印象的だった。彼女を変えた音楽やTikTokとの出会いについて聞いた。

憧れはLiSA 女性シンガーうじたまいの夢は「アニメの主題歌がやりたい」…実際の投稿 「TikTokを始めた当初は今と違ってまだ踊る動画の文化が強くて、正直言うと興味なかったんです(笑)。けど、“とりあえずやってみよう!”と思って。最初は踊りとか自分の見た目を出したくて投稿していました。再生回数が伸びたきっかけは、アニ文字(キャラクターを使ってメッセージが録画できる機能)を使った動画でした」 寅年生まれのうじたまいは、虎のキャラクターに声を付け、そのキャラクターと対話する1人2役の動画を投稿し、大きな話題を呼んだ。今でこそ人見知りしない性格だが、小学生の頃は学校に通えなくなったこともあったようだ。どのようにして、ひきこもりを脱出できたのか。

「幼少の頃は人見知りで初めて会う方とこんな風に話せるタイプではなくて。小学生の頃に更生できたのは、おばあちゃんや友達が親に対して早く学校に来るように言ってくれたり、“必要とされてるな“って感じられてうれしかったからですね。世界をシャットダウンしてしまうと、自分が必要とされてないって思いがちだけど、そうじゃないって思えるようになりました。“ちょっと楽に生きてみよう”って少しずつポジティブになれて変われました」 彼女はこの曲で「年下の子たちが見てるとしたら、私たち大人が言うことってなんだろう?」と考え、その素直な気持ちを歌詞に込めた。 「自分が不登校だった時に“大人になったら大変なんだから”とか“これからもっとつらいこともたくさんあるよ”ってよく言われてたんですけど、“大人がそれを言うべきなのかな?”ってずっと疑問に思っていて。教育としては間違ってないし、正しいことだと思うんですけど、“今がこんなにつらいのに、これ以上つらかったらどうなるの?”って当時は先に進めなくなってしまったんです。バックボーンとしてはもちろんその経験があるんですけど、この曲では歌詞にもある《大人は楽しいぞ》ってことを一番伝えたかった」

自分の居場所を見つけてくれたファンに感謝「すっごくうれしかった」 即興アカペラの15秒の動画投稿で伝えられた《大人は楽しいぞ》という前向きなこの曲。始まりは全体像も見えてず、未完成のままだったという。後にフルバージョンが配信リリースされると、同曲は瞬く間にTikTok内で広がりを見せ、TikTok発のシンガー・まつりやWHITEBOXを筆頭にオーディションで選ばれた7組のアーティストによるカバーアルバムが誕生するほどに。

「投稿した時はメッセージが強い歌詞なので、それを見て助けられたって言う女の子もいました。その子が動画で歌詞を変えて、“この歌のおかげで学校に行けるようになりました!”って言うのを公式のアカウントに知らせてくれて。その時は、すっごくうれしかったですね」 彼女の音楽で自分の居場所を見つけたファンも多そうだ。しかし、今でこそ精力的に音楽活動をしている彼女だが、アーティストとしての自身の居場所はどのようにして見いだしたのだろうか。 「中学のお友達から誘われて、まだ軽音部って言葉すら知らなかった時に軽音部に入って、音楽の魅力に気付きました。自分の歌を好きって言ってくれる人も増えて、それが今の自信にもつながっていますね。当時はベースをやっていたんですけど、人見知りが改善される途中で。ギターは前に出過ぎているのでヤダなって思ったんです。そんな時に先輩がベースを弾いてるのを見て、ベースって縁の下の力持ちですごくカッコいいなって思えてベースにしました」

人見知りは軽音部で少しずつ改良されていったという。 「音楽のために学校へ行ってましたね(笑)。周囲からも当時は人見知りだと思われてたんですけど、ステージに立つと人が変わるんです。堂々とできるところがあって、それを周りにも言われ始めました。今思えば、ステージに立っている時と日常の差が無くなったのかなって思います」 後に彼女はベースボーカルとして活動していくことになる。 「すごく不思議な学校でボーカルはオーデイション形式で、課題曲に合う人を選ぶスタイルだったんです。なので、洋楽を歌った時は歌えない時もあったんですけど、ある曲を歌った時に“すごいじゃん!”って言われて。歌うことは好きだけど、人に“これが好きだ!”って言い切れるタイプでもなかったのが変わりましたね。それまでは、ちゃんと人前で歌ったことはなかったんですけど、そこからベースボーカルとして歌うようになりました」

ニコニコ動画も好きでアニソンやボカロ曲もよく聞いていたそうだ。 「アニソンが好きで、憧れはLiSAさんですね。サウンド的にはPerfumeさんが好きでした。TVアニメ『けいおん!』を声優さんの真似をして歌ったり、ボカロ曲をメインに聞いていたのでsupercellさんも聞いていました」 そんな彼女は「もう1つ何か秀でた特技があれば」と、声優シンガーに憧れて専門学校へ進み、声優業界の門を叩く。 「当時は専門学校に入って勉強して、事務所に所属して地道に頑張る夢を見てたんですけど、実際やってみたら声優業界って想像以上に厳しかったんです。事務所に入るとSNSが禁止だったり、個人での活動も制限されていて。自分は“自己表現をしたい”というのが根本にあったので、ちょっと違うなと感じて今はこうして活動をしています」

SNSでの活動が功を奏し、彼女の才能は瞬く間に開花していった。そこで、現在所属している音楽レーベル・Star Music Entertainment Inc.との出会いもあった。そこからシンガーとしての彼女の活動も本格化した。 「TikTokの方に“もし良かったら紹介したい方がいるんですけど”って声をかけてもらいました。後々聞いたら、Star Music Entertainment Inc.の方が、TikTokで人気のハッシュタグ“♯歌うま”から私を見つけてくれたみたいで」 新曲は恋愛ソング 夢は広く「アニメの主題歌がやりたい」 うじたまいは「アニメの主題歌がやりたい」と話した【写真:石丸敦章】

そこからリリースを重ね、8月21日には夏を彩る新曲「ふたりぼっち」も発売された。 「恋愛ソングを作ってみたいと思って、1日のデートをたどる歌を書きました。最後の歌詞で《愛想も小想も尽き果てる/いつか、その日まで。》って言葉があるんですけど、私はわりと直球的な歌詞を書くことが多くて。このワードが言いたいってフレーズから作詞を始めるんですけど、この曲はそこが特に伝えたかったところですね。いつも日記のような感じで書いてまとめるように書いてます」 ミュージックビデオは日記帳をイメージして制作されており、合成からイラストの制作まで自身で手掛けたという。クリエーティブ面にも彼女のこだわりはあるようだ。

「走ってる絵は7枚書いてループさせたので、今回はめちゃめちゃ製作には時間がかかりました(笑)。イラストもこれから頑張ってきたいから、自分で書いて頑張りました! 作品を作ることが昔から好きで、トータルで見てときめくものが好きなので、ミュージックビデオも最初から最後まで面倒を見るように制作してかわいいものにしたかったんです」 確かに、彼女のたたずまいや私物を見ると、完成された1つの世界観が見えてくる。おそらく日常から自身がときめくもので自身が描く世界を構築しているのだろう。それもまた、彼女の魅力だ。そんな確立されたスタイルを持った彼女は、どのようなことを意識して作詞をしているのだろうか。 「子ども向けアニメでかわいいけど、大人になって見ると違う視点で見れたり、大人になって見たら染みるものってあるじゃないですか。歌詞は単純に見えて実はこんな意味が込められてるって見えるように意識していますね(笑)」

彼女の音楽の根底をのぞくと、そこには確かなアイデンティティーが存在している。自分がまだ何者なのか分からない。そんなティーンにも深く刺さりながらも、大人までも魅了する独創的な視点が、これからどのように広がっていくのか、活躍に期待したい。動画からも感じ取れるが、音楽のみならず自分の声を通し、メッセージを伝えることを大切にしてきた彼女だからこそ、その活躍の幅は広そうだ。最後に、今後の抱負についても聞いた。 「やっぱりアニメの主題歌がやりたいですね。あと、自分がアーティストとして発信したのがTikTokだったので、それは軸になっていて……。これからも対話できるような音楽だったり、素敵なコンテンツを作れたらいいなとは思います。自分がこうありたいって自己表現や自己表明の証が今はSNSになっていて、好きな自分でいたいからやっているんですけど、TikTokを通して世界が変わったので、最近は自分にもうちょっと可能性を感じていいのかなとか思ってます(笑)」 後藤千尋 〔2020年10/23(金) ENCOUNT〕 


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マンガ「ハロー、イノセント」 優等生男子と問題児の少女、何もかも違う2人の高校生描く酒井まゆの新作1巻 「ハロー、イノセント」1巻 りぼん(集英社)で連載されている、酒井まゆ「ハロー、イノセント」の1巻が、本日10月23日に発売された。 「ハロー、イノセント」は高校に特待生として入学した、スポーツもできてイケメンな男子・雪灯と、彼が出会った謎の少女・結以を軸に描く物語。その能力・容姿から周囲にうらやましがられている雪灯だが、祖母と妹の3人暮らしをしており2人を守るために日々見えない努力を積み重ねていた。そんな中祖母が倒れてしまい、家族のため大好きな剣道を辞めることになってしまった雪灯。周囲にその辛さを見せずにいた雪灯だが、内心は落ち込んでおり、ふらりと訪れたゲームセンターで結以と出会う。名前も連絡先も聞かずに別れた2人だったが、結以が入学以来不登校を続けていた雪灯のクラスメイトだと判明したことから物語は動き出す。 〔2020年10/23(金) コミックナタリー〕 

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わいせつ被害の”後遺症” 小6女児の手記が語る教師によるわいせつ被害の”後遺症” 増え続けるわいせつ教師による児童生徒への性暴力。わいせつ教師を二度と教壇に立たせないための教員免許法改正や制度改革が進む一方、いまだに確立できていないのが被害者やその家族に対する保護・支援制度だ。「ポストコロナの学びのニューノーマル」第16回は、千葉県で発生した事件を取材した。

小6女児の手記が語るわいせつ被害の後遺症 「私は××先生にセクハラ(?)をされました。そういうことをされて、最初は遊び半分かな?と思っていたけど、2回目もされて『こわい』と思いました。ねれなくなったり、学校に行けなくなったりしました。学校に行けなくなって、でも、クラスの子たちとあいたいけど、やっぱりこわくて、行けなくて、『かなしい』なと思い始めました。」(××は教師の実名。他は原文ママ) この手記は教師からわいせつ被害を受けた、当時小学校6年生の女児が書いたものだ。2017年から複数回被害を受けた女児はその後不登校となった。手記はこう続いている。 「でも、今は、学校に少しずつ行けるようになったので、かなしいとは思わなくなりました。それよりも、今は、そのやられたことを思い出すということの方がつらいです。まだ、教室でべんきょうはできてないけどおくれている分をおいつかせて、教室で、べんきょうができればいいなと思います。」

この手記を書いた女児はその後PTSDと診断され、いま彼女は中学2年生だが2,3週間に1回程度保護者同伴で保健室に登校する以外は学校に行くことができない。両親はネット学習などで授業に遅れないようにしているという。 教師と教育委は「不登校の正当化」と否認 この事件を担当する村山直弁護士は、千葉市の学校内における性暴力防止のための有識者会議、「子どもへの性暴力防止対策検討会」のメンバーでもある。村山氏によると被害者の両親は2018年に発覚後学校に相談したが取り合ってもらえず、警察に被害届を出したものの書類送検されたのは半年以上経った後だった。結局検察の事情聴取で「女児の記憶が薄れてきている」などとして不起訴となり、2019年1月両親は県と自治体の教育委員会、教師を相手取って民事訴訟を起こした。

事件の概要を村山氏はこう語る。 「女児は『教師が学校の体育館のトイレの個室に女児と2人になる状況を作り、胸を直接さわられた』と被害を訴えています。しかしこの教師は個室に2人で入り身体の接触があったことは認めていますが、直接胸に触ったことは否認しています。また自治体の教育委員会も『女児は自らが登校しないことを正当化するための理由として、わいせつ行為を誇張している』と教師と一緒になって否認をしています。」

村山氏によるとこの教師はわいせつ行為を始めた2017年当初、女児の肩に手をかけたり、あごをくすぐったりしていたが、徐々にエスカレートしてわきの下をくすぐるなどし、2018年2月にトイレ内でのわいせつ行為に至ったという。 自治体の教育委員会は取材に対して「係争中なのでコメントは控えさせていただきます」と答えた。また千葉県の教育委員会も「継続中ですのでコメントは控えさせていただきます」と答えた。 「学校で性暴力はあってはならないから対応できない」 両親は村山氏とともに県と自治体の教育委員会と話し合いを行い、教師を別の学校に異動させてほしいと要望を出した。しかし教育委員会側は「本人が否認している」と、教師をそのまま学校にいさせた。村山氏らが再三教育委員会に申し入れをした結果,ようやく教育委員会は教師を研修の名のもとに異動させた。わいせつ行為が発覚してから半年後の2018年夏だった。

村山氏は教育委員会には監督義務と調査・環境調整義務の違反があったと主張する。 「学校と教育委員会は子どもの安全に配慮し、安心して学習できる環境を作る義務があり、これに違反しています」 しかし千葉県の「子どもを虐待から守る」条例には学校内の性暴力が含まれないという。 「県の発想は『学校では性暴力はあってはならない。だからそのようなことがあるのを前提とした対応はできない』というものです。しかし実際に起きているわけです」(村山氏) アンケート用紙に児童が名前を書く欄を設ける 教育委員会側はこの問題を受けて、学校で児童を対象にアンケート調査を行ったと主張する。しかし調査は学校内で行われアンケート用紙には児童が名前を書く欄を設けていた。これについて村山氏は「学校のアリバイ作りでしかない」としたうえでこう語る。

「昨年、複数の児童に強制性交をした千葉市の元教師に対して、懲役14年の実刑判決が言い渡されました。これを受け我々有識者会議では市の教育委員会に対して子どもがSOSを出せる仕組みが必要である旨提言し、今年6月から「子どもにこにこサポート」という子どもたちが教師からの暴力について直接手紙で相談できる仕組みが作られました。これは性暴力だけでなく体罰なども含まれますが、設置後3か月間で既に約50件の声が寄せられ、その後も相談件数はどんどん伸びていると聞いています」 教育委以外の第三者性のある組織の設置が必要 ただこれでもまだ仕組みとして課題が残ると村山氏は語る。 「通報の窓口は千葉市の教育委員会です。教育委員会は教師を採用し監督する立場であり、第三者とはいえません。埼玉県などは第三者委員会がこうした声の窓口になっていますので、やはり第三者性のある組織を設置すべきであると考えています」

前述の千葉市のケースでは、10年近くにわたって性暴力が行われてきた。 「それに気づけなかった問題は当該教師だけでなく、学校や教育委員会にもあります。しかし問題発覚後も、自分たちが加害者の立場であるという発想がないのではと思うこともありました」(村山氏) 学校や教育委員会について村山氏は「そもそも児童生徒の安全に配慮する義務を負う立場であるという意識が足りない」と語る。

「学校や各教師は子どもが安心で安全な学校生活を送れるよう配慮する法的義務を負っていることを認識して頂きたいです。また教育委員会は『起きてはならないことだから起きることを前提とした制度は作れない』などと対策を講じない理屈を考えるのではなく、子どもを守るための体制作りをするよう強く願います」 「教師の不祥事」ではなく「子どもの人権侵害」だ この事件で被害者両親の支援を行っているNPO千葉こどもサポートネットの米田修理事長は、こうした問題に約30年にわたって取り組んでいる。 「今回ご両親はたまたま専門の村山先生に出会いました。弁護士にも様々な分野の方がいるので、これは奇跡的な話です。村山先生は教育委員会に調査を求めましたが、なかなか教育委員会側が対応しませんでした。そこで知人を介して紹介され、私もサポートに入って学校と教育委員会に話し合いを行いました」 米田氏は「教育委員会や学校には我々と認識の違いがある」と言う。

「こうした問題が起こると必ず『教職員の不祥事』、つまり個人の問題として処分しようとします。しかしそれは違うと私はずっと言ってきました。これは教師の不法行為による『子どもの人権侵害』なのです。そしてその責任の主体は、教師を採用し学校を設置し管理運営している自治体・教育委員会です。本来教育委員会や学校は、被害者であるお子さんを保護し、受けた心身のダメージのケアをすぐやるべきです。しかしそういう体制は教育委員会側にないのが現状です」 学校内のわいせつ行為は「空白地帯」 いま家庭内の子どもへの虐待の対応には、児童相談所など公的な体制整備が行われている。 しかし米田氏は「教師による暴力は『空白地帯』になっている」と語る。

「現行の児童虐待防止法ではすべての虐待を禁止しています。しかし児童相談所などが法的措置をとることができる児童虐待は、保護者など家庭内の虐待に限定されています。つまり教師による学校内の虐待は対象外となっているのです」 憲法では教育を受ける権利が定められており、学校や教育委員会は子どもが安心して学ぶ場を提供する義務があるはずだ。

「体罰や暴言、わいせつ行為などは、教師による子どもへの学校内虐待として、子どもの権利擁護の視点から対応策を整備する責任が自治体にあります」(米田氏) 被害者家族を支援するワンストップ体制を 今回の事件では両親が自ら学校に足を運んで話し合い、弁護士を探し警察に相談した。しかし米田氏は被害者家族にこうした負担を強いる状況を変えるべきだと主張する。

「ほとんどの被害者の親は法律も制度も知りませんし、教育委員会の役割さえ分かりません。ですから被害を訴えた段階で、ワンストップで自動的にすべてにつながる子どもの権利擁護体制が必要です。性犯罪であれば刑法上の対応を警察に、もし身体的な被害を受けているのであれば医療機関につながり、児童福祉とも連携するというものです」 教師によるわいせつ行為を起こさないための予防や再発防止策はもちろん重要だ。 しかしまずは被害を受けた子どもの心身をケアして保護し、被害者の家族を国や自治体が連携して支援することが必要である。そして第三者が検証を行い、長期的には法制度を見直すことが求められる。

国連が掲げる子どもの権利をこの国が守れないのなら、大人たちの怠惰であり恥ずべきことだ。 【執筆:フジテレビ 解説委員 鈴木款】 鈴木款 〔2020年10/28(水) FNNプライムオンライン〕 

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ページ名 不登校の件数静岡県・2019年 静岡県 (不登校のニュース  )
県内の不登校6281人 過去最多に(静岡県)
昨年度、県内の公立小中学校での不登校の子どもの数は6281人と過去最多となったことが県教育委員会の調査で分かった。
県教育委員会によると県内では昨年度、公立小中学校で計6281人の子どもが年間30日以上欠席していて、前年度より591人増加した。
内訳は小学校で1981人中学校で4300人となっていて、不登校の人数としては1998年に現在の調査が始まって以来、過去最多になった。
不登校の要因としては小中学校ともに「無気力・不安」が最も多く、そのほか「親子のかかわり方」や「人間関係」「学業の不振」が多く挙げられている。
調査をした県教委の担当者は前の学年との比較でみると小学3年生や中学1年生で大幅に増加していることから「環境の変化への対策が求められる」と話している。
県では今後、休み始めの子どもに対して迅速な支援を行うなど対応するという。
〔2020年10/23(金) Daiichi-TV(静岡第一テレビ)〕 

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スクールカウンセラー 保護者だって悩んでる!いざという時はスクールカウンセラーに相談してみよう ベネッセ 教育情報サイト 実は保護者もカウンセリングの対象者 スクールカウンセラーのお仕事について 学校の相談室などにいるスクールカウンセラーはご存じですか。「顔は見たことがあるけれど、話したことはない」という人もいるかもしれませんね。そこでスクールカウンセラーとはどのような人で、どんな仕事をしているのかをご紹介します。

スクールカウンセラーとは、学校に配属された臨床心理士や精神科医など心の専門スタッフのことです。臨床心理の知見に基づき、教員と一緒に児童生徒をサポートする目的で、1995年度に当時の文部省が、都道府県への活用調査研究委託事業として開始したのが始まりです。 スクールカウンセラーは学校の中にある相談室やカウンセリングルームなどに常駐し、カウンセリングや心のケアを行っています。学校によっては常駐ではなく訪問する日が決められていたり、スクールカウンセラーの代わりに学校相談員さんがいたりすることもあるようです。

・スクールカウンセラーは心の専門スタッフ ・臨床心理の知見に基づいてサポートする

どんな仕事をしているの? スクールカウンセラーの主な仕事は、相談室などで行う不登校やいじめなどの問題行動に関するカウンセリングです。悩みを持つ児童生徒の話を聞き、的確なアドバイスを行い、今後どうすべきかを一緒に考えてくれます。カウンセリングは本人が希望したときだけでなく、保護者の希望や担任からの紹介などで行われることもあります。 またスクールカウンセラー自身が学校内を巡回し、子どもたちの様子や校内環境などを確認することも大切な仕事の一つです。そのほかにも発達障害などの支援や、事件、事故、災害などの際には子どもたちの心のケアも行います。状況に合わせて、教職員や保護者向けの研修や講和などを行うこともあります。

・主な仕事は問題行動に関するカウンセリング ・話しを聞いて的確なアドバイスを行う ・発達障害の支援や、研修、講和なども行う

子どもだけでなく保護者も相談に乗ってもらえる カウンセリングの対象者は子どもだけではなく、保護者や教職員も含まれます。「子どもが学校に行きたがらない日が増えた」「いじめにあっているのではないか」「友人関係がうまくいっていない」など子どもの様子が気になったり、不安に感じたりすることがあるなら、スクールカウンセラーに相談してみましょう。 学校によっては相談できる日時が指定されている場合もありますが、とくにそのような指定が無いのであれば、電話などで一度問い合わせてみましょう。学校に用事があった時などに直接相談室を訪れてみるのもよいですね。

・保護者や教職員もカウンセリングの対象者 ・子どもに関する悩み事を相談できる まとめ & 実践 TIPS スクールカウンセラーというと、子どもたちのカウンセリングを行ってくれる人というイメージがありますが、子どもだけでなく教職員や保護者もカウンセリングの対象者です。もし日頃から何か不安に感じていたり悩んでいたりすることがあるなら、一度スクールカウンセラーに話を聞いてもらうのもよいかもしれませんね。

出典:ベネッセ教育サイト『スクールカウンセラーやソーシャルワーカー、期待高まるけれど……?』 URL:https://benesse.jp/kyouiku/201602/20160217-1.html 出典:ベネッセ教育サイト『スクールカウンセラー、どんなことをしているの?』 URL:https://benesse.jp/kyouiku/201612/20161222-1.html 出典:文部科学省『5 スクールカウンセラーの業務』 URL:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/066/shiryo/attach/1369901.htm

プロフィール ベネッセ 教育情報サイト 「ベネッセ教育情報サイト」は、子育て・教育・受験情報の最新ニュースをお届けするベネッセの総合情報サイトです。 役立つノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで豊富なコンテンツを配信しております。 〔2020年10/23(金) ベネッセ 教育情報サイト〕 

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ページ名 不登校の件数沖縄県・2019年 沖縄県 (不登校のニュース、   ) 不登校の小中学生が増え続けている。
県内では2019年度、不登校の小学生が1262人、中学校では2144人となり過去最多だった。
小中合計の千人当たり人数は22・7人で全国平均を3・9ポイント上回っている。
県教育委員会と文部科学省が公表した19年度児童生徒の問題行動・不登校調査で明らかになった。
不登校の増加は全国的な傾向だ。全国では小中学生の不登校は計18万1272人。7年連続で増加した。
17年に施行された「教育機会確保法」は、不登校の児童・生徒には状況に応じて休養が必要だとしており「無理に登校する必要はない」との考え方が浸透したのも増加の一因とみられる。
同法は、国や自治体に児童・生徒の状況を継続的に把握し支援を求めている。
県内でも教育委員会の適応指導教室や民間のフリースクールなどが学びの場となっている。
福祉機関とも連携しているという。ただ、これだけ人数が増えると一人一人に支援が確実に届いているか気掛かりだ。
不登校の要因は複合的だとされるが、家庭環境の問題も小さくないといわれている。
背景にあるのは全国の約2倍に及ぶ子どもの貧困率の高さだ。
親が困窮して子どもと十分に関わる余裕がなく、生活の乱れなどを見逃しているうちに子どもが学習につまずき、次第に学校に通えなくなる事例などが考えられる。
不登校の子どもたち一人一人の家庭状況や抱える課題を丁寧に分析することが支援には欠かせない。
■ ■
高校生の状況も心配だ。県内の高校生の不登校は1224人で千人当たりの人数は全国で最多だった。
中退率は全国で最も高い2・3%で全国平均1・3%を大きく上回った。
中退の理由は「進路変更」が半数を超え最も多いが、「経済的理由」の割合が全国で突出して高い。
高校をやめずにすむ方法はなかったのだろうか。
不登校の子どもらを支援するNPO法人の代表は支援の中で見えてきた「三つの貧困」として経済的な貧困、子どもへの教育が行われにくい家庭環境による文化的貧困、必要な支援を受けられず孤立する社会的貧困-を挙げる。
不登校などの課題から引きこもりやニートにつながることもあり、将来に影響を及ぼす恐れがある。
一方、早めにケアすれば人材の育成にもなる。支援は社会の責務だと認識すべきだ。
■ ■
学校現場は学力向上を重視しすぎて余裕がなく、子どもとじっくり向き合う時間が取れていない、と教育関係者は指摘する。
特にコロナ禍の今年は長期の休校で生じた学習の遅れを取り戻そうと早いペースで授業が進んでおり、影響が懸念される。
子どもたちが置き去りにされ学習への意欲をなくすことのないよう学校には十分な目配りを求めたい。
悩みを抱える親も含めてスクールソーシャルワーカーが支援できる仕組みも大切だ。
〔2020年10/24(土) 沖縄タイムス〕 

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ページ名 ワンステップスクール湘南校   (  )
問われる引き出し屋の自立支援(1) 脱走者が「捕獲」される町で
ワンステップスクールの湘南校(神奈川県中井町)
東京都心から東名高速道路で約1時間あまり。
秦野中井インターチェンジに続く工業団地の大きな街区を抜けると、山間に神奈川県中井町の住宅地が現れる。
その景色は、豊かな企業税収入を背景にした日本屈指の財政健全自治体という趣とは異なる、人口約9300人の典型的な過疎の町並みだ。
そんな静かな町のバス通り沿いにあるのが、本稿の舞台、「ワンステップスクール」(通称:ワンステ)の湘南校である。
■「失敗しない男」は、「大人の引きこもり」を本当に救えているのか?
<「不登校」や「ひきこもり・ニート」、「家庭内暴力」など、あらゆる若者の問題の修復に取り組んでおります>
ウェブサイトにこう掲げる同校は、ひきこもり等の状態にある人を対象にした民間の自立支援施設だ。
運営母体は、一般社団法人若者教育支援センター(東京都港区)という、いかにもカタそうな名前だが、代表理事の広岡政幸氏は、家庭からのSOSを受ければ、自ら全国どこにでも出かけていくというフットワークの軽さをウリにしている。
広岡氏には、昨今高い注目を集める「大人の引きこもり」に関する著作もある。
児童から中高年までのあらゆる世代のひきこもる本人を、「説得」して、同社の施設に連れ出すのが得意なようで、本には自ら「僕、失敗しないんです」と綴っている。
スーツが似合うそんな気鋭のイケメン支援者の姿は、絵になるのだろう。これまで、テレビメディアを中心にその活動ぶりを頻繁に取り上げてきた。
しかしここ数年、広岡氏が率いるワンステの支援手法をめぐって、批判やトラブルが報じられていることも事実である。
2016年3月、テレビ朝日が、広岡代表がひきこもり当事者が暮らす部屋のドアを壊し、激しい言葉を浴びせ、部屋から引き出すシーンが放送された。
この「TVタックル」問題は、暴力的な引き出し行為を好意的に放送したとして、専門家やひきこもり経験者たちから強い反発を招いた。
彼らの抗議会見は、数多くのメディアが取り上げた。
2018年7月には、集団脱走が起きた。
少なくとも10人の脱走者たちが、福祉施設に緊急保護されていることがわかり、ワンステへの入校経緯をめぐり対立しているといったトラブルが、同年12月に共同通信によって、施設名入りで報じられた。
配信されたこの記事は、全国各地の地方紙に、大きく掲載された。
2019年7月には、前年に集団脱走したひとりが、連れ去り被害から脱走までの一連の経緯を語った内容と併せ、広岡氏の噛み合わない主張が、同じく施設名入りでアエラドットに掲載された。
いずれの取材者も、報じる際に、施設名や代表者の名前を匿名のままにすべきでないと判断していることになる。
そんなワンステップスクールが存在する地元の中井町で、連れてこられる生徒たちの様子を心配し、見つめ続けてきた人物がいる。
■警察官から「最近やってきたあの施設、何かおかしい」と相談されて
中井町議の加藤久美さん(52)が、最初にワンステのことを知ったのは、2016年の秋頃に、知り合いの警察官からこう相談されたことがきっかけだった。
「最近やってきたあそこの施設のこと、知ってる? 『助けて』と交番に逃げ込んでいる人たちがいる。
これが何件も続いている。何かおかしい」
中井町議の加藤久美さん/筆者撮影
ワンステは当時、千葉県市原市から中井町に引っ越してきたばかりだった。
相談を受けた加藤さんは、名刺を持ってワンステ湘南校を訪れ、「町の議員だが、話を聞かせてほしい」と言って中に入った。
スタッフの案内で見た施設の内部は、異様だった。監視カメラだらけという物々しさで、玄関の側の部屋には、監視モニターが何台も並んでいた。
大きな部屋では、見た目は子どもから40代くらいの大人たちが30人ほどいて、無言で公文をやっていた。
個々の部屋も見せてもらえた。
狭く仕切られた薄暗い部屋は、「無低」と呼ばれる無料低額宿泊所(筆者注:生活保護を受給する生活困難者向けに提供される居住施設)よりは少し広いものの、どこか彷彿とさせるものだった。
加藤さんの前の職業は、同県小田原市の生活保護課の就労支援員や相談員だ。
同課が「保護なめんな」と書かれたジャンパー問題で炎上したのは辞めた後の出来事だが、加藤さんはともかくこうした職場の経験から、「無低」をよく知っていた。
案内したスタッフは、「女性のスペースもある」と見せてくれたが、ドア一枚で隔てられているだけで、とても安全が守られているとは思えなかった。
■町に広がる幻想的なロジック
厨房では、知り合いの地元の主婦が働いていた。
彼女は、「採用時の条件とは違った」と不満を言って、辞めていった。
その後もワンステは、地元の主婦たちを採用し続けた。
スタッフとなった彼女たちは、ワンステが地域に溶け込むための手助けをするようになった。
加藤さんが個人的に手掛けていた、学校放課後支援ボランティアにもやってきて、「生徒たちにも手伝わせたい」と売り込んできた。
しかし、ワンステが犯罪歴や非行歴のある人たちの自立更生も引き受けていたことから、児童たちへの性的被害のリスクが拭えず、簡単に受け入れることはできなかった。
2017年春、広岡氏が本を出版すると、今度は、「本を読んで」「講演会に来て」と、売り込みが激しくなってきた。
広岡氏自身も、地元の商工会や自治会につながりをつくり、信頼関係を築いていた。
しばらくすると、ワンステのスタッフたちが町の人たちに働きかけ、生徒たちを、町の祭りの設営をはじめ、通学見守りや草刈りといったボランティアに積極的に参加させるようになった。
そのうちに、畑を貸す人や農繁期の手伝いをお願いする農家も出てきた。
さらには、地元の幼稚園や小学校の行事に、ワンステのスタッフが「来賓」として招かれるようにまでなっていった。
「親を困らせる子を矯正させる良い施設」
「社会的に必要な施設だから、地域で支えるのは当然」
小さな町には、次第にそんな友好的な声が広がっていった。
しかし、「助けて」と言って脱走してくる生徒たちがいる以上、加藤さんにはそれらが幻想的なロジックにしか思えなかった。
疑念を裏付ける情報をネットで検索してみたが、TVタックル問題の記事が出てくるだけで、よくわからなかった。
「ワンステと仲良くしろ」という周囲からの圧力は増す一方だったが、加藤さんが街の空気に同調しなかったのは、町のあちらこちらから、不可解な情報が寄せられていたからでもあった。
■「あそこには、人権なんてないっすよ」
ワンステには時おり、消防車や救急車が来ていた。
なぜそんな頻度で来るのか、確かめても詳しく教えてもらえなかった。
さらに、町の外に向かって歩いていると見られる生徒らしき人が、追ってきたワンステの車に捕獲されるように引きずり乗せられていく場面を、何人もの住民が、あちらこちらで目撃していた。
「どんな自立支援施設が良い施設といえるかは、支援を受ける本人たちと考えていきたい」と話す中井町議の加藤久美さん/筆者撮影
「今日の朝ね、羽交い締めにされて乗せられていくところを見ちゃったんだけど……」
知り合いたちが、加藤さんにそんな風に電話をしてくるのだ。
実際に筆者も、住民の一人から、「何も持たずに歩いていた男の子が、(町外れの)トンネルの手前でさらわれていった」という目撃談を聞いたことがある。
そこで加藤さんは、情報を集めるため、ボランティアで街に出てくる生徒たちに直接声をかけ始めた。
最初に話を聞けたのは、農業セミナーで出会った若者だった。
一人での外出が許されているというその生徒は、農家の祖父母のためにいつか役立てようと、勉強しに来ていた。
ワンステでは、入所が長期にわたると、脱走の恐れはないとして、自由な行動が許される例がある。
「ワンステのことは、良くない噂も聞こえてくるんだけど、ぶっちゃけ、どうなの? あなたは大丈夫なの?」
加藤さんがそう尋ねると、その若者は、吐き捨てるように言った。
「あそこには、人権なんてないっすよ」
*      ***
本稿で同校を取り上げるにあたり、広岡氏に宛て「なぜ脱走者を連れ戻すのか」等を尋ねる質問を送ったが、期限の22日までに回答は得られなかった。
翌日23日になって代理人弁護士から一部の質問に対する質問が届き、やり取りを続けているが回答はひとつも得られていない。
(リンク:問われる引き出し屋の自立支援(2) 心までも搾取されていく)
加藤順子 ライター、フォトグラファー、気象予報士
〔2020年10/24(土) 加藤順子 | ライター、フォトグラファー、気象予報士〕 

周辺ニュース

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コロナ禍で、不登校増えた 「不登校増えた」25% コロナ禍、学校現場に影 静岡県教組調査 静岡県教職員組合が実施した緊急実態調査の結果(抜粋) 静岡県教職員組合はこのほど、静岡県内の市町立小中学校で9、10月に行った新型コロナウイルスの影響に関する緊急実態調査の結果をまとめた。「子どもの不登校や保健室登校が増えた」との回答が全体の25・4%あったほか、感染症対応で「心身の不調を訴える教職員が増えた」とする回答も28・8%に上った。 9月15日~10月5日にウェブアンケートを実施。組合員が学校単位で組織する分会を対象に、学びの保障や校内の消毒作業の実施状況など7項目の17問に回答してもらった。分会746カ所のうち74・5%の556カ所が回答した。 学習指導での困難を複数回答可で聞いたところ、「音楽などでの飛沫(ひまつ)感染対策」が90・6%で最多、次いで「対話活動やグループ活動がしにくい」の90・1%、「体育などの接触を減らす指導」と「校外学習に行きにくい」がそれぞれ84・5%で続いた。

学びの保障で「夏休みの短縮」をした学校は96・6%に上り、「行事や課外活動の削減」も87・9%、「学習内容の重点化」は78・2%が取り組んだ。来年度以降も実施すべき対応として68・3%が「学習内容の重点化」、53・8%が「行事や課外活動の削減」を挙げた。 校内の消毒作業を中心的に担う人材を尋ねたところ、教室は担任が84・2%、児童生徒用トイレは養護教員が59・5%で最も多く、県教委が配置するスクールサポートスタッフなどの支援要員が中心になったとの回答は約2割にとどまった。 県教組は「サポートスタッフは配置時間が限られ、消毒作業を行う放課後に確保できていない学校もあるのでは」と分析している。 静岡新聞社 〔2020年10/24(土) @S[アットエス] by 静岡新聞SBS〕 

周辺ニュース

ページ名 不登校の件数宮城県・2019年 宮城県 (不登校のニュース、  )
不登校の割合が4年連続全国最多、県教委「増加傾向にある」
宮城県内の小中学校で2019年度に把握された不登校の割合は、1000人あたり24人と4年連続で全国最多だった。
文部科学省が22日公表した「問題行動・不登校調査」で明らかになった。
県教育委員会は「増加傾向にあり、一人ひとりに合った支援をしていく」としている。
調査は、文科省が不登校やいじめ、暴力行為などを把握するために毎年実施している。
県内では小中高と特別支援学校計728校の児童生徒計約24万人が対象となった。
不登校は、小学校で全児童の1・02%にあたる1185人、中学校は全生徒の5・10%にあたる3002人。
いずれも18年度より微増した。
県教委によると、小学校では家庭環境、中学校では勉強や友人関係が主な理由だという。
加えて、東日本大震災の影響は少なからずあるといい、子供たちの居場所づくりなどの事業で解消を図るとしている。
また、いじめの認知件数は1万6844件(前年度比1921件減)で、小中高と特別支援学校全てで減少した。
暴力行為の件数は2227件。小中学校で生徒間暴力が増加傾向にある。
〔2020年10/30(金) 読売新聞オンライン〕

周辺ニュース

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映画『朝が来る』 「血がつながらないからこそ、語り合う」“養子”描いた映画『朝が来る』原作者・辻村深月さんインタビュー Business Insider Japanの取材に応じた直木賞作家・辻村深月さん。 特別養子縁組をテーマにした映画『朝が来る』(河瀬直美監督)が、2020年10月23日に公開された。 【全画像をみる】「血がつながらないからこそ、語り合う」“養子”描いた映画『朝が来る』原作者・辻村深月さんインタビュー 原作となった小説の作者は、直木賞作家の辻村深月さん。不登校の子どもを描いた『かがみの孤城』(本屋大賞受賞)や、地方に生きる女性の葛藤などを描いた『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』などの作品でも知られる辻村さん。『朝が来る』で描いたのは、血のつながっていない家族の形だった。

なぜ特別養子縁組を小説のテーマに選んだのか? 辻村さんに語ってもらった。 特別養子縁組:生みの親との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度。普通養子縁組では、戸籍上「養子」「養女」となり、生みの親とも法的な親子関係は残る点などが異なる。親と子どものマッチングは児童相談所や、民間のあっせん事業者が行っている。特別養子縁組の成立数は年間約600件。 古いフィクションの刷り込み

── 2015年に刊行された『朝が来る』は、不妊治療で子どもを授かれなかった夫婦を中心にストーリーが展開される。栗原夫婦は特別養子縁組で子どもを引き取るが、ある日、生みの母親を名乗る女性から「子どもを返してください」と電話がかかってくる。しかし夫婦の前に現れた女性は、夫婦が記憶していた女性ではなかった……。

2012年に直木賞を受賞したあたりのタイミングで、担当編集者から「辻村さんに書いてほしいテーマがある」と言われ、「不妊治療をしていた夫婦が養子をもらう話を」と提案されました。 不妊治療については、いずれ書くことがあるかもしれないと思っていたのですが、養子についてはまったくテーマとして考えたことがなかったので、最初は驚きました。 とはいえ、私も血のつながりだけが家族の形だとは思わないし、養子についても先入観はないと思っていたのですが、資料を調べていくうちに、「先入観がない」と思っていることこそが先入観だと気づいたんです。

例えば、養子であることは周囲には極力隠すのではないかとか、その子に真実を話すのは大人になってからだろうな、とか、そうしたことを漠然とイメージしていた。そう思ったきっかけにはこれまで描かれてきた古いフィクションによる刷り込みの影響も大きかったと思います。 「新しいフィクションを書きたい」 特別養子縁組を仲介する団体では、子ども自身の知る権利なども考慮して、幼年期など早いうちに、その子に養子だと告げる「真実告知」を勧めています。 また私が驚いたのは、特別養子縁組における産みのお母さんの存在です。育てる側の両親にとっては、血のつながった産みのお母さんは、ライバルや嫉妬の対象なのではないかと無意識のうちに考えていました。

でも養子を迎えたご家族の中には、「産みのお母さんがいたからこの子に会えた」と、産みのお母さんも家族の一部のように捉えているご家庭が本当に多かった。 特別養子縁組をめぐる状況について、古いフィクションによる刷り込みが強いなら、私がそれに代わる新しいフィクションを描けないだろうか、と思ったんです。 作品への反響は大きかったです。大阪でのサイン会の時、小学校3年生ぐらいのお子さんとお父さんが一緒に来てくれて、お父さんの方が「面白かったです」と言ってくれました。その後で、息子さんを振り返って「この子は特別養子縁組でうちに来たんです」と。

当事者の方にとっては、現実と違う部分もきっと多くあったろうと思うんです。だけど、それでも小説を通じてその人たちの心に届く部分があったのかもしれないと思ったら、とてもうれしかったです。 ヨーロッパの反応「なぜ仕事を辞めるのは女性?」 小説『朝が来る』を発表してから5年が経過していますが、今の時代であれば「養子の話を」と提案されても、当時ほどはもう驚かないと思います。 特別養子縁組について耳にする機会も増えましたし、フィクションの世界でも、疑似家族や血のつながりのない共同体で子どもが育つ物語の存在が多くなった気がします。 不妊治療についても、よりオープンに話せる環境になりつつあるように感じますが、ただ、それでも日本と欧米の違いを感じます。

河瀬監督から聞いた話ですが、この映画を見たフランスの人たちの中からは、男性側の不妊治療が当たり前ではないことや、両親のどちらかが仕事を辞めて家庭に入るとき、「なぜ母親なのか?」という疑問の声もあったそうです。 私自身、10代の子を主人公に小説を書くと、家庭の中にお父さんの影が消えてしまうことがよくあります。 昔は自分が父親を描くことが苦手だからなのかと思ったこともありましたが、ある時期から、そうではなくて、日本で子どもを描くと家庭の中での母親の存在感が圧倒的だからなのだと気が付きました。

だから『朝が来る』では、父親としての栗原清和がどう物語にかかわるのかを特に意識して、男性側からの不妊治療や育児について描いています。 河瀬監督のお膝元・奈良県に舞台を変更 映画『朝が来る』では、中学生で子どもを出産するひかりの描かれ方も印象的です。壮絶な人生を歩むことになるひかりですが、彼女は特別な子ではなく、あくまで普通の中学生。 河瀬監督もそんな彼女をどう撮るか、細部まで心をくだいてくださいました。中学生のひかりが過ごした時間はどんな時間だったのか。ひかりが大好きな男の子と過ごす時間を、得難い青春として描いてくれたことにも感謝がこみあげました。

原作でひかりの実家は栃木県という設定ですが、映画では奈良県になっています。奈良県は河瀬監督の暮らす、いわば監督のお膝元。監督が景色も風土も何もかも知り尽くしている場所に、ひかりを迎え入れてくれたことを頼もしく感じました。 映画には、映画オリジナルのいいセリフも多数登場します。 たとえば、夫婦が特別養子縁組の説明会に参加したあとで、父親役の井浦新さんが「佐都子、俺、やっぱり家族を作りたい」と口にしますが、これは原作にはないセリフです。

ただ、原作で描きたかった「家族を作るということを自分で選ぶ」「自分で親になることを選択する」という彼らの意思がはっきりと伝わるシーンになっていました。 河瀬監督に伺ったら、そのセリフは台本にもなくて、役になりきった井浦さんの中から自然と出てきた言葉だったそうです。映画の中の多くの場面がそんなふうに、役の人物についてすみずみまで理解して自分のものにした俳優の皆さんから生まれていったと聞いています。 フィクションの持つ強さとは? 今、家族の問題を考えたとき、大切なのはそこが「自分の居場所」と感じられるかどうかだと感じます。血のつながりがあったとしても、家族がかならずしも居場所にならないこともたくさんあります。

『朝が来る』で言えば、生みの母である中学生のひかりが育った家は、親が頭ごなしに子どものその後を決めてしまう。血のつながりがあるからこそ、親は最初から親だし、子どもは子どもという考えが強く、ひかりの言葉や意思はそこでは尊重されません。 対して、「親になること」を自分たちで決意した栗原家は、迎えた子ども・朝斗(あさと)と常に対話をします。血のつながりに甘えない分、相手を理解しようと、朝斗の「居場所」になるため言葉で話していくんです。

この「自分で選ぶ」という選択肢自体が与えられないからこその苦しさが現実にもたくさんあります。作中のひかりもそうです。 あとから振り返れば、誰かがどうにかできなかったのだろうかと思っても、ただ中にいる当事者はもうそれだけしか選べなかったという状況の中で、気持ちが追い詰められてしまう。 現実に存在する問題を扱うとき、どれだけデータや数字を羅列してみても伝わらないことが、誰かひとりの強い物語として描けば、第三者に「自分の問題」として届くことがあります。 それこそがフィクションの持つ強さだと思うんです。

コロナで「初めて足が止まった」 ── 映画『朝が来る』は2020年6月に上映が予定されていたが、新型コロナの影響で公開が10月に延期された。コロナ禍では辻村さん自身も、対談イベントや取材などのイベントが一斉に中止になったという。 これまで特に意識していなかったのですが、コロナで初めて足が止まったことで、自分がデビューしてから何年もずっと走り通しだったことに気がついたんです。 作家としては、オファーをいただけるのがありがたいという気持ちで書き続けてきたのですが、それがいつの間にか、テニスのラリーのように仕事を打ち返す感じになっていた。 もちろんその勢いがあったからこそ生まれた小説もたくさんあるのですが、一度立ち止まったからこそ、自分が今何を書きたくて、どんな方向性で、これから先どんなものを書きたいのか。長期的に考える時間になりました。 『朝が来る』は見えないところでの人と人とのつながりが描かれた作品。河瀬監督とも話したのですが、コロナ禍の春、夏を経て、いま公開されることで、より響く部分があると思っています。 20代で書ききったテーマ、40代でもう一度

── 2019年に刊行された『ツナグ 想い人の心得』は、これまで書かれることがなかった辻村さんにとって初めての“続編”小説。2011年の『ツナグ』は、依頼すれば死者と一度だけ面会できるというストーリーの小説で、映画化もされ大きな話題になった。2019年にデビュー15周年を迎えた辻村さん。今後はどんな作品に挑戦していくのか? 「同じことはやりたくない」という気持ちがこれまでは強かったんです。どうなるかだいたい予想ができるし、と。 ただ40代になって、20代で書いたテーマでも、違うアプローチができるかもしれないと思い始めるようになりました。 最初の『ツナグ』を今書いたとしても、今の私ならきっと違う書き方になると思います。

前作では、依頼人の登場人物たちは、今目の前にある自分の問題を解決しようとすることが多かった。ですが続編の『ツナグ 想い人の心得』では、依頼の内容が、どちらかというと、自分が生きてきたこの人生でよかったかどうか、死者と会うことで確認したいという話に変わってきた。 意識して書いたわけでなくて、書き終えてから振り返って気づいた変化ですが、そんなふうに同じテーマを扱っても、そのときの自分の思いや変化が自然と出るのが小説を書く上でのおもしろさだと思います。 『ツナグ』に限らず、一度書ききった、と思ったテーマに再び挑むこともこれからは増えるかもしれません。 これまで書いてきた小説の直接の続編として予定しているものもあるので、皆さんには引き続き見守っていただけたら、とてもうれしいです。

辻村深月:1980年生まれ。山梨県出身。2004年「冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。『ツナグ』は、映画化され大きな話題に。2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木賞を受賞。2018年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞した。著書に『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『東京會舘とわたし』など多数。最新刊は2019年『ツナグ 想い人の心得』。 (聞き手・文、横山耕太郎) 横山耕太郎 〔2020年10/24(土) BUSINESS INSIDER JAPAN〕 

周辺ニュース

ページ名 いじめの件数宮崎県・2019年 宮崎県 (いじめのニュース、  )
「いじめ」3年連続で全国最多、理由は「見逃さないよう努めた」
文部科学省が22日に発表した2019年度の児童・生徒の問題行動・不登校調査で、宮崎県内の国公私立小中高校、特別支援学校のいじめ認知件数は1万5171件で、前年度より2465件増えた。
児童・生徒1000人あたりでみると122・4件となり、全国平均(46・5件)を上回り、3年連続で全国一となった。
県教育委員会は「いじめの初期段階から積極的に認知に努めた結果」としている。
調査は453校(うち公立426校)を対象に行われた。
認知件数を校種別にみると、小学校が1万3359件(前年度比2382件増)で最も多く、次いで中学校1540件(同84件増)、高校240件(同7件減)、特別支援学校32件(同6件増)だった。
認知されたいじめの解消率は78・1%(2019年度末時点)で、前年度並みだった。
県教委は小学校で認知件数が大きく増えた理由について、「早期発見の必要性の認識が高まり、見逃しがないよう努めた学校があった」などとしている。
県教委が調査対象となった453校のうち公立の426校について、いじめの内容を調べたところ、最も多かったのは「冷やかし、からかい、悪口など」で、小中高校、特別支援学校いずれも全体の7割前後を占めた。
高校ではこのほか、「パソコンや携帯電話を使った誹謗(ひぼう)中傷」も1割強と多かった。 県教委によると、県内では各校がいじめを受けたり、目撃したりしたことを児童・生徒から無記名で書いてもらうアンケートを行っているほか、いじめの状況を校内で頻繁に確認する取り組みも進められている。
県教委は「いじめを初期段階で認知することが事態の複雑化の防止につながる。今後も積極的な認知を推進していく」としている。
国立、私立学校も含めた県内の小中高校での不登校の児童・生徒数は小学校が337人、中学校が1102人、高校は359人だった。
1000人あたりでみると小学校5・5人、中学校36・7人、高校11・9人で、いずれも全国平均を下回った。
自殺した公立学校の児童・生徒は前年度と同数の1人だった。
〔2020年10/30(金) 読売新聞オンライン(梅野健吾)〕 

周辺ニュース

ページ名 いじめの件数・2019年  (いじめのニュース、  )
社説:いじめ認知最多 外部の協力得て防止を
全国の小中高校、特別支援学校で2019年度に認知されたいじめの件数は61万2千件で、前年度よりも6万8千件増加して過去最多となった。
調査に当たった文部科学省は、「早期介入方針の定着の結果」などと肯定的に評価する。
ただ、心身に大きな被害を受け、不登校にも至るような「重大事態」は2割増えており、早めの対応で状況改善が進んでいるとは言いがたい。
専門家は、いじめに対する学校側の認識は依然として甘いと指摘する。
被害者側に問題があると言わんばかりの対応も多く、1年以上にわたって被害を訴えてからようやく重大事態と認められた事例もあるという。
国連児童基金(ユニセフ)の今年の報告によると、日本の子どもは「精神的な幸福度」が先進・新興国の中で最低レベルだった。
家庭間の経済的格差の拡大や、行き過ぎた受験競争など社会のひずみが教室にも現れているのではないか。
今回の調査には反映されていないが、今年に入ってからの新型コロナウイルスの感染拡大により、感染者や医療関係者の家族への中傷、授業の過密化によるストレスなどにも注意が求められよう。
いじめの具体的な内容では、インターネット上の掲示板や会員制交流サイト(SNS)への書き込みによるトラブル増加も特徴の一つに挙げられる。
文科省は、中学校へのスマートフォンの持ち込みを解禁する方針を示しているが、他者を安易に傷つけない適切な使い方で合意形成が必要だ。
いじめのない学校づくりに向けて、全国の弁護士会は「法教育」の出前授業を始めている。
そこでは、幸福追求権や公共の福祉について記された憲法13条などを題材に、いじめの不当性を分かりやすく解説している。
かつていじめに遭った当事者が、自身が受けた苦しみや支援を得るに至った体験を語る活動も広がっている。
また、弁護士が、学校で起こるさまざまな問題に助言したり、保護者との相談に当たったりする「スクールロイヤー」の導入も進んでいる。
学校教員は、過労死ラインを超えるような業務実態の存在が指摘されている。
多忙で閉鎖的な現場で問題を解決するのは難しい。
いじめの防止のためには、普段の授業づくりから家庭との連絡に至るまで、専門性や客観性を備えた外部の協力を適切に得る視点も大切ではないか。
〔2020年10/24(土) 京都新聞〕 

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子どもの不登校 子の不登校「何かできることは…」と焦る気持ちをどうすればいい? 子どもの不登校に悩まれている親御さんは少なくないのではないでしょうか。3ヵ月先まで予約のとれない心理カウンセラーとして大人気の根本裕幸さんは、そもそも「学校に行くのが普通」という親の考え方が問題の根源にある、とアドバイスをくださいました。

【カウンセラーの神回答】姑との不仲、子の問題行動…家庭がうまくいかないのは私のせい? ゆうりもさんからの質問 Q. 息子が不登校に。親としてどう対応すべきでしょうか? 15歳の子どもが、中学は不登校に、通信制高校は一学期で中退しました。高校選びの時は「高校には行きたい」と言っていたものの、2月3月の事前登校に参加しないまま入学して、行かなくなりました。不登校の理由は、本人は「疲れた」とか「もう無理」としか語りません。いじめではなく、友人関係と、中学時代とのギャップだったのかと思っていました。慎重すぎる性格、小学校での優等生的な態度、ユーモアのセンス、人の気持ちを読むなど、最近話題になり始めたHSC(ハイリーセンシティブチャイルド)の気質に当てはまる要素が多く、それも学校になじめない原因かと考え始めています。 今はゲーム、スマホテレビ、友人1人と月に2回くらい遊ぶのみです。家族関係としては平和です。夫と話し合いをして、本人には「今すぐに転校や高卒認定など考えず、自分の方向が見えるまで待つから」と伝えようと言っていますし、親としても家族会などに参加しようと考えています。ただ本当にそれで良いのか、もっと伝えるべきことがあるのではないかと悩んでいます。(40歳)

根本裕幸さんの回答 A. 学校になじめない性格の子どももいます。その子に合う環境を親が見つけてあげましょう。 mi-mollet(ミモレ)

不登校の悩みというのは、親が「学校に行ってほしい」と思っているから生まれるものです。親が「別に学校なんて行かなくてもいいじゃん」と思っている家には生まれないのです。親が学校に行くことに執着していると、学校に行きたくない子どもは「親は私を分かってくれない」と思い、そこに心理的対立が生まれてしまいます。ですから、ゆうりもさんがお子さんを無理に学校に行かせようとしていないのは、素晴らしいことだと思います。 ゆうりもさんのお子さんのケースの場合、問題の根っこは非常にシンプルで、要はお子さんは学校になじめない性格なのだと思われます。たとえばこれが習い事なら、始めたもののその先生が合わないと感じたら、別の先生に変えますよね。大人になって会社に入ったときは、会社が合わないと感じたら転職をします。これが当たり前ですよね。ところが学校だけは、“変える”というシステムが許されていないのです。大変不思議なのですが……。

なじめない環境にずっといたところで、得られるものはありません。ただ学校も勉強も嫌いになってしまうだけです。ですから子どもが学校になじめなかった場合、その子に合う環境を探してあげる。それが親の役目だと思うのです。まだまだ少ないですが、今は様々な形態の学校もできてきています。もちろん、必ずしも学校でなくとも良いでしょう。私の知り合いには、海外に行った子もいますし、毎日絵を描いてメルカリで売っている子もいます。ゆうりもさんも、お子さんに合う環境を探し出してあげてください。お子さんの方向性が定まるのを待つのも良いですが、「問題児」として扱われる期間をあまり長くしないことも大切です。

恐らくお子さんは、小学校、中学校も我慢して通っていたのだと思います。ですから親は味方なんだということを示して、お子さんに合う環境を見つけてあげましょう。大切なのは、お子さんの未来をデザインする意識で探すことです。そのためにも、まずは「学校に行くのが普通」という親自身の意識を変えるようにされてください。

PROFILE根本裕幸1972年生まれ。1997年より神戸メンタルサービス代表・平準司氏に師事。2000年にプロカウンセラーとしてデビュー。以来、述べ15000本以上のカウンセリングをこなす。2001年、カウンセリングサービス設立に寄与。企画、運営に従事し、2003年からは年間100本以上の講座やセミナーもこなす。2015年より独立。フリーのカウンセラー、講師、作家として活動している。『いつも自分のせいにする 罪悪感がすーっと消えてなくなる本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(大和書房)、『子どもの将来は「親」の自己肯定感で決まる』(実務教育出版)など著書多数。ブログはコチラ→https://nemotohiroyuki.jp/  山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 取材・文/山本奈緒子 根本 裕幸 〔2020年10/25(日) webマガジン mi-mollet〕 

周辺ニュース

ページ名 ワンステップスクール湘南校   (  )
問われる引き出し屋の自立支援(2) 心までも搾取されていく
町に連れてこられた生徒たちの様子を見つめてきた中井町議の加藤久美さん/筆者撮影
「あそこには、人権なんてないっすよ。」
神奈川県中井町議の加藤久美さん(52歳)は2017年の秋、あるセミナーで出会った若者から、入所している自立支援施設「ワンステップスクール湘南校」(神奈川県中井町)での扱いをこう聞いた。
「やっぱりそうなんだ」と思った。
(リンク:問われる引き出し屋の自立支援(1) 脱走者が「捕獲」される町で)
彼は、「従順にしていたから、信用されてセミナーに来られた」ということと、「スタッフに抗うと、このような外出が認められない」という話もしていた。
そこで今度は、街なかにボランティアをしに来ていた生徒にも、聞いてみた。やはり、こんな回答だった。
「(ボランティアは、)したくてやってるんじゃありません。早くここを出るためです」
彼は、ある日突然、湘南校に連れてこられたことに納得していない一人だった。
卒業するにはスタッフに認めてもらう必要があり、その手段として、強制的なボランティアでも嫌がらずに参加しているという話だった。
話を聞けた何人かのなかには、「親も大金払って大変だろうから、早く出られるよう自分もがんばらなきゃ」と、親の気持ちを慮りつつ、自らに言い聞かせるように話す子もいた。
加藤さんは長年、里親として家庭的養護に取り組んでいる。
ワンステにいる生徒たちの姿は、これまで出会った児童養護施設の子どもたちの姿に重なった。
「虐待で措置になった子が入れられる一時保護施設は、次の行き先が決まるまで、子どもたちを登校も外出も外への連絡も一切させません。
もちろん安全のためですが、子どもにとっては、激しく不当なことです。
どんなに幼くても、保護施設には、『二度と行きたくない』『次に同じようなこと(=虐待)があっても、妹や弟は僕が守る』などと言うくらい、辛いんです。
人権が侵害されているってそういうことなんですよ」(加藤さん)
■ 施設の中で一体何が行われているのか
ひきこもりや無職、不登校等の状態にある人を支援対象とするワンステでは、主に、親の依頼を受けて本人を施設まで連れてくる。
このプロセスは通称「ピック」と呼ばれており、その際、本人を予告なく訪ね、「説得」をしてその日のうちに連れ出すという手法を用いている。
生徒たちがある日突然連れてこられるワンステップスクール湘南校(神奈川県中井町)/筆者撮影
ちなみに、広岡政幸校長(一般社団法人若者教育支援センター代表理事、港区)が筆者の以前の取材に語ったところによれば、ピックは「お迎え」の意味なのだそうだ。
しかし、そんな丁寧なイメージの言葉とは裏腹に、筆者のもとには、意に反した連れ出しだったと被害を訴えるワンステの元生徒たちの声が届いている。
問題は、ピックだけではない。加藤さんが町で出会った生徒たちから聞いた話は、施設での扱われ方についてだった。
「人権がない」などと、穏やかでない表現を使ったのだ。
ワンステ側は集団生活の目的をどう説明しているのだろうか。広岡氏は自著で、こう述べている。
ワンステップスクールはよく、「更生するための施設」と思われるが、僕らはそんなふうにはとらえていない。
ここで暮らす大きな目的のひとつは、親子関係の修復だ。
子どもは親と離れて生活し、不自由な生活を経験することで、初めて親のありがたみがわかるものだ。
親に反抗し続けて、ずっと口をきいていなかった人たちも、しばらくたつと意識が変わってくる。
また、長期引きこもりをしていた人は、原因が複雑化してわからなくなり、精神面もぼろぼろになっていることが多い。
立ち直るためには、自分を見つめる時間や問題を一つひとつ整理するための時間が必要だ。
その冷却期間のようなものがワンステップスクールでの集団生活だ。
出典:『大人の「ひきこもり」を救え!』
そして、その寄宿型の集団生活が、「決して自由な生活ではない」理由を「決まったタイムスケジュールに沿って暮らすため」と結んでいる。
しかし、加藤さんが農業セミナーで出会った若者が言っていたのは、こうしたスケジュールによる不自由さの話ではなかった。
彼は「スタッフに抗うと(自分に必要な)外出ができない」と言った。
これは、支配関係を伺わせる表現だ。
さらに、ワンステから早く出たくて、ボランティアをしていたもうひとりの若者の気持ちの裏にも、スタッフが本人の生殺与奪を握る関係があるのではと、加藤さんは感じたという。
書籍にはこんな事も書かれている。
ここで仲間たちと一緒に暮らすことで、ストレスが軽くなり、「ありのままでいいんだ」と思えるようになる。
(略)相手が大人なら、甘えたり試したりする“幅”があるが、仲間同士なら適度な緊張感を保つことができ、自然に他者への配慮が生まれる。
そんな環境で、少しずつ本人の自主性を尊重しながら、自立へと導いていくことができる。
出典:『大人の「ひきこもり」を救え!』
ここでうたわれているのは、まさに寄宿型支援の理想的な効果だ。対等な人間関係や、自律的な選択が尊重される生活があるかのように読める。
助けを求めて脱走する生徒が続出している現実や、街なかで生徒たちが語った支配的な雰囲気とはかけ離れている。
内部で一体何が行われているのか。加藤さんはもう少し本当のことを知りたくて、主婦スタッフたちの情報も集め始めた。
小さな町のことだ。主婦コミュニティの中で「どんな愚痴を言っていたか」まで、あっという間に伝わってきた。
わかったのは、支援の手法を目の当たりにし、生徒たちとも実際に接してきた主婦スタッフたちが、それぞれ、ワンステのやり方に疑問に感じながら悩んでいる様子だった。
それでも、家庭の事情で働き続けないといけない状況だったり、やはりおかしいと思って辞めてしまったりしているということだった。
■誰も彼らに労働の対価を払おうとしない
2018年6月、町
の大きな公園にカフェができた。
指定管理者が掃除を任せたのは、ワンステの生徒たちだった。
2.5キロほどの距離がある寮と公園の間を、毎日夕方になると、ゾロゾロと連れ立って歩く生徒たちの姿が見られるようになった。
生徒たちのボランティア姿は、すでに町のあちらこちらで見かけるようになっていた。
しかし、同年12月に集団脱走からトラブルになっていることを伝える記事と、翌年7月に脱走者の一人の告発記事が出た。
するとカフェの掃除ボランティアを除き、町の人たちは、ワンステとの関係をやめていった。
「潮が引くようでした。『実は、頼まれたが断り方がわからなかった』とか、『断る理由がなくて受け入れていた』とか、後になってから言い出す人たちがいました。
私は、『ただの労働搾取じゃないか』と思ったんですが……」(加藤さん)
ボランティアを買って出たのはワンステ側だが、あちらこちらで繰り返し働かせておきながら、施設側も、町の人達も、誰も生徒たちに対価を支払おうと努めたようには、加藤さんには見えなかった。
「こうなってしまった背景には、社会的に必要な施設だと信じて、生徒たちを受け入れようした地域の心があったはずなんですが、悲しいことに、その形は歪んだままでした。
搾取は労働だけではありません。ワンステでの生活は嫌だけれど、迷惑をかけた親のためにと我慢を続ける子の心。
ワンステを支援のプロ集団と信じて託した、子の自立を願う親の心。
それぞれのそんな良心までも搾取するのが、彼らのビジネスモデルなのかなって……」(加藤さん)
ワンステの自立支援は金のかかるビジネスであることを、広岡氏は著作で認めている。
しかし、本当の原資は、突然「支援」対象者にさせられた人たちの犠牲なのではないか。
そんなワンステ流の介入を受け入れ、「自立」に至った人の「成果」だけで、ワンステを評価してはいけないのではないか。
加藤さんの疑念は、ますます深まっていった。
■元生徒たちを支援して
町で生徒たちの声を聞ける機会が減ったため、加藤さんはいま、地域の人たちと、「こんな子が入ってきたようだ」「非常に心配な様子の子がいる」などと情報交換している。
ここ1年ほどで気になっているのは、長期入寮者や、専門的なケアが必要そうに見える子が増えている傾向だ。
「広岡さんの『本人を矯正することで治して、悩んでいる親を救う』というやり方で、みんなが本当に救済されているならいいんです。でも、とてもそうは見えてこない」(加藤さん)
そう感じるのは、実際に、ワンステを出た2人の若者たちを、個人的に支援しているからだ。
ひとりは、関東地方出身の30代の男性。
今では「ピックは外に出るきっかけだった」と振り返る彼も、「ワンステには、まともな支援がないことが大きな問題だ」と話す。
湘南校では、スタッフから数々の妨害に遭いながら、時間を掛けて自らの知恵を使って、寮からうまく出られた。
経済的にも精神的にも自立した今も、「これ以上の被害が出ることを食い止めたい」という思いは持ち続けている。
ピック当時は、精神疾患の症状が悪化していて、親に迷惑をかけてきた自覚はあるが、ワンステに入れた親とはギクシャクした関係のままだ。
加藤さんはそんな親子の間に入り、
やりとりすることがある。
ワンステを脱出した後に国家資格を取得するなど、努力家で聡明な彼を、知り合いの経営者に紹介したところ、採用が決まった。
就労前に運転免許を取得する際も、加藤さんは、親との交渉役を担った。
加藤さんが支えるもうひとりは、沖縄から連れてこられ、ワンステから身ひとつで脱走したハタチの若者だ。
関東で初めての冬を越えようとしていた彼に、加藤さんは暖かい上着を用意し、関東に身寄りのない若い彼が孤独に襲われていないかなどと心配しながら、一定の距離から見守っている。
その一方で、母親ともやりとりを続けている。
この親子は、以前は、普通の会話ができていた。
しかし、ワンステの介入後、関係がさらに悪化し、ともに苦しんでいる。
「どうしてあんなところに入れたんだ」「ただ存在を認めてほしいだけなのに」という思いが強い本人と、「そうでもしないとあなたは自立しようとしなかった。だから自分は正しい」と、つい支配的に振る舞ってしまう母親。
加藤さんには、両者は表裏一体に見える。
二人には、「しばらく、直接会わない/話さない」ことを提案しているところだ。
■「施設なくせ」では解決しない
中井町議の加藤久美さんは、個人的にワンステの元生徒の支援を続けている/筆者撮影
結局、ワンステが受け止めきれなかった事案を、町の個人が引き取っている。
加藤さんは、個人的に支援を続ける理由をこう話す。
「現実的な問題として、ワンステに連れてこられる人は、家に居場所がない状態の人なんですよね。
ならばせめて、自分の意志で生活を切り替えたり、行き場所を見つけたりできればいいんですが、何人の生徒に聞いても、どうやらそんな支援ではない。
私が彼らの『ワンステ後』に寄り添うのは、単に、『施設をなくせばいい』とか、『引き出し屋を町から追い出せ』という単純な話で、済まないことだからなんです」
地元の中井町も、法的規制がないことから見守るしかない立場だ。
湘南校から徒歩圏内にある町役場は、被害を認識する生徒たちが助けを求める先の一つでもある。
こうした経緯から、役場はワンステの問題はある程度は把握している。
ある職員は、こうため息をつく。
「手続きなどで、まれに、役所の方から親御さんに連絡を入れることがあるのですが、『子どものことで電話をしてこないでください』などと、拒絶されることも多いんです。
まるで、『姥捨て山』ならぬ『子捨て山』といったらいいでしょうか。
それが、お医者さんや学校の先生などの、地域で尊敬されたり偉い立場の方だったりすることも多くて、本当に驚きます」
家庭の中で
弱い立場の本人が居場所を奪われてしまう背景には、親子関係のもつれと、人権を軽んじる社会の価値観があると、加藤さんは言う。
引き出し屋が、こうした構造に加担する時、新たな被害が生み出されてしまうことがあるのだ。
「やっぱり、一方的に押しかけて、追い込んで自立を迫るあのやり方は、ダメ」
加藤さんはそう言って、自ら何度もうなづいた。
筆者は本稿掲載にあたり、広岡氏に対し、支援等に関する質問を送ったが、期限の22日までに回答はなかった。
本人の意に反する「ピック」を続ける理由については翌23日深夜、代理人弁護士から、「支援対象予定者の背景事情は千差万別で、マニュアルに沿って画一的に対応できものではございません。
その時々の個々の対応は一般論としてご回答できるものではございません」との回答があった。
その他の質問に関するやり取りも順次紹介していく。
ちなみに、広岡氏は、筆者の過去の取材や自著、これまでの各社報道では、意に反する引き出し行為そのものを否定している。
加藤順子 ライター、フォトグラファー、気象予報士
〔2020年10/25(日)加藤順子 | ライター、フォトグラファー、気象予報士〕 

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ページ名 いじめの件数長野県・2019年 長野県 (いじめのニュース、  )
学校内でのいじめ認知・暴力行為発生件数が過去最多に 長野
昨年度1年間に長野県内の学校で認知されたいじめと暴力行為の件数が、過去最多となりました。
県によりますと、昨年度県内の小・中学校、高校、特別支援学校で認知されたいじめの数は前の年度よりも992件増えて初めて1万件を越え、暴力行為の発生数は257件多い1067件でともに過去最多となりました。
増加が目立つのは小学校でいじめの認知が1155件増えて7758件、暴力行為の発生が299件増え671件となりました。
県は、背景について「いじめを積極的に認知しようと取り組んだ結果」などと分析しています。
一方、不登校の児童、生徒は前の年度よりも388人増え4277人で、こちらも過去最多となりました。
〔2020年10/25(日) SBC信越放送〕 

周辺ニュース

ページ名 [[ ]]  (  )
不登校の漫画「今日も死ねませんでした」 「今日は死ぬのやめよう」 不登校男子が小さな幸せで思いとどまる漫画「今日も死ねませんでした」がどこまでも応援したくなる 死のうとする不登校男子。しかし…… 「人生楽しいことなんか何もない、死のう」。不登校男子高生の憂鬱(ゆううつ)な嘆きから始まる漫画「今日も死ねませんでした」が、徐々に引き込まれていく魅力にあふれていました。これは続きが猛烈に気になる……!

不登校男子の「本田隼人」の頭の中は、死ぬことばかり。しかし、ある日はきれいなうろこ雲を目にしたり、またある日は死ぬ前に体をきれいにしようと風呂に入ったら気持ちが良かったりと、さまざまな日常のちょっとした良いことを見つけては「今日は死ぬのやめよう」と思いとどまり続けていました。 しかし、そんな彼の死を後押ししてしまう存在が登場します。それが、父。「いい大学にいっていい会社に入って結婚して子どもを育てることが幸せ」「引きこもってないで学校に行きなさい」と自分の考えを押し付ける彼の父は、隼人が反論すると「口答えするな」と手を上げるのでした。父と話すたびに「今度こそ死のう」と決意しますが、それでもとどまり続けます。 ギリギリのところで生き続ける隼人ですが、転機が訪れます。担任から様子を見るよう言われてきたクラスの女子「横内」が、彼の元を訪れたのです。最初は「あなたに興味ない」「でもこうして話し掛けてる、だからもっと嬉しそうな顔しなさい」などむちゃ苦茶なことを言ってきますが、彼女の存在が徐々に隼人の運命を変えていくことに。

さらに他にも、彼の叔父やたまたま知り合ったホームレスのおじさん、そして学校の新担任など、さまざまな人物が隼人を、そして彼の父を、良い方向に動かしていきます。そして不登校だった隼人はついに……? 最初は「死のう → やめよう」ネタの繰り返しから始まりますが、少しずつ前に進む隼人の姿はつい見守りたくなるものがあります。また、途中で意味深にSFチックな設定が入ったりと、まだまだ物語は動きそうな予感。1日1ページ(たまに2ページ)で、現在165ページまで公開中。思わず1話から最後まで一気に読んでしまう魅力があります。なお、ここに載せている試し読みは2話までで、転機が訪れるのは3話からとなります。 この漫画を公開したのは、あまいろさん。他にも電子書籍で「すべてを肯定してくれる彼氏」を公開中です。 ねとらぼ 〔2020年10/29(木) ねとらぼ〕 

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コロナ禍のメンタル面 コロナ禍の今こそ備えておく“執着しない”“離れる”受け流し力|VERY このコロナ禍で「親に、こんなときに保育園に預けるの?と言われた」「同僚の無神経な言葉にイライラ」「みんなが自粛中に仕事に行く罪悪感」…。いろいろな価値観がいつも以上に交錯し、人付き合いに悩んだママも多かったステイホーム期間。心理学者で上級教育カウンセラーである諸富祥彦先生曰く、そんな心のモヤモヤの対処には“執着しない” “離れる”「受け流し力」が有効。新型コロナウイルスが人に与えた心理的な影響や、ウィズコロナ時代を生き抜く心構えなどについて伺いました。

――コロナウイルスの影響で、世の中が大きく変わったことでメンタル面にはどのような影響が出ているのでしょうか。 孤独に強く家にこもりたい傾向の強い人の中には、休校や在宅勤務で大っぴらに一人の時間を作れてほっとしたという人もいるのです。不登校の子どもたちもその傾向にありました。緊急事態宣言解除後は、学校が再開したり、リモートワークから通常業務に戻ることで、突然オンになったりオフになったりする環境に振り回され、適応できない人も出てきています。

――そのなかで、自分と違う意見に振り回されることも少なくないようです。その場では相手の意見を否定せず、波風を立てないようにふるまっても、内心モヤモヤがたまっていることもあるかもしれません。上手に受け流す方法はありますか。 受け流せれば一番いいですよね。受け流すというのはどういう意味か。それは「執着しない」ということです。それはある意味瞑想的な思考で、「ああ、そう。そう思うんだ」と頭の中でただ受け止めて、流す。なかなか流せないな、と感じるならそれは自分に執着があるから。違う意見の人間と出会ったときにいちいち衝突していたら大変です。相手の意見を否定せず、いったんは受け入れる。お母さん方の対応は賢いと言えるでしょう。ではなぜ、心がモヤモヤするのか。「承認欲求」がこうした人間の苦しみの大半を作り出しているように思います。好かれよう、相手を変えようとしても「相手と過去は変えられない」のです。承認欲求自体は誰の心の中にもあるもので完全にゼロにする必要はありません。ただ、必要以上に好かれたい、認められたいという執着を手放す方法はあります。それは簡単なことで相手の目をきちんと見ながら、心の中でこっそりと「この人にどう思われてもかまわない」と何回も何回も唱えてください。「そんなことで?」とお思いになるかもしれませんが心のつぶやきが変わると人間はものの受け止め方が変わるのです。

――お母さんたちの中には休校や登園自粛で大変だったという方が多いです。 多くの皆さんがコロナの状況に応じて無理やり自分を適応させている状態でしたね。育児中の親御さんの中には、子どもと何時間一緒にいても苦にならないという人がいる一方、ある程度の時間、子どもと離れられるからどうにか育児が続けられるという人もいるのです。それは子どもの育てやすさとも関わっていてどちらが良い、正しいというわけではありません。ただ休校によって、突然、多くの方が子どもと強制的に24時間過ごすような生活になってしまいました。そのうえ仕事や家事もあるということは、毎日普段以上のストレスを強制的に浴びているということ。大切なのは「何とかして子どもと離れる時間を作ること」です。本当ならカフェに行ったり、カラオケで1時間シャウト系の曲を歌うのが一番いいです。ただ、今の状況ではそうもいかないでしょうから、イライラしたときは、トイレに5分間こもる。これだけでいい。「イライラしたらいったん相手と離れる」。子育てに限らず人間関係の基本です。

――今、VERY世代に知っておいてほしい心がけはありますか。 今後の状況しだいでは、再び緊急事態宣言が出たり、学校が休校になる可能性もゼロではありません。コロナの時期に限ったことではありませんが、大切なのは、「パーフェクトは目指さない」ということ。「私はあなたの期待にこたえるために生きているのではないし、あなたも私の期待にこたえるために生きているのではない」ということを肝に銘じてください。これは「ゲシュタルトの祈り」という心理学で有名な詩の一節です。「私は私、あなたはあなた」、今後もこの価値観を持ち続けることですね。

教えてくれたのは… 引用元:VERY

●諸富祥彦先生 明治大学文学部教授。教育学博士、臨床心理士、上級教育カウンセラー。筑波大学大学院博士課程修了。千葉大学助教授を経て現職。「悩める教師を支える会」代表、日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会理事。 撮影/古本麻由未 取材・文/高田翔子 構成/湯本紘子 *VERY2020年10月号「ママになったら「受け流し力」。」より。 *掲載中の情報は誌面掲載時のものです。 〔2020年10/28(水) magacol〕 

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わいせつ教員 わいせつ教員、逮捕されても別の自治体で再び教壇に 被害者ら「刑罰の軽さ」を問題視〈AERA〉 教員による児童生徒への性犯罪が後を絶たない。背景には刑罰の軽さがある。再犯率が高いにもかかわらず、逮捕後も教育職員免許の再取得や別の自治体で再就職も可能だ。AERA 2020年11月2日号から。 【グラフ】わいせつ行為で処分された公立校の教員の数        *  *  * 「少し触られたくらいでそこまで騒ぐのかという人がいますが、子どもにとって身体を触られたり、わいせつな目で見られたりすること自体が『性暴力』です」 と話すのは、教員による性暴力などを受けた子どもを持つ保護者らでつくる「全国学校ハラスメント被害者連絡会」共同代表の郡司真子さん。 同連絡会は9月に「教員による子どもへの性犯罪被害調査」を実施すると40、50代を中心に約50人から回答があった。調査は今も継続中だが中間結果(複数回答)によれば、性犯罪被害に遭った年齢は「小学校中学年(3、4年生)」が最も多く25%、次いで「小学校高学年(5、6年生)」21%、「中学生」17%の順となった。 被害に遭った場所は、「通っている(通っていた)学校の教室」が42%で最多。教員からされたことでは、「身体を触られた」が24%でもっとも多く、「頭や頬を触ってきた」(12%)、「下着の中に手を入れて触ってきた」(10%)という答えが目立った。 信頼できるはずの教員からの性暴力は、子どもたちの心身に深刻な傷を残す。

■別の自治体で採用試験 「娘はフラッシュバックに苦しめられ、学校にも行けなくなりました」 東京都千代田区に住む母親(51)は、苦しい胸の内を明かす。長女(14)が区立小学校の5年生だった3年前、30代の担任の男性教員からセクハラ行為を受けた。 母親によれば、この教員は4月から長女の担任になると、長女の頬やおでこを指でつついたり、「かわいいね」などと言ったりしてきた。「気持ち悪い」と感じた長女は神経性胃炎になり、PTSDを発症。そして心身を壊し、2度の自殺未遂も図った。別の小学校に転校し私立の中学に進んだが、教員に触られた時の場面がフラッシュバックし、つらくて不登校になっているという。 昨年6月、母親は長女が性的羞恥心による精神的苦痛を受けたとして、千代田区と長女が通っていた小学校の校長や担任らを相手に提訴した。だが、裁判で区や教員側は、「その場の雰囲気を和ませるために『かわいい』と言っただけで、性的意味はなかった」などと反論しているという。母親は力を込める。

「子どもを苦しめる教員による性暴力は、絶対に断ち切らなければいけない」 教員による性犯罪が減らない一因とされるのが、加害者への刑罰の軽さだ。 前出の郡司さんによれば、教員による児童生徒への性犯罪は再犯率が高く、一度逮捕されても別の自治体の採用試験を受けそこで採用されるケースも少なくない。わいせつ行為で懲戒免職となった教師が、戸籍と名前の一部を変えて再犯に至った事例もあるという。 現行の教育職員免許法では、わいせつ行為などによる懲戒免職で免許が失効しても3年後には再取得が可能だ。文科省は8月末、期間を3年から5年に延長するよう教育職員免許法改正の検討を始めた。 だが、「魂の殺人」とも呼ばれる性暴力に対しては、免許再取得期間の延長だけでなく、そもそも再取得できないようにしてほしいという声も多い。

■第三者委員会が調査を 郡司さんらの連絡会は9月に「わいせつ教員に教員免許の再交付はしないで」という署名をインターネットで実施。1週間で約5万4千人分の署名が集まると、文科省に提出。同時に、各公立学校のトイレと更衣室以外の全ての場所への防犯カメラの設置などを求める要望書を出した。 同連絡会共同代表の大竹宏美さんは言う。 「1人の加害教員に対し、被害に遭う子どもは3人から4人いるといわれます。再犯すればそれだけ多くの子どもが被害に遭います。子どもの人権を守るため、初犯を防ぐ仕組みをつくるのはもちろんですが、わいせつ教員を再び教壇に立てないようにすることは対策の第一歩です」

中学3年(15)の時から大学2年(19)までの約4年間、中学校の男性美術教員から性暴力を受けていた石田郁子さん(43)は9月、文科省に、教員による児童生徒への性暴力防止の政策提言を行った。 石田さんは、「教員による性暴力は、子どもの安全の問題だ」としてこう訴える。 「子どもの安全を第一に考えれば、わいせつ教員の免許再取得を不可能にするのは当然。さらに、教員のわいせつ行為を認定する教育委員会は処分後に教員から不当処分訴訟を起こされるのを恐れてなかなか認めようとしない問題もあるため、性被害の訴えがあれば第三者委員会による調査を義務づけることが大切。他にも、採用時に性暴力の可能性をチェックするアセスメントの導入など、文科省が率先して全国一律で行うことが重要です」 (編集部・野村昌二) ※AERA 2020年11月2日号より抜粋 〔2020年10/29(木) AERA dot.〕 

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N高校 持病・挫折…そんな自分たちが起業家に N高で転機 2016年に誕生した通信制高校のN高校。角川グループの学校法人、角川ドワンゴ学園が運営する「ネット高校」の生徒数は年々増加して1万5千人を突破した。デジタルをフル活用して多様な人材を受け入れる。20年には東京大学への合格者も出て話題になったが、高校生起業家も次々飛び出している。ネット高発ベンチャーの素顔に迫った。

■不器用な生徒、皮膚の病×ファッションで起業 N高の倉田速音さんがデザインした服はUVカット素材を使い、長めの袖やフードなどで紫外線をさえぎる=角川ドワンゴ学園提供 「勉強は嫌いだったけど、この学校にいると未来がわかりやすく見えてくる」。高校3年生の倉田速音さんは、ファッション関連の株式会社「HAYATO KURATA」を設立、8月に同校は3件目の起業案件として公表した。紫外線を気にせず、おしゃれのできるUVカットの洋服を提供するという。 都内で生まれ育った倉田さんは小学校5年生の時に皮膚の病「尋常性白斑」を発症、強い紫外線を浴びると、炎症を起こしてやけどのような症状になる疾患に苦しんできた。勉強には熱が入らず、中学3年間もダラダラ過ごした。高校受験を控えた頃、ドワンゴの主催するイベント「ニコニコ超会議」で、N高のパンフレットが目に入った。「面白そうな学校。ここにいけば少しは成長できるかも」と思い、N高の門をたたいた。 ネット高校と言われるが、リアルな学びの場もある。倉田さんはJR新宿駅から徒歩10分のところにあるN高代々木キャンパスの通学コースに入った。ここで若山修也という教師と出会った。大学卒業後に香港の日本人学校で2年間英語を教え、N高に入ったばかりの20代の若手教員。30人弱のクラス担任が若山先生だった。倉田さんの印象を尋ねると、「不器用で自分に自信のないというタイプの生徒だったが、何かにチャレンジしたいという気持ちは強かった」という。 N高では、自らやりたいことをみつけ、課題解決に取り組む「プロジェクトN」という授業がある。2人で課題探しにあたった。尋常性白斑に悩んできた倉田さんは「国内の患者は100万人以上。若い人にも理解してもらいたい」と若年層向けの患者の会の設立を思いついた。しかし、色々調べてみると患者の会に関心を示すのは高齢者ばかり。「僕には無理」と断念した。

「何かできないか」と互いにぶつかり合いながら、何日も一緒に悩んだ。そんな時、倉田さんが「服には興味があるけど」とふと漏らした。「だったら、君の皮膚の病とファッションを掛け合わせてみれば」と若山先生は助言した。 同高にはプロジェクトNの次のステップとして、「N高マイプロジェクト」がある。NPO法人のカタリバと協力し、自身の気になることをテーマに自らプロジェクトを立ち上げ、「全国高校生マイプロジェクトアワード」への出場を目指すという内容だ。倉田さんはマイプロジェクトに参加し、それをテコにN高の起業部の審査にもパスして2期生として入部した。 N高起業部というのは、通常の部活というよりは、大学のゼミのような組織だ。18年に設立され、現在メンバーは22人。事業に詳しい講師がビジネスモデル構築や事業計画書の作成のノウハウなどを指導し、実際にメンバーは起業を目指す。実業家の堀江貴文氏などが審査委員としてアドバイスしたこともある。学校側は年間最大1千万円の活動費を支援に充てている。

倉田さんも起業部でビジネスのノウハウを学んだ。各所で新規事業のプレゼンテーションをし、独立系ベンチャーキャピタル(VC)のANRI(東京・渋谷)から奨学金30万円も得た。メディアアーティストの落合陽一筑波大学准教授など識者から助言も受け、起業につなげた。落合さんからは「UVカットの服なんていくらでもあるが、(皮膚の病の)君がやることに意味がある。そこをうまくブランド化すれば、1億円ぐらいの利益の出るビジネスになるかも」と励まされた。 年内にもクラウドファンティングをスタートし、自らデザインした洋服の販売を始める考えだ。N高にも自身のブランドの服を着て来るなどアピールも欠かさない。同時に有名大学への進学を目指している。

■関西の有名私立辞めてアスリート支援事業 関西でアスリート支援企業を設立した河合佑真さん(左)と池田逸水さん

N高発の起業家は関西からも誕生した。河合佑真さん(現在は法政大学キャリアデザイン学部1年生)と池田逸水さん(N高3年生)は、20年3月にアスリート支援の株式会社「SUPOTA」を設立した。2人は大阪市の心斎橋キャンパスで先輩後輩として出会い、起業部に入部。発展途上のベンチャースポーツの支援を目的に起業した。 実は2人は関西の有名私立校を辞め、N高に転じたという共通体験を持っている。河合さんは「将来はサッカーで生計を立てようと思っていたが、高1の時にケガと病気で断念。授業にも出ず、寮にこもっていたが、これじゃダメだ、環境を変えようとN高に転校した」という。一方、中高一貫の進学校に通っていた池田さんも「中2の頃、このまま勉強しても将来が見えないとすごく不安になった」と進路を変えた。興味のあったプログラミングの勉強もできるN高に入った。 河合さんは「日本ではマイナーで発展途上だけど、海外では人気のあるスポーツは少なくない。そんなベンチャースポーツの選手は資金面で困っている」と池田さんと一緒に起業を考えた。 河合さんがリーダー、池田さんがエンジニアとして、マイナースポーツのアスリートを紹介する図鑑サイト「V Doc.」を開発、運営する。このサイトをベースにイベントなどを展開して、アスリートを支援するという。直径122センチの巨大ボールを使った「キンボール」というカナダ生まれの屋内球技の体験会なども開いた。 河合さんは東京の大学に進学したが、常にチャットなどで情報を共有。池田さんは美大進学を志望しており、ウェブデザイナーとしての腕を磨く考えだ。 今や生徒数で日本最大規模になったN高。全国の19カ所でキャンパスを展開、多種多様な生徒が集まる。企業でのインターンシップに参加したり、東大や京都大学に進学する生徒もいれば、過去に不登校だったり、発達障害の生徒もいる。生徒が急増して、受け入れ限界数の2万人に迫るなか、角川ドワンゴ学園は21年4月に茨城県つくば市に新たな通信制高校の「S高校」を開校する予定だ。N高とは同じ課程で、兄弟校になる。 N高に入りわずか2年目で千葉県の柏キャンパスの立ち上げを任され、最年少でキャンパス長になった若山先生はN高をこう紹介する。「ダイバーシティーな学校です。よく教科書を忘れる生徒がいた。本人も悩んでいて、ある日、解決策を考えたと言ってきた。学校と自宅、移動用に同じ教科書を3冊用意したというのです。それでも忘れたことがありましたが(笑)。他の学校の教師なら、あきれたり、叱ったりするかもしれないが、我々は寛容に受け入れる」。既存の学校の画一的な教育のあり方に一石を投じたN高。単純にネットを活用するのではなく、様々なタイプの生徒と先生が真摯に向き合い、一緒に解を探している。 (代慶達也) 〔2020年10/29(木) NIKKEI STYLE〕 

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ひきこもりでも稼げる仕事 ひきこもりでも稼げる仕事はある!子育て経験生きる職も いずれのケースも、自分のペースで社会に参加し、収入を得ることができている。 「自らも娘の不登校を経験した母親として何か力になれることはないかと思い、不登校訪問専門員の資格を得て、さまざまな人たちと面談してきました。能力はじゅうぶんにあるのに、“自分はひきこもりなんだから、どうせ無理”と働くことをあきらめてしまうのはもったいない。じつは、ひきこもりの状態から適職を探し当て、成功している例はたくさんあるのです」

そう語るのは生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん。男女や年齢層を問わず、さまざまな世界で活躍する“元ひきこもり”の人たちへの取材をもとにした『ひきこもりは“金の卵”』(日経プレミアシリーズ)を出版した。ひきこもりは、けっして人ごとではない、と柏木さん。 「内閣府が行った調査によると、半年以上ひきこもり生活を続けている人は15~39歳で推計54万人、40~64歳で推計61万人と報告されています。つまり、子ども世代だけでなく、親世代もひきこもりになる可能性がある。しかも、その半数以上が、7年以上ひきこもり生活を続けているといいます」 柏木さん自身も、小学生の娘の不登校、ひきこもりと向き合ってきた。 「4歳で吃音がはじまり、心療内科でもなかなか改善せず、学校も嫌いなまま。ひきこもりは母親の過干渉が指摘されているため、自分を責めたりもしました」

柏木さんは学術書を読みあさり、一日中抱きしめたり、あえて外に出し、塾や体操教室に通わせたりするなど、さまざまな方法を試し、失敗も経験した。 「コロナ禍ではありますが、娘は休みながらも通学できるようになりました。試行錯誤を重ねて感じたのは、答えは一つではないということ。大人のひきこもりについても同じことが言えると思います。その人に合った生きがいを見つけるには、さまざまな職種や働き方のヒントを得ることが大事なのです」 自宅にいながら仕事を見つけ、年収500万円のサラリーマンと遜色ない収入を得ることも不可能ではない、と柏木さんは語る。それでは実際に、柏木さんが見てきた事例を見ていこう。 【1】子育ての経験を生かし、オンライン上で講師をする 子どもが独立し、そろそろ仕事をしたいと考えたEさん(57歳・女性)。「大卒で大企業に勤めた経験があるのだから、仕事はいくらでもある」と思っていたが、なかなか就職先は見つからない。次第に自信を失い、ひきこもりがちに。 「何か生かせないかと考えたときに、Eさんが行き着いたのは、3人の子どもを受験させたという子育ての経験でした。そこで小学校の学習プリントの採点を在宅ワークで開始。進路に悩む学生には、受験についてのカウンセリングなどもするようになったんです」

カウンセリングの仕事は30分5000円ほどを相場にできるそう。生徒が増えれば増えるほど、収入は増えていく。 【2】自分のペースで適職に。訪問サービスで1対1の接客 「高卒でコンプレックスがあるが、医療専門学校で知識を学べばスタート地点に立てる」と考えたFさん(45歳・男性)。整骨院で働いていたが、複数の人とのコミュニケーションが苦手だった。

「そこで、シンプルなやりとりで済む1対1の訪問マッサージという方法にシフトチェンジ。収入は30分の施術で3000~5000円程度。固定客を取って、ストレスをため込まない働き方を見つけ、充実した生活を送っています」 【1】と同様こちらの仕事も、固定客の数が増えるほど収入は増えていく。客1人あたり月数万円を稼ぐケースもあるそうだ。 【3】NPOを頼り地方へ移住。収入は少額でもゆとりある生活 大企業勤めだったが、上司とのあつれき、妻との離婚が重なり、ひきこもってしまったGさん(49歳・男性)。失意の中、偶然《若者移住者募集・移住手当、家賃補助あり》というチラシを目にする。

「GさんはNPO法人が運営する、ひきこもりの若者が共同生活を送るシェアハウスに入居しました。高齢者地区のため、仕事はレンタカーで買い物代行をしたり、粗大ゴミを出したり、電球を交換するなどの“お年寄りのなんでも屋”。人助けを通して自分の存在意義を再確認し、仕事に復帰できたケースは多くあります」 いわゆる“なんでも屋”の仕事は、時給900円ほどが相場。ツメツメで働くわけではないので大きな収入は見込めないが、都心で暮らしていたころより圧倒的に出費が少なく、時間的にもゆとりある生活が送れているそう。

いずれのケースも、自分のペースで社会に参加し、収入を得ることができている。柏木さんは最後に、“ひきこもりは決して悪ではない”と語る。 「ひきこもりを解決するゴールは、必ずしも外に出て働くことではありません。彼らが自分にできる仕事で、楽しく暮らせることがゴールなんです」 ITが発達したいま、ひきこもりを救う活躍の場所はたくさんあるのだ。 「女性自身」2020年11月10日号 掲載 〔2020年10/29(木) 女性自身〕 

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ひきこもりでも稼げる仕事 ひきこもりでも稼げる実例、ブロガーとして月収40万円も ITが発達したいま、ひきこもりを救う活躍の場所はたくさんあるのだ。 「ひきこもり解決のゴールは外に出て働くことではなく、楽しくできる仕事を見つけることです」。ひきこもりの人たちも無限の可能性を秘めている、と生活経済ジャーナリストは語るーー。 「自らも娘の不登校を経験した母親として何か力になれることはないかと思い、不登校訪問専門員の資格を得て、さまざまな人たちと面談してきました。能力はじゅうぶんにあるのに、“自分はひきこもりなんだから、どうせ無理”と働くことをあきらめてしまうのはもったいない。じつは、ひきこもりの状態から適職を探し当て、成功している例はたくさんあるのです」

そう語るのは生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん。男女や年齢層を問わず、さまざまな世界で活躍する“元ひきこもり”の人たちへの取材をもとにした『ひきこもりは“金の卵”』(日経プレミアシリーズ)を出版した。ひきこもりは、けっして人ごとではない、と柏木さん。 「内閣府が行った調査によると、半年以上ひきこもり生活を続けている人は15~39歳で推計54万人、40~64歳で推計61万人と報告されています。つまり、子ども世代だけでなく、親世代もひきこもりになる可能性がある。しかも、その半数以上が、7年以上ひきこもり生活を続けているといいます」

柏木さん自身も、小学生の娘の不登校、ひきこもりと向き合ってきた。 「4歳で吃音がはじまり、心療内科でもなかなか改善せず、学校も嫌いなまま。ひきこもりは母親の過干渉が指摘されているため、自分を責めたりもしました」 柏木さんは学術書を読みあさり、一日中抱きしめたり、あえて外に出し、塾や体操教室に通わせたりするなど、さまざまな方法を試し、失敗も経験した。 「コロナ禍ではありますが、娘は休みながらも通学できるようになりました。試行錯誤を重ねて感じたのは、答えは一つではないということ。大人のひきこもりについても同じことが言えると思います。その人に合った生きがいを見つけるには、さまざまな職種や働き方のヒントを得ることが大事なのです」 自宅にいながら仕事を見つけ、年収500万円のサラリーマンと遜色ない収入を得ることも不可能ではない、と柏木さんは語る。それでは実際に、柏木さんが見てきた事例を見ていこう。

【1】企業の調査に答え、少額でも“収入ゲット”の積み重ねを 「60歳のAさん(女性)は、ひきこもりの息子さんに『せめて光熱費だけでも出しなさい』と話したそうです。すると息子さんは家のパソコンを使って、ポイント還元や図書券などがもらえる企業アンケートに挑戦しはじめました」

生活パターンや趣味、嗜好を企業に教えるだけで収入になるというケースだ。 「簡易なアンケートに答えるだけなら、多くの収入は見込めませんが、その積み重ねが“自分でも稼いでいる”という自信になります」 もっと深く商品開発に携わることで、多くの収入を得ることもできるという。 「試食会や商品に関すること細かなヒアリングなどを実施し、消費者の意見をもとに開発されたヒット商品も多くあります。そのような企業の商品開発に参加すれば、半日で5000円ほどの日当をもらえるケースも。現在は在宅でできるものも多いです」

【2】パソコンを使って情報発信。月収40万円を超えた例も 大学卒業後に就職した企業を1年以内に退職し、起業した会社も大損害。以後ひきこもりが続いたBさん(27歳・男性)。 「このまま何もしないで生きていくわけにはいかないと、自分の気持ち、失敗談などをつづったブログを立ち上げると、徐々に応援の書き込みが増えていきました」

数カ月すると、月間のアクセス数は200万を超えるように。Bさんは月40万円ほどの広告収入を得られる、人気ブロガーになった。 「出社する必要もないため、自分の居心地がよい環境で、好きなことを書くことがそのまま収入に直結しているのもプラスに働いていると思います」 大学卒業後に就職した企業をすぐに辞め、3年ほどひきこもったCさん(45歳・男性)も、同じような体験をしている。 「ブログは同じ価値観の人たちが集まりやすいのか、共感のコメントが多数寄せられると、自己肯定感と自信が強まるようです。Cさんはブロガー以外にもWEBライターとして活躍し、20万円以上稼ぐ月もあるそうです」

【3】在宅での動画がバズりナレーターの道に 好きな分野が芸能活動に関わるものであっても、今はリモートで仕事を見つけることができる。 「Dさん(40歳・女性)はかつて、人との関わりが得意でなく、ひきこもりがちに。ひとりの時間では、好きなアニメのキャラクターの声をまねていました」

趣味が高じて、自分の描いたイラストに声を当て込みYouTubeにアップしてみると《声がカワイイ》《本を朗読してほしい》と投稿が寄せられ、ナレーションの仕事を始めることにーー。 「YouTubeでの動画が話題を呼ぶと、広告収入なども含めて年収1000万円にもなる、というケースは少なくありません。また、声優やダンサーなどの職種は、オンライン上で生徒を取り、レッスンを行うことも可能でしょう。1回のレッスン料として2000~3000円を収入として得ることができます」

いずれのケースも、自分のペースで社会に参加し、収入を得ることができている。柏木さんは最後に、“ひきこもりは決して悪ではない”と語る。 「ひきこもりを解決するゴールは、必ずしも外に出て働くことではありません。彼らが自分にできる仕事で、楽しく暮らせることがゴールなんです」 ITが発達したいま、ひきこもりを救う活躍の場所はたくさんあるのだ。 「女性自身」2020年11月10日号 掲載 〔2020年10/29(木) 女性自身〕 

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山本風花(ふうか) 「個性受け入れる社会を」願い込め絵本に/「オギーと3つのおはなし」 山本さん(森田養高等部1年)が出版 出版した絵本を手にする山本さん 青森県つがる市の森田養護学校高等部1年山本風花(ふうか)さん(16)=五所川原市=が絵本「オギーと3つのおはなし」を出版した。イオンモールつがる柏で31日のハロウィーンに、これまでに描いた絵画などの展示を兼ねた発表会を開く。小学生のころ、いじめでつらい思いをした経験を踏まえ、個性を尊重した生き方を受け入れる世の中になってほしい-との願いを絵本に込めた。風花さんは「悩んでいる人たちに勇気を与えられれば」と話している。

絵本は、主人公のオギーに黒猫が三つの短編を語っていく物語。死神が現れてそれぞれ個性のある子供たちの願いや空想をかなえていくが、単純なハッピーエンドと一線を画しており、考えさせられる内容だ。 絵本の制作は民放テレビ局の企画がきっかけとなった。風花さんの夢が番組で採用され、絵本が完成するまでを撮影した。3月下旬に番組が放送されると、母佳子さんのもとに「本が欲しい」との問い合わせが相次ぎ、佳子さんは自費出版を決意。風花さんが通う県認定NPO法人「笑楽生(えがお)」=五所川原市金木町=の泉谷和宏理事長(60)の仲介で市内の出版社の協力を得て、30冊制作した。

出版に当たり、風花さんのアイデアをより忠実にして内容を再構成した。風花さんと交流のある同市の画家櫻庭利弘さん(85)は「完成度が高く、タッチが独特で線に勢いがある。見たままを描くことはそう難しくないが、イメージを表現するには描写力がなければ描けない。絵本にしたことはいい判断。作品を見てもらうことは、才能を伸ばす上で大切」と絶賛する。 いじめが原因で小学校高学年のころには不登校となり、自宅で絵を描いて過ごした。「そのころは思っていたことを表現する方法が分からなかった」(風花さん)が、米国のティム・バートン監督の映画に刺激を受けた。「監督の絵やメークも好きだが、社会のはじっこにいる人を主人公にして、人に理解されにくい悩みを取り上げていることに共感した」。それから絵に物語をつけた作品を描くようになったという。 今も他人との会話は苦手だが「高校でもっとコミュニケーションできる練習をしたい」と風花さんは前向きだ。映画監督や小説家といったクリエーターになる夢を膨らませている。 〔2020年10/30(金) Web東奥〕 

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毒親 自分も毒親になりかねない恐怖 「見て見ぬふり」も子にとっては毒 こんにちは。恋愛ジャーナリストのおおしまりえです。 2回にわたり、毒親について母娘*謎解きカウンセラーの高橋リエさんにお話を聞きました。「毒親かどうかの判断の基準は、子どもがどう感じているか」であることや、自分の親が毒親だった場合、どのように付き合っていけば良いのかなど、教えてもらいました。

※毒親=米国のスーザン・フォワード(医療関係のコンサルタント、グループ・セラピスト)が作って1989年の著書で使った言葉。学術的な定義はない。 しかし、ふと疑問に思うことがあります。それは毒親ってほとんどが母親なのか? そして、自分が今後毒親になる可能性もありうるのかという不安です。今回は、筆者の実体験も少し交えながら、「自分が毒親にならないため」に今できることを考えます。

毒親は「母」だけじゃない 毒親と聞くと、多くの方が母親をイメージすると思います。実際毒親の多くは母であることが多いのですが、中には「毒父」もいるといいます。 「正直、母親だけとか、父親だけといった、片方だけが毒親であることは少ないです。お母さんが凄く怖かった経験の方は『せめて父親だけでも』と無意識に考え、父親を美化していたりします。しかし、毒の種類が違うだけで、だいたいどちらも毒親であることが多いんです」(高橋さん。以下同)

一般的に、子どもは同性の親を批判的に見やすいといい、男性は父親にモラハラされたという思いや恨みを抱えている人が多いのだとか。また母と父はお互いが毒親であることがほとんどで、パターンも似通うことがあるそうです。 「例えば子どもに罵詈雑言を浴びせる『ジャイアンタイプ』の母親は、見てみぬふりをする『事なかれ父親』と相性がいいです。一見すると毒なのは母親ですし、優しい父という印象を抱きがちですが、父親が子どもを母から守ってくれることはありません。逆に母が怒り出すとどこかに消えてしまったり、母親の肩を持ったりするので、別タイプの毒と思って良いでしょう」 確かに一方が極端に強く、もう一方が尻に敷かれる関係の夫婦はよく見かけます。攻撃する親も毒ですが、守ってくれない親も改めて考えると、れっきとした毒親なのです。

自分も毒親になりかねない不安 今回高橋さんのお話を聞いて、自分の生育環境を改めて振り返ると同時に、私は1つの記憶を思い出し背筋がヒヤッとなりました。それは「自分も毒親になっていたかも……」という記憶です。 24歳で結婚をしていた私は、当時の夫と「もし子どもができたら、どのように育てたいか」といった話を雑談ベースでしたことがあります。 その時は「多少なりとも厳しく育てた方が子どもはタフに育つと思うから、べた褒めすぎる育て方はどうかと思う」と言った記憶があります。それに対し夫は「俺もそう思う。なんならちょっと鉄拳制裁くらいあった方がいい」と言っていた記憶があり、私も当時は同意していました。

10年前に子どもがいたら…ゾッとする しかし10年ほど経った今は、この考えは大きく間違っていたと理解しますし、あのまま子どもを授かっていたら毒親になっていたのではないかと思うと、怖くなります。 そもそも、私が考えていた「厳しい育て方」や「多少の鉄拳制裁はOK」という考えは、完全に自分の父親から受け継いた教育方針です。それがあきらかに“毒”であったことを今では認識しているので、同じ道を歩まなくてよかった……と心底ホッとします。 子どもは親を見て、親を基準に様々なことを学ぶといいます。だからこそ、コミュニケーションの歪みも引き継がれやすいのですが(もちろん全員ではありませんが)、改めて今後子どもを持つことがあったら、気をつけようと思えます。

「最近はインターネットに色んな情報が載ったことで、毒親育ちも気づきやすくなりました。向き合って解消するのは大変ですが、気づくのが早いと出来ることも増えますから、いい時代になったと思います」 確かに昔は、自分の家や両親がおかしいと気づくことも一苦労でした。現在はヨソがどうかは調べればいくらでも分かる時代ですし、対処方法も沢山出ています。だからこそ、毒親について悩んでいる人は、無理せず自分らしく解決に向かっていければと思うばかりです。

【高橋リエ・カウンセラー】 子供の不登校・ 再不登校を経験して、自身が重度のアダルトチルドレンだと気づく。 心理療法を学びながら自身の問題に取り組むうち、現実はすべて意識の現れで、意識が変われば現実も変わると、身をもって確信。「心理相談所 成城カウンセリングサロン」を運営。著書に『気づけない毒親』『お母さん、私を自由にして!』ほかがある。twitter:@takahashi_rie_

<取材・文・イラスト/おおしまりえ> 【おおしまりえ】 水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。Twitter:@utena0518 女子SPA! 〔2020年10/30(金) 女子SPA!〕 

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福島県「県立高校入試早わかり」公開 【高校受験2021】福島県「県立高校入試早わかり」公開 福島県教育委員会 福島県教育委員会は2020年10月27日、令和3年度県立高等学校入学者選抜関連情報「がんばれ受験生!県立高校入試早わかり」を公表した。どのような高校があるか、また、通学区域や入試の概要について紹介している。 福島県立高等学校には、全日制、定時制および通信制の課程があり、学科の種類には、普通科と専門学科、総合学科の3つがある。専門学科の中には、理数科や英語科などの「普通系」と、農業科や工業科など専門的内容の基礎や基本を学ぶ「職業系」がある。この、専門学科である理数科や農業科などを大学科とよび、その中に「電子機械科」「情報処理科」など小学科が設置されている。

全日制課程の普通科については、保護者の居住区域によってそれぞれ通学区域が決められている。それ以外の専門学科や総合学科、定時制および通信制課程については、保護者が県内のいずれの市町村に住んでいても出願可能。通学区域についての詳細は、「令和3年度福島県立高等学校入学者選抜実施要項」68ページから74ページの「福島県立高等学校の通学区域に関する規則」で確認できる。

入学者選抜は、すべての全日制および定時制の学校・学科で前期選抜となる「特色選抜」と「一般選抜」が行われる。また、一部の全日制課程では、「連携型中高一貫教育に係る入学者選抜」が実施され、これらで定員が満たなかった学校・学科で、後期選抜が実施される。ほかにも、全日制課程の一部で「外国人生徒等に係る特別選抜」が行われる。 選抜方法は、「一般選抜」は学力検査や調査書、一部の学校・学科では面接が実施され、「特色選抜」は学力検査や調査書に加え、志願理由書や特色面接、特色検査が行われる。「後期選抜」は、調査書、面接および小論文により選抜。また、通信制課程は調査書などの提出のみで、学力検査は実施されない。 「がんばれ受験生!県立高校入試早わかり」にはこのほかにも、県外から転入予定の生徒、外国人や帰国子女、不登校だった場合の出願情報などについても掲載されている。 リセマム 森井ゆか 〔2020年10/30(金) リセマム〕 

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ネットの世界と不登校 精神科医が解説「ネットが不登校の子の救いにならないこれだけの理由」 インターネットに依存することには、どのような問題点があるのか。精神科医の遠山高史氏は、「ネットの世界は多様性に富むように見えて、パターン化された関係の繰り返しの世界でしかない。そこでは豊かな人間関係を学ぶことはできない」という――。

※本稿は、遠山高史『シン・サラリーマンの心療内科 心が折れた人はどう立ち直るか「コロナうつ」と闘う精神科医の現場報告』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■均一な価値観から生まれる「スクールカースト」 登校を渋る子供たちの多くが、クラスの仲間のいる教室に入るのが苦痛であるという。 同じ宿題、同じ試験問題で出来不出来による差別化が起こる。同じ年齢を一律に集めると成績順が歴然としやすく、クラスの仲間は友達である以前に競争相手となってしまうのだ。 アメリカには例えば1年生から6年生までを一つにまとめた縦割りクラスで教育する学校がある。

そうした環境では子供たち相互の関係がパターン化せず、より多様になる。上級生は自ずと下級生の粗暴な行為を抑止し、弱い子供を保護しようとするため不登校やいじめは起きにくい。1軍、2軍、3軍カーストといった格付けをしあう「スクールカースト」も生じにくいだろう。 ある大学の非常勤講師として、介護系資格を取得するための講座を受け持った。実に教えやすいクラスであった。通信教育で高卒資格を得た不登校気味の生徒や、失職し第二の人生を始めようと社会人枠で通う中年の男、風俗で働くシングルマザー、夜の仕事でダメな亭主を支える主婦──。 教室では多様な経歴をもつ人々が互いに協力しあう光景が常にあった。 若い学生は社会人のクラスメートから教科書では学べない人生のリアルな経験を教わっていた。出席率は高く、同年代だけ集めたほかの授業にある私語も、ほとんどなかった。 そこにはにわかづくりとはいえ、多様な生き方を学習できる、豊かなコミュニティーができていたと思われる。

■ネットが捉えきれない複雑でファジーな“匂い” 不登校に陥りやすい子供たちは、多様な価値観が許容されるコミュニティー経験に乏しいことが多い。 平等を掲げ、均一を是とする価値観を押し付けられると、どうしていいかわからなくなりやすい。適応の程度によって序列化されることを嫌い、引きこもるようになる。

ネットは窮屈な現実に辟易する子供たちの前に開けたいわば別天地である。ネットやゲームのコミュニティーにひとたび入り込めば、いかような生き方も許される自由があり、常に主人公であり続けられる楽園が広がる。 労せずして脳の快楽中枢を満足させうるのである。しかし、そこは多様性に富むように見えて、パターン化された関係の繰り返しの世界でしかないことに思い至らない。 ネットの情報はほぼ視覚情報に特化しているが、人の視覚はたった4個しかない受容体の組み合わせで情報を認識する。その単純さゆえ、簡単に人をわかった気にさせてしまう。 しかし、視覚は自然の一部としての人間の営みを表面的にしか把握できない。 いまだファジーさをAIが取り扱えないことからもわかるように、ネットはファジーさを本質とする自然の把握にさほど有効な手段ではないのである。

実は鳥類を除くほとんどの動物は視覚以外の感覚で世界を把握している。例えばネットが苦手とする嗅覚情報は、人間で400、象に至っては2000もの受容体の組み合わせで把握される(東原和成東大教授)。 それによって認識される世界は、視覚だけで感じ取る世界よりはるかに豊かで奥深いはずである。息子の顔を認識できない認知症の老人でも匂いには正しく反応することはよく知られている。 実際、人と人との触れ合うコミュニティーはさまざまな匂いに満ち(ほとんど無意識だが)、それが相互の深いつながりを生んでいる。 電気信号でしか結ばれないネットの世界は本当の自然からほど遠く、貧しい。ネットから子供たちを取り戻さねばならない。

■睡眠負債のSE、2万通のメールでうつ状態に 毎日4~5時間の睡眠で仕事してきたSEはいわゆる睡眠負債で頭が働かなくなり、1カ月の休みを取ることになった。 長年の睡眠負債は1カ月程度で解消できるものではないが、チームの責任者である本人の希望に沿って、出社してよいとの診断書を書いた。 しかし、いざ出社してパソコンを開いたら、ざっと2万通ものメールが届いているのを見て再びうつ状態となり、休むことになった。 情報は増やす分にはほとんどエネルギーが要らないが、削除するのに膨大な労力を人に強いる。 例えば、コピー機で大量に情報を複製するのも、ネットで情報を拡散するのもボタン一つでできるが、そのすべてを消し去るのは容易なことではない。

ツイッターやSNSで、画面の向こうの素性も知れない相手にこちらの情報を、時に自分の裸の写真まで添えて投稿してしまうのも、動かずして英雄になれるネットゲームにハマるのも、さしたる労力を使わないからである。 ネット空間において情報は川が流れるように自ずとエントロピー(乱雑さを表す物理量)増大へと向かう。 結局、増やしすぎた情報を削除するというエントロピー減少の作業に、人の営みは費やされるようになる。 いったい2万通のメールのほとんどはどうでもいいものだが、似たようなものの中に重大なものも混在し、あっさりまとめて削除とはいかない。 そもそも情報が多すぎて、まともに重みづけができないのである。

■薬の効能書には大量の細かい記述が並ぶ ときどき戸惑うことの中に、薬剤についての医師と薬剤師の意見が微妙に食い違うことがある。 薬剤に関する情報はかつてとは比べものにならないほど増えており、専門に処方する医師でさえ十分把握できているとは言い難い。 そうした中で薬剤師の指摘が医師のうっかりミスを防いでくれることもしばしばである一方、時折、医師と薬剤師との間で情報の重みづけが異なり、二者の説明が調和しないことで患者に無用な不安を与えることがある。 薬剤を説明する効能書には、大量の細かい記述が並び、読み取るのに骨が折れる。 特にリスクについては念入りに書かれているものの、重大なリスクと滅多にないリスクとの区別はあやふやである。 医師と薬剤師とはそもそも経験の質が異なり、拾い出す情報も同じとはならず、リスクについての重みづけに乖離(かいり)が生じやすい。

■あふれる情報に踊らされ破局を招く現代人 あまり知られていないことのようだが、脳は情報を集めるシステムではなく、感覚器を通じて押し寄せる無限の情報のほとんどを削除し、必要な情報を拾い出す高度なシステムである。 脳は、骨の折れる生身の体験に基づいて重みづけをし、有用な情報を拾い出す。情報を無差別に蓄積するシステムとは比較にならないエネルギーが要るのだ。 薬剤の効能書が、いかに細かに隙がなく網羅されていたとしても、それは氷山の一角のような情報に過ぎない。

それらの下に隠れて見えない部分を予測するには、多くのリアルな臨床体験が不可欠となる。 現代人は、どれを削除すべきかの区別さえ定かでないまま、溢れる情報の整理に追われ、たまたま目に付いた情報に踊らされ、人生を生き抜く糧となるリアルな体験を重ねる余裕を奪われているように見える。 それは水面下の巨大な氷をかえって見えづらくさせ、タイタニックのような破局を招くかもしれない。

遠山 高史(とおやま・たかし) 精神科医 1946年、新潟県上越市生まれ。すぐに東京に移り、そこで成育する。千葉大学医学部在学中に、第12回千葉文学賞受賞。大学卒業後は精神病院勤務を続け、1985年より精神科救急医療の仕組みづくりに参加。自治体病院に勤務し、2005年より同病院の管理者となる。2012年、医療功労賞受賞。2017年、瑞宝小綬章受章。自治体病院退職後、2014年に桜並木心療医院を開設。現在も診療を続けている。46年以上にわたり臨床現場に携わった経験を生かし、雑誌『FACTA』(ファクタ出版)にエッセイを連載中。著書に『微かなる響きを聞く者たち』(宝島社)、『ビジネスマンの精神病棟』(JICC出版局。のち、ちくま文庫)、『医者がすすめる不養生』(新潮社)など多数。千葉県市原市で農場を営み、時々油絵も描いている。

精神科医 遠山 高史 〔2020年10/27(火) プレジデントオンライン〕


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ページ名 食事付き無料学習塾 (食のニュース、無料学習塾 )
食べられない子どもたちの現実“SOS”を見逃さないために大人ができること
「晩ご飯は一応食べたんですけど、おかずは大学芋しかなかったのでお腹が減って……」
学習塾を運営していると、ふとした瞬間に生徒の家庭状況を垣間見ることがある。
塾である以上、学力の向上が一義的な目的だ。
しかし、生徒らが発する有言無言の“SOS”を見逃さず、できる限りの支援をすることも大きな柱としている。
今回は、自宅で食事をまともに食べることができない子どもたちの現実を紹介したい。
(食事付き無料学習塾・濱松敏廣塾長)
余ったカレーで知ったSOS
この日の出来事は、朝食として用意したカレーが手つかずのまま20人分ほど余ってしまうという想定外のハプニングが起き、私が夜になってから気付いたことに始まる。数年前のことだ。
当時、筆者は東京・新宿のマンションの一室で、運営する無料塾の塾生や近隣の小・中学生を対象に無料の朝食カレーイベントを週2回ほど行っていた。
慌てた私は塾生をはじめとする子どもたちに、午後8時を過ぎてからメールで緊急夕食会を呼び掛けた。
すると、急な連絡にも関わらず午後9時を過ぎた頃からお腹を空かせた子どもたちが10人ほど集まって来た。
その中には朝食カレーイベントの常連で、塾生でもある中学2年男子A君とその妹Bも来ていた。
「突然の連絡だったのに、来てくれて良かったよ。ところでA君の家は晩ご飯、いつもこんなに遅いの?」
中学1年時から当塾に通う彼に対し、何気ないコミュニケーションのつもりで質問をしたところ、彼の口から冒頭の発言が出た。
痩せ型とは言え身長170cmを超えている彼から、まさかそこまで厳しい食生活に関する話を聞かされるとは想像をしていなかった。正直とても面食らった。
他の子どもも居合わせていたこともあり、その場では平常心を装ったが彼の食生活が内心とても気になった筆者は、この日の状況が彼の日常ではないことを祈りつつ、後日改めて話を聞くことにした。
しかし、残念なことに実態はもっと深刻だった。
彼の保護者は諸事情から睡眠薬を日常的に服用しており帰宅後に寝てしまうことがあるため、家での夕食はご飯が炊かれているだけ。
ご飯すら忘れられている時があると言うのだ。
当塾では貧困やネグレクトなど家庭に事情を抱える生徒を優先的に受け入れる目的から、入塾時に保護者から課税証明書や世帯全員記載の住民票、食事や学校生活に関するアンケートを取る。
そのため一般的な無料塾よりも塾生の日常生活を把握している自負もある。
保護者の生活実態について詮索することはしておらず、する予定もないのだが、A君のように生徒本人が我々を信用してSOSを発してくれる場合はその家庭の暮らしぶりをうかがい知ることになってしまう。
我々の活動の一義的目的は子どもたちへの学習支援だ。
コロナ禍を受けた今年の4月には学習支援を継続するため全面的なオンライン授業への切り替えを決断した。
さらに、人数制限や検温・アルコール消毒に加えて、支援企業の協力のもと有名病院に導入されている機器と同型の紫外線殺菌システムを各自習室に設置することはできた。
一方で、食事の提供も引き続き行えるよう、9月からは新たな活動拠点を都内に開設した。
目下の課題は食事支援の方法や頻度に尽きる。
朝食を提供する意味
なぜ当塾では食事の提供を重視するのか。
それは、学力の向上と食生活には因果関係があると考えているからだ。
学力向上のスキルだけに目を向けるのではなく、次世代が心身を健全に育むことのできる環境を整えることこそが本質的な集団的学力向上につながると信じているため、小規模の塾であっても食事の提供にこだわっている。
筆者自身、安心して食事すら出来ない生活環境で育った。その経験があることも無縁ではない。
朝食カレーイベントに来ていたA君を含む複数人の塾生が、週2回の朝食カレーイベントに積極的に通い食事を摂ることで、特にネグレクト環境におかれていた塾生は落ち着きが生まれるだけでなく成績が向上した。
また、不登校気味だった複数の塾生も登校頻度が上がった。
ある中学生の塾生は、朝食カレーイベントをきっかけに本人が朝食習慣をつけたいと考え、近隣に住む親せき宅を頼りながら朝食を習慣化させることができた。
そして高校進学後は、なんと学内定期考査の偏差値が70を超えるようになったと言うのだ。
もちろん、貧困を起因とする場合など保護者だけの責任ではないことも多々ある。
周囲の大人や公的機関など社会が食を含めた生活環境を支援することさえできれば、どの子どもも多方面で活躍できる人材に育つ可能性は十分にある。
「SOS」に気付くには
新型コロナの流行以前から、家庭や学校などで問題を抱えた子どもたちと毎週膝を突き合わせて塾運営を行ってきた。
オンライン授業になっても、相変わらず様々な事情を抱える子どもたちも参加しているし、また自習室を積極的に利用している子どもたちもいる。
それらの経験から、最後にまとめさせていただきたい。
食事を摂る塾生と当塾のボランティア学生講師たち(写真提供:濱松敏廣)

さまざまな環境下におかれた子どもたちを、毎年一人ひとり注意深く見ていて気付いたのだが、十分に食事を摂取していない、あるいは偏食の子どもの多くは保護者との関係が良くない。
家庭内でまともな会話がなく、ひどい場合にはネグレクトに遭っていることもある。
例えば、偏食傾向の激しいとある女子中学生は、家庭にガス台はおろか調理器具がなかった。
さらに「食べると太る」から、と母親が食事を家で作らないのだという。
この家庭の実態はなにも生徒側から積極的に語ったわけではない。
偏食などを心配した担当講師の女子大生が継続的に相談に乗ったところ、多くのことが判明したのだ。
別の偏食傾向が強い女子中学生は、好きな肉料理が家の食卓にはほぼ出ないことから朝食カレーイベントに来たと打ち明けた。
この家庭もまた、母親がこの世話をしないネグレクト家庭だった。
家庭に問題を抱える子どもは多いが、食べられない子、偏食の子の例だけでも枚挙にいとまがない。
では、どうすればこれらのSOSを大人が察知することができるのか。
唯一絶対の方法はないが、子どもたちと日々接していく中で見えてくることがある。
家庭で食事を摂れていない子どもたち、偏食傾向の強い子どもたちも、表情がない、無感動、聞かれたことにしか答えない、などの特徴を併せ持つことが多い。
それに気付くことができるかがポイントだ。
当塾には幸いにも多くの“目”がある。
共に食卓を囲む中で、塾生たちからすると同年代同士だけでなく、ちょっと年上のお兄さんお姉さんと会話する機会が生まれる。
異変(SOS)に気付くことができる他者が多くいる場所になっているのだ。食事付き学習塾の強みでもある。
大人に必要なのは「寄り添い」と「信頼」
「教育格差の是正」と言う大義に引っ張られすぎると、教育者・講師の中には学習スキルを伝授することや学校の成績を向上させることにのみ固執してしまう者が出てくる。
そうすると、子どもたちからの無言のメッセージ、無意識に発するSOSのサインを見逃すことにもつがりかねない。
彼らが一度心を閉ざしてしまうと信頼関係の再構築は簡単ではない。
そこで我々運営スタッフは、子どもたちのSOSや背景を「甘え」と軽視することのないように教室を見渡し、塾生の表情や講師らの対応に気を配るよう心掛けている。
子どもらの抱える問題への対応策は多様だ。
学習支援だけではなく、食事であったり、先生とのふれあいであったり、静かな学習環境であったり、見守り励ましてくれる大人であったり……。
塾の場で解決できない課題も実に多い。
究極の教育は言葉で勉強の“正解”や、“正しいマナー”を教えることよりも、やさしい眼差しを向けながら子どもに寄り添い、彼らを信じ、成長や場合によってはSOSが来るのを待つことなのだ。
子どもたちには、やさしい眼差しを持つ大人と過ごす時間を持ってほしいと思う。
同時に、子どもたちを見守るとともに、敏感にSOSを感じる、そんな大人が増えていくことを筆者は望んでいる。
食べることができない、というSOSを発信しようとしながら、気付いてもらえていない子どもはあなたの身近なところにもいるかも知れない。
※当塾では苦手なメニュー(アレルギーは除く)に対し、どんなに少量でも一口は食べる、手をつける前に量を減らす、または友達や先生にお願いして食べられる人に食べてもらうように指導をしている。
〔2020年10/27(火) THE PAGE〕

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ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」 尾木ママこと尾木直樹、いじめは「いじめる方が200%悪い」 ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(10月25日放送)に、教育評論家の尾木直樹が出演。教師時代の思い出と、いじめについての自身の考えを語った。 自見はなこ:前回は尾木ママが学生時代に、体罰を目の当たりにされたお話を伺いました。そんな尾木ママが、なぜ教師を目指したのでしょうか?

尾木:実は、就活のときまで教師になろうとは思ってもいなかったのです。ジャーナリストや雑誌の記者など、文章関係の仕事に関わりたいと思っていました。でも就職で悩んでいたら、母親が「直樹は学校の先生がいちばん向いているよ」と。僕は学校の先生がいちばん嫌いなのに、なんて理解のない親だろうと(笑)。しかし母は、「だから向いているのよ。反抗心を持っている子や、不登校の子供の気持ちがよくわかるから、いい先生になれるわよ」と。

自見:お母様も小学校の先生でしたよね。

尾木:本能的にわかったのかも知れませんね。

自見:尾木ママは1974年から教壇に立たれたそうですが、そのころは校内暴力が全盛だったそうですね。その時期に毎日、学級通信を独自に発行されていたのですか?

尾木:そうです。いちばん多かった年は、1年で333号つくりました。「きょう、こんな素敵なことがあったよ」と、いいことを報告する新聞なのです。

自見:手書きのものですか?

尾木:手書きです。朝だけでなく帰りにも書いて、朝刊、夕刊と配っていました(笑)。目立たない子などに焦点をあてて、「この子はみんなが帰った後にゴミを捨ててくれたよ」など、いいことしか書きません。それを読むと人間認識力も出て来て、仲のいいクラスになるのです。

自見:いまは、いじめが社会問題になっています。解決の糸口を、どうお考えになりますか?

尾木:いじめの原因はストレスです。悪いストレスを排除して行くという方法をとるのが1つ。それと、よく「いじめられる方も悪い」と言う人がいますが、それはありません。いじめる方が200%悪いのです。いじめる側の子は、「だってあの子は嘘を言うし、遅刻もする」などと悪い点をあげつらいますが、人間には誰しも弱点があります。それをいじめという形で攻撃することは、とても恥ずかしいことです。もし問題点があるなら、それは問題点として指摘し、サポートしてあげればいい。いじめは人権侵害であり、虐待行為です。僕は絶対に許しません。

また逆に、長く教師をやってわかったことですが、いじめられることで自分の存在を感じる子もいるのです。いじめられても「先生、僕は気にしてないよ」とニコニコ笑っていたりします。僕は、いじめられていることに対し、「悔しい! 許せない!」と思う子になって欲しいと、そのいじめられていた子に言ったことがあります。もちろん、いじめていた子達も注意しました。

「彼はいじめられて喜んでいる。先生から見てもそうだった。でも、それを楽しむような人間になってはダメだよ」と言いました。すると、彼らは中学1年生でしたが、両方にちゃんと伝わりました。 〔2020年10/27(火) ニッポン放送〕

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埼玉県「どこでも知事室」 困窮世帯の子どもたちへの学習支援について意見交換/埼玉県 大野知事自ら現場に出向き、県民の声を県政に取り入れる「どこでも知事室」が東松山市で開かれ、生活困窮世帯の子どもたちへの学習支援について関係者らと意見交換が行われました。

「どこでも知事室」に参加した彩の国子ども若者支援ネットワークの白鳥勲理事は、分数を習う小学3年生の頃から学力の差が生まれることなどを説明しできるだけ早い支援が求められることを強調しました。

また、不登校だった子どもも学習支援教室に通うと徐々に表情が明るくなり学校に通えるようになったりする例も紹介されました。 大野知事が「いま、課題はあるか」質問すると「もっとたくさんの人で支える必要がある」「学校の先生も含めてもう少し理解してもらいたい」といった意見が相次ぎました。

また、「どこでも知事室」に先立ち大野知事は、東松山県土整備事務所のサテライトオフィスを訪れリモートで、地域政策課長から移住促進に関する施策の報告を受けました。 県は、業務の効率化を図るためさいたま市や朝霞市など県内16か所と県東京事務所にサテライトオフィスを設置していますが、今後は都の職員も活用できるよう調整をすすめているということです。 〔2020年10/27(火) テレ玉〕


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中川翔子  ひどいあだ名に苦しめられた中学時代 それでも出会えた「しょこたん」に感謝 タレントの中川翔子が28日、TBS系「グッとラック!」で、中学生時代につけられたひどいあだ名に苦しめられた過去を振り返った。 番組では、小学校であだ名禁止がルールとして広がっていることを取り上げた。 中川は番組のインタビューに「胃が悪くて精神的にしんどくなると、気持ち悪くなって吐いちゃったりとかよくしていた」といい、そのことからある日「ゲロマシーンが歩いてる、ハハハ」という声が聞こえてきたという。 ひどいあだ名を付けられても「言い返すこともできないし、呪いのノートにその人の顔そっくりに描いて、破いて燃やしたりしていた」と悔しさをにじませた。結局、中学校生活最後は不登校状態になってしまったという。

今はそのあだ名を乗り越えたのか?という問いには「心に刺さる攻撃でもあったりするので、全然乗り越えてない」といい「好きなことをひたすらやった。絵を描いたり、歌ったり、アニメ見たり、ネットやったりとか、そういうことをしている状態でいないと、嫌なことを思い出してしまう」と家ではひたすら好きな事に集中して嫌な想いから必死に逃げたという。 そんな中川だが、学校でのあだ名禁止は「反対。ちょっと極端かなと思っちゃいます」と反対の姿勢。その理由について、現在、多くの人から呼ばれる「しょこたん」というあだ名に「感謝」しているといい「しょこたんのおかげで、子どもたちにも知ってもらった」と振り返る。 そして「あだ名が悪いのではない。攻撃する人物がいる状況、そこに先生がもうちょっと個別に向き合えないのか。あだ名イコールいじめではない」とも語っていた。 〔2020年10/28(水) デイリースポーツ〕

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中川翔子 中川翔子ひどい“あだ名”のせいで苦しめられた過去語る やがて不登校状態に…現在も「全然乗り越えてない」 タレントの中川翔子(35)が28日、TBS系「グッとラック!」にビデオ出演し、中学生時代にひどいあだ名のせいで苦しめられた過去を明かした。 番組では全国の小学校に広がる「あだ名禁止」のルールについて紹介。学校側では「いじめにつながる」として、さん付けを推奨している。 中川は中学時代、胃腸が弱く、ストレスで吐いてしまうことがあったため、同級生から「ゲロマシーン」と呼ばれたことがあり、やがて不登校状態になってしまったという。現在でも「心に刺さる攻撃だったので、全然乗り越えてない」と傷付いていて、好きな歌やアニメに集中することで日々を過ごしているという。

そんな中川でも「あだ名禁止」のルールには「私は反対ですかね。ちょっと極端かなって思っちゃいます」との立場。現在のあだ名である「しょこたん」は「感謝してます」と気に入っており、「『しょこたん』のおかげで、子どもたちにも知ってもらった。『しょこたん頑張れ』って言ってくれる」と振り返った。 その上で「あだ名が悪いということではない。攻撃する人物がいる状況だと思う」と分析。「そこにちゃんと先生が個別に向き合えないのかな」と期待を込め、「あだ名イコールいじめではないですからね」と締めくくった。 中日スポーツ 〔2020年10/28(水) 中日スポーツ〕


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公的マネーが大株主、東証1部の8割 4年前から倍増
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が入る建物の入り口の看板=東京都港区
年金資産を運用する国の独立行政法人と日本銀行が、東証1部企業の8割にあたる約1830社で事実上の大株主となっていることが朝日新聞などの調べでわかった。
4年前の調査時から倍増した。
巨額の公的マネーは実体経済と乖離(かいり)した株高を招き、「官製相場」の側面が強まっている。
「安定株主」として存在することで企業の経営改善に対する努力を弱める恐れがある。
【写真】株価の推移と公的マネーの株式保有額
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀の3月末の保有分を、東京商工リサーチとニッセイ基礎研究所の井出真吾氏の協力を得て朝日新聞が推計した。
GPIFと日銀は信託銀行などを通じ、日経平均やTOPIX(東証株価指数)などの指標に連動した金融商品を買っている。
こうした指標に含まれる銘柄の株主名簿に名前は出ないが、間接保有している。
大量保有を報告する基準の5%以上を大株主としてみると、東証1部2166社(3月末時点)のうち約1830社で公的マネーが大株主になった。
両者の間接保有分が10%以上も約630社。
最も高いのは半導体大手アドバンテストの29・0%で、TDK26・6%など、20%超も28社にのぼる。
保有額全体ではGPIF36兆円、日銀31兆円と計67兆円分。東証全体の時価総額約550兆円の12%を占める。
〔朝日新聞デジタル2020/10/23〕

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学力なんて上がらなくていい 東大卒の数学教師「学力なんて上がらなくていい」子どもが“勝手に伸びる”教育法 有名進学校から東大のエリートコースを歩み母校の教師になったが、挫折を味わった井本陽久(はるひさ)さん。教師という枠にとらわれていたことに気づき、成績を上げるのではなく自分で考える学びの場を作った。“ふざけ・いたずら・ズル・脱線”によって、子どもたちが生き生きと輝ける環境づくりとは──。 ねらいは「上手に発表できること」ではない 「僕ね、子どもたちが笑顔で生き生きしているのを見るとうれしくなるんですよ。成績とか学力なんて上がんなくていい。そんなこと幸せには全く関係ないから」

井本陽久さん(51)は、昨年4月に栄光学園中学校・高等学校を辞め、数学の非常勤講師となった。栄光学園は、養老孟司さんを輩出した鎌倉市内の名門校。東大合格者数は全国トップ10に入る。井本さん自身も栄光学園の中高から東京大学に進学、その後、母校の教師となった。 現在、栄光学園での授業や長年続けている児童養護施設の学習支援に加え、花まる学習会で“ダメでいい、ダメがいい。”をスローガンに主宰する、みんなの学び場『いもいも』が井本さんの活動の中心になっている。 7月の夕方、JR東戸塚駅前にある花まる学習会の一室に中学生が集まってきた。新型コロナウイルス感染症による自粛が解除され、ようやく再開された『いもいも』。この日は、「表現・コミュニケーション教室」と「数理的思考力教室」の授業だ。1年生から3年生まで、さまざまな学校の子どもたちが通っている。

井本先生の教え子で、栄光学園の卒業生が3人で受け持つ「表コミ」は、この日はオンラインで自宅からの参加も可能。顔を出さない子もいるが、それも自由だ。 ネットで自宅と教室をつなぎ、ハイブリッドで進んでいく。オリジナルで考えたミニゲームをするうちに、子どもたちは自然に試行錯誤し、論理やルールの穴を見つけてふざけたりズルを思いつく。ゲームはなかなか進まないが、笑い声が絶えない。 学校に行っていない子もここでは安心して「自分」を発揮できる。1度、教室に入りさえすれば、次回からは例外なく自分の足で来るようになるという。この教室のねらいは、「自分が上手に発表できること」ではなく、「どんな人の表現やコミュニケーションも面白がれるようになる」こと。

大人たちは、授業を行う2時間(小学生は90分)の間、子どもたちがありのままで躍動し、没頭できる環境を作るだけだという。 「子どもたちが生き生きと輝きはじめるのは、“自分の考え方で考える。自分のやり方でやる”ときだけ。“ふざけ・いたずら・ズル・脱線”こそが、それを発揮する最大の場面です。でも、だいたい見学に来た人は何をやってるか全然わからないって言うんですけどね(笑)」

やんちゃで有名だった子ども時代 一方、「数理」は、栄光学園での数学の授業に近い内容だ。井本さんが時間をかけて用意した問題を生徒たちに提示する。短パンにサンダルばきの井本さんは、最初に謎なぞのような論理クイズを出して緊張ぎみの子どもたちをほぐし、子どもたちをあだ名や下の名前で呼ぶ。みんなに渡したプリントには9つの点が書かれていた。 「この9つの点のうち、4つの点を通る円をすべて書いてください。同じ半径の円は同じ種類と考えます」

授業ではたった1問だけしか問題を出さないこともある。あとは生徒が各自で考え、友達と相談して一緒にアイデアを出し合う。生徒がウロウロと教室を歩き回ることも、黒板を使って解くこともある。生徒たちはパズルやゲームにチャレンジするように「これ、いけそうだな!」「あ、違ったか」「こうしてみたらどうかな?」と声をあげ、前のめりに取り組む。問題を必死に考える生徒たちは真剣だ。 エリートから、学習環境が整わない子どもたち、発達障害や不登校など学校での居場所がない子どもたちまで、幅広い子どもたちと過ごすことが井本さんにとっての喜びだ。 神奈川県で3人きょうだいの末っ子として生まれた井本さんの子ども時代は、まさに昭和のやんちゃ坊主だ。6つ上の姉・詠子さん、3つ上の兄・温也(あつなり)さん、両親。祖父母も近くに住んでいた。

姉の詠子さんは当時をよく覚えている。 「陽久は近所でも有名なくらいハチャメチャで、私も思春期のときは恥ずかしかったな。雨上がりには裸になって外に飛び出して、家の前の水たまりでチャプチャプ遊んでると思ったら、そのまま行方不明。ファミレスに行けば店じゅうの椅子の上を渡り歩いて大騒ぎ。それはもう大変でした。でも、わが家は比較的のびのびしていて、近所の人も温かく見守ってくれていましたね」

井本さん自身も子どものころの自分をこう振り返る。 「エネルギーがあり余ってたんです。考える前に動いちゃう。それでも全然怒られなかったし、愛されていることを疑うことさえなかった。とても恵まれていたと思います。 いちばんひどかったのは3、4年生のころ。先生にダメって言われることは全部やってました。人をびっくりさせたい、盛り上げたい、笑わせたいっていう気持ちが抑えられなくて(笑)」

宿題は一切やらない。忘れ物も多い。忘れ物をすると印をつける用紙が貼り出されていたが、忘れ物が多すぎて井本さんのところだけ枠が足りなくなり、紙をつけ足されるほどだった。それさえも人と違うことは喜びだった。立ちションをしてどこまで飛ばせるかを競ったこともある。 中2のころ、教師になると思った 「公園で友達と遊んでいたら、その子のお母さんが来て、ハルちゃんと遊んじゃダメでしょ、って連れて帰っちゃうことも。学校にも苦情がたくさん来てたみたいですね。母親が授業参観で学校に来ると、仲よかったお母さんに知らん顔されたって言ってました」

人をいじめることはなく、友達が笑って喜ぶことを率先してやっていただけだが、家に苦情の電話がかかってくるたび、母と一緒に謝りに行くのが日課のようなものだった。 「勉強しろって言われたことは1度もないんです。世間とか常識とか、そういうこともあんまり言われたことがない。うちはみんな自由な家系なんですね」 そんな状態から中学受験に向かったきっかけは、いちばん仲がよかった友達と遊べなくなったことだった。

「理由を聞いたら受験をするから塾に通い始めたって言うんです。僕は野球に夢中だったんだけど、塾の日と重なっていたから“野球やめる!”って宣言しました。家族はみんな驚いていましたね」 たまたま通い始めた個人塾の先生は破天荒で、塾長の人柄や勉強の面白さにのめり込み、エネルギーがすべて勉強に向くと、問題行動はピタッとなくなった。

「僕みたいな子どもでも親が面白がって自由にさせてくれたこと、あんなに好きだった野球をパタッとやめ塾に行き始めたこと、よくわからないまま入った栄光学園が自由な学校だったこと、そういうことすべてが僕にとってはすごい縁だし、何か意味があるんじゃないかと思うんです。あのときのやんちゃな僕がいたから今があると思います」 栄光学園は井本さんにとってかけがえのないホームとなった。中学1年生から、大学の4年間を除くすべてを、井本さんは生徒として教員として栄光学園で過ごしてきた。栄光学園の自由な校風も井本さんにフィットしたという。なかでも、校長が言ったこの言葉は今でも忘れない。

「人に迷惑をかけるなとよく言うけど、そんなことは思うな。100人のうち100人が違うと言っても、自分がそうだと思ったら人に迷惑をかけてでもそれをやり抜きなさい。そのかわり、人が自分に迷惑をかけてもそれを認めなさい」 ダメと言われるとやりたくなる井本さんにとっては、ベストな学校だった。 井本さんは中学に入っても、学校帰りの電車に迷い込んできた蝶々を見つけると車両の端から端まで追いかけるなど幼さは抜けなかったが、中学2年のころには、「栄光学園で数学教師になる」とすでに思っていたという。「なりたい」や「なるぞ」という強い意気込みではなく、きっと自然な流れでなるものだと思っていた。

「僕ね、不思議と何かの節目に、急に言葉が降りてくるような感覚があるんです。野球をやめると言ったときも自分でびっくりしたし、中学のときも、校舎の外階段を上がっているときに、『よし、勉強するぞ』って、ボッていう音が聞こえるくらい一瞬で発火したような感覚になったんですよ。そこから高3の受験が終わるまで毎日すごく勉強しました」 もともと好きだった数学は、中学1年生の最初のテストで60点だったが、定期試験のたびにテスト問題を自分で作って楽しみながら勉強した。2学期は66点、72点、3学期は84点、100点とどんどん上昇。 一方、数学以外の教科は、すべていい成績をとることを目指して効率よく勉強した。

東大合格の日は自宅に帰らず 「英語がいちばん成績よかったけど、やっぱり身にはついていないんです(笑)。テスト勉強ってまじめにやればできるけど、やっぱり本物の力は、おもしろがって自分で問いを立てたり考えたりしないと身につかない。 数学は、小学校5年生のころから問題を作っていて、あるとき塾の先生に問題を出したら、先生が僕が考えていたものとは違う答えを出したんです。僕の答えも正しいのに、違う答えがあった。そこに本質的な面白さを発見して、それから算数の問題を作るのがすごく面白くなりました」 中学、高校と成績もよく、東大へ。何がなんでも東大というよりも、受けてみたら合格したとサラリと話す。

「たまたま東大に入ったけど、どこでもよかったんですよ。教員になるつもりだったけど教育学部に行こうとも思わなかったし、何も考えてなかった。数学が好きだから入って、勉強もせずにテニスのサークルに明け暮れた4年間でした。親友ができたのも大学時代。あの時期は毎日、本当に楽しかったな」 東大の合格発表の日、結果を見た井本さんは、すでに結婚して家を出ていた姉の詠子さんの家に公衆電話から電話をした。 「えーこ(詠子さん)、俺、受かった。このまま友達の家に泊まって今日は家に帰らないから。よろしく」 家族にとって、井本さんが東大に進学することは喜ばしいことだった。それは当然のことでもあるが、詠子さんは、弟がそのことを嫌がる気持ちもよくわかっていた。

「ハルは昔から、頭がいいとか何かができるということでほめられるのが大嫌い。なのに、父も祖父も、ハルがすくすく育って栄光学園や東大に進学することが自慢だったんですよね。近所の人にもうれしそうに話すし、お祝いだって大騒ぎしちゃうから嫌だったんだと思います。でも皮肉なことに、掲示板の前でハルが胴上げされてる写真が偶然、新聞に載って、バレちゃって。それを見て両親は喜んでましたけどね(笑)」 兄の温也さんは脳性小児麻痺で、松葉杖を使っていた。井本家では、家族はみんな障害について全く特別扱いすることなく、きょうだいも対等な関係だった。養護学校(現特別支援学校)の友達が来て一緒に遊ぶことも、井本さんや詠子さんの友達が温也さんと遊ぶことも自然なことだった。きょうだいゲンカだってお互いに手加減しない。「優しくしなさい」「手伝ってあげて」などと言われることも全くなかった。 しかし、井本さんは、そんな環境の中で子どものころからずっと考え続けていることがあった。

「僕、走るのも速かったんですけど、成績がいいとか足が速いとか、そういうことは人生にとって本当に価値があることじゃないと思ってた。なぜかみんなにほめられるけど、僕がすごい人間だから足が速くなったんでも頭がよくなったんでもない。それが偉いなんて全然思わなかった」 井本さんは幼いころ、祖父母から天国や地獄など、目に見えない世界の話をよく聞かされていた。「死んだらどうなるんだろう」と考えることも多かった。 「自分がどっちに行くのかなってときどき考えてましたね。足が速いとか頭がいいから天国っておかしいでしょ? だから、持って生まれたものに、いいとか悪いとか、そんな不公平なことはあるはずがないという感覚がずっとあった。努力して手に入るものも同じです。努力できる環境がたまたまあっただけのこと。僕がたまたまこんなふうに生まれただけで、ほめられることもイヤだった」

サークルの人気者“イモニイ” 姉の詠子さんは、その話を聞いて、ふたりの弟についてこう話してくれた。 「アツ(温也)は、気持ちはすごく活発で、たぶん健常者だったら好きなところへビューンと行ってしまうような子だったと思います。だから、ハルをうらやましいと思うこともあっただろうし、ハルもそれを感じていたんじゃないかな。 何かと親戚で集まって大勢で食事をすることも多かったけど、いつもハルが面白いことをして、みんなを笑わせていましたね。ほめられるのは嫌いだけど、そうやってみんなをほぐしてくれる存在でした」

東京大学の入学ガイダンスで、井本さんは、知り合いもなくポツンとひとりでいた山根隆男さん(53)に声をかけた。 「僕は2浪して京都から上京してきたから、知り合いもいなくてひとりで座ってたんです。あいつは友達に囲まれてワイワイ楽しそうでしたね。でも僕を見つけて声をかけてくれました。第一印象もその後もずっと、裏表のないスレていない感じ。 それ以来、大学時代はずっと一緒に過ごしました。研究室もサークルも、テニスのペアも一緒。あいつはひとり暮らしの俺の家に入り浸って、家庭教師のバイト先からうちに“井本先生いますか?”って電話がかかってくるくらいでした」 同じテニスサークルで親友になった内山堅介さん(52)も、当時の様子を教えてくれた。

「東大って、大学デビューのやつが8割9割いるんですけど、あいつはホントにピュアで素直。最後まで全く変わらないやつだった。よく、からかったりしていましたね。あいつは人をとにかく喜ばせたい。いじられるのもOKだし、歌もうまいし、盛り上げ役。間違いなく人気者で、あいつがいたから僕たちも大学時代、本当に楽しかった。 “イモニイ”という呼び名も、大学で後輩から呼ばれるようになったんです。テレビ(NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』)で見たあいつと生徒とのやりとりなんて、サークルでの俺たちとのノリとほとんど同じです(笑)」 授業はどれも単位が取れるギリギリの出席日数で、テニスコートの予約をするため出席の返事をしてすぐに教室の窓から抜け出していた。テストではクラスメートに助けてもらいながらなんとか単位を取得した。それでも、教職のための授業は欠かさず出席していたという。

「井本は、世の中のしがらみとか、世間を上手に渡っていくとか、大人の忖度とは無縁の人間。企業とか絶対に向いてない。学生時代から子どもも好きだったし、教師は合っていますよね。今、すごく楽しそうでよかったなと思います」(山根さん) 天真爛漫だった井本さんが「真っ暗闇だった」というのが教員になった20代の数年だ。外では明るくいつもと変わらない様子で、友人や離れて暮らす家族からは何も気づかれないほどだった。 栄光学園の先生たちにも相談することなく、ひとりでずっと抱え込んでいた。教師としてというより、人としての自分に葛藤していた。 それまでは「自分のことをわりといいやつだと思っていた」はずだったが、公私において、自信をなくすきっかけとなることがいくつも重なったのだ。

教員生活で味わった「人生の暗闇」 栄光学園の教師になって1年目、大学時代から長く付き合っていた彼女にふられた。「大切にしていたつもりが、実は自分のいいようにコントロールしてたんじゃないか」と、ただただ彼女に申し訳なくなった。それまであった自分のあらゆる自信が一気に吹き飛んだ。 学校では新人の教員がいろいろな提案をしても、会議の議題にさえ取り上げてもらえない。自分では生徒たちに自由でいてほしいと思う一方、生活指導の担当になったときには服装を注意したり、厳しく叱ることも時折あった。 叱らないようにしようとする自分の行動さえ、「本当はイラッとしているのに、生徒によく思われたいから大目に見ているだけじゃないか」と思い始めた。

学校では笑顔で過ごし、生徒たちの前では明るくいい先生として振る舞える。生徒や保護者から慕われて、「井本先生は素晴らしい」と保護者に言われても、「本当の自分はこんなんじゃない」と自分のエゴが許せない。 ひとり暮らしの家に帰ると、自分で自分のことを罵倒する日が続いていたという。 教員7年目のある朝、起きると熱があった。学校に電話をして休むことを伝えると熱が下がる。そんなことを数日繰り返し、ふと気がついた。

「俺、不登校の生徒と同じだ」 慌てて着替えて学校に行き、午前中ずっとカウンセラーに話を聞いてもらった。抱えていたことを一気に吐き出すと、カウンセラーがこう言った。

「井本さんの中には、ものすごくおおらかで自由な軸と、ものすごくストイックな軸がある。それがぶつかってるから苦しいんだね。本当の自分はどっちだと思う?」 井本さんは答えられなかった。

「じゃあ、子どものころの井本さんはどっちだったの?」 それにはすぐに答えられた。

「自由でおおらかだった」 そして、思い出した。

「僕は本来、正しいとか正しくないとかどうでもよかった。人を笑わせたり、驚かせたり、緊張を解くことにしか興味がなかったんだ」 カウンセラーと話したことで、「この苦しさはずっと続くわけじゃない。いつか楽になるときがくる」、そう思えるようになり、少し楽になった。それでも、問題を抱えている生徒を担任することが続き、生徒に寄り添える先生でありたいという理想と、自分のずるさとの葛藤の中での苦しみは続いた。

「うわべで生徒と触れ合うことはできても、心の底から本当に思っていないと、その子の本当の力にはなれないんです。不登校の生徒や、家庭環境や本人の状況がとても難しい生徒に力になれない自分が嫌になっていた。だけど、あのときがあったから今の僕がある。そう思います」

「教師だから」という枠からの解放 井本さんが「真っ暗闇だった」と呼ぶ時期を、当時、校長として見守っていた神父の関根悦雄さん(70)は、こう振り返る。

「彼は与えられた仕事はまじめに一生懸命やる。でも天真爛漫な面も見受けられる。そして、疲れていても悩んでいても、明るく振る舞うところがあるんです。頼まれ、やると決めるととことんやってしまうので、そのあたりのバランスも難しかったと思います」 井本さんが担任を受け持ったある生徒が留年をしたときのことだ。責任感から、「勉強しろよ」「ちゃんとやっとかないとダメだぞ」などとその生徒に声をかけていた。しかし、その生徒は学校をやめてしまった。

「教員としてその生徒のためを思っての行動だったけど、それがさらに彼を追い詰めたんじゃないかと思いました。そこで、自分が人としてやりたくないことはもうしないと決めました。彼がそのことを教えてくれたんです」(井本さん)

それ以来、「教師だからこうするべき」という枠から解放された。生徒たちに服装を注意し、厳しく指導することはなくなった。学内やライブハウスなどで歌ったり、藤沢の養護施設に学習支援に出かけたりするようにもなった。 立場に縛られず、子どものころの自分のままで、生徒たちにちょっかいを出す。すれ違いざまに脇腹をチョンッとつついたり、肩や頭をポンッと軽く触ったり。愛情を振りまきながら校舎を歩く。

井本さんを見つけた生徒たちが、「イモニイ!」「パンツ見えてるぞ!」「早くお嫁さんもらえよ!」と声をかけると、その場にいるみんながドッと湧く。「イモニイ」の周りにはいつも子どもたちの笑顔があふれた。 気がつくと、自分のままで子どもたちに接することができるようになっていた。 「私の教員時代にも退学した子はたくさんいますが、大事なのは栄光を卒業することではなく、その生徒が自分として育っていくことです。何より井本さんは人が大好きですね。学校はどうしても生徒の評価をしなければならない場所ですが、それ以前に人として愛することが大切で、彼はそれができる。

栄光学園のMEN FOR OTHERS、WITH OTHERS(人のための人、人とともにある人)ということを彼は実践している。素晴らしい卒業生であり、よい教員ですよ。生徒たちと友達のように近しい関係も、うらやましいくらいです」(関根さん) 生徒たちと深く関わり、苦しみながら、自分自身を見つめ直す井本さんがいたからこそ、今のような子どもたちへの視点が培われてきたのかもしれない。

心が動くとまっすぐその方向に動く人 また、サッカー部の顧問を通して、子どもたちと違う角度からの関係性も構築してきた。ともに顧問として活動に関わった栄光学園の数学教員・日野俊一郎さん(45)は、井本さんが暗黒の時代を抜けたころに栄光学園に教師として勤め始めた。

「数学教師で論理的思考についての授業をしていますけど、普段の井本先生は論理的というよりも感覚的。心が動くとまっすぐその方向に動く人です。理屈で動いていない。僕のような後輩の意見もいいと思えば取り入れてくれるし、大事にしているのは何よりも生徒なんだっていうことがすごく伝わってきます。 テレビや本の取材を見ていると、悟りを開いた人のようにも見えるけど、サッカー部の顧問としては、もう子どもたちが可愛くってつい口だしちゃうような面もありました。人間味があって魅力的な人です。“数学を教えるときと違って、サッカーはイライラしちゃうんだよなあ”ってよく言ってましたね。非常勤になってからさらに解放されて、これまで以上に楽しそうです(笑)」

ウロウロ、ニヤニヤしてればいい 「栄光の子どもたちの数学の授業だけを見た人には、“進学校の子だからだよね”と言われることがありますが、僕はいろいろな状況の子どもたちと関わっています。どんな子どもにも言えることは、ありのままを認めれば、子どもたちは自ら最高に輝きはじめるということなんです」

主宰している『いもいも』は、数理的思考力の教室として3年前にスタート。今では、栄光学園の卒業生や、さまざまな先生とともに「表現・コミュニケーション」「言語的思考力」「あそび・てしごと」など多岐にわたる教室を開催している。

井本さんと栄光学園の同期生でもあり、料理研究家、編集・ライターとして活躍している土屋敦さん(51)は、3年前に井本さんに再会。当初は、子育て中のひとりの親として興味を持ち、井本さんの教室を見学。そのときのやりとりに衝撃を受けたという。 「子どもを伸ばすにはどうするの?」 「伸ばさないよ。勝手に伸びるんだよ」 「いいところを伸ばさないの?」 「いいところって何? それって大人が勝手に決めてる価値観じゃん」 土屋さんはポカン。何か大事なことを言っているようだが、よくわからなかった。もっと知りたいと見学しているうちに井本さんの子どもたちとの関わりに共鳴し、教室に毎回参加するようになり、今では『いもいも』の「読書・言語表現教室」を担当するようになった。

「子どもってひとりひとり違うから、その子への関わり方とか声かけの方法を言葉にできないですよね。ノウハウにするのも違う。言葉にした途端にウソくさくなる。僕は言葉で仕事をしてきたけど、今、言葉にできなくなっています(笑)」 そして、土屋さんが栄光学園で料理のゼミを始めたとき、井本さんにアドバイスを求めると、こんな答えが返ってきた。 「ウロウロしてニヤニヤしてればいいんだよ。子どもたちに、料理って楽しいなって伝わればいいんだ」 「井本らしいですよね」と、土屋さんは笑う。

目指すはマザー・テレサと脱教室 井本さんはこれまでを振り返り、「強い意志や目標を持ってチャレンジしたわけじゃなく、流れのままにいろいろなことをやってきただけ」と言う。だけどたったひとつ、目指すところがある。

マザー・テレサが亡くなった'97年、放送された番組でのマザー・テレサの言葉を井本さんは鮮明に覚えている。 「死にそうな人たちをここへ運んできて、死を迎える前にきれいにし、安らかに逝っていただくようにしているのは、犠牲の精神からではありません。彼らの中に私の大好きなイエス様が見えるから、イエス様に仕えることができて本当に幸せなのです」

井本さんは、マザー・テレサが自分を犠牲にしたのではなく、素晴らしい宝物を相手の中に見つけて、そこに触れ合う自分に幸せを感じていたことに共感したという。 「僕は特定の宗教を信仰していないけど、あの言葉は僕の目指すところかもしれない。マザー・テレサから見れば、死を待つ人たちは、たとえるならダイヤモンドのようなもの。僕も、どの子を見てもどの人を見ても、『最高!』って心から思えるようになりたいんです」 数学教師の枠を超越していますねと尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「そうだな。数学教師じゃなくてもいいのかも。子どもを伸ばすとか、教育を変えるために自分を犠牲にするとか、そんな気持ちは全くない。ただ、子どもたちが生き生きしていると僕が幸せになるだけ。 たまたま僕が得意だった論理的思考の授業は世間的に価値があるかもしれないけど、論理的思考なんてなくたって生きていける。好きな人だけやればいい。

子どもたちは、安心してありのままでいられる環境さえそろえば、勝手に自分で輝きはじめる。子どもたちにそういう場があるのなら、『いもいも』だってなくなってもいい」 井本さんと土屋さんは、現在、自然豊かな葉山の山の中で「葉山 里山の学校」というプログラムも行っているが、子どもたちとさらに自由に自然の中に出かける新たな教室を『いもいも』で10月から始める予定だ。 「教室を飛び出し、自然の中で生き生きと動き出す子どもたちを思い浮かべるだけでニヤニヤしちゃいます」と、井本さん。 自分がワクワクするほうへと迷いなく突き進むその横顔に、やんちゃな少年とマザー・テレサが重なって見えたような気がした。

(取材・文/太田美由紀) おおた・みゆき 大阪府生まれ。ライター・編集者。育児、教育、福祉、医療など「生きる」を軸に、雑誌、書籍、テレビ番組などに関わる。初の著書『新しい時代の共生のカタチ 地域の寄り合い所 また明日』(風鳴舎)が好評発売中。 〔2020年10/19(月) 週刊女性PRIME〕

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山内哲平 難関私立中を「途中退学」した少年の驚きの現在 中学受験で志望校に合格したのに、その後、思いがけぬ進路に進むことになった少年の現在は…? 最寄りのコンビニまでは徒歩30分以上、のどかな田園風景が一面に広がる。 地方にある全寮制の中高一貫校に通う山内哲平君(仮名・高校生)。神奈川県出身の彼は、中学入試で首都圏の難関大学付属校に見事合格したが、のちに退学。親元から遠く離れたこの学校に転校してきた。 「東大・京大への合格者が多い学校」ランキング 彼にいったい何が起きたのか。その経緯を知ると、どの家庭にも起きうることと多くの親がハッとするかもしれない。

■「ほかの子と違います」と言われ続けた幼少期 「幼児期から“この子はほかの子とは違います”と保健師さんから言われ、支援グループに参加することもありました」 そう話すのは哲平くんの母親の香さん(仮名)。 哲平君は、幼少期に発達障害の検査を受けたが、結果はボーダー。障害とは認定されなかった。ただし、平均より8カ月ほど遅れがみられるとされ、母親は哲平君とともに毎月、児童相談所に通った。

だがその後、家族の事情で小学校のお受験をすることに。ここから哲平君の人生は思いもよらぬ方向に動き出していく。 哲平君が年少のときのこと、母親の香さんに異変が起きた。乳房にしこりが見つかったのだ。医師の診断を経て経過観察をしている数カ月のうちに、病気は進行。あるとき帰省先の九州でしこりが大きくなっていることに気がつき病院に行くと、告げられたのは「乳がんで、すぐに治療をはじめなければ余命は1年」との言葉だった。 病気の進行が早く、決断を迫られた香さんは、長男の哲平君を神奈川へ戻し、哲平君の2歳下の娘と2人で九州に残ることを決めた。幼い子ども2人を見ながらの闘病は厳しいという医師のアドバイスに従ってのことだった。 神奈川に戻った哲平くんの面倒は、夫の両親や姉が泊まり込みで見てくれた。結局、香さんが神奈川の自宅に帰るまでには約1年がかかった。

戻ると、哲平君は夫の家族の判断で、小学校受験をする子の多い園に入園していた。後でわかったことだが、「ボーダー」と言われた哲平君に必要な療育と、お受験のための学習はとても似ており、確かに彼には合っていた。動物のカードなどを使い、何の動物か当てるクイズなど、療育で行うグループワークと似た内容は少なからずある。 「哲平はお受験のお教室にも通い始めていました。習い事として始めさせたとのことでしたが、夫とも話し、中学受験は息子には大変そうだから、大学まである小学校にお世話になろうかと、大学付属の小学校受験をすることにしたんです」 結果は合格。しかし、小学校に入ると、ほかの子どもたちとの違いが目立つようにもなり出した。とにかく集団で同じことをやるのが苦手。日々の板書にも苦戦した。

それでも、哲平君のそんな性質を担任や、世話好きの級友たちが理解してくれ、普通学級での生活を送れていた。学校生活を楽しみ、3年生では学級委員に選ばれるほどに。 ところが、その頃から友達からいじめられるようになったという。合唱コンクールの練習などでひな壇に上がれば後ろから蹴られる、「お前は先生の犬だ」などと中傷される。耐えかねた哲平君は、テスト用紙に「ぼくはいじめられています。たすけてください」とつづった。 学校側との話し合いも持たれたが、こうした言葉による小さないじめは4年生まで続いた。 「担任の先生が盾のようになって息子を守ってくれたこともありました。5年生に上がる面談では、いじめている子とは違うクラスにしてほしいと伝えたところ、希望どおりになりました」 これで安心と思えるはずだった。だが、不幸にも、ここでボタンの掛け違いが起こってしまった。

■理不尽に詰め寄る担任との攻防 5年生で担任となったのはまだ教師経験の浅い教師だった。担任教師はこれまでの担任たちとは異なり、哲平君の性質を特性と見ることはせず、手厳しい指導をした。 成績的には系列中学に上がれるだけのものを取っていた。だが、担任教師は、彼の協調性のなさや、宿題をやってこない態度が気に入らなかった。実は、このクラスはほかのクラスより宿題自体が多く、哲平君がそれに対応するのは困難を極めた。そして、行われた保護者面談。 「私が推薦状を書いても、この協調性のなさでは送った先からなんで推薦してきたんだと言われてしまいます。他校へ移ることを考えてください」 そう担任教師は詰め寄った。 大学まで安泰と思っていた山内家にとってはあまりに大きなショックだった。

香さんは急いで受験塾を探した。入塾したのは臨海セミナー。しかし、手応えはいまひとつ。そこで、夏期講習は地元では有名な個人経営の塾に。だが、夏休み明け前の面談で「うちでは引き受けられない」と塾側から言われてしまう。理由は、宿題をやってこないからというものだった。 「学校の宿題をやりつつ、うちの塾の受験勉強についていくのは難しいと言われました。今の私立小をやめて、公立小に移るのなら引き受けますということだったので、さすがにそれはきついと、諦めたんです」 臨海セミナーに通うことにし、中学受験へ突入した。母親の香さんも必死だ。がんとの闘いも続くなか、自宅から1時間圏内の学校はすべて見学するつもりで回った。 5年生の夏休みから足を運んだ学校数は26校にも上る。その中から選んだのはやはり大学の付属校。本人の「共学校がいい」との希望も考慮し、志望校を選んだという。 5年生の夏期講習以降、成績も安定し、十分に中学受験に立ちむかえる学力をつけていた。志望校に据えたのは難関私立大学の付属校と、推薦をもらえなかった現在通う小学校の系列校など6校。

■父母間で食い違う意見 結果は第一志望の明治大学付属明治以外はすべて合格。ここで、父母間で意見の対立が起きる。 母親の希望としてはもともと在籍してきた小学校の系列校に行かせたかった。ところが父親は、それに反対。別に合格をもらった難関私立大の付属校のほうがネームバリューや総合大学だという点で勝っているというのだ。 「元の系列校なら、小学校から息子を知っている子たちが一定数います。私は、その中で暖かく見守ってもらうほうがいいと思ったのですが、結果的に夫の意見に従う形になりました」 この決断が誤っていたと気づくのは、入学してすぐのことだった。入学後、GW開けには毎週のように学校から電話がかかってくるようになった。 「お宅の息子さんは普通じゃありません。検査を受けてください」 学校側からの電話は、大筋この内容だった。この学校も宿題が多く、哲平君はそれをこなせていなかった。そのために大好きな部活動にも参加できない状態が続いていた。

哲平君は小学生の頃からブラスバンド部に所属、パーカッションを担当しており、かなりの腕前になっていた。中学でも演奏ができる部に入部したが、同校には宿題が終わらなければ部活動に参加できないというルールがあったのだ。 「試験を受けるのは大好きで、中学受験のときも模試は苦になることはなく、どちらかというと“もっと受けたい”と思うタイプで、得意だったんです。でも、普段の学校ではノートを取ることが苦手で、宿題をやるのも難しかったのだと思います。 小学生の頃は学校の手厚さのおかげで、幼少期にボーダーだと言われていたことが見えにくくなっていたのかもしれません……」

学園祭で部活の公演を見に行くと、哲平君だけが舞台の隅で立っていた。部活への出席が少なかったため、パートを与えてもらえなかったのだ。 学校側は「とにかく検査を」という。香さんはすぐにでも受けさせたかったが、ここでも父親が立ちはだかった。 「おれの息子が普通でないはずがない。検査なんて必要ない!」と、許さなかった。 検査をしないと学校に伝えると、学校から毎日のように連絡が入るようになる。 「“今日はこんなおかしい行動がありました”“今日はここがヘンでした”“学校での様子を見に来てください”と、毎日毎日言われるんです。電話が鳴るのが怖くなりました」と香さんは振り返る。

一人授業参観のように、香さんだけが教室で様子を見学する状態も続いた。 子どもの発達障害について、親が受け入れられないケースが多いという話は教育関係者からよく聞くが、山内家の父親はまさにその典型のようにも見える。 教員たちも慣れないことで、緊張の日々が続いていたのだろう。ある日、教科担当の教員が哲平君に暴言を吐いてしまう。 手のかかる哲平君の席は教卓の前。授業中に隣の友達と小声で話をしていたところ教員から注意された。哲平君が口答えをしたのだろうか、教員は「おめーが普通じゃないんだよ!!」と、哲平君の机を蹴ったというのだ。 後日、学校側との話し合いの場において示されたのは「口調はそのような言い方ではなかった」というものだったが、哲平君の耳には強烈にそう響いた。

■不登校になり、家庭内で不満を爆発させるように… 哲平君は学校に行きたがらなくなり、ある日、電車に乗ったまままったく違う駅に降り立ち迷子に。たまたま電話が取れなかった香さんに代わり、学校側は父親の勤務先に連絡を入れた。哲平君を見つけたのは父親だった。哲平君はその後、さらに学校を休みがちになった。

「お父さんに言われたからこっちの学校を選んだけれど、自分はどちらでもよかったんだ!」 好きな部活動にも参加できず、教師からは変人扱いされる学校。哲平君は家の中で、不満を叫ぶようになっていった。 結局、父親が検査を許可したのは秋も深まる季節だった。 11月から各種検査を受けはじめ、結果が出たのは翌年の1月、診断はADHDだった。診断結果を学校に知らせると、中学は卒業できたとしても、付属高校へは上がれないと宣告を受けた。「クビ宣告ですよね」香さんはそう表現する。

学校に行かない日々が続く中、哲平君は妹や母親に手を上げるようになった。このままではいけないと、探し出したのが現在通う、全寮制の学校だった。 「小学校時代のお友達がこの学校を考えていたことがあり、不登校になっている子を受け入れてくれると聞いていました」 近年、個性を受け入れてくれる学校として話題になっている学校だ。しかし、ここは全寮制の学校。中学生で親元から離すことには戸惑った。だが、今の状態がエスカレートすれば、家庭内暴力へと発展する可能性もある。

■学校選びは親の基準ではなく… 見学に行くと、はじめは「こんな田舎はいやだなぁ」と後ろ向きだった哲平君だったが、優しい先輩たちの姿と活発な部活動にひかれ「高校卒業までの限定なら、ここでやってみようかな」と前向きな気持ちへと切り替わった 。

今の本人の目標は東京大学に合格することだ。コロナの影響でまだ入部できていないが、高校では憧れの部活にも入りたいと意欲を燃やす。 「彼を受け入れてくれた今の学校には本当に感謝しています。中学受験は偏差値、ネームバリューを気にしがちですが、子ども本人の直感のようなものを大事にしてあげることも必要だと思います。わが子の経験からお伝えできるのはそのくらいです」 と香さんは言う。 社会に出るときのことを考えて、ネームバリューのある大学へ進学させたいと願うのも親心だろう。しかし、山内家が最後にたどり着いたのは、そのままの息子を受け入れて伸ばしてくれるかどうか、という基準だった。

子どもの人生は子どものもの。親の人生ではない。親の基準で学校を決めた場合に、その影響を受けるのは、ほかならぬ子ども自身だ。哲平君にとってはあまりに過酷な数年間だったが、今やっと彼は穏やかで前向きな学校生活を送っている。学校選びの姿は、本来はこうあるべきではないだろうか。 本連載「中学受験のリアル」では、中学受験の体験について、お話いただける方を募集しております。取材に伺い、詳しくお聞きします。こちらのフォームよりご記入ください。 〔2020年8/25(火) 東洋経済オンライン〕

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友達関係で困ったときの対処策 我が子が仲間外れ…その時「正解」の親の声掛けとは? ベネッセ 教育情報サイト いつの時代も変わらない?! 中学生の我が子が友達関係で困ったときの対処策

中学生に入ってから仲間外れにされたり、悪口や陰口を言われたりして傷つくといったトラブルを耳にした保護者の方もいるのではないでしょうか。 子どもが中学校の友達関係で悩んでいるとき、保護者としてできることについて紹介します。 問い詰めるのではなく「聴く」「共感する」「信頼してもらう」 子どもに人間関係の悩みを抱えている様子があるとき、つい「なにがあったの?」「大丈夫?」と聞きたくなりますよね。でも、まずは落ち着きましょう。

人間関係のもつれが原因で深刻な事態になってしまった中学生のニュースが頭をよぎりますが、あまり前のめりになるのは悪手になる可能性があります。 もし、あなたが人間関係で悩んでいるとしたら、「まずは話を聞いてほしい」と思うのではないでしょうか。 事態が悪化する前に子どもから相談してもらえるように、子どもの信頼関係を大切に行動したいですね。 相談されたときの傾聴ポイント

・言いたいことは何か考えながら聴く ・伝えたいことは何か考えながら聴く ・子どもの立場になって話を聴く ・安心して話せる環境を作る

子どもの自力解決か親が出るのかの境界線とは 思春期の子どもは、「親や友達と異なる自分独自の内面の世界があることに気づきはじめるとともに、自意識と客観的事実との違いに悩み、様々な葛藤(かつとう)の中で、自らの生き方を模索しはじめる時期」にあります。(引用:文部科学省 子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題) 中学生に入ってから友達トラブルが多く発生するのもそのためです。基本的には当事者同士で解決を図ってほしいですが、深刻なケースは保護者が前面に立ち、子どもを守る必要もあります。

「もし大人同士であったなら、関連機関に通報・相談するか検討するレベル」であるなら、保護者が対応することを検討しましょう。 中学生活は人生の全てではない!逃げ場を準備しておこう 学校で過ごす時間が一日の大半を占める中学生にとって、学校でのトラブルは周囲が思う以上に重いものです。

保護者として「中学生活が人生の全てではない」「学校に行かない選択肢を取っても、学業がなんとかなる手段がある」といった、辛い場合の逃げ場を用意しておきたいですね。 文部科学省による不登校に関する施策例

・教育支援センター ・スクーリング・サポート・ネットワーク ・一定要件を満たした場合の出席扱い ・中卒認定試験の受験資格の拡大

まとめ & 実践 TIPS 中学生は、思春期も始まり、未熟な人間関係力や思春期特有の自我などが重なって人間関係のトラブルが発生しやすくなります。

ニュースなどから嫌な発想をしてしまいがちですが、子どもから相談を受けたら、まずは冷静に、良き相談相手になることを目指しましょう。

出典:文部科学省の不登校に関する主な施策 URL https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/futoukou/03070701/004.pdf

出典:子どもの徳育の充実に向けた在り方について(報告)3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題 URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/053/gaiyou/attach/1286156.htm

出典:神奈川県立総合教育センター長期研究員研究報告 14:31~36.2016 コミュニケーションを促す「聴き方」に関する研究 URL https://www.edu-ctr.pref.kanagawa.jp/kankoubutu/h27/chouken14/chouken14pdf/chouken14_06.pdf

プロフィール ベネッセ 教育情報サイト 「ベネッセ教育情報サイト」は、子育て・教育・受験情報の最新ニュースをお届けするベネッセの総合情報サイトです。 役立つノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで豊富なコンテンツを配信しております。 〔2020年9/27(日) ベネッセ 教育情報サイト〕


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子どものSOS 子どものSOSは3種類、サインに気づくには 心に寄り添う声がけは 専門家に聞く 学習と健康・成長

「子どもの問題には必ず大きな意味がある」と言う医師・臨床心理士の田中茂樹さん。これまで子どもの不登校や引きこもり、摂食障害、リストカットなど約5000件の保護者の悩みの相談に乗り、解決に向けてアドバイスしてきました。今回は中学受験をするうえでの勉強や習い事への考え方、子どもたちの心に寄り添う言葉かけについてお話を伺います。 話を伺った人 田中茂樹さん 医師・臨床心理士 田中茂樹さん

(たなか・しげき)1965年東京都生まれ。共働きで4児を育てる父親。京都大学医学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程(心理学専攻)修了。2010年3月まで仁愛大学人間学部心理学科教授、同大学附属心理臨床センター主任。現在は、奈良県・佐保川診療所で地域医療に従事する。著書は「子どもを信じること」(さいはて社)、「子どもが幸せになることば」(ダイヤモンド社)「去られるためにそこにいる」(日本評論社)など。 保護者は子どもに指示しない 自宅をリラックスできる空間に 学習と健康・成長

――中学受験などでストレスを抱えている場合に、保護者へのSOSのサインとして、子どもにいろいろな症状が表れることがあるとのこと。それはどのようなものでしょうか? 私は、子どもがSOSを出す方法が3パターンあると考えています。

1.周囲の人に向けるタイプ 親に対して反抗的な態度を示し、時には暴言や暴力をふるう。学校でいじめなどの問題を起こすこともある。

2.自分の体に表れるタイプ おなかが痛くなったり、熱や蕁麻疹が出たりと、本人の体に症状が出る。

3.内にこもっていくタイプ 内にこもって、気分が落ち込む。時には食欲がなくなり、眠れなくなることも。 人によって症状はさまざまですが、子どもは本来、大人よりもずっとのんきで明るいのが普通です。もしも、そのような状態でないのであれば、すでにストレスを抱えているサインかもしれません。

――なるほど。SOSのサインだと気づかなければ、保護者側でも子どもを叱ったり、なだめたりするでしょうね。 子どもは保護者のことが好きだから、基本的に言うことを聞くと思います。もし聞かなくなっているのであれば、すでに子どもにつらいことやしんどいことが起きている可能性があります。ひょっとすると、つらいことやしんどいことは外部との関わりだけでなく、家族内の関係性で起きているかもしれません。 よくあるのが、保護者が子どもに対して何から何まで指示してしまうケース。保護者が子どもの1日のスケジュールを決め、タイムマネジメントもする。子どもは褒められたいし、保護者の喜ぶ顔が見たいので、そのスケジュールを一生懸命こなそうとするかもしれません。でも、遅れが出てきたりすると、それに伴う不安や焦燥から、保護者への反発が起こるようになります。

――保護者には葛藤が生じますよね。勉強させたい、でも、のびのびもさせたい。 のびのび“させる”という言い方をしているけれど、のびのびは“する”もの。“させる”は、子どもへの指示です。そのような、子どもを思い通りに動かそうとする言葉を気づかない間にたくさん使ってしまっていませんか。一度意識を向けてみましょう。 子どもがSOSを発信している場合、家ではリラックスできる環境を作るのがいいです。そのためには保護者は子どもに指示しないで過ごすこと。“子どもをどう変えるか”ではなく、コントロールしようとする自分を手放して諦めるんです。

――保護者側の考え方を変えるということですか? そうですね。この部分がすごく大事なところで、保護者に「あなたの態度を変えるのが一番ですよ」と言うと、「じゃあ、子どもが苦しんでいるのは私のせいですか?」となるんです。 そうじゃない。子どもはひょっとすると、塾でいじめにあったり、先生から暴言を吐かれたりしているかもしれない。でも、どんな理由が背景にあったとしても、子どもは家でリラックスして、機嫌のいい保護者のそばで過ごせたら回復するんです。外でつらいことがあっても自分で何とかしようと乗り越えていける。子どもにとっての家族とは、自分を育てていく場所であり、回復させる安全基地なのです。

子どもの幸せを願う姿勢を大切に

――自宅が安全な場所だと感じてもらうには、どんな方法がありますか? 例えば、何の理由もない日に子どもの好きなお菓子を買ってくるのもいいですね。そこにテストでいい点を取ったからなどと理由をつけてしまうと、努力するのが保護者のため、もしくはご褒美のためになってしまいます。 保護者はそもそもの原点を見失わないようにしていただきたいですね。例えば、中学受験をするのは、それが子どもの幸せにつながると信じているからでしょう。もしも受験を嫌がって泣き叫んでいる子がいたら、本当に幸せにつながっていくのか、立ち止まって考える時間を持ってほしいです。

本来であれば、子どもが自ら「やりたいこと」を選ぶべきです。歴史が好きだから社会科を一生懸命にやるとか。すると、ちょっと疲れたから休憩しようかなと、自分で調整できるようになります。保護者が監視して強制するのはやめた方がいいと思います。

――塾に通う過程で習い事などを整理するご家庭もあると思いますが、子どもの意思とどの程度折り合いをつけるかが難しいところです。 「習い事を整理する」ことに関しては、まるで子どもにとって仕事を始める準備(就職活動)のようだと、驚いたことがあります。 私がかつてお手伝いしていたサッカーチームでも、小学4~5年生になるとやめていく子がいました。母親に促されて「お世話になりました。来月でやめます」と言ったあとで、振り向いて泣きだした子もいました。本当は三度の飯よりサッカーが好きだったり、友達とワイワイするのが好きだったりする子どもです。

その子の母親につい、「サッカーがあんなに大好きなのに、もったいないですね」と言ってしまったんですけど、「プロになるわけじゃないですから」って返されたんです。でも、それは違うと思いました。仕事にするためにサッカーをしているんじゃないはずだと。 その母親はさらに「中学生になったら、また始めたらいいから」と言いました。でも、その時にしかできないサッカーがあり仲間がいます。ほかのスポーツや習い事も同じだと思いますが、いろんなレベルの子がいて、幼い同士の仲間の中でこそ得られる経験がある。その居場所が子どものこの先の人生にどれだけ大切な意味があるか。親には想像しづらいのだと思います。

――保護者にとっても判断を迷う時ですね。 子どものSOSがわかりやすく表に出てきたら、保護者側も何らかの対処ができるでしょう。しかし、SOSが出ていなかったり、気がつかないまま過ごしたりすると、子どもはずっと保護者の言うとおり生きていくような人生を歩むかもしれません。 私は、保護者が迷った時に子どもが楽になる選択をすることが増えればいいなと思っているんです。子どもが一生懸命になれることをする。その方が、ずっと子どもの幸せにつながる。そんなことを私のような専門家が言っていたと思い出してもらえたらうれしいです。 勉強とは関係なく あなたがいてくれることが幸せだと伝え続ける 学習と健康・成長

――子どもに勉強を促す場面などではどのように声かけをすべきでしょうか? 保護者の「勉強をさせる」という意識から変えていく必要があります。「させる」ということはすでにコントロールしているから、子どもにとって自主的・自律的ではありません。 子どもが自分から勉強をするようになるためには、結局は、「あなたがいてくれることが幸せなんだよ」と伝えることが一番だと思います。

いろんな言い方や伝え方ができますよね。言葉じゃなくても目があったらニコッとほほ笑むとか、好きなおやつを準備するとか。あなたがいてくれることが私の幸せだと惜しみなく伝えていく。そうしたら、今度は子どもだって、「自分が何をすることを保護者は求めているか」についても考えはじめると思います。 ただ、子どもが保護者を喜ばせようとばかりするようになると、これは問題です。私自身、親から「勉強しろ」と言われたことは一度もなく、現役で東京大学へ入学しました。でも、私が勉強をしていたのは、「母親を喜ばせたい」という気持ちからでした。家族の中でつらそうにしていた母親が、いい点数を取るとうれしそうだったから。

その結果、大学に入ってもどうしていいのかまったくわからず、2カ月もしたら行かなくなりました。もっと本当に自分がしたいことをしておけば、あんなに途方に暮れることもなかっただろうと思います。 私が子どもと接していてよく思うのは、彼らはそんなに保護者に助けてもらいたいと思っていない。むしろ、保護者を喜ばせて笑顔にして、助けたいと思っている。 なぜかというと子どもが大人と対等になろうと成長し、さらには保護者が好きだから。弱い者として導かれ、守られるよりも、頼りになるものとして感謝されたいんです。

――「大人になりたい」という気持ちに近いですか? そうですね。子どもたちはいつも「ちゃんと認めてほしい」と思っています。それは、幼い時からずっとそうで、3~4歳の子でも下にきょうだいができたら、一生懸命に保護者の助けになろうとするんです。保護者はそういう子どもの気持ちを意識しておいたほうがいいですね。

――保護者は子どもと良好な関係を築くうえで、何を大切にすべきでしょうか? 子どもと関係を築くうえで大切なのは、大人も自分の人生を楽しむことです。忙しいとか、介護があるとか、いろいろな問題があるかもしれないけど、それでも隙間の時間があったら自分のしたいことをする。 自分の人生を楽しく生きている保護者を見せるのはすごくいい教育ですよね。自分もそういう大人になろうと、将来に夢が見えてくる。そうすれば、保護者と子どもの関係が守り・守られる関係から“仲間”へと発展し、良好な関係へとつながっていくと思います。 (編集:野阪拓海/ノオト)

ゆきどっぐ 〔2020年9/29(火) 朝日新聞EduA〕


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コロナ禍で大きく変わる“学び”の形 【#コロナとどう暮らす】水筒を生徒に見立ててカメラに授業。コロナ禍で大きく変わる“学び”の形 新型コロナウイルスの感染拡大により、この春、学校教育の現場は大きく変わった。

長期に渡る休校期間中、子どもたちの学習意欲や学校への所属意識は徐々に低下していく。それにどう維持していくのか、学校側は突如対策を求められたのだ。 その解決策の一つとして注目されたのが、インターネットなどを利用したICT教育だ。 ウェブ会議システムや動画を使った授業に急遽取り組んだ自治体は多かった。これまで触れたことのないツールを使った授業に戸惑い、奮闘する先生たち。一方で、これを期に企業が提供する授業アプリを導入し、生徒や先生たちの学びのあり方が変わってきたという自治体も。

“ウィズコロナ”時代の今、大きな変革の時にある学校教育の現場を追った。 顔が見えない授業と“いいね”ボタン 新潟県の長岡市立南中学校では5月の臨時休校中、ICTを使ったオンラインでの質問教室が行われていた。

オンライン授業を行う先生の隣には、モニターの変更など通信をサポートする先生も座り、2人1組のチームで授業に臨む。ウェブ会議システムを活用し、家庭にいる小中学生と学校をつないで、朝の学活や学習の疑問に答える質問教室に取り組んでいたのだ。 カメラで映したホワイトボードを黒板代わりに、「心臓から肺に向かう血液は酸素が少ないので、静脈血ですか動脈血ですか」と質問するのは20年以上教職を勤める土田宗明先生。 もちろんオンライン授業は初めてだ。 パソコンのモニター上ではホワイトボードの画面になっているため、生徒達の顔は見えないが、「静脈血」と返事が聞こえてくる。)

授業後に土田先生に初めてのオンライン授業について話を聞くと、「しっかりと話が伝わっているかどうかが、普段の授業では表情で分かるんですけれど、画面をボードに切り替えて説明している時に生徒の表情が見えないので、その時伝わってるかどうかが心配になった」と話すが、生徒たちはこのウェブ会議システムの “いいね”マークを利用して理解できたかを伝えていて、画面越しで伝わったことを確認できたことを喜んでいた。

20年以上対面で行ってきた授業。初めてのオンライン授業にやはり戸惑いもあるが、生徒たちのために「頑張って対応していきたい」と力強い目だ。 長岡市教育委員会の動きは早かった。2020年3月の最初の休校を受け、4月上旬には全ての家庭を対象にネット環境に関するアンケート調査を行い、ICTを利用した授業ができるかどうか確認を進めていたのだ。

その理由について、「3月の長期の休校があった時に、子どもたちが学校にいけない状況が続いて、学校への所属意識がだいぶ下がってきていて、少し意欲が低下していると。学習意欲の低下が一番怖い。そこで何かできることはないかと、学習環境をどう整えられるかということで調査をさせていただいた」と話す教育委員会の佐々木潤指導主事。 アンケートの結果全ての家庭にネットワーク環境や端末がそろっているわけではなかったが、長岡市は学習意欲を維持するために、オンラインでの学活や質問教室の実施を決断。端末のない家庭には、パソコンを貸し出した。 この取り組みを進めたこともあり、長岡市の先生は全員がウェブ会議システムを使用した授業を経験し、佐々木指導主事は「今後、1人1台端末がくるとなったときにも、長岡の先生方は、そういった使い方も力をつけてくれたので、生かせるかなと考えています」と話す。

動画学習で生まれる新しい学校教育の形 新潟県立教育センターは、休校による学習の遅れをオンラインでサポートしようと、4月から県内の小中学生に向け授業動画を配信している。作成した動画の数は200本にのぼり、制作は現在も続いている。 動画は全て教科書に沿った内容で、児童・生徒が家庭からアクセスし、学びを進めることができる。

教える側は、魅力的な動画づくりに懸命だ。 教室の中央にカメラを置き、生徒が使う机には3本の水筒が置かれている。 「できるだけ生徒がいると思って、視線を生徒がいる目印の方に合わせたり、生徒とのやりとりを想像しながら話をするようにしています」と水筒を生徒に見立て、ライブ感のある授業を目指していると話した。

出来上がった動画にはテロップもつけ、さながらYouTuberだ。 動画学習には、対面での授業にはない利点があり、その1つが「とめてボタン」の活用だ。 通常の授業の中でどうしても発生する理解のスピード差。問題を解き終わった生徒が待たされたり、急いでやらなくてはいけない生徒が出てくる中で、「動画を一旦止めて、自分のペースにあわせて学習を進めることができる」という。

今後、1人1台の端末が整備されれば、動画教材で授業を進め、教師は児童・生徒1人1人のフォローに専念するという新しい学校教育の形が生まれる可能性がある。 新潟県立教育センターの泉田雅彦次長はこの取組についてコロナ禍の教育以外にも活用が考えられると話す。

「まず緊急的なこととしては、新型コロナウイルス感染症の第2波・第3波に備えるという意味があります。そのほかの、例えば不登校で学校に来られない、病気で欠席をしている場合の対応であるとか、そういったことも考えられます」 コロナ禍で導入したアプリが授業のサポートに 一方で企業が作る“授業”を導入したのが愛知県の県立高校だ。

愛知県では、休校期間中の授業の遅れを取り戻すべく、6月からリクルートが提供する「スタディサプリ」というアプリの導入が始まった。動画に登場し授業を教えるのは、全てプロの予備校の講師だ。 動画は長くても1本20分から30分。単元ごとに細かく分かれていて、国語、数学など主要5教科・18科目、約4万本が見放題になっている。 スタディサプリは8年前、個人向けに始まったが、最近では学校単位での利用も増加しており、高校は現在全国約5000校のうち、半数の2500校が利用しているという。

さらに新型コロナ感染拡大後は、3カ月で600校以上の申し込みがあり、会員数は110万人にのぼる。 中学1年生からオーボエを始め、プロの演奏家をめざしている麦沢菜穂さんは、愛知県立明和高校の音楽科に通う3年生だ。 県内の公立大学への進学を目指しているが、休校期間中は「最初休みになった時は、ちょっと英単語覚えようかなとか、頑張ろうかなと思ったんですけど、結局大してやらなかったですね」と、あまり勉強はしなかったという。

大好きなオーボエの練習ははかどったというが、それ以外の科目の勉強はほとんど進まなかったそうだ。そんな彼女が、6月から「スタディサプリ」を使い始めた。 「目の前にいるみたいな感じでサクサク進んでくれたので。テンポ良く最後まで、あっという間に聴けました。学校の授業で受けてみて苦手だったところとか、理解がイマイチだなってところを、再生ボタンを押すだけで何回でも見られるから、すごくためになると思いました」 一方、受験生の娘を心配していた麦沢さんの母も「すごく分かりやすくて。自分が授業を受けても分かるって思って。ちょっと学校の授業とは雰囲気違うよね、割と必要なことだけを言ってくれているんだなということがすごく分かったので」と、一安心の様子。

学校側は今回のスタディサプリの導入で、先生の仕事の有り様にも変化が生まれる可能性を感じている。 「復習あるいは予習の部分で、1週間に1課題程度、この動画を見たりこの問題を解いたりということを、スタディサプリを通して指示を出すようにしています」

学校としては新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波により、再び休校を余儀なくされた時にスムーズに利用できるよう、今は準備期間と捉えているようだ。 「どうしても1クラス40人に対して授業を展開していくと、全員しっかり理解できるまで時間をかけるということが難しいところが実際にあります。『分からない状態になったら、スタディサプリのこの講座がいいよ』ということが言えると、新しい学びの形が生まれてくると思います」 新型コロナウイルスが引き寄せた教育の大変革期は、今私たちの目の前に来ている。

こうした状況について、富山大学大学院の長谷川准教授は、「今までは学校で使う物というと、鉛筆とかノートといったイメージでしたが、端末も文房具と同じような感覚で使えるようになっていくことが望ましい」と話す。 その上で将来については「調べたいことを決めて、どう調べるかを考え、情報を分析し、まとめて人に伝える力が必要とされる」と述べ、1人1台のICT端末が整備されれば、そういった学習も可能になると指摘する。

今後、実際に1人1台の端末が確保できるかなどの懸念材料もある。しかし収まる気配を見せないこのコロナ禍が引き寄せた教育の大変革期は、私達の目の前に来ている。 (この記事はFNNプライムオンラインとYahoo!ニュースの共同企画です。新型コロナウイルスの感染拡大により、大きく変わった私たちの暮らし。日常を取り戻そうと奮闘する姿を、地元メディアの視点から伝えます。) 〔2020年9/30(水) FNNプライムオンライン〕


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ADHD(注意欠如・多動症)当事者の借金玉さん。 発達障害の僕が「毎日怒られていた子ども時代の自分」に絶対伝えたい2つのこと 『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』が5万部のベストセラーとなっている、ADHD(注意欠如・多動症)当事者の借金玉さん。まだ34歳だが、その生い立ちは「ジェットコースター」という言葉がぴったりの、波乱万丈な内容だ。 発達障害を誰にも理解してもらえないまま、不登校を繰り返してきた小中高校時代。「このままじゃヤバい」と一念奮起して早稲田大学に進学し、大手金融機関への就職を果たした大逆転時代。しかし結局「普通」の仕事がまったくできずに退職し、起業にも失敗した「うつの底」時代……。 30歳の頃には、死ぬことばかり考えて「毎日飛び降りるビルを探していた」借金玉さんが、どん底から脱することができた理由。それは、生活、そして人生を立て直す「再起」のテクニックをひとつずつ身につけていったからだった。 子ども時代から「普通」や「あたりまえ」のことができなくても生きていくために、本人・親ができることは何なのか? 借金玉さんに話を聞いた。 (取材・構成/樺山美夏、撮影/疋田千里)● 「忘れ物ランキング」ぶっちぎり1位

――借金玉さんが、「普通」や「あたりまえ」のことができないとはじめて自覚されたのは、いつ頃だったのでしょうか。 借金玉 小学生の頃からずっと不思議だったんです。「なんでみんなお道具箱を整理したり、学校でもらったプリントを親に見せたりできるんだろう?」って。僕は何ひとつできなくて、先生が作った「忘れ物ランキング」でもずっとぶっちぎりの1位でした。 そのうち先生もあきれて叱られることもなくなり、友だち関係もうまくいかず、そもそも朝起きられなかったので、学校に行かなくなりました。今振り返ると、あの頃すでにうつを発症していたので、正しくは「学校に行けなくなった」んですね。両親も明らかにおかしいと思ったみたいで、精神科に連れていかれました。

――今から20年以上前だと、「発達障害」についてまだ一般に認知されていませんでした。 借金玉 あまりにも辛かったので、正直当時のことは記憶があいまいなのですが……病院では、双極性障害の診断が出ました。小学4年から6年まで、ほとんど学校に行っていません。 処方された薬を毎日飲みながら、家で本ばかり読んでいました。親が「飾る」ために買った、誰も読んでない文学全集が家にあったんです。当時はとにかく、本を読むことだけが救いでした。 でも、中学生になった頃から自我が芽生えてきて、「グレる」ってことを覚えたんです。「グレる」のはすごく社会性があることで、いつも友だちとたまったりしているだけで仲間意識が強くなるんですよ。しかもグレてる子たちは、「言われたことをやらない」とか、「先生の言うことを聞かない」ことがアイデンティティなので、その集団にくっついていると少し楽になれたんですね。「そうだ、俺もグレてるんだ!」と思って、行動規範を不良に近づけると、ひとつの社会の一員になれた気がしたので。

――帰属意識を持てる居場所があったから、家に引きこもらずにすんだわけですね。 借金玉 柔道部に入っていて体も大きかったので、不良カルチャーの中でナメられずにすんだのも良かったと思います。「いざとなったらぶん殴る」という手段を使えましたから。 ただ不良仲間とつるんでいると、だんだん上下関係がめんどくさくなってきて。「何々先輩が怒ってるぞ」とか、「あの先輩とすれ違ったら挨拶しないとボコられるぞ」とか、文脈がイマイチわかんないんですよ。だから中学時代も半分は学校を休んでいました。それでも卒業できたから、義務教育って素晴らしいですよね。

●「教育」の難しさ……二次障害のリスク

――親御さんとはどういう関係だったんでしょうか。 借金玉 僕にとっては、父親の存在は本当にきつかったですね。父親は、社会的にみるとすごくまともな人間なんです。仕事もできて社交的で、やるべきことをちゃんとやっているという意味では、父親像としても高い点数をとれると思います。だからこそ、「普通」ができない人間のことをまったく理解できなかった。 「お前はサボってる! ちゃんとやれ! ちゃんとやればできる!」――そんな風に、いつも怒られていました。 当時はまだ、自分が発達障害だという自覚がなくて、「人ができることを自分はサボってしまっているんだ」という罪悪感もあったので、その罪悪感を消化できないまま父親に反発していました。だから、言い返すこともわけわかんないことになって、お互い感情のぶつけ合いになるから、親子関係はめちゃくちゃでした。 けれども今振り返ると、親は親で間違いなく善意で行動しているし、必死なんです。なんとかしたくて。ただ、「なんとかしたい」の方向って難しいですよね。

――それはかなり辛い状況ですね……。親の「教育」が裏目に出て、二次障害につながってしまうケースもあると聞きました。 借金玉 はい。『発達障害サバイバルガイド』には「うつ」の章も入っているのですが、発達障害者のうち、多くの人が二次障害で悩んでいます。僕も小学校時代に発症した双極性障害とは25年の付き合いです。最近はうつがひどくて、「過眠」と「不眠」の症状が交互に襲ってきます。この取材場所に来る直前まで布団から起き上がれず、100時間くらい眠っていました。 発達障害は生まれつきだから仕方ないけど、せめて二次障害がなければ……と思うことは多いです。親が子を「適応させよう」とがんばった副作用としての二次障害の恐ろしさについては、ぜひ、多くの人に知ってほしいと思います。

●学校生活はいずれ終わって、君は自由になる ――過去の自分、そして同じ立場の発達障害の子どもたちに伝えたいことはありますか? 借金玉 子どもというのはとても辛い立場です。自分の生活を自分で変えていくことが非常に難しい。使えるお金もモノもスペースもあるいは時間も……すべてが限られているし、いつも「ちゃんとやれ」と叱るおっかない人が近くにいる。僕も「もう一度子どもをやれ」と言われたら怖くて泣き出してしまうでしょう。

そんな僕から発達障害に苦しんでいる子どもたちに伝えたいことは2つ。 ひとつは「学校に行かなくていいから、勉強はしよう」ということ。勉強は生きていくうえで最低限必要な武器なので、「読み書き」「そろばん」のどちらかだけでも、身につけておいた方がいいです。 もうひとつは、「もっとズルしていい」ということ。これは、できないことを無理してやらないためのひとつの考え方です。たとえば僕は小学生時代、教科書を2冊買って、1冊は学校に「置き勉」していました。当然バレて先生に怒られましたが、それでもやめなかった。「忘れ物をしないように気をつけよう!」と何度心に誓ってもダメだった僕なりの、ささやかな工夫でした。

学校というのは「ちゃんとやれる子」のためにあります。毎日遅刻せずに通学して、授業を集中して聞いて、きちんとノートを取り提出物を出す。そういう子が「正しい」とされます。 でも、大人の世界で「みんなと同じようにちゃんとやる」人は、実は大した大人じゃありません。だって、それじゃ「みんなと同じ」程度の結果しか出ないですから。誰よりも上手なズルのやり方を見つけてずば抜けた結果を出すのが、「すごい大人」です。 学校生活はいずれ終わって、子どもだった君は自由になります。何を目指し、何を求め、何をするか、すべてを自分で決められる。そのとき「みんなと同じようにちゃんとやる」ことに、何の価値もないことに気づくと思います。普通であることよりも、生きていくことのほうが重要です。今はとても辛いと思いますが、そのことを忘れないでください。

ダイヤモンド社書籍編集局 〔2020年10/9(金) ダイヤモンド・オンライン〕


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ADHD(注意欠如・多動症)当事者の借金玉さん。 発達障害の僕が発見した「学校に適応できず破滅する子」と「勉強で大逆転する子」の決定的な差 『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』が5万部のベストセラーとなっている、ADHD(注意欠如・多動症)当事者の借金玉さん。まだ34歳だが、その生い立ちは「ジェットコースター」という言葉がぴったりの、波乱万丈な内容だ。 発達障害を誰にも理解してもらえないまま、不登校を繰り返してきた小中高校時代。「このままじゃヤバい」と一念奮起して早稲田大学に進学し、大手金融機関への就職を果たした大逆転時代。しかし結局「普通」の仕事がまったくできずに退職し、起業にも失敗した「うつの底」時代……。 30歳の頃には、死ぬことばかり考えて「毎日飛び降りるビルを探していた」借金玉さんが、どん底から脱することができた理由。それは、生活、そして人生を立て直す「再起」のテクニックをひとつずつ身につけていったからだった。 今回は、学校にほとんど行かなかったのに借金玉さんに、それでも大学に受かった勉強のポイントについて話を聞いた。 (取材・構成/樺山美夏、撮影/疋田千里)

●何があっても「学力」をつければサバイブできる

――前回の記事で、「学校に行かなくていいから勉強はしよう」と子どもたちに呼びかけていました。 借金玉 発達障害といっても千差万別で、「学校」に適応できないだけで、「勉強」ができないわけじゃない子もたくさんいます。でも、学校で「ちゃんとしろ!」「なんでできないんだ!」と怒られ続けると「自分は勉強が嫌いなんだ」と勘違いしてしまう。これは、本当にもったいないことです。 何があっても学力だけは身につけておいたほうがサバイバルできることを、当事者にも親御さんにも知ってほしいですね。

――借金玉さんが、不登校によって小学校の授業で習う「基礎学力」の部分を身につけられなかったことは、その後の進路にも影響したと思います。どう克服していったのでしょうか。

借金玉 僕は、小学校4年生からほとんど学校に行っていません。結果、「鶴亀算」とか「日本地図」とかを習わないまま中学に入学したので、ものすごく苦労しましたね。 試験中、数学の問題を解くときに手が止まっちゃうんですよ。解法はわかっていても計算ができなくて……「3+2」を間違えたり。今でも2桁の計算は、計算機アプリのお世話になっています。

 僕の勝手な分類ですが、勉強には ・「知識」が必要なもの ・「練度」が必要なもの の2種類があります。

先ほど数学の問題を解くときに解法はわかると言ったのが「知識」。計算で手を動かすのが「練度」を必要とする部分ですね。 僕ら発達障害傾向の強い人間は「ウォーーーーッ」と徹夜して知識を詰め込むのは得意な人が多いと思うんです。ただ、このやり方には盲点があって、ある一定の分野は、コツコツ「練度」を高めていない限り試験本番でどうしても手が動かない。先ほどの計算もそうだし、英単語の暗記なんかもこの部類です。小学生時代に繰り返しやる計算問題ってつまらないけど、やる意味があるんだなと後から気づきました。 練度が必要な問題には、受験だけではなくて就職試験のSPIでも出会うことになるので、注意が必要です。

――中学、高校時代はほとんど学校に行っていなかったそうですが、成績はいかがでしたか? 借金玉 成績は悪くなかったです。ただ、中学時代はあまり素行が良いとは言えなかったので内申点が悪すぎて、進学先が限られてしまったんです。仕方なく入った高校は授業の質が低すぎて、「こんな授業だけ受けていたらどこの大学にも行けないぞ」と。 それで、高校時代の終盤は大学受験の勉強(過去問を繰り返すこと)だけに集中していました。「進級に不必要な点を1点たりとも取らない」というモットーで。 先生は「授業をちゃんと聞けば東大でも行ける」っていうんですよ。でも、3年生になって大学の受験要綱を見たらそもそも教科すら足りてない。いわゆる履修漏れ問題に当たったんですが、あれは「教師や学校なんて信用できない、自分で考えて決めないと大変なことになる」という素晴らしい教育でしたね。

●文章が読めると、あらゆる教科で有利になる ――学校に行かなくても、学力をつけるために必要なことは何だと思いますか? 借金玉 具体的に大切なことは、2つあります。 ひとつは家に、学習用の机とイスを置くこと。

僕はかつて補習塾の講師をしていたことがあります。いわゆる、学校の学習についていけない子どもたちをメインの顧客とした学習塾です。そこで気づいたことは、学校の学習についていくことに苦戦している子どもたちの多くは、「学習のための机とイス」を持っていないという事実でした。 彼らは、ご飯を食べるためのちゃぶ台(こたつ)しかない家に住んでいた。専用の場所がないために、学習習慣がいつまでたっても身につかないのです。 2つめは、本を読むことです。読書を積み重ねると「文章を読む力」がつきます。これは、いわゆる教科ごとの学習「以前」のあらゆる勉強の基盤となります。「読み書きそろばん」というやつですね。

具体的な成果としては、参考書や問題文を読むのが速く、正確になる。結果、2倍、3倍とテストの点に跳ね返ってきます。 それから、文章をちゃんと読めると、物事の流れや因果関係がつかめます。たとえば歴史を一問一答の語呂合わせで丸暗記するのには時間的にも限界がありますが、流れがわかっていれば、どこが試験に出ても対応できます。 僕は小さい頃からジャンルを問わずありとあらゆる本を読んでいました。学校の休み時間、友達が一人もいなくて机に突っ伏して寝てるの、辛いじゃないですか。そういうときも、本を読んでいれば誰も話しかけてこないし、不自然じゃない。 最初は学校でも家でも居場所がなくて現実逃避で始めたことが、後から僕を助けてくれた。本当に幸運でした。辛い現実から逃げる力に後押しされていなければ、僕は「本を読む力」を身につけられなかったと思います。

●発達障害の人には、都会のマンモス大学がおすすめ

――1度合格した大学が合わなくてやめて、2回目の受験で早稲田大学に合格したんですよね。キャンパスライフはいかがでしたか? 借金玉 何の苦労もなかったです。授業はすべて自分で選べましたし、教授にどれだけ逆らっても、それが当たり前のような文化の大学ですから。それと今は数が減っちゃったんですけど、大学校内にあった喫煙所がすごく楽しかったんですよ。喫煙所って、大学の人間関係からはみ出した人が集まる場所なので。 たとえば、26歳になるまでフラフラしてたら家業を継ぐことになって、親から「せめて早稲田ぐらい出てこい」と言われた人とか、暴走族にいたけど飽きたから早稲田に入ってきた人とか。8年ぐらい大学にいる先輩もいましたね。仏像を背負っている人がいたときは、「なんで仏像を背負ってるんですか?」って聞いたら、「今考えごとをしているから」と言われて、「なるほど」と妙に納得したり(笑)。

変わり者は自分だけじゃないことがよくわかって、めちゃくちゃ面白かったです。僕みたいに、他と協調したり縛り付けられるのが苦手な発達障害者は、できるだけ均一化していない自由度の高い環境(例えば都会のマンモス大学)を選ぶことを何より重視したほうがいいと思います。 おかげで僕は「不登校生活が長かったにもかかわらず早稲田大学を卒業できたこと」が、社会へ出て行く上で大きな自信につながりました。その自信も結局打ち砕かれることにはなりましたが、それでもないよりはずっといいですね。

【大好評連載】 第1回発達障害の僕が「毎日怒られていた子ども時代の自分」に絶対伝えたい2つのこと 第3回 発達障害の僕が失敗から見つけた「向いている職業」「避けるべき職業」(★10/10~掲載) 第4回 発達障害の僕が伝えたい「意識高い系」の人が人生から転落する危うさ(★10/11~掲載)

ダイヤモンド社書籍編集局 〔2020年10/9(金) ダイヤモンド・オンライン〕

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マンガ家・荒木飛呂彦 コロナ禍で響くジョジョ作者の言葉「自分を信じてマンガを描き続けることが使命」 マンガ家・荒木飛呂彦さん(撮影・全国不登校新聞社) 新型コロナウイルスの影響で、私たちは生活がコロコロ変わる状況をすごしてきました。しかし、いま現在、コロナの影響は、よい意味で収まっているような、まだ深刻な状況でいるような、どうにも捉えがたい不思議な状況にあります。 状況にあわせて動こうと思っても、今をどう捉えていいかも、この先の状況も読めません。 そこでこの記事では、過去『不登校新聞』に掲載された『ジョジョの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦さんのインタビューから、この状況を乗り切るヒントを探っていこうと思います。

取材者は自分に自信が持てない19歳 私たち『不登校新聞』編集部では2010年に、不登校をしていた19歳の男性といっしょにマンガ家・荒木さんにインタビューをしました。企画したのは当時19歳の男性自身。彼は不登校やひきこもりの人に限らず、今や10代や20代に共通した悩みでもある「自分に自信が持てないこと」に悩んでいました。荒木さんならこの悩みにヒントを与えてくれるのではと、彼が思ったため、インタビューに至りました。

というのも彼が不登校になったのは小学校2年生の冬。理由は「理不尽なことが多かったから」だそうです。運動会や真冬のマラソン練習、音楽の授業、宿題…、学校の行事や勉強に対して「本当に必要なのか」と疑問に思っていたそうです。そんなことから心は学校から離れていき、登校時に腹痛も襲うようになって不登校に至りました。その年齢が小学校2年生。不登校になったことは後悔していないものの、早くから学校に適応できない自分は「この先も生きにくいのでは」と悩んでいたそうです。そんなときに好きで読んでいたのが荒木飛呂彦さんの代表作『ジョジョの奇妙な冒険』(以下、『ジョジョ』)。荒木さんに「自分に自信が持てない」「将来への不安がある」という悩みを率直にぶつけてみました。

取材を受ける荒木飛呂彦さん(左・撮影/全国不登校新聞社)

――私は小学校2年生から不登校をしていました。いまはフリースクールにも楽しく通えていますが、将来への不安は拭えません。この先のことを、どう考えていったらよいのでしょうか。

私の話をすれば、私はマンガ家としてひとりでマンガを描いています。そうすると「孤独に耐えねばならないとき」が必ずあるんです。たとえば自信を持って描いたストーリーでも、読者に受けいれられないことがあります。そんなときは「なんでなのだろう、世の中の人は何を考えているんだろう」と自信を失い、「私はひとりだ」という孤独感がさらに強まることがあります。そういうときは、天才と呼ばれる先人たちの生き方や姿勢に勇気づけられることがあります。

ゴーギャンというフランス人画家が私は子どものころから好きでした。ゴーギャンのなかでとくに好きなエピソードといえば、絵を描くためだけにフランスからタヒチへまで行ったことです。地球の裏側と言ってもいいような場所へなぜ行ったのか。イメージで描いたっていいし、写真を見て描いたっていいわけです。しかも、そこまでこだわって描いたからといって、かならずしも絵が売れるという保証はありません。でも、そうした確固たる意志や自分の信念に沿った行動を見聞きすると、私はすごく励まされるんです。

マンガ家はかならず孤独を感じるものですが、だからこそ「自分を信じる」という気持ちが大切です。自分のアイデアが読者にウケるかどうかは描いているときにはまったくわかりません。たとえどんなに有名なマンガ家であっても絶対的な確信は持てないと思うんです。私もそうです。マンガ家としてデビューして30年以上が経ちましたが、今でも確信は持てません。それでも自分を信じてマンガを描き続けること、それが自分の使命だと思っています。

荒木飛呂彦さん(撮影・全国不登校新聞社) ――その「自信」を持つためには、どうしたらよいのでしょうか。

修行をするんです。自信を持つための修行です。私はいまでも何十、何百タッチと、毎日たくさん描いています。だからこそ、あまりペンを握ったことがない人では絶対に描けない線を引けます。これは野球の素振りにも通じるんじゃないかと思います。ホームランだって、急に打てるようになるものではないでしょう。表立っては出てこない努力の積み重ねが自信につながっていくんだと思います。

『ジョジョ』を描く前には、知能戦をテーマにした『魔少年ビーティー』や、究極の肉体をテーマにした『バオー来訪者』という作品を描いています。いま読み返してみると絵もストーリーも安定していませんが、この2作品がなければ、『ジョジョ』に行きつくことはなかったと思うんです。

――ありがとうございました。(2011年1月1日号『不登校新聞』掲載より一部編集)

方位磁石(イメージ/写真AC) ◎向かいたい方向性を考える 自信が持てないという19歳に対して、荒木さんは「自分を信じて描くのが自分の使命」だと答えてくれました。

話を聞き終えて19歳の男性は「勇気をもらった」と語っていました。インタビューは10年前に行ったものですが、コロナ禍のいまこそ荒木さんの言葉は指針になると感じています。 こんな状況判断が難しいときほど、荒木さんが話していたように「使命」を定めてみると道筋が見えるのかもしれません。自分の使命やミッションはなんだったのか。そこまで大げさなものはなくても、自分が大事にしているものを原則として方向性を考えてみる。そうすれば、先行きが見えなくても、向かいたい方向性だけは見えてきます。 いずれにせよ、先の見えない若者に説いた荒木飛呂彦さんの言葉は、今だからこそ響いてくるものでした。

石井志昂 『不登校新聞』編集長、不登校経験者 1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行なってきた。また、女優・樹木希林氏や社会学者・小熊英二氏など幅広いジャンルの識者に不登校をテーマに取材を重ねてきた。編著書に『学校に行かない君へ』(ポプラ社)など。 〔2020年10/23(金) 石井志昂 | 『不登校新聞』編集長、不登校経験者〕


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保護者とのつき合い方に悩む先生方 「モンスターペアレント」に対応できない、「若すぎる先生」が増加中 いじめ、不登校、保護者との軋轢、長時間労働、新型コロナの影響……。教育現場ではたらく人のストレスとプレッシャーは年々、増すばかり。こうした困難を打開するヒントを与えてくれるのは、著書『いい教師の条件』を上梓した諸富祥彦氏だ。近年、保護者とのつき合い方に悩む教師が増えていると指摘する諸富氏。そんな教師たちに対し、「最初の保護者会で、ぜひやってください」と勧めているワザがあるという。その内容を特別に教えてくれた。

「若い教師」が増えている 近年、保護者とのつき合い方に悩む先生方が増えています。 振り返ってみると、2000年頃から子どもとの関係以上に保護者との関係に疲れる、エネルギーが奪われていると漏らす先生が多くなってきました。モンスターペアレントと呼ばれるようなクレーマーの保護者が増えてきたのです。 さらに加えて、若すぎる教師が急増しています。とりわけこの10年あまりで、教師の年齢構成は随分と入れ替わりました。

20年くらい前は50代が中心の学校も多く、40代が若手と言われることもあったのですが、その中心世代の先生方が定年になりました。代わりに数多く入ってきたのは20代の先生です(上の図は2016年の調査で、現在はさらに50代が減り20代が増えています)。 50代中心の学校から20代中心の学校へと急激に様変わりしたわけです。 一方、親の年齢は上がってきました。少子高齢化社会と言われ、初婚年齢が以前より遅くなり、子どもを産む年齢もかなり遅くなっています。たとえば30歳から35歳で子どもを産むと、子どもが小学生になる頃には親は30代半ばから40歳に、3年生(9~10歳)になる頃には親の年齢は40歳から45歳になってきます。

「最初の保護者会」が勝負だ Photo by iStock 少し前までは、「親よりも先生のほうが年上」が当たり前でした。それはある意味、安定感のある関係性でした。それがこの10年あまりの間に保護者のほうが年上、しかも10歳以上も年上というケースが一般的になってきました。 保護者の中には、若い教師に対して「まだ若くて子どもを産み育てたこともないあなたに、一体何がわかるの?」という態度を露骨に示す方もいます。そんな状況の中で、若い先生が保護者とどうつき合うかということは、学級を運営していく上で大きな問題となっています。

では、どうすればいいか。 私がいつも言っているのは「最初の保護者会が勝負!」ということです。年上の保護者の方々に信頼してもらうためには、スタートダッシュが何よりも重要です。 始業式、1年生であれば入学式の日などには、多くの保護者は教師のことを「この先生は、一体どんな先生なんだろう?」とやきもきしながら見ています。 それは教師にとって大変なプレッシャーですが、見方を変えると「保護者との良い関係」をつくる大きなチャンスでもあります。

保護者と教師は「パートナー」 Photo by iStock 私が、「最初の保護者会で、ぜひやってください」とお勧めしているのは、教師のほうからパートナー宣言をすることです。 「私ども教師と保護者のみなさんは、一緒にお子さんを育てていくパートナーです。一緒に力を合わせて頑張っていきましょう」と最初に、さわやかに前向きに、堂々とした雰囲気で挨拶をしてほしいのです。 教師がリードして、「自分は教師として、どんな関係を保護者ともっていきたいと思っているのか」その構えを示すことが重要です。

次にお勧めなのが「全員が全員と握手!」という構成的グループエンカウンターのエクササイズです。一人ひとりの目をしっかり見て、全員と握手していきましょう。保護者同士も全員が全員と挨拶しながら握手します。 こうやって場を仕切っている姿を見せることで、保護者からは「今度の先生は違う。親しみももてるし、ちゃんとリーダーシップもとれる。若いけど頼りになりそうだ!」と一目置かれるようになるでしょう。 保護者会中に若い学級担任がオタオタしていたり、自信がなさそうにビクビクしていたりすると、保護者のほうとしては「先生、しっかりしてよ!」と文句や注文をつけたくなります。教師が困っている姿を見ると、保護者はますます不安になり、教師への要求やクレームはどんどんエスカレートしていきがちです。

諸富 祥彦(心理学者) 〔2020年10/27(火)現代ビジネス〕

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教科担任制 小5、6年生の教科担任制、兵庫で先行 児童「わかりやすい」 小学5、6年生の授業を学級担任が全て行うのではなく、英語や算数などは専門性の高い教員がクラスをまたいで受け持つ「教科担任制」を取り入れるよう、文部科学省の中央教育審議会(中教審)が検討を進めている。令和4年度からの本格導入を目指すが、実現には課題も多い。先行する兵庫県では平成24年度に原則全公立小学校の5、6年で教科担任制の授業を開始しており、現場からはメリットや課題が浮かび上がる。(小林宏之) 10月中旬。兵庫県姫路市立城東小学校6年の2クラスで、社会と理科の授業がそれぞれ行われていた。

1組で社会の授業を進めているのは、2組担任の柏原正英教諭(37)と、小中学校教員や大学講師などの経験を持つ間森(まもり)誉司(たかし)臨時講師(71)の2人の先生だ。 この日のテーマは室町時代。間森さんが「祇園祭はなぜ始まったんだろう」と問いかけると、参考動画を視聴した児童たちが「病気が流行しないように」などと発言。やがて柏原教諭が武士の装束で登場し、「京都は戦(いくさ)が続き、ひどい状況だ。人々は落ち着いた生活をしたいと思っている」と都の様子を語った。 間森さんが進行し、柏原教諭が歴史上のゲストとなって解説する「コスプレ授業」は、間森さんの発案。同校に着任した今年7月から両クラスで続けている。

「教員がひげを1つ付けるだけで、子供の目の輝きが違う」と間森さん。「めっちゃ分かりやすい。次は誰が出てくるか楽しみ」と話す永尾茉志(まゆ)さん(12)は、以前の授業で紫式部に扮(ふん)したという。 一方、理科室で2組の授業をしている横田直人教諭(36)は、1組の担任で中学数学の教員免許も持つICT(情報通信技術)の専門家。柏原教諭と授業を交換し、自身は2クラスの理科、柏原教諭は社会を担当する。両教諭とも「授業の準備時間を担当科目に集中させられ、より良い授業を多くの児童に提供できる」と口をそろえた。 県教育委員会が24年度に実施した抽出調査では「教えてもらう先生が代わり、授業が楽しいと思うことが増えた」と答えた児童は81・8%に上った。

県教委によると、同県が小学5、6年の教科担任制を検討し始めたのは13年度。教科担任制と少人数授業を組み合わせた「兵庫型教科担任制」を構築し、小規模校を除き24年度から全県で実施した。 中教審は算数と理科、外国語の教科担任導入を想定するが、同県は国語や社会も対象。教員間の「授業交換」を基本に、間森さんのような加配(国による教員定数を上回る配置)教員とのチームによる「同室複数指導」を組み合わせるケースも。城東小では、理科と社会は授業を交換し、社会と算数は同室複数指導、英語や家庭、図工、音楽は専科教員が指導している。

「子供の成長速度は変化しているのに、学校制度はそのまま。中学校では当たり前の教科担任制を小学校高学年で経験すれば、中学校へのスムーズな移行が期待できる」と太田太校長。複数の教員の目で一人一人の子供を見守れるといったメリットも挙げる。 一方で、「本校は人材に恵まれているが、どの学校も専門性のある指導者を確保できるわけではない」と指摘。奇数クラスの場合は授業交換が複雑になり、時間割編成が難しいなどの課題もあると話した。

■「中1ギャップ」解消策にも 小学校の教科担任制は、学級担任制から教科担任制になる中学進学時の学習環境の変化になじめず、不登校などが増える「中1ギャップ」の解消策として注目されるようになった。専門性のある教員の指導による教育の質の向上策としても期待されており、兵庫県のほかに群馬県などが積極的に導入している。

近年は、授業準備などによる教員の長時間労働を是正する働き方改革の視点からも注目されている。中央教育審議会は昨年1月、教科担任制の検討が必要と指摘。今月7日発表の中間まとめでは「小学校高学年から本格的に導入する必要がある」とした。 これらを踏まえて文部科学省は同日、検討会議の初会合を開催。今後、対象科目や専門性のある教員の確保、学校規模に応じた教員配置の在り方などについて議論し、来夏までに方針をまとめて、令和4年度からの導入を目指す。担当者は「教科担任制は小中学校の系統的な学びにつながる。教員の専門性を生かし、教育の高度化を図れるようにしたい」と話した。(地主明世) 〔2020年10/27(火) 産経新聞〕



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