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カテゴリ:周辺ニュース

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「ひきこもり周辺ニュース」掲載の仕事 
不登校・引きこもり質問コーナー・部外者回答編

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所在地 北海道さいたま市
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目次

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ページ名 大阪城公園の野宿者  大阪府大阪市 (ホームレス  )
激変する野宿の風景 大阪城公園の夜回りに記者が同行
誰もいないテント。渡辺さんたちは、不在でも栄養食品などを置いていく=2020年9月24日午後8時32分、大阪市中央区の難波宮跡公園、小林太一撮影
約20年前、野宿者が暮らす600以上のテントが並んでいた大阪城公園(大阪市中央区)。
野宿者が激減し、昼間にテントを見かけなくなった今も、公園で見回り活動を続ける人たちがいる。
なぜ続けているのか? その理由が知りたくて同行取材した。
【写真】テントの中の人と会話するメンバーたち
太陽が沈み、辺りが暗闇に包まれた午後7時半過ぎ。渡辺拓也さん(41)が大阪城公園を歩き始めた。
大阪市立大の都市文化研究センターで研究員を務める渡辺さんは、野宿者の支援団体「大阪城公園よろず相談」のメンバーだ。
隔週木曜の夜、2人1組で市内の公園数カ所を回る。
園内を歩いていると、草むらから急に現れた人影が目の前を横切った。
すぐそばの建物の軒下に身を寄せるのを見て、渡辺さんが声をかけた。
「いつもの夜回りです。何か変わったことはありませんか」
言葉を発しない男性が小さくうなずく。
渡辺さんは栄養食品を渡し、「また来ますね」と声をかけた。
公園のベンチには横になったままの男性がいた。
栄養食品を渡そうとすると、強い口調で「いらない」と拒んだ。
別の場所には、座り込み、顔を上げない男性がいた。
黒い傘の下から手の動きだけで「来るな」という意思表示をしていた。
隣の難波宮跡公園に足を延ばすと、木の下に広げたシートに男性が座っていた。
遠くを見つめる男性に渡辺さんが「大丈夫ですか」と声をかけた。
「ありがとう」。この日は17人と会い、集合場所に戻ったのは2時間後だった。
渡辺さんが夜回りを始めるきっかけとなったのは、大学時代のゼミの卒業論文。
執筆にあたり、指導教官に「自分がショックを受けるような場所に行き、最低3カ月はそこで暮らすこと」という条件を課せられた。
教官に勧められて訪れた大阪で、衝撃を受けたのが野宿者のテントだった。
「この光景が存在する背景を探らなければ」
大阪市立大大学院への入学を機に大阪に移り住み、06年から夜回りを始めた。
子育てや博士論文の執筆で忙しく、足が遠のいた時期を経て5年前に再開した。
現場に戻ると、夜になってから公園に姿を見せる野宿者に再び出会った。
「目に見える数は減っている。でも、誰かを野宿に追いやる社会の構造は変わっていない」。夜回りをする仲間たちも残っていた。
今夏、「コロナ禍で仕事を失った」と話していた50代くらいの男性が公園に姿を見せなくなった。
新型コロナウイルスの感染拡大が人々の暮らしを大きく変える中、渡辺さんは改めてこう感じている。
「生き方を選ぶのは本人。次も必ず会えると限らないからこそ、一人一人の事情を話し合ってもらえる関係、対話できる距離感が必要です」(小林太一)
■増える「移動する野宿者」
厚生労働省の2003年の調査によると、全国の野宿者2万5296人のうち、4分の1を大阪市が占めた。
東京23区の5927人を上回る6603人で、市町村を含めても全国最多。
野宿の主な理由は不景気による仕事の減少や倒産、失業だった。
大阪市は00~02年、市内の公園に野宿者向けの仮設一時避難所を設置。
生活保護を受給しながら、野宿せずに暮らす生活を勧めた。
野宿者の自立へ向けたホームレス自立支援法が国会で成立したこともあり、大阪城公園(中央区)や長居公園(東住吉区)、西成公園(西成区)のテントの撤去を進めてきた。
こうした背景を受けて、大阪市内の野宿者は激減。ただ、依然、野宿を続ける人たちはいる。
今年1月の厚労省の調査で、全国の野宿者3992人のうち大阪市は982人を占めた。
大阪城公園には近年、カフェや遊具施設が次々と建ち、野宿者が暮らす青いテントは見あたらないが、夜になるとベンチや草むらで過ごす人が現れる。
約30年前から野宿者を支援する北九州市のNPO法人「抱(ほう)樸(ぼく)」によると、公園などに定住する野宿者が減る一方、移動しながら暮らす野宿者が増えているという。
「抱樸」の奥田知志理事長(57)は「夜の人数は昼間の5倍とも言われるが、把握が難しく、国の対面調査では全員を確認するのは難しい」と指摘する。
「移動する野宿者」は08年のリーマン・ショック以降増え、年齢が若くなっているのが特徴だという。
奥田理事長は「安定した仕事に就けず、雇用を失いやすい『不安定居住者』と呼ばれる。見つけにくい人をどう支援するかが問われている」と話す。
〔2021年1/21(木) 朝日新聞デジタル〕 

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ページ名 全国ひきこもり支援基礎自治体サミット 守山市(滋賀県)、宇部市(山口市)、総社市(岡山県)、安中市(群馬県)、豊明市(愛知県) (市町村、ひきこもりの動き  )
広がれ! 引きこもり支援の輪 5市長が初サミット
サミットの宣言を採択した(左から守山市、宇部市、総社市、安中市、豊明市の各市長)
引きこもり支援の必要性や課題を広く共有しようと、「全国ひきこもり支援基礎自治体サミット」が8月26日、岡山県内で開かれ、県内外の自治体職員ら約700人が参加した。
同県総社市が全国規模のサミットとして初めて開催した。
出席した5市(岡山県総社市、群馬県安中市、愛知県豊明市、滋賀県守山市、山口県宇部市)の市長は、引きこもり支援の具体策を研究し、全国に発信することなどを盛り込んだ宣言文を採択した。
5市が持ち回りで毎年サミットを開くことも確認した。
引きこもりの人がどの市町村に住んでいても必要な支援を受けられるよう、5人の市長が呼び掛け人となって支援の輪を全国に広げる。
総社市の片岡聡一市長は「行政は引きこもりの人を見て見ぬ振りしてきた。
大いに反省しなければならない。これまでのことをおわびしながら、一人でも多くの人を迎え入れたい」と述べた。
安中市の茂木英子市長は「家族が気軽に集まれる場をつくりたい。
家族が本人に適切にかかわることが大切だ」とし、豊明市の小浮正典市長は「市内に引きこもりの人は約600人いるが、相談窓口が会えた人はそのうち22人。全体的な体制は整ったが、実績はこれからだ」と話した。
「引きこもりを特別扱いするのではなく、対象を問わない全世代型の相談体制にシフトした」と話したのは宇部市の久保田后子市長。
すべての人が社会とつながりを持てるよう寄り添った上で、専門機関につなぐという。
守山市の宮本和宏市長は「引きこもりの実態は、中学校までは義務教育なので捕捉できるが、高校は難しい。
高校の不登校・中退者について、出身の町に情報提供するよう県に提案している。
この点は将来的には法制度も必要だ」と語った。
サミットに続き、地域共生社会をめぐる厚生労働省の検討会座長の宮本太郎・中央大教授が講演したほか、引きこもり当事者、家族、厚労省の担当者らが登壇するフォーラムも開かれた。
厚労省は市町村の相談体制を再構築し、困りごとを抱えた人や家庭にかかわり続けることを促す交付金を創設する方針で、2020年の通常国会に改正社会福祉法案などを提出する予定だ。
今年は3月に内閣府が中高年の引きこもりを61万人とする推計を初めて公表したことを受け、政府内でも引きこもり関連の施策が話題に上っている。
宮本教授の講演趣旨 地方自治の試金石
今年は「引きこもり解決元年」にしたい。
問題の根は、数十年かけてつくり上げてきた年齢輪切り主義の「労働」や、対象者ごとに縦割りとした「福祉」の制度にある。
これを見直し、元気人口を増やすことが自治体の持続可能性を高める。
「労働」「福祉」のいずれからも漏れた人が新しい生活困難層だ。
この層を放置しておくと、将来大変になる。
その意味で引きこもり支援は自治体にとって試金石となる。一律の青写真はない。
厚労省の検討会は、相談機関が分野を超えて自由にかかわれる条件を整えようとしている。
新しい生活困難層を包括的に支える上で、今は現金給付の仕組みが弱い。これを強化することがこれからの課題だ。
〔2019年09月05日福祉新聞編集部〕 

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ページ名 埼玉県ケアラー支援条例 埼玉県 (介護、  )
無償で家族の介護を社会で支える 埼玉県で全国初のケアラー支援条例
こんな人がケアラーです
無償で家族を介護している人などを社会全体で支えるための「埼玉県ケアラー支援条例」が3月27日、県議会で可決、成立した。
介護する人に焦点を当てた全国初の条例で、18歳未満をヤングケアラーとし、その支援を特記したのも特徴だ。
国や他の自治体に先立つ取り組みとして注目される。
条例では、ケアラーを「高齢、障害などにより援助が必要な親族、友人などに対し、無償で介護、看護、日常の世話などをする人」と定義した。
例えば、依存症やひきこもりの家族を支える人なども含まれる。
介護に疲れ、体調不良や孤立しがちなケアラーが、健康で文化的な生活を送れる社会の実現を目的とする。
介護事業所や医療機関などを通じてケアラーを見つけ、抱える課題を聞き取り、具体的な支援につなげるという構想を描く。
県には、基本方針や具体策を盛り込んだ推進計画の策定を義務付けた。
体制の整備や関係者との連携に努めることとし、支援する人材の育成、民間支援団体への情報提供、啓発活動も行う。
また、県民、事業者、関係機関の役割も明記された。
ヤングケアラーについては、成長の重要な時期にあるため、適切な教育機会の確保、発達や自立の支援を行う。
特に教育機関は、健康状態や生活環境、支援の必要性などの把握に努めることとした。
条例は同31日に施行された。今後は、県の推進計画を実効性のある内容にすることが重要となる。
県の担当者は「2020年度に地域包括支援センターの調査や関係者ヒアリングを通じて実態を把握し、21年度からの高齢者支援計画などに位置付ける。
高齢以外の分野とも連携して進めたい」と話している。
小5から祖母を介護 「やるしかなかった」と神谷さん
これまでの介護経験について話す神谷さん(右)。左はさいたまNPOセンターの村田惠子さん
神谷尚樹さん(23)は、3歳の時に両親が離婚し、母代わりとなってくれた祖母を、小学5年から介護した。
祖母が大腿骨を骨折し、杖なしで歩けなくなったことがきっかけ。父と姉は仕事で忙しく、「家にいるのは自分だけ。やるしかなかった」と言う。
介護保険を利用したが、生活のすべてについてサービスを受けられるわけではない。
神谷さんは、朝夜の食事の支度、通院の付き添い、日常の世話をすることになった。
食事はスーパーなどで買ったり、時には祖母に教えてもらって調理したりすることもあった。学校は遅刻しがちになった。
その後、祖母は肺炎や胃がんなども患い、認知症の症状も出てきた。
神谷さんは服薬管理をしたり、高校でクッキング部に入り調理した食事を家に持ち帰ったり、介護中心の学生生活が続いた。
アルバイトもしたかったが、諦めた。自由に使えるお金が少なく、友人と遊ぶ時に借りることもあった。
東京ディズニーランドに遊びに行った時、呼び戻されることもあった。
「一番つらかったのは大学受験の時期。認知症もひどくなっていて、大変だった」と神谷さん。
ストレスがたまって、物にあたったり、携帯電話の着信を無視したり。時には、祖母に暴言を吐いてしまうこともあった。
ただ、介護が当たり前だった神谷さんは、それを恥ずかしがったり、隠したりすことはなかった。友人には事情を話し、協力してもらった。
ホームヘルパーに助けてもらうこともあった。
大学1年の時、祖母が入院した際、病院側が、祖母の状態と介護の負担を心配してくれ、老人保健施設に入ることになった。
その後、有料老人ホームに移り、今年3月、95歳で亡くなった。
葬式では、3歳からの思い出が蘇り、自然と涙があふれた。
「今の自分があるのは、祖母のおかげ」と感謝する。
4月から働き始めた大手スーパーでは「福祉の資格をとって介護の経験を生かしたい」と胸を張る。
埼玉県ケアラー支援条例については、「介護のため、学校に行けない、就職できない、としたら、それは大人の責任。子どもは声を上げられない。
条例により、ヤングケアラー支援の実践が全国で進み、将来的には国が法律を作ってほしい」と話す。
〔2020年04月09日福祉新聞編集部〕 

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ページ名 滋賀県ひきこもり支援センター  滋賀県草津市(  )
引きこもりから抜けだそう 「ぬいぐるみセラピー」生かした服飾デザイン
京都造形芸術大 松崎雛乃さん
自宅のある琵琶湖のほとり(滋賀県大津市)で、微笑んだ。
ポケットの中には、ぬいぐるみがいる。いつでも手をつなぐことができる。ギュッと……。
「怖い時でも、安心できるんです」。
松崎雛乃さんがデザインした、ぬいぐるみをポケットの中に住まわせた服だ。
引きこもりのトンネルから抜け出せるファッションを創造していきたい……雛乃さんの実践が、前に前に進む。
「よく覚えていないんです。確か、秋だったような」
自宅に引きこもっていた雛乃さんが、ネットで買った「かわいい服」(雛乃さん)を手にして、外で着てみたくなったシーンについてだ。
高校2年、17歳のときにうつ病になって外出できなくなり3年が過ぎたころ、というのだから、19歳か20歳(はたち)の秋だったのだろうか。
とにかく、かわいい服が、外出を後押ししてくれた。
気持ちが、少しずつ前向きになった。
高卒認定制度を活用して、京都造形芸術大学の空間演出デザイン学科ファッションデザインコースに進学した。
「なぜ、服をつくるのか……3回生になった2019年春、担当の先生から何度も問いかけられました。
正直、服があふれるこの世の中で、私が服を作る意味を見いだせないでいました」  
そんな時、ぬいぐるみがそばにあると落ち着くことを、思い出していた。
そして、「ぬいぐるみセラピー」と出会った。
<ぬいぐるみによって心を癒やすという治療法の一種です。
そのとき、わたしは「引きこもりの自分の経験を活かした服作りはできないだろうか。
それこそがわたしがこの時代にあえて服を作る意味なのではないか」という考えに至りました>(「服と福祉」のタイトルで書いた配信サイトから)
雛乃さんは、ポケットの中にぬいぐるみをファスナーで止めることを思いついた。
着脱可能な、ぬいぐるみだ。
気持ちを落ち着かせたい時に、ポッケの中に手を入れるふりをして、ぬいぐるみをギュッとにぎる。手をつなぐ。
スウェット地で、おなかの前にポッケをあしらった服をデザインした。
この服を着ない時でも、ぬいぐるみにそばにいてもらえるように、アタッチメントを付けると、キーケースになる工夫もした。
ぬいぐるみでキーケースをくるんで使う
ぬいぐるみの素材には、手の汗を吸水できるタオル地を使い、中には綿を入れて、優しさと柔らかさを醸し出した。
色にもこだわった。グレーは、どんな肌の色にも似あうカラーとされており、「あなたが主役」という意味を込めて採用した。
袖口などに使ったリブニット(畝のある織物)の色をオフホワイトにしたのは、隣接する色を明るく見せる効果などがあり、引きこもりの暗いイメージを払拭するために選んだという。
この半年間、試行を重ねた。
そして1月29日、草津市にある滋賀県ひきこもり支援センターで、利用者のみなさんと、ぬいぐるみの製作を始めた。
近々、雛乃さんが服を作り、ネットなどを利用して、いっしょに販売する。収益は福祉のために役立てるというプロジェクトだ。
取材のきっかけになった福祉新聞社に寄せられた雛乃さんのメールは、次のような言葉で締めくくられていた。
<ぬいぐるみを作る人は、誰かの支えに自分もなれるということに気づくこと、服を買った人は、誰かが自分のことを応援してくれていることに気づくことを目的にしたプロジェクトです。
ひきこもりの人も、ひきこもりに関わらない人生を送ってきた人も、この服のことを知ってほしいと思っています>
〔2020年02月28日福祉新聞編集部〕 

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ページ名 KHJ全国ひきこもり家族会連合会  (  )
「就労ありき」は改めて ひきこもり家族会が厚労省へ申し入れ
家族会からの申し入れに応じる根本大臣(右)
KHJ全国ひきこもり家族会連合会(東京)は6月26日、根本匠・厚生労働大臣と面会し、意見交換した。
政府が就職氷河期世代の就労支援に乗り出すことに関連し、「就労ありきで考えないでほしい」と申し入れた。
政府は現在30代半ば~40代半ばの「就職氷河期世代」について、今後3年間で正規雇用を30万人増やすことを6月21日閣議決定の「骨太の方針」に明記した。
しかし、同連合は、40代以上の引きこもり経験者の7割は就労経験があり、就労で傷ついた人に就労だけを求めても無理があるとみている。
意見交換は非公開で約30分行われた。
根本大臣は終了間際に報道陣を迎え入れ、「引きこもり状態にある方が相談しやすい体制を整備するとともに、安心して過ごせる場所をつくる」とするメッセージを読み上げた。
終了後の会見で、同連合会の伊藤正俊・共同代表は「根本大臣からは、『就労に至る前の居場所のあり方などを大切にしたい』といった回答があった。申し入れの趣旨を理解してもらえた」と述べた。
〔2019年07月11日福祉新聞編集部〕 

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ページ名 KHJ全国ひきこもり家族会連合会  (  )
高齢の親と同居の無職の子ども ひきこもり家族会が包括センター通じ8050問題を初調査
居場所の重要性を訴える市川さん(左端)
KHJ全国ひきこもり家族会連合会(伊藤正俊代表)はこのほど、地域包括支援センターが家庭内に引きこもる子どもにも関わった事例の調査結果を公表した。
65歳以上の高齢者と同居する無職の子どものいる世帯220例を分析し、社会から孤立した実態を明らかにした。  
同連合会は「包括センターを通じた引きこもりの実態調査は初めて」とし、孤立解消のために居場所づくりの必要性を訴えている。
80代の親と無職の子ども(主に50代)が生活に行き詰まる「8050(はちまるごーまる)問題」がかねて社会問題とされているが、同連合会は厚生労働省の2018年度の補助事業として実態を調査した。  
調査対象の一つは、高齢者介護の相談窓口である地域包括支援センター。
全国約5100カ所の6分の1にあたる844カ所に調査票を送り、263カ所から有効回答を得た。  
それによると、220カ所の包括センターが「18年度中に無職の子どもと同居する高齢者を支援した例がある」と回答。
その220事例を分析したところ、高齢者の4割が「親戚など誰ともほとんど行き来がない」という孤立状態だった。  
この場合の「子ども」は50代が半数で、未婚の男性がほとんど。
約7割は引きこもりの定義に当たり、約3割は親を介護している。約4割は親を虐待(疑いを含む)していることも分かった。
同連合会は関東地方の保健所41カ所から回答を得た引きこもり相談支援の調査結果とともに、3月21日に都内で開いたシンポジウムで報告した。  
シンポジウムでは、保健師など専門職による関わりが、引きこもり当事者に拒まれがちな現状をどう打開するかが論点となった。
都内の家族会「楽の会リーラ」(豊島区)で事務局長を務める市川乙允さん(72)は、自身の経験や家族会活動の成果を紹介し、「引きこもり当事者が自分らしくいられる居場所があることが重要だ」と強調した。
  引きこもりとは仕事や学校に行かず、家族以外と交流しない状態が6カ月以上続くことを指す。
内閣府は15~39歳で計54万人と推計。現在、40~64歳を対象とした実態調査をしている。
厚生労働省は09年度から「ひきこもり地域支援センター」の設置を始め、18年4月には全都道府県・政令市が設置済み。
18年度からは市町村事業として引きこもりの人の居場所づくりを始めた。
〔2019年04月02日福祉新聞編集部〕 

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ページ名NPO法人 Node  (  )
ひきこもり経験者の全国組織が発足 ポータルサイト「ひきペディア」も公開
左から林副代表理事、森下徹理事(兵庫)、割田大悟理事(神奈川)、川初真吾理事(東京)
ひきこもり経験者らによる初の全国組織となるNPO法人「Node(ノード)」(田中敦・代表理事、東京都)がこのほど発足した。
7日には、ひきこもりに関する総合情報ポータルサイト「ひきペディア」を公開。
国内には自分の居場所を見つけにくい人がたくさんいるとみて、孤立の解消を目指す。
法人の理事らが同日、厚生労働省内で記者会見した。
自助グループの設立や運営に関する相談に応じるほか、ひきこもりに関する講演、調査、研究、政策提言にも取り組む。
不登校経験者で副代表理事の林恭子さん(51、ひきこもりUX会議代表理事・神奈川)は会見で「国や地方自治体による就労支援はこの20年間、うまくいかなかった。
働くことのもっと手前にある外出などの支援が必要だ」などと語った。
Nodeは英語で「結び目」を意味し、北海道、青森、東京、神奈川、大阪、兵庫、香川で活動する9団体の代表が理事に就いた。
設立は4月19日付。
ひきこもりとは仕事や学校に行かず、家族以外と交流しない状態が6カ月以上続くことを指す。
2015年に内閣府が行った調査では15~39歳で、推計54万人。
内閣府は18年度、40~59歳を対象とした実態調査を行う。
Nodeは40歳以上を含めると100万人を超すとみる。
〔2018年05月22日福祉新聞編集部〕 

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ページ名 東京都ひきこもりに係る支援協議会 東京都 (東京都、  )
「ひきこもり支援協議会」発足 状況に応じた支援探る(東京都)
東京都は9月20日、引きこもりの人を支援するために「東京都ひきこもりに係る支援協議会」を立ち上げた。
引きこもり状態の長期化・高齢化が社会問題となる中で、当事者やその家族の状況に応じた支援のあり方を探る。
2020年5月をめどに提言の骨子をまとめ、10月には支援の方向性を明らかにする。  
都は、電話や訪問相談などによる支援「ひきこもりサポートネット」を04年から開始。
当時は主に若年層を対象にした事業だったが、徐々に中高年世代の引きこもり当事者の相談が増えたことを受け、今年度から事業を福祉保健局に移管した。  
今年度からは、「ひきこもりサポートネット」の電話相談のフリーダイヤル化実施や、社会福祉士、ファイナンシャルプランナーなど専門職の窓口設置、訪問相談の対象を35歳以上に拡充するなど、対策を講じている。
協議会では、これら既存の支援に加え、当事者・家族の状況に応じた支援のあり方を検討するとともに、最新事例の情報を共有する。
協議会には、学識経験者や引きこもりの家族会、関係機関、区市町村が参加。
協議会の会長には、東大大学院医学系研究科の笠井清登教授が就いた。
内閣府の調査によると、全国の40~64歳5000人から無作為抽出をした結果、全国には61・3万人の中高年の引きこもりが存在すると推計。
このうち都内には約11万人いる計算になるという。  
初会合ではこうした現状を踏まえ、意見を交換した。
特に目立ったのが、引きこもり当事者の家族も、また当事者であるという視点が重要だという意見。
家族会からは「当事者も家族も社会から孤立している」と指摘した上で「困った状況に陥ったときに、必要な情報が得られる仕組みをつくってもらいたい」と訴えた。  
笠井会長は「引きこもり支援は、支援者側の押し付けになってはならない」とまとめ、「次回以降には、より具体的な事例の共有を図っていく」と話した。
〔2019年10月10日福祉新聞編集部〕 

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ページ名 武田塾 東京都文京区 (学習支援プログラム,事項百科  )
「授業をしない塾」武田塾が慶應SFCと共同研究を行い、ひきこもり・不登校の若者のための学習支援プログラムをスタート
ひきこもり学習支援プログラム・特設サイト 「日本初の授業をしない塾」として独自の個別指導を行う武田塾を運営・統括する株式会社A.ver(東京都文京区、代表:林 尚弘)は、慶應義塾大学SFC研究所(神奈川県藤沢市)と共同研究「ひきこもりのための創造的独学モデル研究」を行い、ひきこもり・不登校の若者のための独学モデルを検証する、新しい学習支援プログラムをスタートします。
大学受験したい、もう一度ちゃんと勉強したいというひきこもりや不登校(だと自覚している)の中学生以上の若者5~10名程度を研究塾生として募集・選抜させていただき、研究にご協力いただきながら独学支援の特別プログラムをご提供します。
【特設サイト】 https://takeda-hikikomori.com/
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/195113/LL_img_195113_1.jpg
ひきこもり学習支援プログラム・特設サイト
■ひきこもりのための新しい独学モデル研究
「集団授業」の非効率さを指摘し、個別の学習ルートを用いた自学自習の重要性を訴えてきた武田塾には、学校や塾に通えない・通いたくないという受験生からの相談が増えてきており、アドバイスしてきました。
しかし、対面の個別指導をまったく行わない独学の場合には学習の進捗に大きな個人差が生じることが分かり、「ひきこもり」と呼ばれる状態の受験生でも自宅にいながら最小限のネット指導等で独学が可能になる新しい学習モデルをつくりたいと考えるようになりました。
これがうまくいけば、新たに「ひきこもり校」を開設することも検討しています。
そこで、2018年度から慶應義塾大学SFC研究所と共同研究を行い、武田塾の個別指導における講師のコミュニケーションの効果に注目し、そのパターン化を試みてきました。
その結果、学習ルートにそって効果的に自学自習するには、「自分の苦手や弱点、問題点」を客観的に理解することが必要であり、講師がその重要な手助けをすることで受験生の学習効率や意欲を高めていることが分かってきました。
そこで今回、その「講師の手助け」を自分自身で行う(内省化する)ための手引きを作成し、一人ひとりに合わせた学習ルートの提供やオンライン指導・サポートを行いながら、ひきこもりや不登校の状態でも「一人で勉強を進めながら自分自身の問題や弱点に気づくことができるかどうか」「一人でも高い意欲で継続的に勉強ができるようになるかどうか」を研究塾生と一緒に調査・検証していきます。
■2019年度・研究塾生募集
大学受験したい・もう一度ちゃんと勉強したいというひきこもりや不登校(だと自覚している)の中学生以上の若者5~10名程度を研究塾生として募集・選抜させていただき、研究にご協力いただきながら独学支援の特別プログラムをご提供します。
まず、10月19日(土)にキックオフ説明会・個別面談を行い(ネット参加可能)、選抜・決定させていただきます。
プログラム開始後は、個別ルート作成、オンラインによる毎週の宿題管理と定期的な学習サポート行い、慶應SFCの研究メンバーとともに独学モデルの実践研究をすすめていきます。
〔2020年11月 プレスリリース発表元企業:株式会社A.ver〕 

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ページ名 ステイホーム生活  (新型コロナ、オンライン授業、  )
新型コロナがひきこもりを急増させる可能性 名大などの研究
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界規模で蔓延するなか、感染予防のために「密閉」「密集」「密接」という3つの密(3密)をできるだけ避けることが政府等によって推奨されている。
職場はテレワークへの転換、学校など学習環境ではオンライン授業への移行が求められ、結果として自宅で多くの時間を過ごすよう生活スタイルが変化している。
名古屋大学は25日、新型コロナウイルス感染症により「ひきこもり」が世界各地で増加する可能性があるとの研究結果を発表した。
■日本以外でも確認される「ひきこもり」
6カ月以上にわたり就労や学業などへの参加を避け自宅に閉じこもる現象が「社会的ひきこもり(以下、ひきこもり)」と呼ばれる現象だ。
日本では1990年代からひきこもりの存在が確認されている。
2003年(平成15年)にその数は217万人とピークを迎え、2019年(令和元年)でも110万人のひきこもりが推定されている。
ひきこもり状態の人の放置は、本人や家族の問題だけでなく生活保護費等の公的扶助の負担増にもつながる。
ひきこもり現象は、日本だけでなくアジア諸国やフランスなどの欧州諸国でも確認されるなど、世界規模での問題になりつつある。
一方、新型コロナウイルス感染症の防止策として、各国ではロックダウンなど厳罰つきの外出禁止政策が採られていた。
共同研究に参加したグラスゴー大学のある英国では約3カ月のロックダウンが実施されたという。
日本ではロックダウンほど強い政策は採用されていなかったが、緊急事態宣言による不要不急の外出自粛が約1カ月にわたり課された。
■オンライン治療が対策として有効か
名古屋大学、グラスゴー大学の研究者らから構成されるグループは、新型コロナウイルス感染症によるロックダウンの解除後も社会への復帰を果たせず、ひきこもりへと至る可能性が高くなっていることを確認した。
こうしたひきこもりへの移行は、幼少期の劣悪な環境といった個人レベルのリスク要因と重なって発生しているのだという。
新型コロナウイルス感染症がもたらしたひきこもりは、インターネットやオンラインゲームを介してのみ世界との関わりを持ち続ける点でも、従来のひきこもりと大差ないと研究グループは主張している。
今後増加の恐れがあるひきこもりやその家族の支援のために、各国が公的資源を投入する必要が出る可能性があるという。
研究グループは、新型コロナウイルス感染症によるひきこもり予備軍の存在に注視し、オンライン治療などの措置が有効だろうと結論づけている。
研究の詳細は、国際精神医学雑誌World Psychiatryに15日付で掲載されている。
〔2020年9月30日 財形新聞(記事:角野未智)〕 

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ページ名 NPO法人共生舎  和歌山県田辺市(  )
ネットあるけど同調圧力ない ニートら魅了する山奥生活
NPO「共生舎」の石井あらた理事=2020年12月14日、和歌山県田辺市五味、滝沢貴大撮影
和歌山市中心部から車で2時間半。紀伊半島のほぼ真ん中、和歌山県田辺市の山奥にある限界集落の一角で、引きこもりやニートの若者たちが共同生活を送っている。
田辺市五味地区にある小学校の元校舎に、現在14人が暮らす。建物を管理するのは、NPO法人「共生舎」。
共生舎は2009年、「居場所のない若者の居場所を」と初代代表の山本利昭さんが設立した。
14年に山本さんが亡くなってからは、利用する若者が自主運営する形になった。
建物には、住民それぞれの個室と、全員が集まれるリビングがある。
月2万円の生活費を支払い、食事の当番さえこなせば、しなければならないことはほとんどない。
「でも、みんな掃除やゴミ捨てはしてくれます。暇ですからね。
自発的に何かやって、ほめてもらえる。人間のあるべき姿って気がしますね」と、共生舎理事の石井あらたさん(32)はほほえむ。
年齢は16歳から30代後半で、出身地はばらばら。背景も様々。
不登校になって退学を選んだ人、会社を辞めて来た人……。
共通しているのは、「生きづらさを抱えてきた」という点だ。
■   ■   ■
石井さん自身も元引きこもりで、14年から共同生活を始めた。愛知県出身。
教師になりたくて、静岡県の大学の教育学部に進学したが、教育実習でつまずいた。
「何をしていいのやら、わからなくなった。みんなが楽しいと言う教育実習ができず、僕には何もできないなと思った」。
次第に大学から足が遠のき、引きこもるようになった。
転機は、インターネット上でのつながりだった。
「当時、ネットでニート仲間を探していて、その中で知り合った人から共生舎のことを教えてもらった。
ネットさえあれば、家に引きこもっていても山奥でも同じかなと思い、ここへ移り住むことを決めた」
移住から6年以上が経つが、共生舎での生活を気に入っている。理由はいくつもある。
居住空間が広々しているから。月2万円で生きていけるから。あいさつするだけで地元住民から喜んでもらえるから。
そして何より、共同生活が楽しいから。
共生舎に来るまでは一人、部屋にこもっていたような住民も多いが、現在はほとんどが共同生活を楽しんでいる。
鍋パーティーをしたり、川遊びに行ったり、カラオケ大会を開いたり。参加を強制されることはない。
気が向いたときに輪に加わり、飽きたら抜ければいいルールだ。
「一人で生きるのって、結構強い人じゃないとだめで、弱い人にとっては群れている方が良い。
自分以外の誰かがなんとかしてくれるだろうって精神的な余裕ができるし、人がいるだけで安心する。
ここにいて、将来を不安に思うことが全然ないんです」
共生舎は「引きこもりからの脱却」を目的とした組織ではなく、居住の期限も設けていない。
メンバーは毎年2、3人ほど入れ替わる。
「ここでエネルギーをチャージして、また社会に戻っていくのもいいし、逆にここを気に入って住み着ついてもいい。
どっちでもいいのが、ここのめずらしいところだと思う」
■  ■   ■
新型コロナウイルスで揺れた2020年は、観光地やリゾート地でテレワークをする「ワーケーション」が注目されるなど、人々の生活スタイルが見直された年だった。
石井さんは「便利さって見方で変わる。それが表に出た1年だった」と話す。
山奥での暮らしは車社会では不便だが、ネット社会では都会とあまり変わらないと感じている。
「たとえば今後3Dプリンターが普及してその場で物が作れるようになったり、ドローンで荷物を配達できるようになったりすれば、むしろ山奥の方が暮らしやすくなるかもしれない」
住民たちは動画配信サービスで話題の映画を楽しみ、音楽配信サービスではやりの音楽を聴き、SNSで全国の人と交流しながら暮らしている。
週に1度の買い出しには片道1時間かかるが、新型コロナに感染するリスクは低く、「自粛警察」に代表されるような同調圧力もない。
住民同士の、そして社会との「ゆるいつながり」が魅力という。
「田舎の良いところと都会の良いところを両取りしたい」と石井さん。
「ネットのお陰で、それができるようになった。ここをどこよりも『文化的な山奥』にしたい」
〔2020年1/7(木) 朝日新聞デジタル(滝沢貴大)〕 

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ページ名 NPO法人With優 山形県米沢市 (社会参加準備施設・山形県  )
オープン8年、自立の若者50人に 不登校や引きこもり、就労に悩む若者支援に取り組む米沢市のNPO法人「With優」(白石祥和代表)が市内で運営する会員制居酒屋「結(ゆい)」でトレーニングを積み、就職が決まって自立した若者の数が50人の節目を迎えた。
手探りの状態でオープンしてから約8年、「失敗を許せる居酒屋」をテーマに掲げ、社会復帰へ踏み出す手助けを担っている。
居酒屋は2013年2月にオープンした。
20~40代の若者を対象として、多くの客層と接する職業訓練の場にするとともに、自立後も気軽に集まれる憩いの場をつくろうという思いから生まれた。
人との出会いがつながっていくようにとの思いを込め「結」と名付けた。
職業訓練といっても仰々しいものではなく、コミュニケーションが苦手と感じている若者たちに、多くの人と触れ合う経験を積んでもらうことが目的だ。
注文の聞き間違いなどの失敗があっても怒らないという趣旨に賛同できる人を条件として会員を募集した。
次第に輪は広がり、現在の会員数は約4700人に上っている。
去年は新型コロナウイルスの影響で3~5月に営業することができなかったが、市内の農家から田植えやサクランボの収穫を手伝ってほしいという依頼が舞い込み、短期アルバイトという形で作業を行った。
白石代表は「若者の自立支援は地域の協力がなければ成り立たない。
これまで築いてきたつながりが生きたと実感した」と手応えを語る。
現在、居酒屋「結」でトレーニングしているのは10~30代の男女8人。
接客のほか開店前の清掃、キッチンでの簡単な調理も担当する。
なるべく人と接しない仕事を希望する若者たちも、居酒屋の経験を通して、自立後は多くが接客を伴うサービス業で働いているという。
自分に自信が持てずに、進学、就労への一歩を踏み出せない若者たちが「ここからなら大丈夫」と思える居場所づくりが続いている。
〔2020年1/7(木) 山形新聞〕 

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ページ名 [[ ]]  (  )
スクールロイヤー “栗原心愛さんの事件でも弁護士がいれば…”全都道府県に配置される「スクールロイヤー」という希望 ©️iStock.com コロナ禍でもいじめは止まらない。 さいたま市のある中学校では、給食中にせきをしたことからいじめに発展し、大きな問題となった。

いじめはなぜなくならないのだろうか。 2021年度から全都道府県で配置されることが決まった「スクールロイヤー」。いじめをはじめ、さまざまな学校問題解決を手助けする専門家として期待が高まっている。スクールロイヤーの第一人者として江東区を中心にメディアなどでも活躍する鬼澤秀昌弁護士に話を聞いた。(全2回の1回目/ 続き 読む) (取材・構成:相澤洋美)       ◆◆◆ 「いじめ」現在の定義のポイントは 「いじめ」の定義(文部科学省) 「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」

――いじめの定義は、時代背景や社会にあわせて改訂されています。現在の定義のポイントを教えてください。 鬼澤 この定義のポイントは、過去のいじめの定義と比較すると分かりやすいと思います。例えば、1986年度から1993年度まで使われていたのは「自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているものであって、学校としてその事実(関係児童生徒、いじめの内容等)を確認し ているもの。」という定義でした。それが2013年の「いじめ防止対策推進法(以下、「推進法」)の施行に伴い、「一方的に」「継続的に」「深刻な」といった文言が消えるとともに、「攻撃」が「行為」という言葉となり行った側の主観も関係なくなっているのです。また、学校が認識しているかどうかの基準もなくなっています。

された方が苦痛を感じたら「いじめ」 実際いじめは悪ふざけや喧嘩との区別がつきにくく、以前の定義では、深刻ないじめが背景にあっても「お互いにじゃれていた」「一時的な行為である」「いじめというほどひどい行為ではない」などと片付けられてしまうこともありました。法律によって被害を受けた人が苦痛を感じたすべてを「いじめである」と定義づけたのは、そのような理由でいじめを見逃してしまうことを回避するためなのです。 この推進法成立のきっかけとなったのは、2012年の「大津市中2いじめ自殺事件」でした。いじめと自殺の因果関係を認めなかった学校と教育委員会の対応はメディアでも大きく取り上げられ、社会問題となりました。

──法律ができたことで、学校側の対応は改善したと思われますか。 鬼澤 推進法ができたことで、いじめを学校全体の問題とみる流れはできてきたと思います。教師は授業だけでなく、保護者対応や部活、生徒指導など、多くの業務を抱えています。いじめが起きた時に一人の教員が抱え込むのではなく、学校組織として対応していくことは、いじめ防止に有効だと思います。

全国で導入される「スクールロイヤー」とは ──学校側の対応を手助けする「スクールロイヤー」が全国で導入されると聞きました。スクールロイヤーについて詳しく教えてください。

鬼澤 学校ではいじめや体罰、部活動の事故、不登校、保護者とのトラブルなど、さまざまな問題が起きます。こうした問題解決の手助けをする弁護士がスクールロイヤーです。 2015年にはじめて導入が検討されたのは、いわゆる「モンスターペアレンツ」といわれる、保護者の不当な要望に対応するためでした。その後いじめ問題や虐待などで学校側の誤った対応が次々と表面化し、スクールロイヤーがますます必要とされてきました。また、2017年度から、文部科学省で、調査研究事業も行われました。 2019年に千葉県野田市の小学4年生栗原心愛さんが虐待死したとされる事件でも、学校や教育委員会の対応が批判を受けました。もしこの時、この学校にスクールロイヤーがいれば、心愛さんが父親の暴力を訴えたアンケートを父親に交付してはいけないとアドバイスし、一緒に対応を考えることができたはずです。こうした事件を二度と繰り返さないためにも、スクールロイヤーによる課題解決が期待されています。

──具体的にどんな支援をするのでしょうか。

鬼澤 スクールロイヤーが介入する典型的な事例の1つは、いじめ問題への対応です。学校には、いじめの被害者と加害者が両方在籍していることが多いので、被害者側の支援のみならず、加害者側への対応も極めて重要です。 マンガ『 息子がいじめの加害者に? 』では、被害者側と加害者側の事実関係に相違がありませんでしたが、仮にここで加害者側が違う見解を示し、学校側が十分に調査をせずに加害者側の言い分を認めたとしたらどうでしょう。「うちの子は被害者なのに十分話を聞いてもらっていない」「学校は隠蔽しようとしている」など、被害者の保護者に不信感を抱かせ、事態が悪化してしまいかねません。 スクールロイヤーに求められているのは、子どもと保護者、学校の間に入り、事実関係を調査すること。そして、学校の対応が適切かどうかを、第三者的に判断してアドバイスをすることです。

最初のボタンの掛け違いが拡大しているケースが多い

──学校側と保護者側の主張が食い違う場合は、どう折り合いをつけるのですか。 鬼澤 先ほどのマンガの事例では、主人公のタケくんが同じクラスのSくんを掃除用具入れに閉じ込めたことが「いじめ」と判断されました。ここで学校側が「調査した結果、遊んでいたことは認められましたが、閉じ込めたことに関しては認められませんでした」と答えたとしたら、どうなると思いますか?

保護者:「ウチの子が嘘ついているって言うんですか。ちゃんと調べていないんじゃないですか」

学校:「再度調査しましたが、閉じ込めの事実は認められませんでした」

保護者:「調べていないか、隠蔽しているに違いない! こんな学校、ウチの子は通わせられない」 と悪循環になるのが想像できますよね。 そこでスクールロイヤーは

1)どうやって調査をしたのか。誰から話を聞いたのか。 2)その調査は適切だったか。 3)保護者への伝え方は適切だったか。

をヒアリングして論点を整理し、調査が不十分であることが分かればさらに追加調査を、学校の対応や保護者への伝え方で不適切な点があれば保護者へお詫びするよう、アドバイスをします。 学校と保護者がもめているケースというのは、最初のボタンの掛け違いが拡大しているケースが一般的です。まずそこを整理し、それでも食い違いが生じる場合には、学校がどうやったら児童生徒や保護者の不安を解消できるかを一緒に考えていきます。

そこに至る経緯も鳥瞰的に見てアドバイス

──「弁護士」というと、一緒に事実関係を調査して証拠を固めていく印象があります。 鬼澤 もちろんそれも大事ですが、私は起こったトラブルそのものに対して判断するのではなく、そのトラブルが起こった背景やそこに至るまでの経緯なども鳥瞰的に見てアドバイスするようにしています。 マンガのケースであれば、タケくんが「閉じ込め」という行為を起こしてしまった根本から解決できなければ、仮にタケくんの問題は解決しても、また別の学年で同じようなトラブルが起きてしまう可能性が高いです。「同級生を掃除用具入れに閉じ込めた」という行為に対しては注意が必要ですが、その日に至る経緯や、タケくん自身や他の子が誰かから同じ目に遭わされた事実はないか、教師の指導の仕方に問題はなかったのか、なども必ず検討するようにしています。

最重視するのは、子どもにとってよい環境を作ること

──スクールロイヤー設置による学校側のメリットは。 鬼澤 たとえば、保護者と学校とのトラブルが長期化すると、現場の教師は「こんなにやっているのに、また謝らなきゃいけない」ともやもや感が続き、また、それにかかる時間も長くなってしまうため、子どもへの指導にも影響が出かねません。 スクールロイヤーがいれば、弁護士として法律的な判断や事実認定を前提として現状改善ができるので、保護者の納得が得られやすくなり、保護者とのトラブルが減るのではないかと思います。

──スクールロイヤーは学校の味方というだけではないんですね。 鬼澤 スクールロイヤーが最重視するのは、子どもにとってよい環境を作ることです。学校はよく「利害関係者がたくさんいる」といわれますが、「こちらを立てればあちらが立たず」ということもあります。総合的に見て、心身の苦痛を受けた子と学校、教師にとってベストな解決策を見つけていくことが重要なところだと思っています。 「スクールロイヤー制度で、いじめはなくなりますか?」 弁護士が考える“いじめと法律” へ続く 鬼澤 秀昌 〔2020年1/7(木) 文春オンライン〕 

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ページ名 高知市で「夜間中学」パネル展  (夜間中学校・高知県、  )
必要としている人に届けたい 高知市で「夜間中学」パネル展 【高知】
今年4月に公立としては高知県で初めて開校する夜間中学について知ってもらおうと、パネル展が高知市で開かれています。
夜の校舎の明るい教室。年代がバラバラの生徒が真剣に授業を受けている様子が伝わってきます。
高知市役所の1階で開かれているパネル展には大阪や兵庫など、全国の夜間中学を紹介する写真38点が展示されています。
「夜間中学」とは戦後の混乱や経済事情などで学校に通えなかった人たちが働きながら通えるよう夜に授業を行う中学校です。
最近では不登校などによって十分学べなかった人たちの“学び直す場”ともなっています。
公立の夜間中学は現在、10都府県に34校が設置されていて来年4月には県内で初めて高知江の口特別支援学校の校舎を使って開校します。
親子ほどの年の差がある生徒たちが一緒の教室で教え合う様子や…様々な国籍の人達が集まりお互いの文化を学んだりしています。
体育の授業ではあの頃に体験できなかった学びを実感するように笑顔がはじける写真などが並びます。
高知県に「夜間中学」をつくる会・細川 英輔さん
「まだまだ夜間中学のことがその人(必要な人)に届いていないという状況ですので、高知では。
ぜひここへ来てもらった人がまた必要としている人に(情報を)届けてもらいたいという思いがあります」
県内初の公立夜間中学には現在12人が応募しています。
県の教育委員会は通学を希望する人の相談を随時受け付けています。
問い合わせ 088-821-4798
パネル展は1月18日まで高知市役所で開催されています。
〔2020年1/7(木) 高知さんさんテレビ〕 

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N高 「刀鍛冶を目指すのも東大を目指すのも同じ。N高はそのためのチャンスを用意したい」入学者急増の秘密を角川ドワンゴ学園の夏野理事&新設されるS高の吉村校長に聞く 生徒数の推移 角川ドワンゴ学園によって2016年にネットの通信制高校として設立された「N高」。生徒数は昨年10月時点で開校時の10倍となる1万5000人を突破、今春には2校目となる「S高」も茨城県つくば市に開校する予定だ。 プログラミング教育などの充実が注目される一方、昨年には東大合格者を輩出、フィギュアスケートの紀平梨花選手が入学したことでも話題を呼んでいる。そこで6日の『ABEMA Prime』では、学園の理事を務める夏野剛・ドワンゴ社長と、S高では校長を務めることになっている吉村総一郎・N高副校長に話を聞いた。

■「家庭の負担が大きくならないような授業料を設定している」 沖縄本校でのスクーリング 県が誘致に協力的だったということ、通信制高校において必要な「スクーリング」(面接指導)に使える施設として廃校があったことから沖縄県うるま市伊計島に設置されたN高。 人気の理由について夏野氏は「需要があるところにちゃんとサービスを提供しようという、IT企業の普通のやり方をしただけだが、思ったよりも需要が大きかった」と説明する。

PCやアプリを通して学習する 「“何でも一律”という日本の教育システムの全てが良くないとは思わないが、ちょっとそこにははまらない、あるいは合わないという人の受け皿が無いことも事実だと思う。日本には高校生が350万人いる一方、文部科学省の推計によれば不登校予備軍が30~50万人いると言われている。アメリカであれば自宅学習も認められているので、何十万人もの子どもたちがそれで学んでいる。だからこそN高には不登校だった生徒もいれば、紀平選手のように世界で活躍している生徒もいるという、ダイバーシティのある高校になっている。

N高の学費 そして、やはりテクノロジーだ。今までの通信制高校は紙だったが、インターネットのおかげで、言ってしまえば1人の先生が何十万人もの生徒を教えることもできる。また、これからのデジタル社会の時代、大人が子どもを教え、育てる力はあまりないと思う。むしろ教育の役割は、あらゆるチャンス、機会を提供することになってくると思う。だからオンラインコースには、リアルに会社を作る起業部や、リアルに投資する投資部などの部活動もある。一方で担任制も敷いているし、クラスのみんながいつでもコミュニケーションを取れる仕組みや対面する機会も用意している。授業料の設定に関しても、就学支援金を意識し、家庭の負担が大きくならないようにしていて、世帯年収が590万以下の家庭の場合、ほとんど負担はない」。

■「やっぱり生徒たちは集まりたい」ニーズに応える学習プログラムも 吉村氏 吉村氏は「もちろん学習指導要領に定められた、高校卒業に必要な要件である単位は取得することになるが、時間ではなく効率を重視し、プラスアルファで学びたいことが学べるということも特徴だ。その魅力がじわじわと広がっていったのだと思う。通学コースではプログラミングのほか、英会話、中国語会話もある。そして重要なコンテンツとして位置づけているのが、『プロジェクトN』だ」と話す。

様々なカリキュラム 「ネットの高校なのに通学コースがある、そのことに驚かれる方もいるが、やっぱり生徒たちは集まりたい。その期待に応えるためだ。学校に行かされるのは嫌だが、オフ会、あるいはイベントには行きたいというような気持ちがある。我々はそこに応えるために、今までもスクーリングのほかに合宿や職業体験といった機会を提供し、友達を作ったり、青春のイベントにしてもらったりしてきた。

「プロジェクトN」 そして高校を卒業するための要件はオンライン学習で完結できるので、登校したときの時間を何に使うべきか考えた。そこで出てきたのが、デジタル時代の社会問題に取り組むための課題解決力やIT技術を身につける学習プログラム。一つのテーマについて1~2カ月くらいかける。外部から講師を呼んでグループワークにも取り組んでもらい、フィードバックによって成長していくことを目的にしている」。

VR授業を体験する渡辺アナ また、今年4月からはVRによる授業も導入される。 吉村氏は「高校で取得すべき単位に関しては、すべての授業をVR対応にするつもりだ。今までは教科書に載っている小さな文字や図版を見ながら学ぶという感じだったが、これなら4Kで非常に高画質。ゴーグルを装着することで、音声も含め、360度すべてが学習環境になる。先生や一緒に学ぶ友達がアバターとして出てくるので、記憶にも残りやすい。将来的には課外授業もVR対応にしたい」と説明。「そうなると、先生の役割も、生徒が何を学びたいのか、あるいはどこの大学に行きたいのかなどを汲み取って、一緒に伴走してあげるコーチングの役割が求められてくることになると思う」と話した。

■乙武氏「僕にもN高があれば家族に迷惑をかけずに済んだのに」

若新氏 慶應義塾大学特任准教授の若新雄純氏は「これまで色々な大学がN高のようなことをやろうとして失敗してきたと思う。大学進学率が50%を超えている今の日本社会では、やはり最終学歴として見られるのは大学、もっと言えば大学名だ。一方で、あくまでも通過点に過ぎなくなってきている高校を変革したのが今までと違うところだと思う。そこで納得できることを見つけられればいいし、ブランドが欲しければ大学進学を、ということができる」と指摘。 さらに「地方に行くと、大学ではなく“どこ高だった?”というのがある。地域ごとに高校にヒエラルキーがあって、通信も含めて、“あそこは隣の県から来た不登校の子が行く学校らしいよ”といったイメージで見られがちだ。N高なら、地方の子でも思い切って行ってみようというニーズが出てくると思う」とした。

乙武氏 東京都教育委員も務めた経験のある作家の乙武洋匡氏は「僕は中学校まで世田谷区の学校に通っていたが、高校で新宿区の学校を目指すことになった。しかし電動車いすで満員電車に乗るのは無理。仕方なく、合格するかどうかもわからないまま引っ越しをして、家族にも迷惑をかけることになってしまった。確かに“通信に行くやつなんて”みたいな時代もあったと思うが、そうではない。僕もあのときN高があれば、家族にあんな思いをさせずに済んだのにと、胸が詰まった」とコメントした。

夏野氏 改めてN高の意義について夏野氏は「世界レベルの紀平選手が体育の授業を受ける必要はないし、ネイティブ並みに喋れる生徒が英語の授業を受ける必要もない。その分、みんなが自分の目指す道を見つけるチャンスを与え、思春期のエネルギーを抑圧しない、そういう高校にしたい。刀鍛冶になるのだって、東大法学部に入るのと同じか、それ以上の意味があるはずだ。だから刀鍛冶に1週間修行に入る授業や、イカ釣り漁船に1週間乗り続ける授業がある。ただし、高校生の段階で“人生の目標“と言われても良く分からない人もいると思うし、単にいい大学に入るということを目標にするのだって否定してはいけない。だからこそN高では難関大学を目指す特進コースも用意した。そこでは体育祭に出て組体操をやらされることもない」と強調。 「強制と教育の間のどこに線を引くかというのは難しい問題だし、我々もそこは悩んでいる。ただ、“ゆとり教育”が失敗とみなされた結果、昔の教育に戻っている感じもする。その意味ではN高は、まさに文科省がやろうとしていた”ゆとり教育”のリアルな姿をテクノロジーで実現しようとしているかもしれないと感じている」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より) 〔2020年1/8(金) ABEMA TIMES〕 

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3学期初日に緊急事態宣言 3学期初日に緊急事態宣言、コロナが不安な子どもへの対応法とは 1月8日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、1都3県に対して新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が実施されました。一方、1月8日はもっとも多くの学校で3学期が始まる日です。感染者数の急増を受けて「コロナが怖いから学校へ行きたくない」と不安を訴える子どもも多くいると予測されます。子どもの気持ちが見すごされないよう、周囲の大人が、どんな対応をすべきなのかをまとめました。 感染リスクが低くてもストレス反応に 学校は比較的、感染リスクが低く、子どもは重症化しづらいと言われています。一方で、国立成育医療研究センターの調査(※1)によれば、7割以上の子どもが不眠やイラ立ちなどを感じるなどのストレス反応を見せています。子ども自身は感染をしなくても、未曽有の事態は子どもたちの心に負荷をかけているようです。

WHOの勧告によれば、家庭内でもニュースをずっと流しっぱなしにしないほうがよいとされています。不安を煽るような情報はシャットアウトして、子どもが不安を口にしたら話を聞いてあげてほしいと思います。解決してあげられない悩みを聞くのは大人でも苦しいことなのですが、「誰かに聞いてもらえた」という感覚は心の整理につながります。 「休みたい」ときは休ませて 「コロナが怖いから学校に行きたくない」と子どもが言ったとき、本当にコロナが怖い場合もありますが、いじめなど人には言えない不安感が募っている場合もあります。20年以上、不登校を取材した経験から言えば、学校を休み始めたときに「すべての事情を言えた」という子どもは少ないです。また、休みたいと言い出したときは、ガマンの限界を超えて言い出す場合が、ほとんどです。「休みボケではないか」「怠けたいだけでは」と周囲は思うかもしれませんが「まずは休んでみる」を認めてほしいと思います。精神的な理由がなければ、数日間、休んだのち、不安感や退屈を感じて学校へ行く子が多いものです。 また、学校を休んでいる期間も本人が望めば、友だちに会わせてあげるのもよいと思います。学校を休んだらみんなとも遊んではダメでなく、本人と相談しながら不安感を軽減できることはしてあげましょう。

『コロナが不安』なら忌引き扱いが可 「学校には行きたくない」「感染が怖いからいやだ」と子どもが言った場合、あるいは親としても登校を控えさせたいと思っても出席日数が気になるかもしれません。これに関しては、「指導要録上『出席停止・忌引等の日数』として記録し、欠席とはしない」ということが校長判断で可能です(※2)。ガイドラインでは保護者が不安になった場合のみ、忌引き扱いが可能だとも読めます。しかし、筆者が文科省に確認したところ、子どもだけが不安に感じている場合でも「可能」だとの回答を得ました。 欠席を忌引き扱いにする場合は、お父さんや祖父母の出番です。こうした学校対応に関しては「ふだん学校へ行かない保護者」が対応したほうがよいからです。特別な忌引き制度があるとは言っても、これは特殊な事務処理です。半分以上の校長先生が、この制度すら知りませんから、まずはこの記事を見せてもらうことから学校対応が始まります。もしも、お母さんがふだんから子どもと関わっていたら、お父さんが学校対応をする。ひとり親世帯の場合は祖父母などが対応することをお願いします。

というのも、子どもにずっと関わっている親ならば、学校や担任に対して、すくなからず不満や「もっとこうしてほしい」と思うことがあるものです。先生たちもけっして口にはしませんが、親に対して同じ思いを持っています。こうした思いを持つ者どうしが話し合うと、スムーズにいきません。衝突してしまいます。なので欠席の話し合いは「担任とお母さん」よりも、「お父さんと学年主任や副校長が話すとうまくいった」という事例を聞いてきました。 最後に学校対応をされる保護者にお願いです。学校対応は「子どもの気持ち」を最優先して、子どもの安心を確保するよう交渉をお願いします。緊急事態ですから学校の都合よりも子どもの安心のために尽力をお願いします。

留守番なら小学生でも 親が働くためには「子どもが学校へ行ってもらわなければ困る」という方も多いでしょう。不登校家庭でも同じ悩みを抱えてきました。不登校家庭で多いケースは、小学校の1年生から2年生ごろまでは、祖父母や会社などの協力を得てやりくりをしています。率直に言って充分な社会環境は揃っていません。目の前にある資源で取り繕うしかないのが現状です。一方、小学校の中学年からは子どもだけで留守番を任せる家庭も多いです。位置情報を確認できるスマホを持たせたり、「困ったときはかならず連絡する練習」などを親子でしていくことで、フォロー体制を整えたりしています。 付け加えて言うと、子どもは親といる時間がとても好きですが、自分の自由にできる時間も好きです。大人としては心配な面もありますが、学びの一環だと思って留守番を活用されることもご検討ください。

大人自身のケアも大事 最後になりましたが、子どもを支えるための「大人の心のケア」も重要だということを付け加えたいと思います。遠隔で働けない環境の人もいます。介護をしている方もいます。コロナが怖いと感じているのは子どもだけではありません。 コロナ禍でのストレス発散も難しいですが、子どものことで悩んできた親たちからは「車のなかで歌いまくって発散した」「趣味に没頭した」など一人の時間をなるべく持つようにしたと聞きます。大事なのは「自分を甘やかすことに躊躇しないこと」なんだそうです。理想的なお母さん像、お父さん像、教育方針、家族のあり方などなどは、いったん脇において親も自分を甘やかす。そのなかでも子どもはすくすくと育っていったそうです。ぜひ子どもの育つ力を信じて子どもを見守っていただければと思います。

※1・第3回コロナ×こどもアンケート調査報告書(国立成育医療研究センター/2020年12月1日発表) ※2・新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン(文科省・2020年6月5日公開)

石井志昂 『不登校新聞』編集長、不登校経験者 1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行なってきた。また、女優・樹木希林氏や社会学者・小熊英二氏など幅広いジャンルの識者に不登校をテーマに取材を重ねてきた。編著書に『学校に行かない君へ』(ポプラ社)など。 〔2020年1/8(金)石井志昂 『不登校新聞』編集長、不登校経験者〕 

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長野県坂城高校の挑戦 地方のスタンダードな公立校、長野県坂城高校の挑戦(1)ICT活用で生徒の集中力が向上 このコロナ禍で、一部の学校によるICTを活用した先進的な事例が注目を集めた一方、日本全体ではオンライン化の遅れによる学力格差の拡大も懸念されている。

関連画像を見る 「うちの地元じゃ無理」「都会の学校は別世界」「学校には何も期待していない」…そんな思いを抱える親子、先生も実際には多いのではないだろうか。 ところが今、この閉塞感に希望の光を灯すのが、地方のスタンダードな公立校、長野県坂城(さかき)高校での挑戦だ。きっかけは、経済産業省「未来の教室~learning innovation~」(*1)の実証事業に手を挙げ、選ばれたことだ。坂城高校は学力の幅が広く、不登校や学習障害を抱える多様な生徒も受け入れており、卒業後は6割以上が地元に就職する。

  • 1 未来の教室 Learning Innovation:経済産業省が、EdTech・個別最適化・文理融合(STEAM)・社会課題解決をキーワードに行っている、効率的な知識習得と創造的な課題発見・解決能力育成を両立する新たな教育プログラムの開発・実証。

地方のスタンダードな公立校での挑戦とは、一体どのような内容なのか。オンライン取材を申し込み、伊藤浩治校長に話を聞いた。 同校で理科教師として9年間教壇に立った後 「生徒も先生も前向きにしたい」という思いを抱き校長に着任

--まず最初に、坂城高校はどういった特徴のある学校か教えてください。 長野県の北部にある長野市と上田市の間に千曲川が流れています。この川の流域沿いにある坂城町という町にある、全日制普通科の高校です。県内では大きな長野市と上田市という2つの都市の間にしなの鉄道が走っており、広域から生徒が集まってこられる利便性の高い立地です。 坂城町というのは200社くらい、小さな製造業の会社が集まっているところで、卒業生の60%以上は、高校卒業後にこうした地元の会社に就職していきます。進学する生徒もいますが、地元に近いところを進学先に選び、卒業後は再び地元に戻って就職をするケースが多いので、本校は最終的に地元を支えていく、地域産業の核となる有意な人材の育成を念頭において、教育活動を行っています。

--伊藤校長は、校長に着任される以前にも、坂城高校で9年間、理科の教員として教壇に立たれていたそうですね。坂城高校の生徒さんにはどのような印象をもっていますか。 生徒たちはフランクに先生と会話するなど、非常に素直な子が多いですね。ただ、中学時代には不登校だったり別室登校だったり、あるいは発達障害といった課題を抱えている生徒たちもいて、学力面では非常に幅が広い生徒が入学してきます。高校に入るまではあまり学校生活で良い思いをしてこなかった子たちが入学してくる割合が高くなっています。

--学校に対して不安を抱えたまま入学してくる子が多いということでしょうか。 そうですね。学校の先生に対して斜に構えるというか、最初は非常に不安感をもっている子が少なくありません。でも、根っこのところはとても素直な子たちなので、その子の気持ちをしっかり聞き、受けとめてあげて、何をしていきたいのかということをきちんと対話してあげると、だんだんと気持ちが打ち解けてきて、学校生活を一生懸命取り組むようになっていきます。そういう意味では、教員の立場からすると非常にやりがいのある学校だと思い、これまでさまざまな取組みをしてきました。

--校長として、学習にICTを活用しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。 先ほども申し上げたとおり、学力面では非常に幅が広い生徒が入学してくるので、対面型一斉授業では、なかなかターゲットが絞りづらいんです。現場の先生方は、あるレベルに絞ると、それよりも上位層、あるいはもう少し頑張らなければいけない層が取り残されてしまうというジレンマを抱えていました。 また、一斉授業という形態になじめないお子さんたちも、非常に困難を抱えていました。そして教えている先生方も、そこがうまく改善できないため疲弊しているという状況にありました。 そのような中で、“EdTech”(*2)の話を聞いたとき、ピンと来たんです。これを活用して生徒ひとりひとりに合った教育が実現できれば、先生方も生徒たちも気持ちが前向きになれるのではないかと思ったからです。

  • 2 EdTech:Education(教育)× Technology(技術)を組み合わせた言葉。教育分野にテクノロジーを活用しようとするビジネスやサービスなどを指す。

地域のスタンダード校という位置づけで選んでもらえた「未来の教室」の実証事業 --そこで、「未来の教室」の実証事業に手を挙げられた、と。 ICTの活用にはどうしてもお金がかかるので、これは思いだけではどうしようもないなと思っていた矢先に「未来の教室」のことを知って、思わず手を挙げさせていただきました。採用が決まったときは、まったく無名の地方の県立校で「なぜ坂城なのか?」と不思議なくらいでしたが、あらためて日本全体を俯瞰してみると、全国の高校の70%以上は本校のような公立校なんですよね。ですから、地域のスタンダード校という位置づけで選んでもらえたのだと思います。

未来の教室実証事業の目的 --現場の先生方の反応はいかがでしたか。 実は長野県でも、この「未来の教室」以前から、「未来の学校構築事業」という取組みが立ち上がっていて、本校も少人数学級の改革の研究校に指定していただいていました。そこで、先生方にはICTを使った個別最適化学習(アダプティブ・ラーニング)の導入事例の視察に行ってもらったこともあったので、「未来の教室」の実証事業にも比較的入りやすかったのではないかと思います。 一方で、最初はパソコンを壊されるのではないかとか、盗まれてしまわないかとか、そもそもタイピングができるかとか、さまざまな不安や危惧は声としてあがっていました。

--実際にChromebook(*3)を生徒さんたちに渡した際は、どんなようすでしたか。

  • 3 Chromebook:GoogleのChromeOSを搭載したコンピューター。

我々が思っていた以上に、生徒たちは適応能力が高く、ICT機器に対するアレルギーがないのには驚きました。 タイピングについては、最初にアカウント登録などをする際、生徒たちには難しいだろうと、NTTドコモさんにキーボードの配置から全部、初歩的な手順の説明を細かくお願いしていたのですが、まったくの杞憂でした。生徒はどんどん勝手にやる(笑)。まず触ってみる。キーボードを叩いてみる。「あれ? 動かなくなっちゃった」とか、「ローマ字入力で“りょ”ってどうやって打つんだっけ?」とか、友達に聞きながら、どんどん自分でできてしまうんです。 生徒たちのようすを実際に見に来ていただいたらわかるのですが、生徒たちはパソコンを自分で常に持ち歩いています。持ち帰りもできるので、家でも使っています。当初の懸念にあった、そこらへんにポイと置いてあっても、それが壊されたり盗まれたりしたケースは一度もありません。 ただ、これは実際に使ってみる中でわかってきたことなんですが、学校の教室の机って小さいんですよね。そこに教科書とノート、パソコンを置いたらもういっぱいで、それによる落下の破損はあります。

--昨年の10月から英語、数学、国語の授業に、個別最適化学習のための無学年式デジタル学習教材「すらら」が採用されましたが、まず、10月以前の授業のようすはどのような感じだったかお聞かせいただけますか。 たとえば、数学だと高1では数I、高2では数IIを扱うのですが、正直に申し上げると、本校の生徒にとってはとても負担感が大きい内容です。教える側の先生方も、どうやって皆がわかる授業にするか、非常に腐心していました。

元々本校では、昔からプリントを使った学習を行い、そのプリントをきちんとやっているかを評価の対象にするとともに、テストもそのプリントから出題していました。 「すらら」においては、「知る」についての支援を行い、教科学習の効果・効率の向上を目的とした。「創る」の学習の成果の安定化、効率化、最大化をマイナビとトモノカイが担当。NTTドコモは環境面を支援。 でも結局のところ、それでは本校の生徒たちにとってはどうしても「穴埋め」作業になってしまうんです。授業ではただ記録という作業をして、テストの前にそこを暗記してそのままアウトプットするのみ。学力をつける、という意味で果たしてこれでよいのだろうかという悶々とした思いを、教員としての9年間もち続けていました。 さらにこれは、先生方にとっても大きな負担でした。クラス全体が大体納得できるような内容に収斂したプリントをつくるというのは、非常に時間のかかる作業だからです。新任で来ると1から準備してつくらなければいけませんし、だからといってそうしたプリントを使わず、板書型の授業でサクサクと進めてしまうと、生徒にとっては聞いているだけになり、どうしても頭に入ってこないので、授業の雰囲気が乱れてしまっていました。 自分でできることにトライする、主体性をもった生徒が増えてきた

--「すらら」導入後はどんな変化がありましたか。 導入後約1年が経ちましたが、英語と数学に関してはフィットしてきているのかなという手応えは感じています。詳しい話は後でそれぞれ担当教諭がお伝えしますが、生徒たちの学習時間は明らかに増えています。 「すらら」のコンテンツがとてもよくつくられていて、声優を使ったり、キャラクターに工夫があったり、取っつきやすい内容です。生徒たちはゲームのようにやっている子も多く、クリア数を増やしたいからと、ガンガン進めていく。この「ゲーム感覚」で自然と力がついていくというところがいいのかなという気がしています。

英数国3教科で教員による授業と、すららを利用した授業のハイブリッドで展開 端末は家に持ち帰れるので、家でも自主学習をしている子がいます。以前は家で勉強する子は少なかったので、「なんで家でも勉強するの?」と聞いてみたら、「ランキングに載りたい」と。「すらら」では学習時間のランキング上位者が全国レベルで毎月発表されるんですよ。そうするとアイテムのようなものがもらえたりするらしく、それを狙っているっていう子もいますね。

--生徒さんたちの学習に対するモチベーションは変わったといえるでしょうか。 「すらら」をやっている授業を何度も見ていますが、一番の大きな変化は寝ている生徒がいなくなったことです。課題にまったく手がつかない生徒や、すぐ終わり、手持ち無沙汰になる生徒がいなくなりました。 もちろん、「すらら」だけだと問題を解いて入力する作業ばかりで生徒たちが疲れてくることもあるので、先生方も色々と工夫をして、「すらら」の学習内容と日常生活を関連づけて考えさせたりしています。たとえば、Chromebookでエクセルを使って平均値や標準偏差といった統計的な課題に取り組ませていると、生徒たちは非常に落ち着いて真摯に課題に向き合い、笑顔も見られます。

すららを利用した授業のようす また、生徒同士「ちょっとここわかんないんだけど?」「あぁ、それね」といった、学習内容について話し合う場面が、授業中に見られるようになりました。先生のほうはというと、モニターを見ながら、つまずいている子がいたら横に行って「どうした?」と声をかけたり、「どこでつまずいたかな?」と支援に入ったりします。だからといってガヤガヤとうるさくなっているかというと、そうでもない。周りのことも気にかけながら自分の課題に取り組んでいるという、授業が非常にいい雰囲気になっていると感じます。

--生徒さんたちが一番変化したところはどこですか。 自分でできることにトライしようとしている、主体性をもった生徒が増えてきましたね。たとえば英検で、4級に受かるか受からないかくらいのレベルだった生徒が、それこそ先ほどいったランキングの上位者に名前が載るくらいものすごく勉強して3級に合格しています。 個々のペースで学習(対象は高校1年生75名、生徒と教員1人1台Chromebookを利用) --就職しようと考えていた生徒さんも大学進学を目標にするようになるのではないでしょうか。

生徒がこんなことをやりたいという気持ちで進学を望むなら、学校としては全力で応援します。ですが、大学進学自体を目的にすることはしたくありません。あくまでも坂城高校での3年間は、自分で考え、主体的に自分の将来を切り拓いていく力を身に付けてもらうことがもっとも大事な目標です。実は私自身、昔は進学実績を必死に上げようとしていた経験があり、大人が過度に干渉することの問題点はよくわかっています。本人の意志を尊重せず、大人が敷いたレールを進ませてしまうと、途中で辞める子、その環境に不適応を起こしてしまう子が出てきてしまうんですね。 その反省に立っているからこそ、君はこうしたほうがいいとか、こっちに進むべきだとか、我々が期待を膨らませて勝手に目標を高めたり、レールを敷いたりしてはいけないと思っています。 「(2)学習意欲がないのは、生徒の責任ではない」へ続く。 リセマム 加藤紀子 〔2020年1/13(水) リセマム〕 

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再婚カップルが陥る”正しい親”幻想 「あの人がお父さんになるのよ、パパって呼びなさい」再婚カップルが陥る”正しい親”幻想 2018年の調査で親の離婚を経験した子どもたちが1年間21万人以上にのぼることがわかった。この数字は高度経済成長期の頃と比べておよそ3倍。子どもの数が減っていることをあわせて考えると親の離婚を経験した子どもたちは決して珍しくなくなっていることがわかるだろう。そうした子どもたちの親が再婚するケースも少なくなく、親の再婚によって継親子関係が生まれた家族のことを「ステップファミリー」と呼ぶ。 ステップファミリーは家庭内でどのような難しさを経験しがちなのだろうか。「血縁がなくても愛情さえあれば実の親子のようになれるはず」と考え、「親に代わって、良い親にならなければいけない」と努力する継親の善意が子どもを苦しめてしまうこともあると語るのが家族社会学者の野沢慎司氏、菊地真理氏の両氏。ここでは「正しい親」幻想が招いた悲劇を受け止め、あらゆる親子が幸福に生きられる家族の形を考えた書籍『 ステップファミリー 子どもから見た離婚・再婚 』を引用し、具体的なステップファミリーの事例を紹介する。(全2回の1回目/ 後編 を読む)        ◇◇◇ 継父は「スポンサー」 ©iStock.com 沙織さん(20代前半、女性)は、5歳で両親が離婚し、7歳のときに実母が再婚して継父との同居生活が始まりました。離婚後に遠方に引っ越した実父は、年に数回沙織さんに会いに来てくれていました。手紙やプレゼントも贈られてきて、安心していたと語ります。その交流は実母が再婚するまで2年あまりのあいだ続きます。しかし、再婚を機に、何の説明もないまま交流が途絶えてしまいます。

沙織さんにとって、実父は「よく遊んでくれる優しい、大好きな父」でした。その実父と前兆もなく急に別れることになりました。その理由が、実母が「再婚するからもう会わないでほしい」と実父に伝えていたためであったと後で知ります。 〈 やっぱりその、大事な父だったので、はい。なので会いに来てくれたのはとても嬉しかったですし、それがその、またいきなりなくなったときは、やっぱり相当母に対して、こう、怒りを感じましたね。〉 「あの人がお父さんになるのよ、パパって呼びなさい」 実父との突然の別れという大きな喪失感を抱えているときに、再婚してまもない実母から継父を「パパ」と呼ぶように言われたというエピソードも語っていました。自分にとって大事な実父の存在を軽視して、継父を「父親」とみなすよう求める実母の態度に、怒りと不信感を抱えます。

〈 「今度からあの人がお父さんになるのよ、パパって呼びなさい」って言われて、で、私はそのとき何も疑問に……、うーんと、私の中では、その、パパという人は本当の父ひとりだったので、えーと、その男性の名前にパパってつけて「何とかパパって呼べばいいの?」って何も疑問に思わないで言ったんです。パパは本当の父親ひとりで、別のパパっていう認識だったので。(中略)母親から「何でそんなこと言うの? パパでいいじゃない」ってものすごく怒られたんですね。

私は当たり前のように、本当の父とは別のところに新しい父(継父)を並べていたんですけど、こう、母の中ではまったくそうでないというか、多分そう、私がそう思っていると思いつきもしないんだろうということがわかったので。〉 沙織さんと継父との十数年にわたる関係のなかで、継父からは「父親」のようなふるまいもないので怒られたこともなく、反抗や衝突も起こらなかったと言います。沙織さんからも仲悪くする必要はないが仲良くしたいとも思わないというように、双方のあいだでほとんど情緒的交流がなく、一定の距離感を保ったままの関係であったことがわかります。 実母の期待に応えて継父を「パパ」と呼んでいるけれども、「父親」とは思っていない。沙織さんは、実父への想いを無視した実母への不信感と、会えなくなった実父への思慕を持ち続け成長しました。そのことが、継父との関係を心理的に避ける行動につながり、継親子関係を発達させなかった要因といえるかもしれません。 ただし、継父は生活費や教育費などの経済的側面から沙織さんをサポートし続けており、教育達成(大学院進学)や社会的自立の後押しとなる肯定的な効果をもたらしています。

〈 生活のお金の半分は父(継父)から出ているので、そういう意味ではとても感謝してましたし、ありがたい人だと思っていたんですが、でも、特にその、仲悪くする必要はなかったですけれど、仲よくしようという気もそんなに起こらず。何でしょうね、やっぱりあんまりお父さんとは思ってなかったのかな。「一緒に住んでいる人」とか、もしくは「スポンサー」のような。〉 継親が「すぐキレ」て激しい暴力 次に紹介する早紀さん(20代後半、女性)は、5歳のときに両親が離婚、7歳のときに実母が再婚し、継父と同居するようになります。離婚後も週1回、実父との交流が続いていましたが、再婚を機に引っ越すことになり、実父とは会えなくなってしまいます。実母は実父の写真の全てを捨て、「もう会えない」と言われてからは「会いたい」と口にすることはできなかったと言います。再婚後、同居するようになった継父が、自分と兄二人に対してとった行動を次のように語っています。

〈 まず変な説教から始まりました。(継父を)「おじさん」ってずっと呼んでたんですよ、私。「何で呼べないの? お父さんって」っていうのを、(継父の)説教が、例えば夜の8時ぐらいから始まったとしたら、小学校2年生の私に朝の5時ぐらいまで延々と。【朝の5時。一晩中っていうことですね。】そうです。寝たら叩かれるので。【ああ、それは辛いですね、相当。】そうですね。で、私が体調悪くして学校休むとかなると何か向こう(継父)も休むんですよね仕事を。だからどんなに熱出ても学校行って保健室で寝てたりとか。【それはお兄さんたちに対しても同じですか?】そう、みんな一緒です。私の場合は顔(への暴力)はないんですけど、お兄ちゃんは目から血出してたりとかしました。

※【 】はインタビュアの言葉です。〉 呼び名(呼称)は相手とどのような関係にあるかを象徴するものです。早紀さんの場合は、継父みずからが「お父さん」と呼ぶように求めてきました。継父が実父になり代わって、「父親」の地位と役割にあることを早紀さんたちに強引に認めさせようとしているように思えます。「お父さん」と呼ぶように強要したり束縛したりする態度や、「すぐキレる」と激しい暴力を受けた恐怖体験は、成人後もトラウマになっていると言います。さらに、継父からの行動が虐待的なものへと発展しても、自分たちを守ってくれなかった実母に「不信感」を募らせ、「(母から)愛されてると思ってなかった」と語ります。 〈 お母さんも、まあ私でも(継父が)怖くて助けられないと思うんですけど、もちろん(母が継父の行為を)止めることはあるんですけど、いつも止めてくれるわけじゃないので、何なんだろうと思って。〉

実父と再会したときの感情 再婚後から始まった継父の暴力は実母にも及んでおり、継父は虐待的行為を通じて家族を支配下に置いていたのです。実母は、早紀さんが10歳のときに夜逃げ同然で住んでいた家を飛び出し、離婚届を出したことによって、継親子関係は終わりを迎えます。実母がとった行動が、継父の暴力から子どもたちを守り、避難させることにつながったケースです。しかし、継父と母親は絶縁しましたが、継父からの虐待的行為から保護してくれなかった不信感から、母親との関係が悪化し、中学時代は友だちと夜間外出し、高校時代は交際相手の男性の家に長期滞在する生活だったと言います。 実母の再婚を機に7歳のときから交流が途絶えていた実父(別居親)とは、成人してから突然再会する機会が訪れました。それまで実母から聞いていた実父は、金遣いが荒い・パチンコ好き・養育費を支払ってくれないなどネガティブなイメージばかりであり、実父に対する思慕や親密な感情はなかったと言います。

〈 (再会したとき)「お父さんだよ」みたいな(笑)。だから何? って思っちゃったんですけど(笑)。私はお母さんから養育費もらってなかったとか、何かそんな話しか聞いてなかったので、あまりいいイメージ持ってなくて。まぁ、片方から聞いた話だけじゃねっていうのもあったんですけど。(中略)養育費というか、慰謝料みたいな感じで、これだけ払ったんだよとかって言われて、そんなの私が今聞いたってどうも思わないしっていう(笑)。〉

親密な感情が沸きあがることはなかった 実父から聞いて、ディズニーランドや遊園地に行った写真や子どもたちの写真や通信簿を保存していたことを知ります。実は養育費を支払っていたと聞かされ、実母から聞いていた話とは別の実父の一面を知ることになるのですが、再会を喜ぶ実父に対しどこか「冷めている」と早紀さんは話します。別れてから17年間の空白期間を埋められず、再会によって親密な感情が沸きあがることはなかったと振り返っています。

お母さんに「守ってほしかった……」 8歳から継父と一緒に暮らした彩さん(20代後半、女性)は、継父が思春期の自分と妹に厳しいしつけをしたと語っています。自分が間違ったことをすると厳しく叱る怖い継父を「父親」として受け入れてはいたものの、母親にはその厳しさから自分を「守ってほしかった」という思いを持っていました。しかし、継父の理不尽さを母親に訴えても継父を擁護するばかりで、自分を守ってくれなかったと感じています。

〈 いや、でも直接的に(継父に対しては)言えないんですよ、怖くて。けど、母には言えるから、母に言ってもでも父(継父)の味方で、「何でわかってくれんのん?」って言って。(中略)「ここまですることないじゃん」っていうようなことを(母親に)言っても、「でもお父さん間違ってないでしょう」って。いや、まあそうなんだけどっていう(笑)。(中略)父親(継父)は机の上に(中略)何かが置いてあるとだめな人なんですよ。けど、結構教科書とかいろいろ置いてて、それを全部バーッて落としたりして、そしたらすごい手間かかるじゃないですか、片付けるのに。ここまですることないじゃんっていう、すごいどうでもいい話なんですけど、子どもの中ではもう何かショッキングというか。〉

不登校、そして精神疾患を発症 彩さんは、自分が継父に直面しなくてすむよう母親に継父との間に入ってほしかったのに、その思いが伝わらず母親と「バトル」になったと言います。そして、「母親って私の中では(継親との)パイプ役だと思ってるから、その役割をしてくれなかったというのはちょっと悲しかったですね」と語ります。 その後、高校時代に恋愛関係など人間関係のトラブルを経験し、不登校になります。転校した定時制の高校を卒業後に精神疾患を発症していると診断され、現在も治療を受けています。今では少しずつ改善していると感じてはいるものの、母親との関係がうまく行かないことを悩み続けており、現在の病気の根本には母親との関係が関わっていると考えています。このケースは、虐待的行為のあった別居親(実父)とは絶縁、同居親(実母)の再婚で8歳から同居した継父からも虐待的行為を受け、実母にも頼れず、また周りに頼れる親族もいない。

結果として、幼いときから身近で信頼できる相手が誰もいない、誰とも愛着関係を形成できなかったことが、現在の病気(精神の不安定さ)につながっているように思えます。 子どもの精神的健康にもっとも大きく影響するものとは ステップファミリーというと、血縁のつながりのない継親子関係に目が行きがちですが、子どもの精神的健康にもっとも大きな影響を与えるのが同居親の態度や行動です。(*1)ステップファミリーがどのような関係を築いていくのかを左右するキーパーソンは同居親です。

  • 1 野沢慎司「ステップファミリーの若年成人子が語る同居親との関係―親の再婚への適応における重要性―」成城大学社会イノベーション学会『成城大学社会イノベーション研究』第10巻第2号、2015年 59~83頁

同居親は、子ども、継親、別居親それぞれと直接のつながりを持つポジションにあります。継親子関係、別居親子関係、子ども間の(継/異父母)きょうだい関係に介入し、仲介・調整・支援できるのは同居親のほかにいません。継親との対立が生じた際、自分を支持してくれない同居親から裏切られたように感じる。同居親との親密さが損なわれて疎外感を抱く。継親との関係で苦しんでいるのに(虐待があるケースを含みます)、同居親がそれを察知していながらも保護してくれない。そして、強い不信、怒り、恨みの感情を抱く。このような子どもたちの声を、私たちは何度も聞きました。

そして、成人後も同居親との関係に悩み、適応上の問題を経験しているケースや、同居親との関係から距離を取り絶縁状態にあるケースもありました。 親の再婚は子にとって幸せ?不幸せ? 再婚後に良い関係を築けるかどうか…その決定的な分かれ目とは へ続く 野沢 慎司,菊地 真理 〔2020年1/8(金) 文春オンライン〕 

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ひきこもりの自立支援業者、引き出し屋問題 引き出し屋問題 破産手続き中のひきこもりの自立支援業者らを遺族が提訴 20年間にわたってひきこもり状態にあった40代の男性が、2019年4月に熊本県内の自宅アパートにて餓死状態で見つかったのは、「第三者の保護が望めない状態の要支援者を業者が放置したため」として、神奈川県の遺族が今月1日、ひきこもりの自立支援業者2社らを相手取り、約5000万円の損害賠償を求めて提訴した。      *** 今年もまた、引き出し屋が提訴された。 裁判を起こしたのは、2017年1月から2018年8月にかけて、東京都内と熊本県内でひきこもりの自立支援施設「あけぼのばし自立研修センター」の支援を受け、その後自宅で死亡した状態で発見された男性(死亡時48歳)の遺族。

提訴されたのは、同センターを運営していた、クリアアンサー株式会社(東京都、破産手続き中、破産管財人田島正弘)と、「曙橋自立研修センター くまもと湯前研修所」(熊本県湯前町)を共同で運営していた株式会社常笑(熊本県湯前町、代表藤岡洋史)らだ。(センターの表記かなと漢字の違いは、そのまま)。 訴状によれば、亡くなった男性は、支援開始当時は20年間にわたる完全なひきこもり状態にあり、2017年1月から8月にかけて東京の同センターで過ごした後、同年8月末に熊本県湯前町の研修所に移された。同社の管理下で、その年のうちに一人暮らしと就労をし始めたが、家族に対するセンターからの報告は秋頃から途絶えがちになり、男性が同県あさぎり町の自宅アパートで餓死状態のまま発見される2019年4月25日までの間、男性に関する報告書は1度も届かなかった。状況を把握できなかった遺族は、男性が亡くなったのは、「第三者の保護が望めない状態の要支援者を業者が放置したため」として今月1日、2社らを相手取り、約5000万円の損害賠償を求めて元日に東京地裁へ提訴した。

■相次いでいたトラブル クリアアンサーは、ひきこもりや不登校等に悩む親や家族などから高額な自立支援契約を取り付け、本人を共同生活型の施設で生活させる民間業者のひとつ。俗に「引き出し屋」などとも呼ばれる。 同社の場合は特に、拉致・誘拐ともいえる暴力的な連れ出し手法や、法的権限がないにもかかわらず、本人に著しい私権制限を課すといった管理手法などの被害を訴える人たちが続出し、訴訟が相次いだ。同社は暴力的手法を否定するか、「本人が暴力で家族に迷惑をかけていた」などとして手段の正当性を主張してきた。ところが、契約した親たちからも「説明と異なっていた」「支援内容が契約に見合わない」などして、提訴されたり返金要求されたりした。 こうしたなか、同社は2019年11月に突然、「いわれのない誹謗中傷や誤った情報が報道されている。研修生の安全を守れない」などとして突然、閉鎖を通告。直後に子会社のリアライズ株式会社とともに、東京地裁に破産を申し立てた。2020年11月までに3回の債権者集会が開かれたものの、現在も資金の流れの解明は続いている。また、クリアアンサーの監物啓和代表ら関係者9人に対しては、暴行罪、逮捕監禁致傷罪、監禁罪で東京地検が捜査中だ。

あけぼのばし自立研修センター関連の債権者集会に向かう被害者やその家族たち(2020年11月、東京地裁、加藤順子撮影) 常笑は、熊本県内で児童発達支援サービスや放課後支援サービスを運営する支援業者で、同県内や東京都内で複数のこども園を運営する社会福祉法人慈光明徳会との「Jグループ」を構成する。最近は、2020年の熊本県南部豪雨災害の被災者支援に奔走する同社だが、男性が亡くなった2019年当時は、あけぼのばし自立支援センターの強引な支援・管理手法を踏襲する多数の「育成スタッフ」と、研修所の施設と利用者の生活寮を、クリアアンサーに対して提供していた。 同じころ、地元の精神科病院の医師たちの間では、「人権侵害が行われているのではないか」として研修所のことが話題になっていた。常笑のスタッフが連れて来る患者たちの状態がことごとく悪く、なかには、施設に連れてこられた経緯やそこでの管理のされ方について話し、助けを求めてくる人もいたからだ。また、地元の消防や複数の関係者の話によると、男性が亡くなる前年の2018年2月には、19歳の男性が研修所から程近い通り沿いで自死したこともわかっている。

■ 親亡き後への心配から始まった典型的な7040問題だった 男性は、死亡当時48歳。昭和46年生まれの団塊ジュニア世代だ。昨年81歳になった母親によれば、「小さい頃から内気で、誰に対しても優しい子」だったという。 遺族は複数回にわたり熊本県を訪れ、亡くなった男性の足跡を辿った(2019年11月、熊本県内、加藤順子撮影) 高校卒業後、海上自衛隊に志願した。勤務していた3年間は、カヌー競技もやっていた。釣りが好きで、休みには遠方にも出かけていた。民間企業に移って5年ほど働いたものの、上司が変わると会社に行きたがらなくなった。1997年頃に完全に退職してからは、自宅にひきこもるようになった。その頃から、家に親族や友人たちが訪ねてきて会いたがっても、会おうせず、電話にも出なくなっていった。

「男の人は何も喋らないからわかりませんが、会社で何かあったんでしょう。あれからすっかり人間嫌いになってしまったんです」(母親) 母親も手をこまねいていたわけではなかった。息子の状態を保健所に相談に行くと、医師がアウトリーチに来た。男性の部屋で1時間近く話をした医師は、母親に、「精神的に異常はない。大丈夫」「仕事をしろと、当面は口にしないでください」と告げた。医療従事者でもあった母親は言われた通りにし、「いつか出てきてくれる」と思って見守り続けた。しかし、「気がついたら20年あっという間」(母親)に過ぎていた。男性は買い物には行かれなかったが、家での様子は、母親をはじめとする家族との会話はあり、洗濯物を取り込んで畳むなどの家事などは積極的に手伝うなどしていたという。食べることが好きで、母親が料理を作れば、一緒に食べていた。 そんな状況に、自立支援業者を介入させるきっかけは、2016年に父親が病死したことだった。同居する家族は、70代後半の母親ひとりになってしまった。親亡き後の男性の生活を心配した母親と家族がインターネットで探した「ひきこもり支援の専門業者」が、クリアアンサーだった。早速相談に行くと、「プログラムをしっかりやっている」と説明され、さらに支援の様子の映像も見せられ、信用した。長年住んだ自宅を売るという前提にして、6ヶ月間で918万円の契約をした。

■突然の連れ出しに大泣きした男性 こうして男性は、「あけぼのばし自立研修センター」に連れて行かれることになった。センターのスタッフは、訪問を事前に男性に知らせることを家族に強く禁じたため、2017年1月18日の連れ出しは、本人には突然の出来事だった。 家に届く郵便物などは、母親が男性に転送していた。「働いているからと、気をつかって食べ物はあえて入れなかった」(2019年11月、熊本県内の男性の元職場、加藤順子撮影) 母親は、強引な連れ出しはして欲しくないと思っていた。あらかじめ、ガードマンはいらないと頼んでいたのに、訪ねてきたのは同社のスタッフ3人とガードマン2人の男性5人。彼らが取り囲んで施設に入るよう迫ると、男性は大声で泣き始めたという。母親は、申し訳ないという思いに駆られつつ、下着から生活や仕事に必要な衣類や靴、洗面用具などのひとつひとつを、出来る限り新品を揃えて準備し、スーツケースにぎゅうぎゅうに詰め込んだ。また、本人の小遣いとして、現金3万5千円を同行したリーダー格のスタッフに託した。親心が詰まったそれらの荷物や現金のほぼ全てが、現在も行方不明だ。 男性は家を出る時、下を向いていた。涙しながら見送ったその後ろ姿が、母親が息子を見た最後の姿だ。元気になって帰ってくると信じていた。

■報告書が来なくなった 母親は、男性と連絡を取らないようにセンターの担当者から指示されていたため、直接様子を知ることはできなかった。初期の契約終了後の8月になって、担当者から電話があり、「本人が行きたいというので、明日、熊本にやります」という電話があった。本人の意向であると説明されたことから、さらに6ヶ月で約386万円の追加契約に応じた。契約終了後も、月に2度の面談を半年間無償で行うという約束付きだった。熊本行きはあまりに急なことで、空港に送りに行くこともできなかった。 亡くなった男性が利用した「曙橋自立研修センター くまもと湯前研修所」の内部(2019年11月、熊本県湯前町、加藤順子撮影) 2回の契約で、合わせて1304万円。当時、母親はこの費用を分割で支払っている。自宅が売れないうちは、「支払わなければ息子さんをまた家に返しますよ」と電話がかかってきた。家が売れるまでは、借金して賄った。

それだけの高い費用を支払ったにもかかわらず、支援はずさんなものだった。センターからは月ごとに報告書が送られてきていたが、いい内容ばかりだった。しかし実際には、男性が東京のセンターにいる間に入院していたことや、さらに手術をしていたことも、家族は後から知らされた。 契約を延長した後は、そうした報告書すら家に届かなくなった。担当者に尋ねても、返事が来ないこともあった。男性が亡くなった後、かつての担当者が通夜にやってきて、茶封筒に入れたわずか2ヶ月分の不完全な報告書を手渡していった。

■「○○くん、死にましたー」 男性は熊本に行ってから、寮を出て、アパート暮らしを始めた。介護施設に就職もした。母親は、そのごく表面的な事実だけは担当者から聞いたが、詳しいことは何ひとつ知らされなかった。連絡を取らないように厳しく言われていたので、尋ねることも遠慮し、息子の様子を見に行くことも我慢した。男性のアパート暮らしが、常笑の代表者名義での一人暮らしだったことや、就労していた介護施設がどこであったかなどは、亡くなった後にわかったことだ。男性はその後、その就労先も退職し、再びひきこもり状態に戻って、孤立したまま深刻な困窮状態に陥った。

介護施設の厨房や配膳で活躍した男性は、利用者や職員の誰からも好かれていたという(2019年11月、熊本県内、加藤順子撮影) 2018年のゴールデンウィークが始まろうとしていた4月下旬、かつての担当者から突然電話があった。言われたのは、『○○くん(男性の名前)、死にましたー』。その担当者は、遺体で発見されて家族が駆けつけた際、「フォローを続けるなら追加費用が必要だった」とも言い放った。

男性の母親は、今回提訴に至った理由をこう語る。 「突然『死にましたー』という電話がかかってきただけで、いまだにわからないことだらけです。センターが本人の様子を見てくれていたら、行政につなげるか、家族に知らせてくれていたら、こんなことにならなかったのではないか。また、遺品が全然返ってこないのはなぜなのか。無理だと分かっていても、本人を返せという思いが募ってくる日々のなかで、せめてなぜこういうことになったかを知りたくて、裁判を起こすことにしました」 母親にとってのせめてもの救いは、男性が、熊本で働いていた介護施設の職員や利用者たちから慕われ、とても大切にされていた様子がわかったことだ。なかでも管理職員のひとりは、離職後の男性を気にかけ、もう一度一緒に働こうと誘ったり、アパートを訪れたりしてくれていた。

■ 提訴された2社のコメント 提訴を受け、センター側の2社は次のようにコメントした。 クリアアンサー株式会社の破産管財人の田島正広弁護士(田島・寺西法律事務所) 「訴状を受け取っていないので,内容についてのコメントはできない。訴状を受領した際には,破産管財人として,破産法に則った対応をしていきたいと考えている」 株式会社常笑の藤岡洋史代表 「(亡くなった男性のことについて)ご家族様へ全てをお伝えしております。取材にお伝えすることは何もありません」

加藤順子 ライター、フォトグラファー、気象予報士 学校安全、防災、対話、科学コミュニケーション、ソーシャルデザインが主なテーマ。災害が起きても現場に足を運ぶことのなかった気象キャスター時代を省みて、取材者に。主な共著は、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)、『石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する』(ポプラ社)、『下流中年』(SB新書)等。 〔2020年1/8(金) 加藤順子 ライター、フォトグラファー、気象予報士〕 

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中井友望 元不登校から女優へ。「ミスiD2019グランプリ」中井友望の輝き 個性の時代といわれるが、スターとは誰よりも強烈な個性と輝きで時代を照らす存在だ。その予感をいち早く察知するクリエイターが注目する時代のヒロインの輝きを、気鋭のフォトグラファーが切り取る「旬撮ガール2021」。今回は女優・中井友望に注目した。 誰にも言語化できないひとりぼっちのヒロイン(撮影/東 京祐) 中学生のとき、人間関係に悩み不登校になるも、映画『ヒミズ』(園子温監督)をきっかけに女優を意識し、ミスiD2019グランプリ。昨年いきなり地上波でドラマデビューを飾った中井友望を自身が手がけた初の舞台『夜だけがともだち』に抜擢した注目の若手映画監督・ふくだももこ氏は、彼女に語りかける。 「友望のことを私はまだ、言語化できない。 映画監督として彼女に惹かれるより先に、魂が“出会ってしまった”という感覚だった。オーディションで目の前にぽつりと座る彼女の瞳はどこへも行けずさまよっていて、大きな荷物を抱える彼女に『これからどこへ行くの?』と聞くと、ひとまず大阪に戻る、東京には居場所がないのだと言った。

ああ、私はこの子の居場所になるために、映画や表現をし続けなければいけないのだなと思った。 2020年3月、初めてつくった舞台に友望に出てもらって、仲間たちと楽しそうにお芝居する友望を見て、本当にうれしかった。ずっとずっと、見てるからね。たくさんの人と出会って、泣いて、笑って、素直に生きてね。いつか、ふたりで映画をつくろう」 孤独とともに歩んだ少女は今、女優という居場所を見つけた。

【推薦人:ふくだももこ氏】 映画監督・作家。養子として引き取られ、全員血がつながっていない家族のもと育つ。’16年『えん』ですばる文学賞佳作。’19年『おいしい家族』、’20年『君が世界の始まり』と監督作が公開。

【中井友望(なかいとも)】 ’00年生まれ。ミスiD2019グランプリ。’20年、『やめるときも、すこやかなるときも』(日本テレビ)でドラマ初出演。1月7日~11日公演の舞台『アルプススタンドのはしの方』に出演。 スタイリング/千葉 良 ヘアメイク/榎本愛子 ―[今年ブレイクが期待される美女8人を撮り下ろし『旬撮ガール2021』]― 日刊SPA! 〔2020年1/9(土) 週刊SPA!〕 

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子どもたちの「ライフスキル教育」 「子どもの生き抜く力育てよう」 教育志願学生対象にワークショップ 仙台 対話型のワークショップで学級づくりの進め方を学ぶ学生たち 子どもたちの生きる力を育む「ライフスキル教育」を学び、将来の教育現場で生かしてもらおうと、教員志望の学生を対象にしたワークショップが9日、仙台市青葉区の東北福祉大ステーションキャンパスで始まった。10日まで。 宮城県内をエリアとするライオンズクラブ国際協会332-C地区が主催。ライフスキル教育に詳しい元教諭の北山敏和、寺西勉両氏が講師を務め、同大教育学部の1~4年生35人に問い掛けながら、子どもたちと心を通わせる学級づくりや、他者を大切にし自尊心を養う重要性などを伝えた。 ライフスキル教育はコミュニケーションを重視することから、いじめや不登校といった問題への対処にも有効という。 運営した東北福祉大教育学部の大西孝志教授(特別支援教育)は「ライフスキル教育は、正解のない問題を自分たちで解決する力につながる。今回の体験型の学びで大きな学習効果が期待できる」と話した。 河北新報 〔2020年1/10(日) 河北新報〕 

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児童書「なぜ僕らは働くのか」 池上彰さん監修の児童書「なぜ僕らは働くのか」異例40万部ヒットの理由 担当編集者に聞く 少子高齢化が進み、それぞれの働き方が問われる中、児童書「なぜ僕らは働くのか」(学研プラス、1650円)が昨年3月の発売以来、40万部を超え、異例のヒットを記録している。さまざまなデータや統計などを使い、これからの働き方を分かりやすく教えてくれる。イラストを使って読みやすくした工夫も好評だ。担当編集者に聞いた。(久保 阿礼) 「かなり作り込んだので、10万部ぐらい出てくれたら、と思っていました。予想外の大ヒットでしたね」。学研プラス小中学生事業部の宮崎純編集長(39)は手応えを語った。約250人に実施したアンケート調査では読者満足度が97・5%を記録。1年弱で40万部を超え、今も反響は続いている。「働くことや生きていくことの本質を、子供たちにも分かりやすく伝える本を作りたかった。これだけ反響をもらって良かったな、と」

「なぜ僕らは働くのか」。子供や大人が意識する哲学的なテーマでもある。導入は漫画から始まる。東京暮らしのハヤトは中学受験を経験し、合格した。だが、不登校になり、母の実家に引っ越す。そして、学校での職場体験をきっかけに、将来への不安を感じるようになった―。章ごとにテーマを変え、漫画から詳細な解説へと展開し、最後まで一気に読み進めることができる。なぜ自分は勉強しているのか、将来なぜ働くのか、主人公は成長する過程でさまざまな疑問が浮び、壁にぶつかる。 「主人公と読者の立場をリンクさせて感情移入してもらえたらいいな、と。作りながら各章の立て方を決めましたが、漫画だけだと情報量が少なくなってしまいます。働くことを丁寧に説明すると、内容は多岐にわたります。生きること、お金とはなど、説教くさくならないように工夫しました」 もともと全国の学校や図書館向けの本として19年2月に出版した。生徒や学校関係者に評判が良く、宮崎さんと、同じ編集部の中西亮太さん(28)の2人を中心に「市販化して勝負しよう」と決めた。事前に見本を教諭ら教育関係者に配布。約250人の意見や感想を集め、内容を再検討した。ジェンダーやSDGs(持続可能な開発目標)、世界とのつながりなどを加筆した。働くことの意味、生活していくには、いくらかかるのか。AI(人工知能)時代の生き方、勉強することの意味は何か…。「考える材料」を分かりやすく示した。

宮崎さんが別の仕事で一緒に仕事をしていた縁で、ジャーナリストの池上彰さん(70)に監修を依頼した。「普段、淡泊な方なんです。でも、出来上がった本を見てもらったら、池上さんから『すごいですね。感動ものです』と言ってもらえました。うれしかったですね」。男の子が中心に配置された表紙もインターネットによる投票で決め、巻末には将来を考える時、「きっと役に立つ」と言う参考図書も掲載した。 「世の中にはいろいろな職業があり、いろんなお金の稼ぎ方があります。ユーチューバーも少し前までは選択肢になかった職業ですよね。でも、今は憧れの職業です。悩んで苦しんだ時、進路に迷った時など、皆さんの背中を押せるような本であってほしい。近くに置いて、読んでいただけたらうれしいですね」

報知新聞社 〔2020年1/10(日) スポーツ報知〕 

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不登校との付き合い方 「コロナに感染するのがこわい」という理由で学校を休む場合、欠席扱いにならないケースもある?![不登校との付き合い方(10)] 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、1都3県に対して新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されました。 新型コロナウイルスの感染が拡大しているというニュースが連日続くなかで、コロナに感染するのがこわいから、学校には行きたくないと思う子どももいるでしょう。そんなとき、「学校は休んでよい」と言ってよいのでしょうか。「不登校新聞」編集長の石井志昂さんに伺いました。 コロナがこわいと言う場合は、学校には行かなくても欠席扱いにならない 「感染がこわいから、学校にもう行きたくない」と言っている子どもの気持ち、わかります。学校という場所は密になる場所ですから、大人に比べて感染リスクが低いという報道があっても、これだけ日々ニュースで言われていたらやっぱりこわいですよね。

WHOの勧告によれば、家でもニュースをずっと流しっぱなしにしないほうがよいそうです。不安な気持ちをあおるような情報はシャットアウトして、子どもが不安だと言いだしたら、話を聞いてあげることが大切です。 コロナの感染がこわいと感じて休みたいという場合、出席日数のことが気になるかもしれません。これに関しては、「指導要録上『出席停止・忌引等の日数』として記録し,欠席とはしない」ということを校長判断でできると文部科学省も発信しています※。子ども自身が「コロナがこわい」と言ったときは、こうした制度も利用できると、覚えておくとよいでしょう。

それと同時に、「コロナがこわくて学校に行きたくない」と子どもが言うときには、いじめや、人に言えない不安が募っているということがあるかもしれません。いずれにしても、休みをとる必要があるときです。 休んでいる期間も、学校の授業時間が終わってから友達に会うのはかまわないと思います。学校を休んだらみんなとも遊んじゃダメ、ということではなく、こわいものは避けてよいです、ということなのです。 事務手続きは、普段学校に行かないほうの保護者がする ただ、こうした制度があるといっても「忌引き扱い等」にするには、特殊な行政処理になるので、通常の休みの届けよりもハードルは高くなります。そのとき、普段子どもとあまり関わっていないほうの保護者が事務手続きをしたほうがよいです。もし、子どもにずっとかかわっているのがお母さんだった場合はお父さん、ひとり親世帯だったら祖父母が、学校との対応、電話や事務処理をしてほしいです。

子どものことにずっと関わっていると、コロナのことに限らず、学校や担任の先生に対して不満だとか、「もっとこうできたらいいんじゃないの?」と思っていることがあるものです。保護者側にそういう思いがあると、担任の先生も保護者に対して不満を抱いていたりして、お互いにコミュニケーションがスムーズにいきません。だから、当事者をはずして、普段は学校に行かないほうの保護者と、担任ではなく学年主任や副校長が話すことでうまくいった、という事例は、不登校の長い歴史のなかにもたくさんあります。 これは、交渉能力や事務処理能力とはまったく別のことです。こういう手続きを、他の人に代わってもらうことで、普段子どもと一緒にいる人が、子どものそばにいる時間を確保できるということにもなります。

大人だって「コロナがこわい」。ストレスはうまく発散して! それと同時に、コロナをこわいと思っているのは、大人も同じだと言うことを忘れずにいたいところです。医療従事者の方を筆頭に、遠隔で働きたくてもままならないことはあるでしょうし、経営の不安を抱えていたり、高齢者の介護をしていたりする方の心配だってあります。さまざまな面で「コロナがこわい」と感じている、保護者自身の心のケアが必要です。 実家に頼ることもできないし、友達と集まっておしゃべりするのもむずかしいときに、ストレス発散するのは大変でしょう。自宅でできる趣味に没頭したり、車を広い駐車場に停めて大声で熱唱したりするなど、せめて一人で自由に過ごせる時間をもつようにして、保護者自身もリラックスできる工夫がだいじなときではないでしょうか。

まとめ & 実践 TIPS 子どもが新型コロナウイルスの感染がこわくて学校を休む場合、手続きをすれば「欠席扱い」にはなりません。ただ、通常と違う手続きなので、学校との交渉は、普段子どものことで学校へはあまり行かない保護者が行うほうがスムーズ。それは、余計な感情をさしはさまずに話し合いができるからだと言います。大人もストレスを抱える時期、うまくストレス発散できる工夫は子どもも大人も必要ですね。

出典: 新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00049.html

<上記Webより抜粋> 3 感染者等が発生した場合や児童生徒等の出席等に関する対応 (2)出席停止等の取扱い 2.上記のほかに「欠席」の扱いとしない場合 保護者から感染が不安で休ませたいと相談のあった児童生徒等については,新型コロナウイルス感染症については現時点で未だ解明されていない点も多いなどの特性に鑑み,例えば,感染経路の分からない患者が急激に増えている地域であるなどにより,感染の可能性が高まっていると保護者が考えるに合理的な理由があると校長が判断する場合には,指導要録上「出席停止・忌引等の日数」として記録し,欠席とはしないなどの柔軟な取扱いも可能である(幼稚園等については,備考欄等にその旨を記載)。

プロフィール 石井志昂 『不登校新聞』編集長。1982年生まれ。中学校受験を機に学校生活があわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」に入会。17歳から不登校新聞社の子ども若者編集部として活動。不登校新聞のスタッフとして創刊号からかかわり、2006年に編集長に就任。現在までに不登校や引きこもりの当事者、親、識者など、400名以上の取材を行っている。 〔2020年1/10(日) ベネッセ 教育情報サイト〕 

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文科省の「説明不足」 35人以下学級は実現したけど…文科省の「説明不足」で議論が歪曲、鈴木寛教授が指摘する「真の論点」 政府が2020年12月21日に閣議決定した2021年度の当初予算案で、2025年度までに公立小学校の1学級の定員を、現在の40人以下から35人以下に引き下げることが盛り込まれた。 予算折衝の場面では、定員の30人以下への引き下げを求める文科省と、反対の立場の財務省との間で、激しい攻防が繰り広げられ、メディアでも大きくクローズアップされた。 財務省は、少人数学級の学力への影響は限定的だとする研究結果を提示し、文科省が即座に反論する場面もあった。 文部科学副大臣、補佐官などを務めた鈴木寛氏(東京大学大学院公共政策大学院教授、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)に、この間の議論の振り返りを聞いた。(武藤祐佳)

●少人数での指導方法の話に議論が歪んでしまった ――定員が35人以下に決着したことをどう捉えますか。 萩生田文部科学大臣は「財務省の壁は高かった」と発言されました。大臣の思いのほどはわかりませんが、私としては、今回の決着が小学校だけで、中学校が含まれていないところが一番残念でした。 ただ、16年ぶりに教職員定数改善計画の策定がなされることになり、その意義は極めて大きいと思います。荻生田大臣が頑張らなければ、この再開はありえなかった。その点は、もっと高く評価すべきです。

財務省は、年度を越えて中長期的に予算付けにコミットすることに最も抵抗感があります。だからこそ、16年間、定数改善計画策定を拒み続けてきました。この16年のうち、最初の6年間、教職員定数は大幅に削減され続けましたが、2010年度以降、歴代の文科大臣の奮闘で、教職員定数を維持することに実質的には成功していました。 確かに、財務省も主張しているように、教員一人あたり児童生徒数は毎年改善され、先進国並みとなりました。ただし、その内訳は、近年、ニーズが一挙に高まった特別支援教育関係の教員増などが中心で、それ以外の部分は、なんとか同水準を維持し続けてきました。 ただ、定数改善計画が作られなかったために「若手教員の非正規状態」という問題は解決されずに放置されてきました。このことが、今回の萩生田大臣の奮闘で、定数改善計画の策定が再開となったことで、小学校については改善に向かいます。

萩生田大臣の強い意志と情熱に対しては、大いに敬意と表したいと思います。萩生田大臣がいなければ、文部科学省は要求すらしていななったでしょうし、財務省ペースで議論が進む中、終盤まで、何とかもちこたえ、重要なことが実現できたのも大臣の強い交渉力のおかげでした。 ただ、大臣を支える文部科学省の事務方には、反省すべき点も多い。いろいろなことを緻密に考えて、もっと戦略的にサポートすべきでした。 文科省の的確な説明や発信が足りなかったことと、メディアが少人数学級と少人数指導を意図的に混同して報道したことで、本来は、教員基礎定数の総数の中長期的確保・改善と若手非正規教員問題の解決について議論すべきなのに、少人数での指導方法の話に歪曲化されてしまいました。 今後の議論を濃密なものにするためにも、文科官僚は、もっとクオリティの高い議論を展開できるよう、その政策分析力、政策デザイン力、PR力を磨き直す必要があります。

●本当に発信すべきだったのは「非正規が多い若手教員の正規化と優秀な人材の確保」

――議論が歪曲化されたとはどういうことでしょうか。 文科省が、今回の要求を「少人数学級の実現」と打ち出してしまったことが、そもそもまずかった。「少人数学級」と打ち出してしまったので「少人数指導」と混同されやすくなってしまいました。 確かに、現行の義務標準法のスキームに従えば、制度改正要求の中身は学級規模の引き下げなのですが、そのことは制度の説明であって、今回の主たる政策目的を説明していません。ここが役人の弱いところです。説明の正確さは担保されているが、その言葉が、世の中でどのように受け止められ理解されるかという想像力が弱い。 今回の主たる政策目的は「非正規が多い若手教員の正規化とそれによる優秀な人材の安定的な確保」です。そのためには、非正規教員(臨時的任用職員と非常勤職員)の枠を正規化(常時勤務職員)していくことが不可欠で、いつ削られるわからない加配定数(編集部注:政策目的に応じて追加される定数)ではなく、基礎定数の中長期的維持・充実が必要で、そのためには、16年間作られなかった小中の教職員定数改善計画の再策定が必須ということを強調すべきでした。  本来は、義務標準法の定数算定のスキーム自体をも見直すべきなのですが、文部科学省事務方は、そのための議論の積み重ねを怠っていました。萩生田大臣のリーダーシップで、突然、要求することとなって、理論武装やシナリオ・メイキングが不十分なまま、突っ込んでいって、その不備を財務省に突かれて苦戦しました。

「少人数によるきめ細かな指導体制」についても、目的と手段を整理しないまま、近年の学術研究を参照しないまま、「学級規模を少人数化すれば学力の維持・向上に資するだろう」という「指導方法工夫改善」の文脈に絞りすぎて説明してしまいました。 要求後にアカデミアや財務省からの指摘を受けて、その後、つぎはぎ的、場当たり的に要求の論拠を変えていったことが、文部科学省の要求が説得力を欠いているとの印象を与えてしまいました。 文部科学省が、後出しで、新たな論拠を並べ立てても、いったん「指導方法の工夫改善のための少人数指導の是非」で設定されてしまった議論の土俵をマスコミも変えるわけもなく、終始、指導方法に議論に歪曲され、「若手教員の非正規問題」は論点になることもなく、議論が終わってしまいました。

当初から、国民に対して「特別支援教育以外の正規教員の定数が増えないまま、若手にそのしわ寄せられ続け、非正規が多いままとなっている、教育の質を維持するためには、正規教員の長期的に定数を維持・改善することが必要、加えて、コロナ対応のために学級規模の縮小が必要で、かつ、学びの革新のための公正な個別最適化のためにも一般児童・生徒についても人数当たりの教員数の抜本的改善は必要で、そのために予算の要求をしている」と説明しておけば、国民に対する印象は変わったでしょう。 文部科学省は、いまだに、都道府県別の「新規採用者や20歳代教員における臨時的任用職員や非常勤職員(非正規)の比率」をしっかりと説明していません。

15年ほど前までは、5か年計画で採用が行われて教員定数が維持されていたのですが、小泉内閣の時に子どもの自然減を上回るペースで教員数をカットする法律ができました。 教育を重視する政権下で、毎年、「加配定数」を確保することで総定数はキープしてきましたが、それはたまたま実現してきた話であって、一旦、教育に冷たい政権が誕生してしまえば、加配定数はいつでも減らせます。したがって、都道府県は安心して常勤教員を採用することができませんでした。 その結果、特に財政力の厳しい道県では、常勤教員の新規採用がかなり厳しくなり、地方には優秀な人材はいても正規で採れなくなっています。他方、都会の財政力がある自治体では、教員の過酷な就業実態と民間企業をライバルとした人材獲得競争もあいまって、余程の意志の固い学生は別として、非正規の採用枠に好き好んで応募してくれるわけもなく応募数が大幅に減り、質の低下につながっていますし、まして、中途採用の場合、安定した職についている中堅人材が非正規枠に応募してくれるわけもありません。このように、教員コミュニティでは、若手・中堅の優秀な人員の確保に大きな問題が突き付けられているのです。

加えて、教育現場は「公正な個別最適化」の実現やコロナへの対応、不登校児や発達障害児といった特別なニーズを持つ子どもへのさらなる充実した対応、指導方法や学習環境のイノベーションの必要に迫られ、優秀な人材を質量ともに確保するニーズがさらに高まっています。このような状況を踏まえ、中堅・若手人材の安定的な雇用を確保することが必要だということです。 現行の義務教育標準法では、教員基礎定数の算定根拠のメインが学級規模になっているため、教員基礎定数の確保のためには、学級規模を35人以下に変更することが必要ですが、「35人以下学級」の意味は、少人数指導という指導方法の改善もさることながら、教員基礎定数の維持・拡充、さらに定数改善計画の策定による中長期的なコミットとあいまって、常勤教員(正規教員)の安定的な確保という意味が大きいのです。

しかし、「少人数学級」という言葉を使ってしまったため、そのような真意が伝わらず、「35人以下学級」のもつ意味のうち「少人数指導」と同義にとらえられ、指導方法の議論に終始してしまいました。 今回、結論としては、基礎定数改善と計画策定再開が実現されたので、これでよかったということなのかもしれませんが、大臣の頑張りの割に、その問題意識と今回の意義が十分に国民に伝わらず、正しく評価されない結末になったのではないでしょうか。

●財務省が示した「エビデンス」と文科省が目指すものは「別の話」

――今回の議論では、文科省の要求に対し、財務省が少人数学級の「学力への影響が限定的である」ことのエビデンスとして、研究論文を提示する場面がありました。最近、エビデンスに基づく政策立案(Evidence-based Policy Making、略はEBPM)が重視される傾向にありますが、どう考えればいいのでしょうか。 財務省は、エビデンスを拡大解釈ぎみに利用していました。そもそも、研究論文とは、「こういう地域で、こういう児童・生徒を相手に、このような観点から仮説を立てて、その範囲において、結論はこうです」と示すもので、必ず、その前提や有効な範囲があります。それらをすっ飛ばして、印象操作していた面もみうけられたように思います。 引用された学者も少し困惑していたのではないでしょうか。いつもそうですが、財務省のほうがPRにおいて一枚上手だったわけです。最終的には、中学校はだめでしたが小学校については、必要最小限の要求には応えたものとなっていましたので、それでもよかったのかもしれませんが、問題なのは、文科省がその土俵に乗ってしまったことですし、そもそも、その土俵を不用意にも設定しまったことです。

ーー文科省はどう反論すればよかったのでしょうか。 財務省が示したのは、これまでの学校教育における学級規模と学力向上に関する研究です。本来ならば、文部科学省の側から、新たな学びにおける指導形態や指導人数の新たな考え方を提起すべきでした。つまり、従来の学級規模をベースにした定数算定の考え方自体を文部科学省の側から乗り越えるべきでした。

それに、学校教育の目的は学力だけではありません、参照論文は、学力向上以外を目的とした指導(いじめ発見・対処、心理面での不安改善、意欲向上、個別最適化などの対応)の当否については何ら言及していませんし、いわんや、非正規教員問題の放置や定数改善計画の不存在の教員人事政策上の影響については、これらの論文は何ら言及していません。 基礎定数確保による常勤正規職員の安定的な雇用を確保までを否定しているわけではありません。文科省は、その点を、端的に指摘する必要すべきでした。 指導方法の議論にしても、そもそも、日本における児童・生徒の学力は学校教育以外にも家庭教育、民間教育の要素などが複雑に絡み合って影響されています。さらに、従来型の学力でいえば、直接的に意味があるのは学級規模ではなく指導規模です。それを学級規模と学力向上を短絡的に結びつけて議論し続けてきたこと自体に問題があります。この点も整理して論ずる必要がありました。

さらに個別最適化を目指せば、最適化な指導規模はどんどん個別化、多様化します。つまり、今後は、教員が35人で集団指導をするべき状況と、16人で、8人で、4人でグループ指導すべき、2人で指導すべき、1対1で指導すべきといった状況があるでしょうし、児童・生徒によっても、自主学習でいい児童・生徒、集団指導でいい児童・生徒、グループ指導すべき児童・生徒、個別指導すべき児童・生徒というように個別に異なってきます。 さらに、教員側もチーム・ティーチングが加わります。今後は、学ぶ内容と目的、学ぶ子どもの状況によって、指導規模を柔軟にカスタマイズする必要があります。それらに柔軟に対応できるように、特別支援教育以外においても、児童・生徒あたりの教員数は改善しておく必要はあるのです。 このように、文科省は、これまでの話とイノベーション後の将来の話を切り分けて、公正な個別最適化を目指した学びのイノベーションのためには、児童・生徒数と教員の比率の継続的な維持・向上は必要だという主張を当初から強調できたはずです。

――今後のEBPMについて、どう考えますか。 今回の予算折衝でエビデンスに基づく議論が始まったことは、文部科学副大臣時代に、はじめてEBPM導入を事業化した私としても、よかったと思っています。特に、日本のEBPMを次のステージにもっていく契機になったと思います。 今度は、エビデンスを活用する政策責任者たちが、それぞれのエビデンスの適用の対象と範囲を的確に見定めるなど、適切にエビデンスを用いるための政策リテラシーを上げないといけません。 さらに、教育学でも、教育政策学、教育経済学、教育心理学、教育方法など、それぞれに学問の目的や方法が異なります。それらの学問の特徴や目的をも、しっかり理解して、それぞれの分野の成果を的確に使いこなす必要があります。 また、学校教育は様々なイノベーションが求められています。学力の中身自体が今大きく変わってきていて、非認知的能力や、OECDなどでは、態度や価値を学力に含め、エージェンシー(主体性)などの重要性を強調しています。そこに新型コロナ対応が加わっています。

こうしたなかで、今、渋谷区で始まっていますが、どんどんモデルケースを作って、いち早くエビデンスを出し続けていく体制づくりに注力すべきことが重要となります。と同時に、エビデンスはもちろん重要ですが、エビデンスが出そろわなくても決断すべきときと、エビデンスが出るまで待つべきときを見極める資質・能力も必要となります。 弁護士ドットコムニュース編集部 〔2020年1/11(月) 弁護士ドットコム〕 

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10数年ひきこもった男性が「恨み」を手放すまで いじめ・不登校で家族に見放され、10数年ひきこもった男性が「恨み」を手放すまで 現在、全国に100万人いると推測されるひきこもり。近年、中高年層が増加しており、内閣府は一昨年初めて、40歳以上が対象の調査結果を公表した。一般的には負のイメージがあるひきこもり。その素顔が知りたくて、当事者とゆっくり話してみたら……。(ノンフィクションライター・亀山早苗) 山添博之さん(36)のケース 愛知県名古屋市のある町に暮らす山添博之さん(36)は、2019年第1回ひきこもり文学大賞で大賞を受賞した。タイトルは『つうじょうじん』だ。通常人とひきこもりの立場を逆転させ、人々がひきこもらなければいけない時代を描いた小説である。その中で、彼は人々を皮肉り、ひきこもりを暴力的に家から出す、いわゆる『引き出し屋』を痛烈に揶揄している。立場が違えば、こんなものだと山添さんは冷静に世の中を分析してみせた。 そして、その小説どおり、2020年の春は、新型コロナウイルスの影響で、まさに「ひきこもることが美徳」とされた。      ◇   ◇   ◇   長身にカジュアルなファッション。どこにでもいそうな好青年というイメージ。マスクの上に覗く目はとてもやさしい光を発している。そんな山添さんのひきこもりは、小学校5年生から10年以上に及んだ。原因はいじめだ。それはある日突然、始まった。 「地域の子どもたちで行う百人一首のイベントがあって、僕が行ったら百人一首を読むように言われたんです。なんだか雰囲気がおかしかったんですよね。読み始めると、“さっさと段取りしろや”“早く読めや”と脅すように言う子がいて。地域では、父親の社会的地位も高く、いちばん裕福な家の子で、いろいろ悪さをしていると噂があった。僕も以前、犬の散歩中にエアガンで撃たれたことがある。

その子がおとなしそうに見えた僕を標的にしたみたいです。ほかの子たちも怖いから彼の側について。最初は悪口を言ったり罵倒したりだったけど、教師や親が見てないところで殴られたり蹴られたり。アザが消える間がないほど頻繁に。それで、ついに学校に行けなくなったんです」 不登校になって母の態度が急変 彼は3人兄弟の末っ子として滋賀県に生まれた。長兄とは12歳、次兄とは6歳離れている。父は公務員で、母は自営業。ごくごく普通の家庭で生まれ育ち、「おとなしいタイプだとは思うけど、学校も普通に行って友達もいた。親子関係も良好、特に母はやさしくてとてもかわいがってくれた」と言う。それがある日を境に一変したのだ。年端もいかない少年が、どう受け止めればいいのだろう。

「親はいじめのことを察していたと思う。もちろん学校だって把握していたはず。でも学校はいじめがあることを隠したかったんじゃないでしょうか。とにかく、僕は誰にも相談できず、ただ学校へ行かないという選択しかできなかった」 誰も「どうしたの、何があったの」と聞いてくれなかった。兄たちは自分の生活で忙しい。父は怒り、彼の部屋に入ってきて怒鳴ったり殴ったりした。母は、「おまえにはもう食べさせるものはない」と食卓から彼を排除した。彼は自室にこもり、夜中に冷蔵庫をあさって食べるものを見つけた。かわいがっていた末っ子の「裏切り」に両親は失望したのだろうか。 「自室にこもって自殺を考えました。遺書を書いてロープで首をくくろうとしたけど怖くてできない。生きるのはつらい、でも死ぬこともできない。ただ悩むしかなかったんです」

殺意を感じない、母の首絞め事件 中学の入学式には行った。何かが変わるかもしれないという期待があった。だが2年生のクラス替えで、小学生のとき、いじめてきた子が同じクラスになったため、また通えなくなる。 「先生が2度家に来ましたが、数分で帰りました。それ以外は何のアクションもなかった。そういうものなの? と絶望しました。僕はフリースクールの存在すら知らなかったけど、今思えば、ほかの選択肢もあったはずなんですよね」 中学生のころ、母親が深夜、彼の部屋に入ってきて、両手で首を絞めた。「死ね、死ね」「なんで生まれてきたんだ」と叫んだ。 「ところが、その母の手にまったく力が入っていなかったから、殺意は感じなかった。むしろ、自分で死ねと言われているような気がしました。“おまえなんて産まなければよかった”と何度も言われましたね」

聞いているだけで胸がつまる。行き場のない彼は、自室でインターネットに夢中になった。兄のパソコンを触るうちに勝手に覚え、ネット上でひきこもりの人たちと会うことができた。 「いつも最終的には“死のう”と思うんですが、怖くてできない。15、16歳になると僕のほうが体力があるから、親を殴り返したりもしましたね」 それでも高校を受験して合格した。少し期待しながら通ってみたが、やはり続かなかった。当時は親子関係が悪く、兄たちに比べて偏差値の低い学校にしか入れなかったから、親が恥ずかしがっているのは手に取るようにわかったという。 「夢も希望もありませんでした。ただ、親はネットの通信費を払い、僕を追い出そうとはしなかった。そのことには今も感謝しているんです」 “死ねないなら社会に出ていくしかない” どんなに死のうと思っても死ねない。死ねないなら社会に出ていくしかないと、23歳のときに決意。ただ、長年のひきこもりと、いじめによる対人恐怖がひどかったため、精神科に行くのが順当だと判断した。親の財布からお金を持ち出して病院へ行った。ところが医師は数十秒、話を聞いただけで向精神薬を出された。言われるままに飲んでいたが、頭痛、吐き気に加えて頭がぼうっとしたりのどが渇いたりと副作用がひどく、2年で通院をやめる。

それでも、自分の現状を何とか変えなければと思い、参加し始めたのが居場所を提供するNPOだった。 「最初はまったく声も出なかったんですが、何度か行くうちに挨拶程度ならできるようになり、だんだん慣れて少しずつ話ができるようになっていきました」 同時に高卒認定試験に合格し、車の免許を取り、介護の資格も得た。彼は努力家なのだ。そしてすぐにハローワークから紹介された介護職に就く。だが、1か月しかもたなかった。 「利用者や同僚と緊密な関係を築かないといけないんですが、それができなかった。職場の人たちはいつもイライラしているし……」 介護職は慢性的に人手不足なので、ひきこもりから脱した人がよく紹介される職場だ。ただ、介護職ほどホスピタリティーを求められる業種もない。人間不信になってひきこもっている人たちが、新たな世界を求めたときに適している職場ではないだろう。当事者の背景をまったく考えていないのではないだろうか。

ひとり暮らしで人生を再スタート 24歳で実家を出て、あまり人と接することのない製造業の仕事をしながら、ひとり暮らしを始めた。この仕事は彼に向いていたようだ。 「子どものころから貯めていたお金で、敷金礼金などを払いました。最初に住んだのは家賃2万9000円の狭い木造アパートで、エアコンもなかった。それでも誰とも顔を合わせずに生活することができる。僕は解放されたんだ、自立して生きていくことができるんだと感慨深かったですね」 そこが彼の人生のスタートだったのだろう。以来、今に至るまで、家族とは没交渉だ。 「だからといって親を恨んでいるわけではないです」 彼は繰り返し、そう言う。住むところも食べるものもあった。コンピューターも使っていたし、面倒もみてもらった。産んでくれなければ存在しないので感謝している、と。 「でも、そう思えるようになったのは30歳を過ぎて、ひとりでも生きていけると思うようになれたから。それまでは不幸な人生を送っていると思っていたし、不幸の原因は親が僕を虐待したり放置したりしたからだと強く恨んでいたんです」 彼がどんなに苦しんできたのかが伝わってくる。なぜいじめで苦しんでいる子どもに、誰かじっくりゆっくり話を聞こうとしなかったのだろう。 「僕にとって、あの10数年は何もしていない空白の時期。世間を知らないから、同年代の人と話が合わない。ひきこもっていたことはバレないように隠しているし、変だなと思われないようにするのが大変なんです。いじめられたトラウマは残っていて、新しい職場に行くたび、またひどい目にあうかもしれないと怖くなる」

海外旅行でアクティブな自分に 自立してから、ネットで知り合ったひきこもり当事者と会ったことがある。一緒にドライブや観光を楽しんだが、やはりひとりでいたい気持ちは強かった。 32歳のとき、彼は子どものころからの夢だった海外旅行をひとりで決行する。 「不安はあったけど、ワクワクしました。ベルリンの空港に降り立つと、人種構成も違うし、ファッションセンスも違うし、歩き方も違うし、気温や湿度や空気の味も違う。いろいろな差異が、日本とは別次元の歴史的経緯を経た力学によって動いている世界であると感じて、別の惑星に来たようで楽しかった。 日本にいると緊張するし、あまり人と話したくないんです。どこで仕事をしているのか、どの学校を出ているのかとすぐ聞くでしょう? 息苦しくてたまらない。海外ではネットで知り合った友達に会ったり、その友人の家に泊めてもらったり。それが楽しくて、お金を貯めては海外に行くようになったんです」

これまで10か国、30の都市に滞在してきた。1度、旅に出ると2~4週間は帰ってこない。外国に出ると自分でも驚くほど開放的になり、アクティブになるという。旅を楽しむためにも、英語の勉強は欠かさない。現在TOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)では895点。英語を母国語としない人がじゅうぶんコミュニケーションをとれる点数は860点である。だが彼はこれに満足していない。900点以上をとって通訳案内士などの英語を使った資格を取ることも視野に入れているという。夢は広がっているのだ。 「でもねえ、恋愛は機会がないんですよね。結婚もできればいいかなあ、いや、無理だろうなあ、できなくてもいいかなあという感じ(笑)。身近な夢で言うと、もっと海外旅行をして海外の友人をつくりたい。今、YouTubeを英語で発信して、海外のひきこもっている人からコメントをもらうこともあります。 今回の『ひきこもり文学大賞』は運がよかったんでしょうけど、うれしかったですね。読む人におもしろいと思ってもらえる文章を書く勉強もしていきたい。将来は、海外での経験値を活かして旅行記を出版したいと思っています」

マイペースで、ひとりで楽しみたい 今は製造業の仕事をいったん中断、給料から積み立ててきた資産で生計を立てている。将来的には記事執筆や動画作成などで稼げるようになりたいが、難しければ、また製造関係の仕事に再就職する予定だという。 「今は人のいない場所を選んで国内ひとり旅やソロキャンプを楽しんでいます。対人恐怖は薄れてきましたが、やはりトラウマがあるんですよね。マイペースで、ひとりで楽しみたい」 生活時間はきちんとしている。6時から7時の間には起床、運動をかねて毎日2時間は外を歩く。あとは動画を作ったり英語の勉強をしたり。食事は自炊が基本だが、まれに話題の店で外食することもある。

「これで大満足という生活ではありませんし、僕自身、人として至らない点はたくさんあると思うんです。でも今は、なんとか誰にも頼らずに、ひとりで生きていけている。もし子どものころいじめられなかったら、兄たちのように普通に大学を出て就職して、結婚して子どもがいたりするのかもしれない。ただ、それが本当によかったかどうかはわかりませんよね。今の僕はユニークな生き方をしていますけど、僕には合っていたのかもしれないし」 遠慮がちに微笑む山添さん。誰かと比べることもなく、誰をも恨むこともなく、彼は淡々と自分のできることをしながら楽しんで生きている。 かめやま・さなえ 1960年、東京生まれ。明治大学文学部卒業後、フリーライターとして活動。女の生き方をテーマに、恋愛、結婚、性の問題、また、女性や子どもの貧困、熊本地震など、幅広くノンフィクションを執筆 〔2020年1/14(木) 週刊女性PRIME〕 

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公立小学校の35人学級 公立小学校「35人学級へ」 その最大の課題とは 小学生の教育への影響は? 公立小学校の1学級の児童数(学級基準)について、現行40人(小1は35人)から35人に引き下げられることになった。2021年度から小2で開始し、5年かけて、2025年度までに全学年で完全実施する。小学校の学級基準の一律引き下げは、1980年度から40人に引き下げられて以来、約40年ぶり。文部科学省は2021年1月召集の通常国会に必要な改正法案を提出する。 現在、公立小中学校の1学級の人数は小1だけが35人以下で、小2~中3が40人以下。ただ、今でも小2は教員の追加配置や自治体の努力で実質的に35人以下になっているといい、2021年度の教職員増員は計約740人、国の負担は約16億円にとどまる。

■新型コロナウイル感染拡大の影響も 小3以上でも、全国の小学校の約9割の学級は35人以下になっており、36人以上の学級があるのは東京など大半が都市部。それでも、2022年度以降は、小3~小6を毎年1学年ずつ35人以下に引き下げると、少子化による自然減はあるものの、完了する25年度までに計約1万2800人の教員を増やすことが必要になる。22年度以降の財源は、各年度の予算編成で交渉していくことになる。 少人数学級は文科省としてはきめ細かい教育のために必要との認識では一貫しているが、厳しい財政事情の中、財務省は効果が疑問だとして反対し、逆に小1も40人学級に戻すよう求めていたほど。その風向きが変わったきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大だった。2020年春、最長3カ月間もの休校を強いられたことを受け、子どもたちがソーシャルディスタンス(社会的距離)を取って安心して学べる環境を整備すべきだとの機運が与野党や地方自治体で高まった。その流れで、政府が7月に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」に「少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備」と明記された。

これを踏まえ、文科省は2021年度予算の概算要求の段階では、法改正による一律少人数学級化と、教員の追加配置による実質的な対応の2つのケースを想定し、金額を示さない「事項要求」としていたが、一律の少人数学級のチャンスと見て、小中学校全体の「30人学級」の旗を押し立てて正面突破を図った。財務省は抵抗したが、前記のように、小学校の学級の9割が実態としてすでに35人以下にあり、財政負担は限定的だったこともあり、小学校に限り35人とすることで政治決着した。予算編成の最終盤、20年12月14日に全国知事会の飯泉嘉門会長(徳島県知事)が地方6団体を代表して菅義偉首相に「総理の英断を」と少人数学級実現を迫ったことも追い風になった。 また、基本的な教員の数は児童生徒数で決まるから、少子化で学級が減ると、教員数も減ることになるが、文科省は学級の生徒数を減らし、学級数の減少を回避し、教員数を維持したいと考えた、という側面もある。現状の教員数を維持すれば、財政負担を大きく増やさなくても少人数学級を実現できるということだ。これに対し財務省は、学級数が減れば教員も減ってしかるべきだという原則論を唱え、なかなか折り合わなかった。それが、コロナ禍の余波で、文科省の要求が一部実現した。

教員の働き方改革にも 1学級の少人数化は、いじめへの対処、不登校や貧困世帯の子どもへの対応などきめ細かくできるメリットがあるほか、2020年度末までに小中学生全員に1人1台の学習用端末が配備されるのに応じた指導の充実が期待される。教員1人当たりの児童生徒数が減ることで、事務仕事や保護者対応などでの長時間労働が問題になっている教員の働き方改革にも資するはずだ。

一方、課題もある。最大の問題が教員の質の確保だ。近年、高齢の教員の退職が増えているが、その穴を埋める新規採用で志望者数は減少傾向が続き、2000年ごろには10倍程度だった採用試験の倍率が、直近では3倍を割り込んでいる。特に、少人数化の中心になる大都市部では教員採用試験の倍率が低く、「実際に教員を増やせるのかという懸念が強い」(大手紙社会部デスク)。 萩生田光一文科相は「教員の養成、採用、研修を一体的に改革する取り組みを加速する」として、ICT(情報通信技術)を活用した研修や教職課程の見直しなどを進める考えだが、状況の抜本的改善は見通せない。長時間労働で「ブラック職場」とも指摘される労働環境の改善を着実に進めるほか、専門家からは「免許を持つ社会人を中途採用する仕組みを工夫したり、外部の専門知識を持つ人を活用したりするなど、従来とは違う手法を考える必要がある」との指摘が出ている。 〔2020年1/12(火) J-CASTニュース〕 

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ひきこもり経験者がYouTube動画を発信 「ひきこもり」を知る 公民館が発信したYouTube動画に大きな反響 18日まで配信を延長 [家族のカタチ ひきこもりの像] 「『ひきこもり』について知っておきたいこと」と題した、那覇市中央公民館のオンライン講座が好評だ。専門家や支援者、ひきこもり経験者が、ユーチューブ動画を通して、ひきこもる本人の置かれた状況や公的支援などについて語っている。昨年12月15日に配信を開始し2週間で終了予定だったが、大きな反響が寄せられたため、1月18日まで延長を決めた。企画した公民館の社会教育指導員、川間佳子さんは「必要としている多くの人に届いてほしい」と話す。 カーテン奥の「聖域」 気配を消して生きる49歳の苦悩 83歳母、終わらない子育て 講座は全3部。静岡県などでひきこもり支援に携わってきた琉球大学の草野智洋准教授が「ひきこもらざるをえない心」について解説。家族に「『見守る』と『放置する』を混同していないか」と投げかけ、家族だけでも専門相談機関と継続的に関わることの重要性を伝える。県ひきこもり専門支援センター職員による公的支援制度の紹介もある。

大学1年から4年間ひきこもった当事者は、回復に向け「初めの一歩」を踏み出した経験を明かす。後押ししてくれた周囲の対応で、自身がうれしいと感じたことを紹介している。 川間さんは、不登校の子の支援に長く携わり、情報共有の場を目指して不登校に悩む親の会「蕾(つぼみ)の会」も立ち上げてきた。不登校からそのままひきこもることに不安を抱える親が多いため、昨年2月からひきこもりについて学びを深めたという。「公民館の企画であれば、より参加しやすいのでは」と期待を込める。 動画の反響は想定を越えたといい「家族が焦らないことが大切だと感じた」「学びを続ければ希望が開けると思えた」「ひきこもりに限らず、コロナ禍でメンタルサポートが必要な子への対応に生かせる」などの声が寄せられた。 動画視聴は無料だが事前申し込みが必要。詳細は公民館ホームページへ。問い合わせは公民館、電話098(917)3442。 〔2020年1/12(火) 沖縄タイムス〕 

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親権における母親たちの苦悩 子を“連れ去られた”母親たちの苦悩…片親疎外で子どもからは「罵倒」、学校では「不審者」扱い〈dot.〉 片親に会えない状況が続くことは、子どもにも大きな影響を与える。 離婚や別居など婚姻関係の破綻によって、両親の片方が子どもに会えなくなる。そんな家庭が後を絶たない。会えない側の親のみならず、両親の双方に愛されて育つべき子どもにとっても、それは大きな悲劇だ。しかし、その悲劇はいとも簡単に起こり得る。しかも「会えなくなる」のは父親ばかりではく、母親も例外でないのだ。          *  *  * これまで、離婚や別居後に「子どもに会えない」悲劇の主人公の多くは父親だった。裁判で親権を決める場合、判断基準の一つとして「母性優先の原則」や「監護の継続性」があるため、母親が親権を得ることが多いからだ。 実際、「ひとり親」といえば、ほとんどの人がシングルマザーを思い浮かべるだろう。行政のひとり親家庭支援も、おもにシングルマザーを対象としている。 だが、実は離婚・別居後、「子どもと会えない」母親も少なくない。虐待やDVなど子どもにとって不利益な行為がなくても、母親が親権を失うことはある。親権に有利なはずの母親で、なぜそんなことが起こるのか。背景には、どんな問題があるのだろうか。 保坂理津子さん(仮名・45歳)は、15歳と10歳の息子の母親だ。夫の実家にいる10歳の息子と、この2年間、ほとんど会えていない。

2年前、家具の配置で意見が合わず、夫婦げんかをした。夫は理津子さんの首を絞め、引きずり回すなどの暴力をふるい、1人で家を出て実家に帰ってしまった。夫は理津子さんと離婚したいと言い、そのまま実家で暮らし始めた。もともとあまり仲は良くなかったが、大きな問題があったわけではない。離婚など、理津子さんには到底、納得できなかった。 別居後、理津子さんは1人で子どもの育児をしながら、子どもたちと夫を定期的に交流させていた。子どもには父親が必要だと考えたからだ。 しかし、それが「あだ」となった。夏休みのある日、次男と会った夫は、そのまま自分の実家に連れ帰った。結局、そのまま次男を理津子さんの元に帰さなかった。理津子さんが慌てて迎えに行くと、次男は「ママと帰りたい」と号泣するが、夫、義両親、義妹に追い返されてしまう。いつのまにか転校手続きもとられていた。 「夫の実家は家業を営んでおり、後継ぎがほしかったのだと思います。長男に、実家に引っ越してこないかと打診したが断られたため、まだ幼くて言いなりになる次男を連れ去ることにしたのでしょう」

連れ去り後すぐ、理津子さんは子の引き渡しと監護者指定審判を申し立てた。しかし、「監護の継続性」で夫が監護者に指定され、次男を取り返すことはできなかった。 以来、夫は次男を理津子さんに会わせようとしない。ようやく面会できたのが、連れ去られてから半年後。父親や祖父母の影響か、次男は、母親を拒否するようになっていた。いわゆる「片親疎外」だ。 「連れ去られるまでは毎日、ママ大好きと言っていた次男が『ママ怖い』と言うようになりました。本心だとは思えません。しかも、『ママがぼくを取り返したいのは養育費が欲しいからだ』だなんて、小学生がそんなことを思いつくでしょうか。夫や祖父母が自分たちのところに引き留めておくために、悪口を吹き込んでいるに違いありません」

連れ去られてから2年間に3回、第三者機関の立ち会いの元で次男と面会したが、次男の表情は暗く硬い。 「そばに他人がいるので、自分の気持ちを出せないのだと思います」 そして、夫は離婚調停を申し立ててきた。このまま離婚に応じると、「監護の継続性」から、次男の親権は夫に取られてしまう可能性が高い。理津子さんは、離婚を拒否。調停は不成立に終わった。 こうなった今、理津子さんが望みをかけているのは、離婚後の共同親権の法制化だ。推測するに、夫が次男を無理やり連れ去ったのも、離婚によって親権を失いたくなかったからだ。 民法で離婚後の単独親権が定められている現状では、一方的に出て行った夫が子どもの親権を得ることはむずかしい。夫は家業のために、どうしても後継が欲しかった。それで、このような強硬手段に出たのだと理津子さんは考えている。離婚後の共同親権が法制化されたら、次男を囲い込もうとする夫の考えも変わるかもしれない。

昨年11月、理津子さんは、別居親と子どもの自由な面会を求める「自由面会交流権訴訟」の原告の1人として裁判を起こした。離婚や別居によって親に会えなくなったのは、国が親子の面会交流権を定める立法を怠ったからだとして国に賠償を求めたのだ。この訴訟は、17人の原告団に「子ども」の立場の人が含まれていることでも注目されている。 竹島るい子さん(仮名・50歳)は7年前、当時9歳の息子を元夫に連れ去られた。以来、一度も息子に会えていない。元夫が、息子と母親との面会交流を拒んでいるためだ。 元夫が息子を連れて家を出たのは、るい子さんが1人で自分の実家に帰っていた週末のことだった。その直後、不仲だった元夫から手渡された離婚届に、るい子さんは勢いで判を押してしまった。それまで離婚届など見たこともなかったから、未成年子の親権者を記入する欄があることなど知らなかった。気づいたら、元夫を息子の親権者とする協議離婚が成立していた。

念のためだが、るい子さんに不貞行為その他の有責事由は、一切ない。離婚理由は、子育てをめぐる意見の対立から始まる夫婦の不仲だ。子育てと仕事との両立で体を壊したるい子さんは、自分の母親に応援を頼んだ。母親は、泊まり込みで来てくれたが、元夫はそれが気に入らなかった――その延長線上での連れ去り劇だった。 しかし、なぜ元夫は息子をるい子さんに会わせようとしないのか。 「私が思うに、元夫は私に嫌がらせをしたいのです。元夫は思い込みが激しく、極端な考え方をするところがあり、実は精神科にも通っていました。夫婦仲が悪くなり、私のことが大嫌いになったので、今は私から大事な息子を引き離すことに必死になっているのでしょう」   るい子さんは離婚後すぐ、家庭裁判所に親権者変更と面会交流の調停を申し立てたが、のらりくらりとかわされ、あっという間に4年が経過した。決着がつかず、審判に移行したが、元夫によるそれまでの監護実績から、親権者変更は認められなかった。 さらに、元夫は児童精神科の医師による息子の診断書を出してきた。そこには、「息子はうつ病で、母親の私に会うと具合が悪くなるから面会交流は行うべきではない」といった内容が書かれていた。その診断書のせいで、面会交流の申し立ても却下された。 「診断書を見て、あまりのいいかげんさにびっくりしました。連れ去り後、私は息子にまったく会えていないのに、なぜ私に会うと具合が悪くなるなどと言えるんですか? 私に聞き取り調査もせず、元夫の言い分だけでそんな診断書を書いてよいのでしょうか?」

るい子さんの怒りは、元夫に対してはもちろん、元夫の求めに応じてそのような診断書を書いた医師にも向けられている。 「人の人生を左右するような重大な診断書は、十分な調査をしてから書くべきだと思うのです」 この7年間、るい子さんはあらゆる努力をして息子に会おうとした。ひと目だけでも顔を見たくて、家の前まで行って待ち伏せたり、学校の公開授業や運動会などに行ったりした。しかし、るい子さんに気づいた元夫が「不審者」として警察に通報。親権をもたないるい子さんは、学校から追い返されてしまう。何も悪いことをしていないのに、親権がないというだけで警察にまで通報されることに、るい子さんは憤る。

「その後、元夫は私が学校に現れるのを恐れ、公開授業や運動会などの行事の際には、息子に学校を休ませるようになりました。私が待ち伏せできないよう、登下校にも付き添っているようです。思春期にそんなことをされたら、友だち付き合いにも支障が出ますよね。知人を通して、息子は不登校気味だと聞きました」

元夫の異常なまでの息子への執着の前に、るい子さんはもはやなすすべがない。会えなくて悲しいのはもちろんだが、それ以前に、偏った子育てが息子の健やかな成長を阻んでいることが心配で心配でたまらない。 離婚・別居における子どもの連れ去りは、母親がするものだと思われがちだ。実際、まんがやドラマなどでも、母親が子どもを抱いて「実家に帰らせていただきます!」と言い放つシーンはよく出てくる。

しかし実際は、この2つの事例のように、父親が子どもを連れ去ることもあるのだ。そして、いったん連れ去ってしまえば、「監護の継続性」から、子どもの親権は連れ去った側が有利になる。母親であろうと父親であろうと関係ない。「連れ去り勝ち」という言葉もあるほどだ。 子どもを連れ去られた側は、尋常ではない苦しみを負う。そして、何より不幸なのは、まるで「物」のように、連れ去られたり囲い込まれたりする子どもである。 離婚・別居後の子どもを守るために、私たちにできることは何だろうか。(取材・文=上條まゆみ) 〔2020年1/12(火) AERA dot.〕 

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フリースクールで音楽会 発表機会失った音楽家のために…フリースクールで音楽会 コロナ禍で多くのイベントが中止に 新型コロナの影響で、多くのイベントが中止となる中、発表の機会を失った音楽家のために、静岡市内のフリースクールで音楽会が開かれました。 根方ゆき乃記者:「演奏しているのは、世界で活躍する静岡県出身の和太鼓奏者。部屋中にズシズシと力強い音が響き渡っています」

 音楽会は、はごろもフーズが主催していて、不登校などの理由からフリースクールに通う中学生や高校生が音楽に耳を傾けました。  沼津市出身のはせ・みきたさん(45)。30年以上和太鼓を続け、国内外の舞台で活躍する和太鼓ソリストです。大小5つの和太鼓を使って、生徒の目の前で迫力ある音を響かせました。  津軽三味線を披露したのは、大塚ハレルヤさん(20)。去年の全国大会で、優勝した実力者です。ただ、新型コロナの影響で、演奏の機会は10分の1ほどに激減しているといいます。  新型コロナの影響で、生徒たちにとっても、久しぶりとなった学校行事。2人の音色は生徒の心にも大きく響いたようです。

高校2年生(17):「ハレルヤさんのように、小さいころから熱中できるものがないが、これから探していこうと。探して頑張っていけたらいいなと思った」 高校3年生(18):「自分とも年が近くて、こんなに若くても日本や世界で活躍していると聞いて、自分も何かやらなきゃなと実感がわいた」 大塚ハレルヤさん:「違う夢でも一緒に年を重ねていくので『一緒に頑張ろうね』という気持ちを伝えたくて。満足してくれたような顔をしていたので演奏した甲斐があった」 〔2020年1/13(水) 静岡朝日テレビ〕 

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ページ名 アットスクール草津本部校 滋賀県草津市 (  ) 草津の学習塾が保護者向け家庭学習応援セミナー オンラインでも
客観的事実から子どもの家庭学習について学ぶ「家庭学習応援セミナー~これからの新しい勉強スタイルを目指して~」が1月24日からアットスクール草津本部校(草津市大路)で開催される。
アットスクールは、2005(平成17)年に創業し、発達障がいのある子どもや不登校児童生徒の発達支援、学習支援を行ってきた。
アットスクールの大垣正人さんは「新型コロナウイルスの影響で、全国的に学校が休校になったとき、私たちは子どもたちの全体の学力の低下を懸念した。
しかし、実際には全体の学力低下ではなく、学力格差の拡大が浮き彫りになった。
その要因の一つが家庭学習の取り組みの差だった。
発達特性が原因で学習効果が出ないと諦めている保護者や支援者に向けて学習方法の提案をしたいとセミナーを企画した」と話す。
全3回のセミナーで、24日は「記憶のメカニズムを知ろう」と題し、短期記憶から長期記憶に転移させる方法を学習の具体例を交えて講義する。
2月21日は「環境の違いによる学習効果を知ろう」として、脳が置かれている環境・状況によって、学習効果にどんな違いがあるのかを具体例を交えて講義。
3月21日は「成果の出る家庭学習をやってみよう」と題して、子どもたちのよくある状況に即した家庭学習の取り組み方を紹介する。
大垣さんは「特別な機器に頼らずとも、身近で手頃な方法に学習効果が向上するヒントがある。
大人が昔にやっていた学習方法は実は効果的なものとそうでないものがあるという事実をお伝えしたい。
多くの保護者や支援者の方に効果の出る学習支援の方法を知ってもらいたい」と呼び掛ける。
「特に発達障がいのあるお子さんに携わっている人には、人間の脳の仕組みと子どもたち一人一人の認知特性を理解することで、学習効果向上を図れることを知っていただきたい。
特別支援はまだまだ理論が先行していて、実践の幅広さが不十分なところがある。
支援者の方には実践にはまだ改善の余地があるということに気付いてもらえればうれしい」とも。
開催時間は13時~14時。オンラインでの参加も可能。
参加費は1講座=1,000円、3講座セット=2,500円。アットスクールの会員は無料。
〔2020年1/13(水) みんなの経済新聞ネットワーク(びわ湖大津経済新聞)〕 

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行き過ぎた指導が原因で自主退学 「”行き過ぎた指導”で退学」元男子生徒が高校に損害賠償請求 行き過ぎた指導が原因で自主退学を余儀なくされたとして呉港高校の元男子生徒が、およそ178万円の損害賠償を求めた裁判の初公判が13日開かれ、学校側は請求棄却を求め争う姿勢を示しました。 この裁判は呉市にある私立の呉港高校に通っていた元男子生徒(17)が、学校側の行き過ぎた指導が原因で自主退学を余儀なくされ、精神的苦痛を受けたなどとして、学校を運営する法人らを相手取り、およそ178万円の損害賠償を求めているものです。 訴状などによりますと、元男子生徒はおととし5月、高校の近くでタバコを吸っていたとして丸刈りを強制されたうえ、およそ1カ月にわたり、他の生徒とは別の部屋で反省文を大声で読まされるなどの指導を受けました。

さらに7月には、授業に必要なノートを忘れたことを理由に教師から胸を殴られる暴行を受けて不登校となり、自主退学を余儀なくされたと主張。 反省指導は「生徒に苦痛を与えるだけで合理性・相当性を欠いており、違法」などと訴えています。 13日の公判で学校側は答弁書を提出して請求の棄却を求め争う姿勢を示しました。裁判後の取材に対し、呉港高校は「何もお答えすることはない」とコメントしています。 広島ニュースTSS 〔2020年1/13(水) テレビ新広島〕 

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コロナ失業した子育て貧困家庭 「PCもネットも電車代もない」コロナ失業した子育て貧困家庭を待ち受ける再就職の壁 コロナ失業8万人時代。最も深刻な影響を受けているのが、子育て中の困窮家庭の親たちだ。減収に失業……。

再就職への意欲はあっても、「ネット環境がない」「テキストが買えない」「交通費が払えない」ため、情報にアプローチすら出来ずにいるのだ。また、国や行政による就労支援にも大きな壁があった。 失業、うつ、家族の関係悪化の負のスパイラル 厚生労働省で会見に臨む、キッズドアの渡辺さん(左)とWill Labの小安さん(右)。 困窮家庭の子どもたちへの学習支援などを行ってきたNPO法人キッズドアは1月13日、記者会見を開き、全国の同団体利用者で、高校生までの子どもを持つ保護者1233人を対象に、コロナの影響について行ったアンケート調査の結果を発表した(調査期間は2020年11月から2021年1月まで)。

休校などで子ども関連の支出が増える一方、保護者は「減収」や「失業」、そして「再就職できない」ことに追い詰められていた。

・派遣社員だった為、人員削減で失業。 ・契約社員だったが、コロナの影響で契約が終わった。 ・昨年、病気で退職。就職活動をしようと思ったところコロナで困難になった。 ・もともと学歴が無く応募できる求人が少ないのに、追い討ちで仕事が見つからない。 ・離婚した夫がコロナで影響を受け、養育費が滞っている。再就職先を見つけるのも困難。 ・自粛期間があったため、いつも以上に食費や光熱費がかかり大変。自粛期間中など就労相談機関も自粛していたので、相談も出来なかった。 (アンケートより)

減収や休業の背景には、精神不安も大きく影響している。

・仕事が減ったのと、子供が不登校になったりで、ストレスで病気になり仕事を休業している。 ・自分がうつを発症、息子2人は不登校。職場の減収と自分の体調と家庭環境により、年収4割減の見込み。 ・会社が休業。娘もオンライン授業でいらだち、親に当たったり深夜徘徊するなど心配ごとが増え、精神的に追い詰められた 。(アンケートより)

アンケートに回答した保護者らは、年収200万円未満が49%、300万円未満が33%。貯蓄額は40%が10万円未満で、56%が非正規雇用。さらに87%が母子家庭だった。 国の就労支援は敷居が高い こうした状況を受け、キッズドアでは就労支援状況とそのニーズについても調査を行い、649名から回答を得た(調査期間は2020年12月から2021年1月まで)。その結果、「スキルを身につけて就職や転職したい」31%、「無職または休職中なので就職したい」と答えた人も12%いた。

キッズドア理事長の渡辺由美子さんは言う。 「とにかく仕事をしたいんですという方はすごくいっぱいいらっしゃるんですけど、日々の生活で精一杯で、十分な就職活動や新しいスキルを獲得する余裕が全くない。テキスト1冊買えない、面接のための情報を得ようと思ってもパソコンもないといった中で悶々としている方々をどう支援していくかが、今後の大きな課題だと思います」

アンケートによると、「パソコンもインターネット回線(WiFi除く)もない」人は18%。「インターネット回線はあるがパソコンはない」人は36%、「パソコンはあるがインターネット回線はない」人は8%と、ネット環境が整っていない人も多いことが分かった。 また、国や行政もさまざまな就労支援を行っているが、利用したことがないと回答した人は半数を超える。 国の就労支援については、以下のような声が上がった。

・看護師や介護師等の日中の学校へ通う必要を伴う資格取得を目指す場合、その期間の収入がゼロになるため、住んでいる賃貸住宅の家賃が払えない。学習支援と併せて、家賃補助があればぜひ資格取得を目指してみたい。 ・職業訓練の自己負担率が高すぎて利用できない。また訓練中の生活費が捻出できないため、金銭的な補助をもう少し拡充して欲しい。 ・国が行っている就労支援は敷居が高くて、面談まで進んだが該当ではないと言われて受講できなかった。(アンケートより)

無料の就労支援プログラム開始、子育て中でも参加できることが鍵 キッズドアでは2020年、保護者向けに、在宅でも勤務可能なITスキル獲得プログラムを提供するなどの就労支援を行ってきた。中でも無料受講者の募集では、オンラインwebデザインコースは10人の枠に対して申し込み者118人、オンラインワードプレス技術取得コースは5人の枠に対して申し込み者93人にのぼるなど、需要の高さがうかがえる。 今回、キッズドアではコロナの影響を受けた困窮家庭に対し、新たに「わたしみらいプロジェクト」を立ち上げた。オンラインによる全6回のコースで、履歴書の書き方や面接の受け方、自身のキャリアの強みを知ることから、個別相談会も予定している。講師は女性の再就職支援に携わってきたWill Lab代表の小安美和さんなど、母親向けの就労支援を行ってきた3人が務める。

小安さんは「コロナ可での子育て中の女性の就労支援は、今後、ノウハウを積み上げていかなければならない分野」だと言う。 「今の行政の就労支援プログラムの多くは平日に開催されているので、仕事を休んだり、会社を辞めて職業訓練に臨まなければならないというジレンマがあります。キッズドアの新プロジェクトでは、土曜日に、しかも隔週という無理のないペースで参加していただけるようにしました。 女性の就職支援で大切なのは、個人に寄り添いながら仕事への意欲喚起をしていくこと、そして企業とのマッチングを行い、着実に雇用を創出することです」

国も雇用の創出、ネット環境の整備を 会見では、キッズドアから政府に対し、コロナ禍で困窮する子育て家庭への就労支援について、以下のような提言が行われた。 雇用の創出:行政の緊急雇用創出事業の拡大や、新規雇用を創出した企業にはインセンティブを与える。 無料で参加できるスキルアップや就労トレーニングの拡充:子育て中や就労中の方でも参加しやすい日時・場所に設定した上で、就労トレーニングや資格取得のために必要なテキスト代や受験料交通費などの補助も必要。

制度改善:母子家庭や父子家庭の保護者に対し、看護師や介護士などの資格取得を支援する「高等職業訓練促進給付金等事業」は、利用したいと思っても月額10万円(市町村民税非課税世帯) の支給では生活ができないため利用できないという声が多数届いている。子育てと資格取得の勉強と仕事を両立させることは不可能。安心して利用できるよう、支給額のアップや、別途家賃補助を組み合わせるなど、改善を。 インターネット回線やPCの環境整備:家庭にインターネット回線やPC がないことで、仕事を探すことができない、オンラインの就労トレーニングに参加できない、子どももオンライン学習ができないなど大きな不利益が生じる。食事にも事欠く状況で、インターネットや PC などを自力で整えるのは不可能。無償でネット回線を提供し 、PC を貸与するなどの支援を。

「とにかく無料で参加できる就労支援プログラムを拡充してほしいです。交通費の1000円が捻出できない方も多くいらっしゃいます。交通費の補助なども含めて自己負担がない形でサービスを提供しないと、一番困っている方は利用できません。 そして何よりも子育て家庭が安心して生活できるようにして下さい。困窮し、1日1食に慣れてきたという保護者もいます。今日の夜ごはんのめどが立っていないような状況では、再就職のことなど考えられません。政府には継続した生活支援をお願いしたいです」(渡辺)

厚生労働省によると、新型コロナウイルスの影響で2020年2月4日から2021年1月8日までに解雇や雇い止めで仕事を失った人は、見込みも含めて8万836人にのぼる。 キッズドアの調査から浮き彫りになったのは、仕事の有無は経済状況のみならず、精神面にも大きな影響を与えることだ。政府はひとり親世帯への5万円の「臨時特別給付金」を再支給することを決定したが、さらなる生活補償に加え、長期的な就労支援を検討する必要があるだろう。

Business Insider Japanでは、長期化するコロナの影響による働き方や子育ての変化について取材しています。ぶつかっている壁や不安があれば、どうか教えて下さい。ご連絡は ikuko.takeshita@mediagene.co.jp まで。 (文・竹下郁子) 竹下 郁子 〔2020年1/14(木) BUSINESS INSIDER JAPAN〕 

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富山県警察官が刺殺、拳銃で警備員が射殺された事件 2人殺害で元自衛官黙秘 富山の交番襲撃で初公判 弁護側、刑事責任能力争わず 富山市の交番で2018年6月、警察官が刺殺され、奪われた拳銃で警備員が射殺された事件で、強盗殺人や殺人などの罪に問われた元自衛官、島津慧大(けいた)被告(24)の裁判員裁判の初公判が14日、富山地裁(大村泰平裁判長)であった。被告は黙秘して起訴内容の認否を明らかにしなかった。

起訴状によると、被告は18年6月26日、富山県警富山中央署奥田交番で勤務中の稲泉健一警視(当時46歳)=警部補から2階級特進=をナイフで刺殺して拳銃を強奪。近くの市立奥田小で警備中の中村信一さん(同68歳)を射殺したなどとされる。 検察側は冒頭陳述で「中学卒業後、両親に対する暴力で警察官に対応されて以来、被告は警察に嫌悪感を抱いていた」と指摘した。事件当日、アルバイト先の飲食店店長に立腹して暴行後、自暴自棄になって事件に及んだと主張。「拳銃を持って社会を守る警察官に勝利することで、自分の力を誇示したいと考えた」と述べた。 これに対し、弁護側は「拳銃を奪う意思は警察官殺害後に生じた」と訴えて強盗殺人罪の成立を否定。殺人と窃盗の罪に当たるとした上で、「自分よりも強い武器を持つ相手と戦うための犯行で、拳銃を奪うためではなかった」と訴えた。警備員に対する殺人罪は認めた。 検察側と弁護側双方による精神鑑定が行われたが、弁護側は被告の刑事責任能力については争わない方針。今後は強盗殺人罪が成立するかどうかや量刑が争点となる。【高良駿輔、砂押健太】

◇子どもの頃から孤立、家族に暴力 島津被告はこの日、車椅子で入廷。黒いスーツ姿で、長髪を後ろで束ねていた。裁判長から名前を尋ねられても一切口を開かず、何も語らなかった。 弁護側によると、被告は小学生の頃から同級生となじめずに孤立していた。校外学習に参加せずに1人で学校に残ったことも。中学から不登校になり、家族に暴力を振るったり、金属バットを持って暴れたりするようになった。

中学卒業後には、開いたままの自室の窓から雨が入ってぬれたことに立腹し、寝たきりの祖母や父親などを暴行。110番されて警察沙汰になった。「今度警察に言ったら殺すぞ」と言って父親に暴行し、肋骨(ろっこつ)を骨折させた。その後、家族が一度家を出て被告は1人で暮らした時期もある。 ただ、父親の受験指導を受けて自衛隊に入って以降は、家族の誕生日にプレゼントを贈るなど安定していた時期もあった。しかし、2年ほどで除隊し、その後に就職した電気工事会社でもなじめずに退職してから暴力が再開したという。 弁護側は被告について「何ら支援や療育がなく、社会に適応できない時間が続いていた」とした。【高良駿輔、砂押健太】 〔2020年1/14(木) 毎日新聞〕 

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滋賀県高島市の市立小でいじめ不登校損賠訴訟 いじめ不登校損賠訴訟、学校側の不法行為認めず 大津地裁 滋賀県高島市の市立小で2016年度、6年の女児の不登校が続いたのは、学校側がいじめに対して適切に対応しなかったためなどとして、女児側が同市に計600万円の損害賠償を求めた訴訟で、大津地裁(堀部亮一裁判長)は14日、学校側の不法行為を認めず、女児側の請求を棄却した。 判決では、女児は16年9月に水をかけられるなど同級生からのいじめが原因で欠席を繰り返すようになったが、学校が登校再開に向けた計画を17年2月まで示さなかった対応について、体調悪化などで女児らに事実関係を円滑に確認できず、「やむを得なかった」と違法性を否定。女児側が2月の登校再開に当たり、加害児の声を聞かせないよう学校に求めたが、校内放送で声が流れ、再度不登校になった点は「放送は女児に向けたものではなく、再び不登校になると具体的に予見できたと認めるに足る証拠はない」と退けた。 父親(44)は判決後、代理人を通し「司法が是正を働き掛けず非常に残念だ」とコメントしたが、現時点で控訴しない意向を示した。 〔2020年1/15(金) 京都新聞〕 

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美容整形 【整形美女】継母の虐待で容姿コンプレックスに…整形依存、過食、うつを経て女性が手にしたものは? seinaさん美容整形ビフォーアフター 義理の母からの虐待、引きこもり、うつ病、過食……壮絶な人生の中で、総額700万円かけて整形した美容系インフルエンサーのseinaさん。複雑な家庭環境で育ち、義理の母に容姿をなじられ続けた結果、自分を認められなくなり、容姿へのコンプレックスを膨らませてしまったという。そんな壮絶な過去とともに、整形に関する体験談SNSやブログで赤裸々に発信している彼女は「私は整形をきっかけにやっと、精神的に普通になれた」と話す。根強い容姿コンプレックスや自分を卑下する考え方からどのように抜け出せたのか語ってくれた。

■はじめての整形は12歳。継母の罵倒から容姿を異常に気にするように

――seinaさんは現在、顔出しで美容整形に関する情報を発信されていますよね。美容整形をしようと思うようになったのはいつ頃、どのようなきっかけですか。 【seina】もともと幼稚園くらいの頃から、自分の容姿に違和感がありました。私の顔、他の子とちょっと違う気がするな、というぼんやりとした違和感。容姿のコンプレックスが目に見えて強くなったのは、思春期に差しかかった11~12歳のころです。 大きなきっかけになったのは、片思いをしていた同級生の男の子に「お前、ブサイクだよな」と言われたこと。「私はブサイクなのかも」という違和感が「私はブサイクなんだ」という事実になった瞬間でした。幼少期に両親が離婚、思春期のうちに父と死別していることもあり、最初の整形時は引きこもりになっていました。

――はじめての整形はどんな施術でしたか。ご家族や友人に相談はしましたか。 【seina】はじめての整形は12~13歳のときです。大手の美容外科クリニックで、埋没法で奥二重にしました。 決定打となったのは同級生の一言でしたが、それ以前にうけた、義理の母からの虐待も関係していると思います。暴力や罵倒で、自己肯定感や自尊心を大きく損なったような気がします「ありのままの自分」を受け入れる経験ができない幼少期を過ごしてきて、過剰に容姿を気にするようになりました。 同級生からの一言がきっかけになって不登校になってしまったので、物理的に友人がいませんでした。相談というよりも「整形したいから費用を出してほしい」と、父親に話したのが最初で最後です。もちろんかなり反対されましたが、最後は押し切るような形で折れてもらいました。父はその後すぐに体調を崩してしまって、病気で他界してしまったので、親不孝な娘だったかもしれません。

――はじめての整形から、整形を繰り返すようになるまでにどんな経緯がありましたか。 【seina】なんとか通信制の高校に進学したあと、18歳になってすぐに眼瞼下垂を経験しました。その後、20歳を超えてからは夜職をしながら、整形費用を貯めて鼻や目の整形を繰り返しました。父が残した遺産と夜職で稼いだお金で、700万円を整形に使いました。整形を繰り返した理由は、満足がいかなかったから。自分が思うような顔にならなかった。でも、輪郭を変える「ルフォーI型骨切り術」や「下顎矢状枝分割術(SSRO)」をやって、しっくりきました。本当にコンプレックスだった部分が緩和できたのだと思います。その後、目や鼻の整形をしなくてもいいと思えるようになりました。 整形をくり返していた20代前半あたりは、常にメンタルの状態は悪かったです。正式に躁うつ病と診断されたのが23歳のとき。12~13歳あたりから引きこもりだったので、その頃から病の予兆はあったのかもしれません。

――そういった不安定な精神状態から抜け出せたのはどうしてだったと思いますか? 【seina】やっぱり、整形して自分が満足できる顔になれたことは大きかったと思います。整形をして、外見だけではなく内面も変わることができました。容姿に悩んでいた頃は、日常的に普通の生活を送れなくなるほどに、自分を卑下していた。でも、整形でコンプレックスが緩和できたことで「常に気分が落ち込んだ」状態から開放されたと思います。私は整形をきっかけにやっと、精神的に普通になれたんです。 最後の整形は24歳。今は27歳なので、社会とまともに関われるようになって、やっと3年目です。

――seinaさんは整形だけでなく、18キロ減量のダイエットにも成功されていますよね。ダイエットに関しても、苦労があったのでしょうか。 【seina】ダイエットも本当に山あり谷ありでしたね。12歳くらいから過食を繰り返していて、精神的なストレスがあると食べてしまうので、ダイエットとリバウンドを何度も経験しました。痩せては太るを10年以上続けて、10キロ以上の増減を常に繰り返していた。過食も自分の容姿を責める時や寂しい時によく起こしていたので、精神的な不安定さが自分をダイエットや整形に固執させていたと思います。体重も、精神状態が落ち着いてからの方がキープできています。

■虐待、天涯孤独を乗り越え…60点の自分でも許せるようになれたのは、整形と夫のおかげ 写真:岡田一也 (C)oricon ME inc.

――精神的にも落ち着かれた今、ご自身の顔には満足されていますか。 【seina】100点満点だとは思えていません。点数をつけるなら、60~70点くらい。たぶん、精神的に落ち着けたから、大満足していなくても、今はこれでいいかなと思えているんだと思います。 それに今は、年の差婚した夫がそばにいてくれることも大きいです。ツイッターで知り合った夫には、結婚前から整形のことをカミングアウトしていたけれど、偏見をもたずに私を受け入れてくれました。 それでも最初は夫の愛情も信じることができなかった。ここ数年でやっと彼のことを信じられるようになりました。家庭環境が複雑だった私にとって、生まれてはじめて「ありのままの私」を受け入れてくれたのは夫でした。

――seinaさんは整形をしている今、幸せですか。 【seina】我ながら、慌ただしい人生を送ってきたと思います。継母からの虐待をうけ、14歳で父を亡くして天涯孤独。引きこもって不登校になって、自分の容姿を認められずうつと過食に苦しみました。整形ばかりする日々を20代前半まで過ごし、大学は中退。実は就職経験もありません。 そんな日々を思い返すと、今は信じられないくらい穏やかで幸せな毎日を過ごしています。美容整形やダイエットをして、心の負担が減ったのもありますが、それだけではありません。整形に関する情報発信をはじめてから、さまざまな方との出会いもあり、進んでいくべき道や、やるべきことが見えてきたとも感じます。 夫という大切な存在ができたこと。道標ができたこと。「人生の質を高めてくれるものとの出会い」が、私を幸せにしてくれていると感じています。整形も少なからず、そこに含まれているのではないでしょうか。

――今後、どのような活動していきたいと考えていますか。また、これから調整したい美容施術はありますか。 【seina】昔の自分のように、容姿、こころ、生き方に悩む女性を幸せにすることです。これは私の活動理念でもあります。容姿に囚われて苦しい方や、メンタル的な問題を抱えて生きづらい女性の支援・援助。漠然とではありますが、過去に運営していたオンラインサロンを、現実世界のコミュニティとして機能させていきたいと考えています。そこでは「本当の幸せとは何か」に気がつけるような場にできればいいな、と思っています。 整形に関しては、大きなものは考えていません。美容医療を取り入れながら、別の誰かになろうとせず、今の自分を活かしていく方向に進んでいきたいですね。 (取材・文/ミクニシオリ) 〔2020年1/15(金) オリコン〕 

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ページ名 向陽台総合学院 三重県松阪市(通信制高校サポート校・三重県  )
松阪市と向陽台高校 不登校児童ら支援へ協定 サテライト教室4月開講 三重
【リモートで協定に調印する竹上市長と和泉校長(画像中央)=松阪市役所で】
【松阪】三重県の竹上真人松阪市長と通信制の早稲田大阪学園向陽台高校(大阪府茨木市)の和泉秀雄校長は14日、松阪市役所で不登校やひきこもりの児童生徒を支援する連携・協力協定を結んだ。
松阪市春日町に4月、同校サテライト教室「向陽台総合学院」を開校する。
向陽台高校は主に不登校の生徒を受け入れている。向陽台総合学院では大阪の向陽台高校の生徒として在籍でき、3年間で高校卒業資格を取れる。
協定では、不登校の児童生徒への支援と進路保証、学齢期を終えた者に対する学び直しの場や機会の提供などで連携する。
不登校や引きこもりの支援に関する自治体と私立高校の協定は全国的に珍しく、県内では初めてという。
松阪市の令和元年度の不登校児童生徒数は小学校89人、中学校156人で、近年は小中とも県全体の割合を上回っている。
和泉校長は「熱い思いがある。カウンセリングを含め丁寧な指導で一人一人の自立につなげ、誰一人取り残されない地域づくりに尽力したい」と抱負を語った。
竹上市長は「不登校と引きこもりは大きな社会問題。ともに取り組みを進めていきたい」と期待した。
〔2020年1/15(金) 伊勢新聞〕 

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不登校との付き合い方 学校の勉強がつまらなくて不登校 その理由が本当かどうかを見極めてほしい[不登校との付き合い方(8)]

子どもが学校に行きたくない理由は、さまざまな原因が重複しています。その原因のひとつに、学力が高い、興味が合わないなどで、学校の勉強がつまらなくて不登校というケースもありそうです。その場合、保護者としてはどうやって勉強する場を作り、どう見守ったらよいのでしょうか。「不登校新聞」編集長の石井志昂さんにお話を伺いました。

知的レベルが高くて大人な子どもは、周りと話が合わな 勉強がしたくなくて学校に行けなくなる「落ちこぼれ」という言葉の逆ベクトルとして、学力が高くて学校へ行く意味が見いだせなくなる「浮きこぼれ」と呼ばれる子どもたちは、たしかにいます。また、学力が高いというよりも、知的レベルが高くてとても「大人」な子どもだから周りと話が合わないという子もいます。 小学生でも、子ども扱いされるのを非常にいやがる子がいます。そうした子どもたちは、消しゴムのメーカーが違うというだけでいじめごっこが始まるような同級生とは、話は合わないでしょう。子どもっぽいところがないことで、子どもたちの輪の中で浮いた存在になってしまいがちです。

学校の勉強がつまらない、と言っている子どもは、自分に合う塾や学習法、発達段階に合ったケアがある環境が見つかると、そこで学力が一気に花開くこともあります。

また、学力が特別高いわけではないものの、虫や魚や植物がとても好きな子どももいます。たとえば、学校に行く途中で自分が気になるものを発見すると、何時間もその場から離れられなくて、学校に遅刻してしまいます。ただ、通常は年齢が高くなってくるにつれて、だんだんそういうことをしなくなるものですが、学究肌の子どもはちょっと違います。自分の気になったものについて調べたり考えたりし続けます。好きなことと、やるべきことができることの凸凹が激しい子どもですが、本人はとても幸せそうに生きているので、周りの人はサポートしてほしいと思います。 本当に学力が高すぎて学校がいやなのか、見極めは大切 子どもの得意なことを伸ばすことが望ましいとわかっていても、保護者は何事も平均的にできる子どもに育てようとすることが多いでしょう。だから、苦手なことはとことん苦手で、周りと合わせることができないけれど、ずば抜けた才能をもつアスリートや研究者になる人の保護者は、とても苦労しているようです。

それでも、この子は好きにやらせるしか選択肢はないんだと、保護者があきらめることが大事なのだろうと思います。集中している時はすばらしい勢いで学んでいるのだから。この子はこれで大丈夫、と信じてあげてほしいです。 ただ、注意したい点があります。勉強が合わないから学校を休みたいと言っている場合、別の理由が隠れているかもしれない、という点です。不登校の本当の原因を語りたくなくて、勉強が理由なら大人も納得するだろうと思っている場合もあります。私自身、学校時代にいじめがあったということを話したのは30歳過ぎてからですし、親には直接は言っていません。

学校に行かない選択は、大人が考える以上に子どもにとって深刻なこと 子どもは、学力を得に学校に行っているわけではありません。子どもが学校へ行くのは、友達と話したり遊んだりするためで、そういう時間が楽しいから。多少の「やりたい勉強ができない」という程度なら、ほとんどの子どもは学校に行きたがるものです。学習以外のことがしたくて、学校に通っているのですから。そうした時間をすっぱりあきらめてでも、学校に行きたくない、違うところに行きたいというのは、よほどの理由があるはずなのです。かなり多くの子どもは、学校へ行きたいものなんです。

それでは、学校の勉強が合わなくて不登校なのかを見分けるポイントはどこにあるでしょうか。それは、笑顔の量です。本当にやりたいことがあるときは、子どもはとても楽しそうにしています。今の学校に行くよりもこうしたいと言ってきた時に、キラキラした笑顔だったら、それは本心でしょう。一方で、暗い表情をしていたら、どんなに学力が高い子でも、それは「言い訳」なのかもしれません。ほかにつらい原因がある、と気づいてあげてほしいです。

笑顔は大事なバロメーターだということを、忘れないでいてあげてください。 まとめ & 実践 TIPS 学力が高くて「浮きこぼれ」となってしまうような子どもの場合でも、学校に行かないという選択はよほどのことと言えそうです。したい勉強ができないから学校に行きたくない、というのは「言い訳」で、実はつらい原因があるのかもしれません。なにが本当の原因なのか、子どもの表情をよく見て、見守ることが大切となるでしょう。

プロフィール 石井志昂 『不登校新聞』編集長。1982年生まれ。中学校受験を機に学校生活があわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」に入会。17歳から不登校新聞社の子ども若者編集部として活動。不登校新聞のスタッフとして創刊号からかかわり、2006年に編集長に就任。現在までに不登校や引きこもりの当事者、親、識者など、400名以上の取材を行っている。 〔2020年12/13(日) ベネッセ 教育情報サイト〕 

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教育構想2021
仙台市「教育構想2021」中間案 「自立する人」育成へ 意見公募中
仙台市と市教委は教育行政の基本指針「教育構想2021」(2021~25年度)の中間案を公表した。
「たくましく、しなやかに自立する人」の育成を基本理念とし「長所を引き出す学校教育」「自分らしく学べる機会の充実」など六つの基本方針を打ち出した。
12月25日まで意見公募(パブリックコメント)を実施し、来年3月に最終決定する。
市の新総合計画(21~30年度)策定に合わせ、現行の教育大綱(15~20年度)と教育振興基本計画(17~21年度)を一本化し、新たに策定する。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)の推進を重視し、基本指針に掲げた取り組み方針に関連する目標を明示した。
「自らの可能性に挑戦する力を育てる学校教育」など三つの基本方針では、体験型経済教育の実施で社会的・職業的自立に向けた資質と能力を育てる。
学校のICT(情報通信技術)活用を促進するため、支援員などの運用体制を構築し、対面とオンラインを組み合わせた学びを展開する。
市いじめ等相談支援室など関係機関と連携し、いじめの早期発見・対応を進める。
不登校の児童生徒の居場所として、別室登校用の教室「ステーション」を校内に増やす。
東日本大震災の遺構を活用した仙台版防災教育、新型コロナウイルス感染症に対応した生活習慣づくりなども推進する。
「絆を深める地域づくり」など社会教育の基本方針では、市科学館(青葉区)の展示リニューアルを進め、総合自然科学系博物館として充実させる。
社会教育施設の観覧料の電子決済導入を検討。今年4月に新設された「社会教育士」との連携、協働も考える。
市立学校への「仙台版コミュニティ・スクール」導入を推進し、学校、保護者、地域住民が一体となった教育を目指す。
家庭教育の支援では、絵本を通じた乳幼児と保護者の触れ合いの機会づくりを検討する。
中間案は市のホームページなどで閲覧できる。意見は市教委総務課に郵送、ファクス、メールで寄せる。
連絡先は同課022(214)8857。
http://www.city.sendai.jp/kyoiku-somu-chose/kurashi/manabu/kyoiku/inkai/shisaku/basic/kyouikuplan.html
〔2020年12/14(月) 河北新報〕 

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藤原和博 さみしさ、孤独に耐える人ほど価値がある 藤原和博(ふじはら・かずひろ)氏/教育改革実践家。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。

30万人を突破した日本で学ぶ外国人留学生。アニメやマンガなど日本のポップカルチャーに関心を持ち、日本が大好きな人も多い。卒業後に日本企業で働くことを希望する留学生も多いが、就職活動がうまくいかなかったり、就職できたとしても短期間で辞めたりする場合が少なくない。

【写真】九門 大士(くもん・たかし)氏/亜細亜大学アジア研究所教授。東京大学公共政策大学院非常勤講師。東京大学公共政策大学院で外国人留学生向けに英語で「日本産業論」を教える

そんな外国人留学生たちの実態に迫ったのが、新刊『日本を愛する外国人がなぜ日本企業で活躍できないのか!? 外国人エリート留学生の知られざる本音』だ。著者である九門大士氏は、東京大学公共政策大学院の外国人留学生向けの英語コースで教えており、亜細亜大学の教授として外国人留学生について研究を続けている。

そんな九門氏が、民間出身の校長として公立の中学校や高校で教育改革に取り組み、12月に書籍『革命はいつも、たった一人から始まる』(ポプラ社)を発売した教育改革実践家の藤原和博氏と対談した。テーマは、ダイバーシティ(多様性)を叫ぶ一方で同質化が進む日本社会、そして個人の働き方だ。「正解至上主義」で授業中に発言したがらない日本の学校教育をどうすればいいのかについて議論した第4回の記事(関連記事「『正解至上主義』という呪縛から逃れる方法」参照)に続き、今回は対談の最終回として「幸せな人生とは何か」について議論する。

  • * *

藤原和博(以下、藤原):みんなが同質化して、同じようになればなるほど、人間は価値を失っていきます。むしろ「レアさ」がある方が価値は高まる。それでもレアな人ほど、何かに突っ込んでいったときに「振り返れば誰もいない」状況に直面します。そんなさみしさ、孤独に耐える人こそ価値がある。

今までの幸福感は「自分が他の人より上ならうれしい」といったものでした。かつてはいい高校からいい大学、いい会社に入れば、7割がた幸せになれる社会で、課長から部長になって御の字。それで多くの人が悠々自適の生活が送れました。しかし今は30~40年働いて引退して終わりでなく、トータルで90~100年ある人生をどう生きるかが問われます。

1つの仕事だけで人生は終わらない。「坂の上の坂」があります。そこに次の人生を重ねないといけません。1つの仕事を続けている間にコミュニティーを乗り換えていく必要があります。

単線型というより複線型で、富士山のような一山型ではなく、八ヶ岳みたいな連峰型のイメージです。7つか8つの人生観を持つような幸福論と言えるでしょう。今の子どもたちは一気に3つの人生が進んでいくように思います。自分の居場所を作るためには、一生に10個の人生観を切り替えながら生きる人だっているかもしれません。

60歳になってからでもあと30~40年ありますよね。それまでは全く別の人生でしたが、定年後に3つの新しい道があってもいい。その時点で持っているものを活かして生きようということです。

例えば、今45歳で、あと50年前後の人生があるなら、慣性の法則でそれまでの生き方を続けてもだめです。スキルの棚卸しをして、どこで自分の価値を一番出していけるのかを考える必要があります。何だったら、自分の可能性があるのか。

仕事の値段は需要と供給で決まる ●仕事の値段は需要と供給で決まる

藤原:理解すべきなのは、仕事の値段は需要と供給で決まるということです。ここから先に何をやるのか。経理でも広報でも営業でも、需要があって供給が少ないところに行った方がいい。例えば、新潟県の佐渡島に1人しかいないスキルを持っていて、需要があれば、必ず引き合いが来る。そう考えたほうがいいのです。希少性が高まるとチャンスが増える。

自分のビジョンが開けたり、選択肢が広がったりすることが幸せにつながります。自分のお父さんやお母さんの時代の常識で考えない方がいい。ちゃんと自分の頭で考えて、自己決定する必要があります。

九門:これからは10代、20代からキャリアを考えることが大事です。その時にレアなスキルは大事ですが、併せて自分の価値観は何かを考えた方がいい。日本語でバリューという時には「価値」の意味合いが大きいですが、英語では「価値」と「価値観」という2つの意味があります。

まず、自分が大事にしたい「価値観」を考えて、それに合ったレアなスキルを身に付けて経験を積むことで、自分の「価値」としてのバリューが高まると思います。

藤原:小学校、中学校の教育目標は「みんな仲良く元気よく」といったものが多い。2003年に杉並区立和田中学校の校長になって、教育目標には流行があることに気づきました。例えば「自立貢献」、貢献しなきゃ自立じゃないということです。「一緒に仲良く、よく考える子ども」といった言葉が流行ったことがありました。「みんな仲良く元気よく」もそうですが、個人については触れられていません。

角川ドワンゴ学園 N高等学校が今注目を浴びています。フィギュアスケートの紀平梨花さんも入学しました。目指すものが明確にあれば、邪魔くさい授業もあるでしょう。これまでそれは禁句だったけど、今ではN高はメジャー感がある学校になってきました。

かつて不登校の子どもは特殊な例として見られてきました。創志学園の理事長の大橋博さんが広域通信制高校のクラーク記念国際高等学校を開いたのは1992年。今ではN高の生徒数が1万5000人を突破し、クラーク国際を超える水準に来ています。今度はN高の中学(学校教育法の中学ではないプログレッシブスクール)に当たるN中等部までできます。

日本の学校は、もっともっと多様化したほうがいい ●日本の学校は、もっともっと多様化したほうがいい

藤原:自分のやるべきことがあって、学校としての人間関係があればいい。特に高校からはそうでしょう。今、N高の生徒数が1万5000人なら、1学年は5000人になります。これが1学年1万人の規模になっても不思議ではありません。

ホリエモンこと堀江貴文さん主宰のゼロ高等学院もあります。高校卒業資格の取得を支援するサポート校の仕組みを利用しています。フリースクール的な学校はやりやすい。地方にある学校と補助的に組み合わせてもいいはずです。日本の学校は、もっともっと多様化したほうがいい。それが1つの道筋だと思っています。

五輪スポーツもいいのですが、選手になったらいくら稼げるのか。ユーチューバーが10億円稼ぐことも可能な時代です。さまざまな分野からスターがもっと出てくればいい。フィギュアの紀平さんは金メダル候補でしょうが、一般論としてアスリートが五輪スポーツで稼ぐのは簡単ではありません。

eスポーツではプロゲーマーのときどさんが有名です。麻布中学・高校と東京大学を卒業した異色の経歴で知られています。成功したプロゲーマーの年収は数千万~1億円クラスになりますし、スポンサーも付いたりします。

和田中の出身で、牧浦土雅(どが)さんという若者がいます。英国のボーディングスクール(全寮制学校)を経て、ブリストル大学に進み、今はアフリカでビジネスをしています。ガーナを拠点に、アフリカの小規模農家の支援を手がける農業商社Degas(デガス)のCEO(最高経営責任者)で、ガーナの大統領と仕事をしたりして、大変ユニークな人物です。

彼と話した際に印象的だったのが、英国のボーディングスクールでは高校2年と3年は徹底的に哲学を学ぶという話です。「世界に対して何をなすつもりなのか」と毎日毎日聞かれると、うそでも何かを言わないといけないと思うそうです。

日本の高度成長期は、情報処理能力の高いホワイトカラーとブルーカラーが支えました。こうした時代は従順な情報処理能力が高い人のほうが求められる。ジグソーパズルが上手な感じでしょうか。日本はそのシステムが今でも続いています。

道徳よりも哲学を学んだほうがいい ●道徳よりも哲学を学んだほうがいい

藤原:日本の中学・高校では道徳を学びますが、むしろ哲学を学んだ方がいいのではないかと思います。私が和田中で始めた「よのなか科」は、自分の身近な視点から世の中の仕組みについて、簡単に答えを出せないテーマについて学ぶ内容でした。この取り組みを学ぼうと、さまざまな地域の教育長や市長が「和田中に行ってこい」と言って、人を送り込んでまねしました。こうした方たちと交わった時期もありましたが、結局定着していないようです。

九門:教えるんじゃなくて、自分の人生を考えてもらう。これを多様性がある環境でやると実に面白い。私は亜細亜大学の「アジア夢カレッジ」という中国への留学・インターンシッププログラムで、日本人と中国人を一緒にして考えさせる授業を7年間続けてきましたが、とても意味があることだと思い、手ごたえも感じています。中国人でも日本人でも、多様な人がいて、それぞれの人生を考えると、これから生きていく上で必要な「生きる力」につながっていきます。それまでの人生において、自分が思いつかなかった自分の強みや生き方に、早いうちに気づけるからです。

藤原:私はビジネスパーソンなどを対象に、1500回以上研修をしてきました。みなさんに人生とキャリアという意識を持ってもらいたいと心から思います。

世界はなぜこうなっているのか。なぜ戦争が起きるのか、そう問いかける。こう幼稚園で問いかけて、幼児の発言を聞いたら、大人のほうが勉強になるかもしれない。それが日本ではつい道徳になってしまいます。

九門:正解を探せとなる。

藤原:そして愛国心といった話になっちゃう。生きることや死ぬことを考えるの大事です。人生をどう考えるのか。他者をどう捉えるのか。残念ながらそういう授業ができる先生はなかなかいません。

九門:先生の教育から始めないといけないのかもしれませんね。

藤原:昔なら生きることや死ぬことを教えるのは宗教で、欧米ではキリスト教会の役割も大きいのかもしれません。フランスは伝統的にカトリックで子供が生まれると毎週教会に連れて行きます。人間の生と死は、親が教えられることではないからです。

哲学と美意識については、日本は幸か不幸か、国家的に導入できませんでした。ものすごく歪(ゆが)んでいて、宗教心を持てないでいます。哲学と美意識は? と問われると、そこは日本人が本当に圧倒的に弱いのです。

便利や実利だけではどうしても限界がある ●便利や実利だけではどうしても限界がある

藤原:欧米のエリートは哲学や美に対する意識が高い。それがないと通用しません。日本人の場合は、哲学とは何かを考えてない人が多い。便利であることや実利につい目が向く。しかしそれだけではどうしても限界があります。

九門:今の若者はパーパス(目的)を意識するようになっています。何のためにどう働くのかを大事にする学生も間違いなく増えています。それが入り口なのかもしれません。

藤原:臨床哲学という学問があります。社会と哲学をつなぐような試みです。さまざまな社会的な事象に当たっていちいち考えることがすごく大事です。日々、考える。でもそれを日本人は避けてきたように思います。

九門:たしかに欧米のように個人に徹してはいませんが、これからの世界を考える際には、欧米的な個人主義でも日本的な集団主義でもない新しい個人と社会のバランスを考える必要があると思います。多様性の中では他者への共感力(エンパシー)が大事になりますが、これは日本が持つ良さでもあります。 結局、藤原さんのおっしゃるような「編集力」が大事なのかもしれません。自分の人生をどう編集していくのか。自分は1冊の本の主人公であり、編集者であり、作家である。1冊の本になったときに、読んで楽しく意義ある人生かどうか。そのような基準で生きることが自分自身の幸せにつながるのかもしれません。

山崎 良兵 〔2020年12/16(水) 日経ビジネス〕 

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「OriHime」の開発者 吉藤オリィ セカオワ・Saoriが聞く、「不要なコミュニケーション」を実現するロボットの必要性 J-WAVEのPodcast連動プログラム『INNOVATION WORLD ERA』

SEKAI NO OWARI・Saoriが、分身ロボット「OriHime」の開発者で株式会社オリィ研究所所長の吉藤オリィと、これからの「社会」を支えるロボットについて語り合った。

Saoriは同番組の第5週スペシャルナビゲーターとして登場。11月29日(日)放送のJ-WAVEのPodcast連動プログラム『INNOVATION WORLD ERA』のワンコーナー「FROM THE NEXT ERA」でトークを展開した。

2人の出会いを振り返る この日初対面となった吉藤とSaori。Twitterを介してお互いを知るようになったという。

Saori:来ていただけると思わなかった、というとアレなんですが、なかなか対談をやるような方ではないと伺っていたので「どうかな……?」と思っていたんです。なので、来ていただけてすごくうれしいです。 吉藤:こちらもうれしいです。 Saori:一番最初にオリィさんのことを知ったのは、たぶんTwitterだと思うんですが、「不思議なロボットを作っている人がいる」みたいなのが流れてきたんです。「なんだろう?」と思ってフォローをして、そこからずっと見ていました。活動がすばらしくて、大好きなんです。本当にお会いできてうれしいです。 吉藤:ありがとうございます。1人で深夜とかに開発をすることが多いんです。そのときに作業用というか開発のためのBGMをかけていくなかで、ちょうどセカオワ(SEKAI NO OWARI)さんの曲を聴いていた時期にSaoriさんからコメントをもらって、「あ、Saoriさんだ!」と印象的だったのを覚えています。舞台衣装とか演出が好きなんです。 Saori:うれしいです。

小学生のときに感じた「分身ロボット」の必要性 吉藤が創設したオリィ研究所が開発をしたプロダクトで代表的なものに、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」がある。同プロダクトは、どのような役割を担うのか。吉藤が自身の体験も交えて解説した。

吉藤:私たちは生まれてから、体がひとつしかないわけですよね。昔、不登校というか、学校にあまり通えなかった時期が3年半ほどありました。そのときに「お腹が痛くなってしまう体を自分で介護できないし、その体を引きずって学校に通うことができない」と思っていたんです。「どうして自分にとっての体がひとつしかないんだろう?」ということをずっと思っていて。もうひとつ体があれば、それを学校に置いておいて、意識だけ瞬間移動で切り替えたり、もしくは自分がしんどくなっても、もうひとつの体でケアすることができる。小学生ぐらいのときに、そんな風に思っていました。そのまま時代が進んで、インターネットが登場してロボティクスが出たときに「これは作れるぞ」と思いました。

「OriHime」にはカメラ、マイク、スピーカーが搭載されている。入院中の状態であっても、スマホやタブレット、パソコンを使って、インターネットを介して地球の裏側の映像を観たり、学校の先生の話をリアルタイムで見聞きして挙手や発言することも可能となる。

吉藤には「不要なコミュニケーションが、人のコミュニケーションの本質」という想いがあり、「OriHime」はそれを実現するロボットだと続ける。

吉藤:家族や恋人であったとしても、電話をすると必ず「どうしたの?」って言われますよね。学校は授業を受けているだけに見えて、実は授業と授業のあいだの休み時間がすごく思い出に残っていたり、登下校のあいだに友だちが増えたりする。そういった用事のなかにある「不要なコミュニケーション」というのが、人間関係を作るのにとても重要だと私は思っているんです。だから「宿題だけ家でやればいい」とか、「家で遠隔でテレビ電話だけでやりとりをすればいい」と言うけど、テレビ電話を切ったあとにそこにいる人たちは延長戦を続けたり、コーヒーを飲みながら「さっきの会議どうだった?」みたいなことをやっている。でも、私はそこに参加できない。自分がそこに「いる」という状態でいられる機会をたくさん失ってきたと思っているので、その機会を平等にしたいと思ったんです。「OriHime」はこれまでに、結婚式で50回ほど使われているんです。 Saori:ええ! あー、なるほど。 吉藤:大切な学会がアメリカでおこなわれていて、学会と親友の結婚式のどちらを優先するか、ということがあるとします。でも「OriHime」を使えば、結婚式に出席する友人に分身ロボットを持ってもらって、アメリカから日本の結婚式に参加ができるんです。リアルタイムに首も動かせるので、新郎新婦の姿を追いかけて、拍手を送って、声をかけたりすることができます。

「誰かの役に立っている」という感覚は希望になる Saoriが「そもそもなぜこれを作ろうと思ったのか?」と問いかけると、そこには難病などを抱えた人たちと共有する想いがあると吉藤は語る。

吉藤:もともと私が欲しかったものを作ろうと思いました。車いすを作っていましたが、車いすに乗ることもできない人たちもいます。オンラインゲームの中だったら、確かに居場所や友だちを作ったりできますが、多様性がないという課題点もありました。「オンラインゲームをやっている」という限られたカテゴリーの人たちと出会うことはできるけど、多種多様な人たちと出会えるリアルの世界には参加ができない。それは大きな機会の損失です。現在は50人弱の難病や寝たきりの方、ALS(筋萎縮性側索硬化症)といった方々にメンバーに加わってもらっています。私たちは老後もありますし、いつ体が動かなくなるかわからない。「寝たきりになったあと、どうやって生きていけばいいのか」ということについて、仲間として入ってもらって一緒に研究しています。 Saori:仕事を一緒にできるというのはすばらしいなと思います。難病の方々に対して、一方的に「してあげること」ばかりになっちゃうじゃないですか。でも「OriHime」があることで、そういった人たちが力を発揮できる機会があるというのが、本当にすばらしいなと思います。それが仕事である、というのがいいなと思うんです。 吉藤:大事なのは「自分が誰かの役に立っている」という感覚なんです。ボランティアとか人助けをしなきゃいけないわけではないけど、それができると生きる価値を感じやすい。私も昔そうだったんですが、助けてほしいんですよ。助けてほしいんだけど、助けられ続けて生きていたいかというと、そういうわけではないんです。やっぱり自分も誰かのために何かしたいんですよね。だから、自分を介護してくれる人たちのために、なにかできるようにしてくれるツールを作ろうと思ったんです。 Saori:一番最初は「自分が自分を介護できたらいいな」みたいなご自分の気持ちから、ここまでになったんですね。 吉藤:寝たきりのメンバーたちに「友だちが作れない」と言ったら「一緒にいようよ」と言われたんです。ただ単にいただけではコミュニケーションはうまくいかないので、仕事といった「誰かとなにかを一緒にする」というものをちゃんと作りました。テレワークをその瞬間だけやるのはだめで、楽屋裏、休み時間みたいな「ちょっとご飯食べに行こうよ」みたいな、「友だちを作る」「仲間を作る」という時間がある。目的のなかに不要なコミュニケーションをどう作っていくのかということをメンバーたちに教えられました。

多様的で強く、生存の可能性を高めるための出会いを 2019年の参院選で初めて、ALS患者の国会議員が生まれた。舩後靖彦氏だ。舩後氏が使う視線入力装置(目だけで動かせるコンピューター)は吉藤が手がけたものだという。

吉藤によると、舩後氏にはミュージシャンとしての一面があるという。

吉藤:彼が使っている視線入力装置、目だけで動かせるコンピューターというのを私が作っているんです。実はあまり知られていないんですが、彼はギタリストでもあるんです。ALSが発症してからも口は少し動くので、チューブを噛んでセンサーにしていて、それを使って3音だけ弾けるギターを作られて、それで仲間たちとずっと活動を続けてらっしゃいます。口で噛んで、少しテンポを置いてからギターの音になるので、タイミングはシビアです。視線入力はそこにはまだ使われていないので、視線入力と噛むスイッチを組み合わせると、もっとたくさんの音が出せる。体が動かなくなったからといって、あきらめてしまうのが今までの常識でしたが、こういったテクノロジーによってできることが増えるんです。 Saori:音楽も続けられるんですね。けっこう音楽は難しいのかなと思っていたんです。 吉藤:できます。私の周りでは指先しか動かない子たちが、指先だけでドラムを叩けるようにしたり、ピアノを弾けるようにしたりして、それを遅延のないネットでデュエットするようなシステムを使って、遠くにいるみんなが演奏をしてセッションをするみたいなこともよく起きてます。

舩後氏が国会議員になった当初、世間ではさまざまな意見が飛び交った。吉藤は難病者が国政に参加することについて、こう語った。

吉藤:今までは多様性がなさすぎましたよね。「我々の国民の代表」という形においても、なんとなく似たような「政治家っぽい」という人たちしか政治家になっていなかった。その意味において、いろいろな人たちが増えていくことでむしろ議論が広がっていきます。まだまだ偏りはあると思いますが、いろいろな人に代表になってもらいたいなと思っていましたので、そういう点では大きな転機になったんじゃないかと思います。 Saori:多様性が政治家は特にないと言われています。女性が少ない、年齢が高いといった偏りがあると、意見も偏ると思うんです。うちの会社でも、スタッフの人が1人でも変わるとやっぱり空気や意見、考えることも変わります。出会いというか、その人たちのコミュニティーのなかで文化が生まれていくから、私もALSの方が議員になったのはすごくよかったと思っているんです。 吉藤:たまたますれ違うでもいいんです。私たちは街を歩いて一緒にご飯食べるといった、日常生活のなかで会う人たちすべてが世界のすべてのような気になってきちゃうんです。寝たきりの方や、1000万人の独り暮らし高齢者がいたり、5万人近くの病気が理由で学校に通えない子どもたちがいるみたいなことを数字で言われたとしても、実感はまったく湧きません。60人に1人が車いすを持っているはずなのに、街で全然見かけない。そうすると将来、私たちが“そっち側”になったときに、どこにいるんだろう?ということすら想像ができない。だけど、そういった外出困難やいろいろな病気と向き合いながら生きている人たちが友だちのなかにいれば、「そうか、こういう生き方になるんだ」というイメージつきますよね。多国籍もそうかもしれないけど、障害もそうだし、さまざまな人が友だちのなかにいればいいんです。理解を深める意味では、英語を勉強するために英語を使う友人を作るぐらいの気持ちで、いろいろな友人を作る。どんな風に自分が生きていくかという選択肢のひとつとして、自分と全然違う世界の方向に、知らず知らずにうまく誘導をしてくれる友人をどうやって作っていくか。遊びだけではなく、仕事のなかにおいて接点があった人たちともう少し関係性を作って、お互いが知らない世界のことをよく知っていくというような生き方というのが、この先国民を多様的かつ強く、生存の可能性を高めてくれると私は思っています。

『INNOVATION WORLD ERA』では、各界のイノベーターが週替りでナビゲート。第1週目はライゾマティクスの真鍋大度、第2週目はASIAN KUNG-FU GENERATION・後藤正文、第3週目は女優で創作あーちすとの「のん」、第4週目はクリエイティブディレクター・小橋賢児。放送は毎週日曜日23時から。 〔2020年12/16(水) J-WAVE NEWS〕 

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「N高等学校(N高)」「S高等学校(S高)」事業の 角川ドワンゴ学園理事・川上量生 【独占】N高が教育ビジネスで“勝つ”理由 ── 川上量生氏が“ついでに”目指す「脱受験教育」 角川ドワンゴ学園理事・川上量生氏の単独ロングインタビューの後半は、「N高等学校(N高)」「S高等学校(S高)」事業の勝ち筋、そしてその後に続く「教育改革」について聞いた。

【全画像をみる】【独占】N高が教育ビジネスで“勝つ”理由 ── 川上量生氏が“ついでに”目指す「脱受験教育」 前回のインタビューで川上氏は、「N高事業を成長させるのはもう難しくない」「他の事業者には勝てる」と強い自信を語った。当初は伸び悩んだものの、確かに現状、N高は日本最大の通信制高校になり、2021年度の出願数も過去最高になるのは確実な状況だ。

なぜN高は伸びるのか? そして、そこから目指す教育改革のあり方とはなにか? その2つには密接な関係がある。 N高を成功させたのは「マーケティング」である 川上氏は「基本、暇になったのは大きいんですよ」とはにかみながら状況を説明する。若干の照れ隠しもあるのかもしれない。

2019年にカドカワの代表取締役社長およびドワンゴ取締役を退任し、ドワンゴ学園の理事としての仕事に割く時間が増えたのは事実だ。 川上氏(以下敬称略)「ビジネスには色々なやり方があると思います。僕がいつも考えているのは、『自分がやらなかったら誰がやるのか』ということ。N高は『僕がやらなかったら誰もやらなかった』。似たようなものは誰かが作るかもしれないですけれど、それは僕が作りたいN高ではない」

仮にもし今N高がなくなったら。「N高でやろうとしていること、N高がやっていることは、どこもやらなかった」と、川上氏は言う。 「例えば、『N高 投資部』『N高 政治部』(注:部活としての投資・政治活動)。あれはN高がなければ、きっと世の中には存在しなかった。そういうことは、時間をかけてやってもいい。 他のところもやりそうなことだったら、なにも僕たちがやらなくてもいいじゃないですか。どっちだって世の中は変わらないんだから」(川上) 「他がやらない」ことやっているからN高は勝てる、というのが、川上氏のひとつの考え方だ。

では、そのN高に存在している「他の通信制高校がやらなかったこと」とはなんなのだろうか。 「当たり前のことですよ。ネット配信でちゃんと授業をやり、ちゃんとネットで経由で評価することです。 多くの通信制高校はずっと紙ベースの『通信講座』に近くて、レポートを出すだけだった。最近は他もN高のような教材を取り入れるようになってきましたが。 ただそれ以上に違うこと、画期的だったことはコミュニティづくりに特化したことです」(川上)

それは、非常にシンプルだ。「学校で友達をつくること」そして「学校に通っていることを外に対して言えること」だと、川上氏は言う。 「これまでは、通信制高校に通っていることを周囲に言えないという子も少なくなかった。 その部分の解決を、マーケティングで解決していったんです。(学校を作るとなると)『講師は一流、教材も一流』ということを、運営者側は言いたくなるのですが、それは基本機能であって、宣伝してはいけません。ベースとしてどこもやっていることで、やるのが当たり前。差別化できません。 僕らがやったのは『文化祭が“超会議”だ』とかいうような、派手なイベントを仕掛けること。その結果として、常にメディアでN高が取り上げられるようにしたんです」(川上)

話題になると、話題になったことで周りの人と自分が通っている学校についての対話ができるようになる。 「『N高ってああいうところなんだ』という話をふってもらえたりするのが大きいんです。僕たちはN高に通ってもらいたいから、将来の生徒に対して話題づくりをしているわけじゃないんです。 『いま、N高に通っている生徒のためにN高が話題になるようにしている』だけなんです。そうすれば自分が通っている学校をまわりに隠さなくてもよくなる、ということが大切です」

そして、もうひとつ大事なことがある。 「僕たちは、N高を『不登校生のための学校だ』という言い方を一切しませんでした。『(あなたのような)不登校生のための学校を作りました』と言われて喜ぶ生徒なんて、ほとんどいないと思います。 僕たちはN高を『未来の学校』『未来のエリート学校』だと言い張りました。これは実際、本当のことだと思っています」 「今の学校を落ちこぼれる人はネットに逃げます。そうすると、ネットのスキルは一般の生徒より高くなりますよね。それはプラスのことであるはずです。

不登校生徒は『劣っている』という言い方をされがちですが、別にスキル全般が劣っているわけではない。逆にそれで有利な点もあるはずです。特に若い間はそうです。だから、皆を『普通の生徒として扱う』ことを心がけました」(川上)

すなわち、N高を「特定の環境にはなじめないかもしれないが、スキルも可能性もある生徒を集めた新しい高校」と位置づけたことが大きかったのだ。言われてみれば当たり前のことではある。 その上でもうひとつ、打ち出していることがある。それは、言葉だけを聞けば「冷たい」と思われかねないものだ。 「我々は『全員は救えない』というメッセージを出しています」

これは学校内に向けたメッセージ、という意味合いが強いという。 「生徒全員を救おう、それが正しいと思っている人が多いんですが、それは現実的に難しい。普通の学校でも全員の生徒は救えない。でも、それは『言っちゃいけない』ことになっている。ある種のタブーですよね。 初期には『すべての子に、一人ひとりに合わせた最適な教育を行います』というメッセージを出してしまってもいました。しかし、止めさせました。実際にできないことを言ってはいけないからです」

ITでアラカルト的な教育ができる、となると、「すべての子に最適な」というフレーズを使いたくなる。また、他の環境に馴染めない生徒を受け入れるなら「すべての子を救う」と言ってしまいがちだ。 だが、人の学びや成長の過程は単純ではない。どんなに慎重に、親身に対応したとしてもうまくいかないことは必ずあるし、対応できない事例はある。そこを誤魔化さず、ちゃんと「自分たちには限界がある」ことを認めるのが重要、というのが川上氏の考えだ。 「親からのクレーム対策」に最適化した教育産業 教育はサービス産業という側面もある。だが、川上氏は「サービス業としての教育には問題も多い」という。

川上「そもそも、教育をサービスとしてみた場合の『淘汰圧』は非常に低いんです。飲食店なら、一度嫌な思いをするときてくれなくなりますが、学校は3年間ロックインされますからね。辞められない。理不尽なことがあったとしても、直さなくてもなんとかなかってしまう。 だから淘汰圧が働きづらい。そこはシステムで、意識的に改善していかないといけません。(教育は)サービスとして最適化している方向が違うと思うんですよ」

最適化しまっている方向について、川上氏はこういう。 「『保護者に怒られないように』最適化してしまっている。モンスターペアレンツへの対応に追われているんです。 『生徒のため』といいつつ、結局は親からのクレームが来ないことに、色々な運営が最適化されてしまっている。これは高校だけでなく、幼稚園からそうです。 生徒のためでなく別の、目の前の課題のために最適化してしまうというのは、ある意味で馬鹿らしいシステムですよ」

川上氏は例として「N中等部の外出禁止」についてを挙げた。 『N中等部』は、外出禁止です。昼休みでもコンビニなどに途中で行くことはできません。でも、なぜ出てはいけないのか? それは、『途中でいなくなったりしたら、子どもの管理をちゃんとやっているのか、という保護者からのクレームに言い訳ができないから』だったんです。

その監督責任から逃れるために、じゃあ、最初から外出禁止にしてしまおうということになったわけです。 生徒の監督責任が問われるということには一理あります。でも、そんなこといったら、通学だっていっしょですよね。そこで外出したかどうかの記録だけはとった方がいい。ということで記録をとるために、許可は必要だけれども『外出OK』にしました」

「普通の学校だと教員が猛反対してできないと思います」と川上氏。そしてN高でもやはり教員の抵抗はあったという。 「N高は『ITやネットに強い学校だからそういうのも認めるんだね』と教員もある意味、諦めてくれるというのが、僕らの強みです。

ITに強い学校というのが、ある意味で教員にとっていい意味での『思考停止』の道具になっている。日本企業に外国人経営者が来たときみたいな状況、とも言えるかもしれません。外国人経営者だからしょうがない、と日本人経営者だったらできない改革を実行できる……みたいな。 そういう意味で、ドワンゴというIT企業が、教育業界にとって新しいことをする上での黒船になっている部分はある、と思います」

学校というビジネスにとって、もちろん「親」は重要な要素だ。学費を払うのは親であり、特に、私学であるN高にとっては重要なスポンサーでもある。 だが、そのスポンサーを納得させる要素は、クレーム対策ではなく別のところで十分に用意できる。それは、進学率であり就職率であり、生徒の満足度である。そうした指針は、N高の運営を続ければ続けるほど蓄積されていくものであり、1年目にはなかったものだ。 前半で解説した「川上氏の読み違い」はそこにもあるが、結果として、5年目に向けたN高では、その問題はすでに「過去のもの」となりつつある。

川上 「1年目・2年目に入学者が想定より少なかったことも『危機』とは捉えていなかったんです。それは増加のカーブが緩かっただけの話なんです。伸び率は高かったのですが。普段やっているウェブサービスでのマーケティングのモデルとは色々パラメータが違っていたんです。 例えば、弊社の経営企画の人間が当初に作ったモデルは、最初に150%の成長をし、それから次第に成長が鈍化するものでした。でも、学校はそうじゃかったんですよ」

N高はすごく高い認知度を持っていたが、それでも入学することを選択する人はごく一部だったのだ。 「それは『実績』で増えていくものだったんです。1年目・2年目のマーケットはまったく刈り取れていなくて、誰もが『様子を見ていた』。なので、卒業生を出した3年目以降のほうが成長率が高くなりました」

まだまだ、N高に飛びついている生徒や保護者は少数派で、むしろ、これからのほうが成長は加速する可能性もある。 「例えば、ある中学校から1人N高に入ったとします。次の年は、そこから4人とか6人とか入ったりするんですよ。実績でみんな安心するんです。 あと、『通学キャンパス』が全国に現在19カ所あります。現在急激に増やそうとしている最中です。例えば、ある地域に通学キャンパスをつくったとしますよね。すると、その地域の『ネットコースの生徒』が一気に増えるんです。ネットコースなので通学キャンパスは関係ないのに、通学キャンパスがあることで、保護者と生徒の安心感が高まるんです。

教育産業にはそういうところがあります。実際そこまでしないと、人生を賭ける高校選択というハードルはなかなか超えられないんです。

逆に、生徒が増えれば増えるほど有利です。その人の周りに別の生徒がいるわけですから」 「N高はもう勝てる」と川上氏がいうのは、こうした理由からだ。 ビジネスに勝つ「ついで」に目指すのは「脱受験教育」 では、N高がビジネスとして成功した先でやることはなにか? インタビュー前半で解説した「AIの活用による、インストールのように効率的な学び」はそのひとつである。だがその本質はまた別の発想につながっている。

川上「ここから先は、N高のビジネスというよりは、日本のために重要なボーナスゲームだと思ってるんですが……。 今の受験教育、輪切りをやめさせたい。N高はそれができるポジションだと思います。つまり『個別最適化教育の推進』なんですが。 現在の教育は、いろんな意味で『偏差値で輪切りした教育』です。多少なりとも頭がいい人間から見れば、今の勉強、受験のための勉強というのは面白くないですよ。 昔と違って今は、良い大学に入るために本当に、大変な努力が必要になっています。昔の勉強の仕方では、今の受験を勝ち抜くことはできませんよ。受験教育をした人とそうでない人では大きな差がある。そのくらい、受験というゲームが変質しているんです」

その理由として川上氏は「受験産業が高度化し、そこに最適化する形で教育が変わってしまったから」を挙げる。 「僕はこの構造を潰したい。問題意識を持っているのは僕だけじゃないと思いますが、。日本社会の歪みの多くの原因がここにあると考えています。 そしてN高には、この歪みをリセットできる条件がそろっています。 なので、ビジネスで勝つ『ついでにやる』(笑) 。まあ、10年くらいはかかると思うのですが」 多少の照れもあるのか、川上氏は笑いながら話すが、その目は真剣だ。N高をやる中で見えてきたことから得た部分もあるのだろう。

川上「これは教育現場の人から見ると『新設校あるある』らしいのですが、新設校であればあるほど校則が厳しくなる方向にあります。過去のそれぞれの赴任校での経験から、校則がそれぞれの『和集合』になって多くなってしまう。そういう部分があるので、これは定期的にチェックしています。 初期には先生としての経験者を多く採用していたのですが、3年目くらいから、新卒の方を中心にした採用に切り替えました。『教育はこうあるべき』という考え方に染まっていない人間でつくっていく方がいいと考えたからです」

今までの学校にありがちなルールややり方、目標設定に縛られることなく、生徒と保護者に支持されやすい実績を見せる。その上で学校が全ての教材を提供した上で最適化された学習を提供し、最終的には「受験教育とは違う形での学びとキャリアパス生成」を提供する。 それが、N高というビジネスの目指すところ、ということなのだろう。

川上「とにかく、僕らは教育においてのこれまでの常識を無視して、あらゆることを合理的に考え直そうとしています。それは大変なことでもある。ビジネスに勝つだけなら、N高がやろうとしていることは『オーバーキル』(やりすぎ)なんです。 でも、オーバーキルな状況を続ける理由は、『N高がやろうとしていることは正しい』と理解してもらうためです。日本は新参者には厳しい社会ですから、認められるためにはやりすぎなぐらい正しいことをし続けようと思っています。 それに、オーバーキルであるということは『余裕がある』ということなんです。余裕があれば選択の多様性を生み出せる。ギリギリの状態で多様性は生まれてきませんからね。N高によって日本の社会に多様性をもたらしたいんです」

教育産業には素人であったはずの川上氏から、一体こんな発想がどうやって出てきたのだろうか。 そう聞くと、川上氏は少しの間をおいて答えた。

川上「ドワンゴの歴史はいつもそうなんですよ。社内でも期待されないで始めたことで、誰も成功すると思っていない事業が、やがて会社の主力事業に育っていく。 実は『着メロサイト』も『ニコニコ動画』も、私が不登校ならぬ出社拒否していて、社内的にはほぼ失脚しているような時に誕生しているんです。 自分のやることが少ない時期、そういう新しいことを生み出せる。本質的に、社長業はやりたくなくて、何か世の中で新しいことをやりたい人間なので……(笑)夏野さんとのタッグで、僕はできるだけヒマしながら新規事業を立ち上げているのが1番、結果を出せると思います」 そういう意味では、N高の変化は川上氏が「カドカワのトップでもドワンゴのトップでもなくなった」ところからスタートしているのだ。

※ドワンゴ創業者・川上量生氏らの取材を通じた「N高・S高特集」は全3回での掲載を予定。VR教育コンテンツを先行体験した模様は第3回として近日公開します (文・西田宗千佳) 西田宗千佳:1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。取材・解説記事を中心に、主要新聞・ウェブ媒体などに寄稿する他、年数冊のペースで書籍も執筆。テレビ番組の監修なども手がける。主な著書に「ポケモンGOは終わらない」(朝日新聞出版)、「ソニー復興の劇薬」(KADOKAWA)、「ネットフリックスの時代」(講談社現代新書)、「iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏」(エンターブレイン)がある。

西田宗千佳 〔2020年12/8(火) BUSINESS INSIDER JAPAN〕 


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ADHD(注意欠陥・多動症)の当事者である借金玉さん。 発達障害の僕が発見した「気づくと人間関係で地雷を踏んでしまう人」が知っておくべき本質 発達障害のひとつであるADHD(注意欠陥・多動症)の当事者である借金玉さん。早稲田大学卒業後、大手金融機関に勤務するものの仕事がまったくできずに退職。その後、“一発逆転”を狙って起業するも失敗して多額の借金を抱え、1ヵ月家から出られない「うつの底」に沈んだ経験をもっています。 近著『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』では、借金玉さんが幾多の失敗から手に入れた「食っていくための生活術」が紹介されています。 働かなくても生活することはできますが、生活せずに働くことはできません。仕事第一の人にとって見逃されがちですが、生活術は、仕事をするうえでのとても重要な「土台」なのです。 この連載では、本書から「在宅ワーク」「休息法」「お金の使い方」「食事」「うつとの向き合い方」まで「ラクになった!」「自分の悩みが解像度高く言語化された!」と話題のライフハックと、その背景にある思想に迫ります。 今回は、大盛況に終わったオンラインイベント「発達障害なんでも人生相談」で寄せられた読者の質問と、借金玉さんの回答をお伝えします。

<相談> 借金玉さんは、本の中で「プライベートな関係をハックしてはいけない」とおっしゃっています。ならば、人間関係の悩みをどう扱うべきでしょうか? 私はASDの傾向を持つ新卒社員です。大学時代、借金玉さんのライフハックを参考にしながら、自分の悩みを解決することができました。そうして最後に残った悩みが、人間関係なのです。

●ハックできないものこそが「親密さ」です <答え> 「プライベートの親密な人間関係」と「仕事上の人間関係」は根本的に違うものです。 マナーやお作法といった表面的なやり取りは、距離を詰めるための技術に過ぎません。発達障害の僕たちはもともと人間関係が苦手ですが、「仕事上の人間関係」は僕が本に書いているような技術やライフハックさえ手に入れれば、なんとかクリアできることが多いと思います。「傾向と対策」は人間関係にももちろん有効なので。 しかし、僕のライフハックは、「自分を変えるのではなく、やり方や環境、道具を変える」を大きなテーマに掲げています。ハックはサバイバルの手段であって、プライベートな領域においてまで自分を偽る必要が果たしてあるでしょうか。それは、究極的に言うと世界がまるごと職場になってしまうことと同義ではないでしょうか。 僕が僕であること、あなたがあなたであること。それこそが、人生において、最大の価値を置くべきことだと、なんだかんだと言って僕は思うのです。

技術的には、ハックで家族や友人、恋愛などプライベートの人間関係を親密にすることも可能だと思います。端的に言えば上手に相槌を打ち、相手が望む応答を返す。しかしそうやって得られた関係は、本当に親密なものだといえるでしょうか。それって、ハッピーなことでしょうか? 「誰かと仲良くなりたい、親密になりたい」という思いは、ハックを超えたレベルの話だと思うのです。 自分を偽らず誰かと親密になるには、自分をさらさなくてはいけない。「私はあなたと個人的な親交を結びたいと思っています」というアプローチをするために、自分から一歩を踏み出さなくてはならない。踏み込めば拒否されるかもしれないし、嫌がられるかもしれない。そこにはテクニックでは決して解決できない怖さがある。逡巡する気持ちはよくわかります。でも、ここまでやってこれたのなら、きっと大丈夫。 あなたはあなたのまま、幸せになりましょう。

★大好評著者インタビュー「だから、この本。」 第1回 発達障害の僕が「毎日怒られていた子ども時代の自分」に絶対伝えたい2つのこと 第2回 発達障害の僕が発見した「学校に適応できず破滅する子」と「勉強で大逆転する子」の決定的な差 第3回 発達障害の僕が失敗から見つけた「向いている職業」「避けるべき職業」 第4回 発達障害の僕が伝えたい「意識高い系」の人が人生から転落する危うさ

借金玉 〔2020年11/29(日) ダイヤモンド・オンライン〕 

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ADHD(注意欠陥・多動症)の当事者である借金玉さん。 発達障害の僕が発見した「睡眠より仕事を優先してしまう人」が見逃す超重要な事実 発達障害のひとつであるADHD(注意欠陥・多動症)の当事者である借金玉さん。早稲田大学卒業後、大手金融機関に勤務するものの仕事がまったくできずに退職。その後、“一発逆転”を狙って起業するも失敗して多額の借金を抱え、1ヵ月家から出られない「うつの底」に沈んだ経験をもっています。 近著『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』では、借金玉さんが幾多の失敗から手に入れた「食っていくための生活術」が紹介されています。 働かなくても生活することはできますが、生活せずに働くことはできません。仕事第一の人にとって見逃されがちですが、生活術は、仕事をするうえでのとても重要な「土台」なのです。 この連載では、本書から「在宅ワーク」「休息法」「お金の使い方」「食事」「うつとの向き合い方」まで「ラクになった!」「自分の悩みが解像度高く言語化された!」と話題のライフハックと、その背景にある思想に迫ります(イラスト:伊藤ハムスター)。

●ベッドがないと人はマジで死ぬ お金がない。今月の家賃も不安だ─僕も長年そういう時期を生きてきました。お金がないと、いわゆる高級品というのはなんとなく腹立たしいものに見えます。ブランド品が視界に入ると腹が立ってきます。自分は安いアイテムでいい生活も仕事もするんだ、そういったアイデンティティはかつての僕にもありました。

その結果として、働きすぎた僕は肩、腰、ひざ、手首に至るまでの全身をまんべんなく壊し、その治療費には軽々数十万円が必要になりました。動けなかった日の機会損失まで考えると、本当に想像したくもない額の損をしていると思います。 病院、接骨院、マッサージ、ボルタレン、ロキソニン、貼り薬、コルセット……あらゆる対症療法の末に僕がたどり着いたのは「いい布団で寝ると健康になる」というとてもシンプルな結論でした。 無人島など本物のサバイバルでも、最も重要であり、最初にすべきなのが「寝床の確保」です。水とか食料と同じくらいの切実さで、ベッドがないと人はマジで死にます。僕も昔ハードコアなボーイスカウトみたいなものに所属していたことがあって、そのときにこれを思い知りました。

アスファルトに直接寝た経験がある人は多くないと思いますが、僕はあります。一晩くらい大丈夫だろうと横になっていたら、目を覚ましたときあまりにも全身がひどいことになっていると気づきました。硬く冷たい地面の上で寝るというのは、人類にとって自殺行為なのです。硬くボコボコした地面は人間の身体を容赦なく痛めつけますし、同時に地面から伝わってくる寒さは身体を致命的なところまで冷やします。 実は、我々から見てサバイバルと感じられるような生活をしていた古代人は、ベッドにとても凝っていたという研究があります。毛皮だったりあるいは植物の繊維だったり、身体をやわらかくホールドし温かく保つ寝床の必要性を古代人ですら知っていたのです。

翻ってみなさま、どんな布団で眠っておられるでしょうか。その長年しきっぱなしのペラペラの煎餅布団、もしかすると古代人のベッドより寝心地が悪くありませんか? 十分にあなたの身体を支え、同時に適切な保温をしてくれていますか? あらゆるものは、壊れる前にケアしたほうが安上がりです。あなたの身体も例外ではありません。どれほどお金がなくてもまずは寝床にお金をかけるというのは、サバイバルの知恵としての圧倒的な必然性を持っています。毎日の身体のしんどさ、寝起きの悪さ。それを「根性が足りない」と片づける前に、あなたの寝床について考えてみてください。

●マットレスを最優先する理由 なお、僕は健康や快適さに課金するとき 「身体接触の多さ×使用時間の長さ」 という基準で優先順位を決めています。最も身体に触れ、最も長く使うものを最初に買うべきだと。 この理屈でも、寝床は優先順位の1位になってきます。次にくるのは、スマートフォン、文筆業の僕にとってはキーボードとイス、あるいは肌触りのよい肌着、などでしょうか。多くの人に納得いただける考え方だと思います。 寝具の中でいえば、(ベッドであれ布団であれ)マットレスが最も重要だと僕は考えています。腰痛持ちの方は絶対に必要なアイテムだとさえいえるでしょう。特に、体重のある方はできれば体圧分散機能のついたものを使うことを心からおすすめします。

寝具選びはその人の身体に合わせて行うべきなので確定的にこれがいい、とはいえませんが、それなりのお値段のする良質な寝具は、投資以上の価値をもたらすことを約束させていただきます。反対に、中価格帯は「すべてが中途半端」という事態が頻発しがちなので、思い切ってよいものを買う価値はあります。 「健康とかそんなことより、お金がないんだよ!」 その意見はよくわかります。僕も同じように考えていました。でも、身体を壊すと仕事ができなくなるばかりか、生活ができなくなります。そして、生活ができないと何ができなくなるかというと─全部です。お気をつけください。

あなたの身体の修繕費は、たいていの寝具よりは高くついてしまいます。 借金玉 〔2020年12/3(木) ダイヤモンド・オンライン〕 

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オンライン授業 コロナで登校不安、オンライン授業も「出席」に 福岡市教委 福岡市教育委員会は3日、新型コロナウイルスの感染拡大で登校が不安となり自宅からオンライン授業を受けた児童生徒について、出席扱いにするよう全市立学校に通知した。市立学校で今月、1人1台のタブレット端末を使った授業が始まったのを受けた対応。

文部科学省は、民間のフリースクールや情報通信技術(ICT)を活用して学ぶ不登校や病気療養中の長期欠席児童生徒については、校長の判断で指導要領上の出席扱いにできると通知している。市教委は、感染への心理的不安を理由にオンライン授業を受けた子が、この通知内容に該当すると解釈した。

文科省によると、オンライン授業では熊本市や北九州市が不登校生の自宅参加を出席としているが、新型コロナによる心理的不安にまで踏み込んだ事例は「聞いたことがない」という。 また福岡市教委は、本人や家族に持病があり感染時のリスクが高い場合、インフルエンザなどと同様に欠席ではなく出席停止として出席日数の母数を減らす措置を取ってきたが、この場合も今後は出席とみなす。 市教委学校指導課によると、授業を受けた場所で児童生徒の評価が変わることはないという。斉藤啓一課長は「不安を抱えながら無理して登校しなくても、安心して学べる機会を確保したい」と話した。 (横田理美) 〔2020年12/4(金) 西日本新聞〕 

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身近な人が新型コロナに感染したら。いじめや差別を防ぐ取り組み
新型コロナウイルスに感染してしまったお子さんがいるご家庭や、感染を心配している多くのご家庭では、コロナ禍による差別や偏見が、いじめにつながることを不安に思っているのではないでしょうか。
近年、いじめの件数も増加していますから、新型コロナの影響が及ばないよう、特段の注意が必要です。
文科省も、学校での取り組みを促す教材を公開しています。
差別や偏見をなくす動画を公開
文科省は、新型コロナの不安から陥りやすい差別や偏見を防ぐためのプロジェクトを発足させました。
授業で使える動画を公開し、授業に活用できる教材や、保護者向けのお便りのセットを、学校の申し込みに応じて、配布する予定です。
動画は、すでにYouTube(ユーチューブ)で公開されています。
感染した身近な人に対して「最悪だわぁ、アイツ、めっちゃ近所に住んでるんだけど……」「あの学校の近くに行っちゃダメよ」など、感染への不安から陥りやすい中傷の言葉は、自分たちも口にしてはいないか、SNSなどで発信していないか、ドキッとさせられます。
「病気」「不安」「差別」考えさせ
動画は、新型コロナを「病気」「不安」「差別」という三つの側面から捉え、その連鎖を断ち切る方法は何かを、子どもたちに考えさせる、という流れで作られています。
視聴後、感染した人や、感染者と関わる人と、どのように接するべきかを、ワークシートなどを使って学びます。
もとになった「感染症の三つの側面」という考え方は、日本赤十字社が今年3月から発信してきた内容です。
これに基づき、文科省も、休校中や学校再開後を通して通知を出してきました。
しかし、現場は忙しく、なかなか教材化までは手が回りません。
今回は、道徳やホームルームの時間に活用しやすい教材と、保護者便りやポスターもセットにして、学校全体で取り組めるようにしたのがポイントです。
思わず人を傷付けないよう
新型コロナに関連した、学校でのトラブルを防ぐ取り組みは、近年増加しているいじめの認知件数から見ても、重要なことです。
2019度の学校におけるいじめの認知件数は、61万2496件と、初めて60万件を超えました。
特に小学校では48万4545件と、14年度の12万2734件と比較して、約4倍に増加しています。
ただし、これには学校が積極的にいじめを認知しようと努力した結果が表れた、という側面があり、認知後の対応が重要になります。
どのようないじめが多いのかを見ると、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が小学校で61.0%、中学校で66.4%、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩(たた)かれたり、蹴られたりする」が小学校で23.6%、中学校で13.7%、「仲間はずれ、集団による無視をされる」が小学校で13.9%、中学校で12.4%となっています。
まとめ & 実践 TIPS
新型コロナウイルスに感染しないよう、子どもたちに注意を促し、家族で防止策を取ることは大切です。
しかし、不安が行き過ぎると、思わぬところで人を傷つけてしまうことにつながります。
実際の疾病だけではない、感染症がもたらす影響を、一人ひとりが考えることが必要です。
コロナが、いじめや不登校につながらないよう、学校だけでなく、家庭や社会全体で対応していく必要もあるでしょう。
出典
※文部科学省 新型コロナウイルス感染症に関する差別・偏見の防止に向けて
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00122.html
※文部科学省 令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00351.html
プロフィール 長尾康子
東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。
大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。
教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。
〔2020年11/12(木) ベネッセ 教育情報サイト(筆者:長尾康子)〕 


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ひとり親 ひとり親、悪戦苦闘の日々…「肩の力がすっと抜けた」きっかけは 復刻連載・夫婦でいる理由(わけ)<11> イメージ(本文と直接関係ありません) 「子どものため」が、唯一の「夫婦でいる理由」になっている人も少なくない。その裏側には「両親そろった家庭の方が、ひとり親の子より幸せだ」という固定観念が見え隠れする。 【画像】産後クライシス「出産後何となく」セックスレスに… 1999年3月末、ひとり親家庭の自助グループの結成総会が九州の地方都市で開かれた。その中で行われたミニシンポジウムでも、パネリストから、ひとり親ならではの子育ての悩みが打ち明けられた。     ×   × 「私はバツ2。2人いる子の父親は別々です。長男は11歳。そろそろ事情を知っていい時期ですね。でも、子どもが動揺しないように、きちんと説明できるか、不安です。二度裏切られたことで自己評価が下がってるんです。自信がない」(Kさん) 「離婚後、長男は不登校になりました。『母子家庭だから』と思われたくない一心で、息子を無理やり登校させようとしました。それでいっそう苦しめた。世間から同情されることはあっても、ひとり親の身になって手を貸してくれる人なんかいなかった。一人で抱え込んでました」(Sさん)

悪戦苦闘の日々。だが、2人の言葉に不思議と悲愴感は感じられなかった。明るい表情でいられるのには、共通の理由があった。 「苦しんでいたとき、自助グループの準備会を通じて、悩みや不安をぶつけても受け止めてくれる仲間を持つことができました。ぶちまけた後は肩の力がすっと抜けて、自分を見つめる余裕が出てきた。考え方も変わりました」 Kさんの場合、「2度の結婚生活の中でも、それぞれに幸せな時期はあった。子どもができるまで、夫婦の間に愛情があったのは確かです。2人の子は祝福されて生まれてきた。そのことをありのまま伝えよう。そうすれば、子どもも安心してくれると思います」。 Sさんの場合、「少し距離を置いて子どもを見られるようになりました。すると突然、息子が『おれの人生は一味違うね』って笑ったんです。私たち親子は不器用な生き方しかできないけど、それもいい。気を楽にして子どもと接していくうちに、親子関係も少しだけよくなりました」。

約30人が参加した結成総会では「もっと輪を広げよう」「福祉の向上を目指して活動しよう」など前向きの発言が相次いだ。初めての集いは盛会に終わった。 シンポの司会を務めた父子家庭の父親は、こう話していた。「そばにいても相談相手にすらならない夫や妻と過ごすより、同じ境遇の者同士の方が分かりあえるし、安らげる。要は、どちらが豊かな人間関係か、ということ。それが子育てにも影響してくるんじゃないでしょうか」 この記事は1999年4月14日付で、文中の年齢、肩書、名称などの情報はすべて掲載当時のものです。     ◇    ◇ 21世紀に入って20年が過ぎた。この間、女性の社会進出が進み、男女の関係も変化したように見える。では、夫婦のカタチは…。1999年の連載「夫婦でいる理由(わけ)」を読み返してみると、その答えが見えてくる。 〔2020年11/10(火) 西日本新聞〕 

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ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」 尾木ママこと尾木直樹、いじめは「いじめる方が200%悪い」 ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(10月25日放送)に、教育評論家の尾木直樹が出演。教師時代の思い出と、いじめについての自身の考えを語った。 自見はなこ:前回は尾木ママが学生時代に、体罰を目の当たりにされたお話を伺いました。そんな尾木ママが、なぜ教師を目指したのでしょうか?

尾木:実は、就活のときまで教師になろうとは思ってもいなかったのです。ジャーナリストや雑誌の記者など、文章関係の仕事に関わりたいと思っていました。でも就職で悩んでいたら、母親が「直樹は学校の先生がいちばん向いているよ」と。僕は学校の先生がいちばん嫌いなのに、なんて理解のない親だろうと(笑)。しかし母は、「だから向いているのよ。反抗心を持っている子や、不登校の子供の気持ちがよくわかるから、いい先生になれるわよ」と。

自見:お母様も小学校の先生でしたよね。

尾木:本能的にわかったのかも知れませんね。

自見:尾木ママは1974年から教壇に立たれたそうですが、そのころは校内暴力が全盛だったそうですね。その時期に毎日、学級通信を独自に発行されていたのですか?

尾木:そうです。いちばん多かった年は、1年で333号つくりました。「きょう、こんな素敵なことがあったよ」と、いいことを報告する新聞なのです。

自見:手書きのものですか?

尾木:手書きです。朝だけでなく帰りにも書いて、朝刊、夕刊と配っていました(笑)。目立たない子などに焦点をあてて、「この子はみんなが帰った後にゴミを捨ててくれたよ」など、いいことしか書きません。それを読むと人間認識力も出て来て、仲のいいクラスになるのです。

自見:いまは、いじめが社会問題になっています。解決の糸口を、どうお考えになりますか?

尾木:いじめの原因はストレスです。悪いストレスを排除して行くという方法をとるのが1つ。それと、よく「いじめられる方も悪い」と言う人がいますが、それはありません。いじめる方が200%悪いのです。いじめる側の子は、「だってあの子は嘘を言うし、遅刻もする」などと悪い点をあげつらいますが、人間には誰しも弱点があります。それをいじめという形で攻撃することは、とても恥ずかしいことです。もし問題点があるなら、それは問題点として指摘し、サポートしてあげればいい。いじめは人権侵害であり、虐待行為です。僕は絶対に許しません。

また逆に、長く教師をやってわかったことですが、いじめられることで自分の存在を感じる子もいるのです。いじめられても「先生、僕は気にしてないよ」とニコニコ笑っていたりします。僕は、いじめられていることに対し、「悔しい! 許せない!」と思う子になって欲しいと、そのいじめられていた子に言ったことがあります。もちろん、いじめていた子達も注意しました。

「彼はいじめられて喜んでいる。先生から見てもそうだった。でも、それを楽しむような人間になってはダメだよ」と言いました。すると、彼らは中学1年生でしたが、両方にちゃんと伝わりました。 〔2020年10/27(火) ニッポン放送〕

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中川翔子  ひどいあだ名に苦しめられた中学時代 それでも出会えた「しょこたん」に感謝 タレントの中川翔子が28日、TBS系「グッとラック!」で、中学生時代につけられたひどいあだ名に苦しめられた過去を振り返った。 番組では、小学校であだ名禁止がルールとして広がっていることを取り上げた。 中川は番組のインタビューに「胃が悪くて精神的にしんどくなると、気持ち悪くなって吐いちゃったりとかよくしていた」といい、そのことからある日「ゲロマシーンが歩いてる、ハハハ」という声が聞こえてきたという。 ひどいあだ名を付けられても「言い返すこともできないし、呪いのノートにその人の顔そっくりに描いて、破いて燃やしたりしていた」と悔しさをにじませた。結局、中学校生活最後は不登校状態になってしまったという。

今はそのあだ名を乗り越えたのか?という問いには「心に刺さる攻撃でもあったりするので、全然乗り越えてない」といい「好きなことをひたすらやった。絵を描いたり、歌ったり、アニメ見たり、ネットやったりとか、そういうことをしている状態でいないと、嫌なことを思い出してしまう」と家ではひたすら好きな事に集中して嫌な想いから必死に逃げたという。 そんな中川だが、学校でのあだ名禁止は「反対。ちょっと極端かなと思っちゃいます」と反対の姿勢。その理由について、現在、多くの人から呼ばれる「しょこたん」というあだ名に「感謝」しているといい「しょこたんのおかげで、子どもたちにも知ってもらった」と振り返る。 そして「あだ名が悪いのではない。攻撃する人物がいる状況、そこに先生がもうちょっと個別に向き合えないのか。あだ名イコールいじめではない」とも語っていた。 〔2020年10/28(水) デイリースポーツ〕

中川翔子ひどい“あだ名”のせいで苦しめられた過去語る やがて不登校状態に…現在も「全然乗り越えてない」
タレントの中川翔子(35)が28日、TBS系「グッとラック!」にビデオ出演し、中学生時代にひどいあだ名のせいで苦しめられた過去を明かした。
番組では全国の小学校に広がる「あだ名禁止」のルールについて紹介。学校側では「いじめにつながる」として、さん付けを推奨している。
中川は中学時代、胃腸が弱く、ストレスで吐いてしまうことがあったため、同級生から「ゲロマシーン」と呼ばれたことがあり、やがて不登校状態になってしまったという。
現在でも「心に刺さる攻撃だったので、全然乗り越えてない」と傷付いていて、好きな歌やアニメに集中することで日々を過ごしているという。
そんな中川でも「あだ名禁止」のルールには「私は反対ですかね。ちょっと極端かなって思っちゃいます」との立場。
現在のあだ名である「しょこたん」は「感謝してます」と気に入っており、「『しょこたん』のおかげで、子どもたちにも知ってもらった。『しょこたん頑張れ』って言ってくれる」と振り返った。
その上で「あだ名が悪いということではない。攻撃する人物がいる状況だと思う」と分析。
「そこにちゃんと先生が個別に向き合えないのかな」と期待を込め、「あだ名イコールいじめではないですからね」と締めくくった。
〔2020年10/28(水) 中日スポーツ〕

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公的マネーが大株主、東証1部の8割 4年前から倍増
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が入る建物の入り口の看板=東京都港区
年金資産を運用する国の独立行政法人と日本銀行が、東証1部企業の8割にあたる約1830社で事実上の大株主となっていることが朝日新聞などの調べでわかった。
4年前の調査時から倍増した。
巨額の公的マネーは実体経済と乖離(かいり)した株高を招き、「官製相場」の側面が強まっている。
「安定株主」として存在することで企業の経営改善に対する努力を弱める恐れがある。
【写真】株価の推移と公的マネーの株式保有額
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀の3月末の保有分を、東京商工リサーチとニッセイ基礎研究所の井出真吾氏の協力を得て朝日新聞が推計した。
GPIFと日銀は信託銀行などを通じ、日経平均やTOPIX(東証株価指数)などの指標に連動した金融商品を買っている。
こうした指標に含まれる銘柄の株主名簿に名前は出ないが、間接保有している。
大量保有を報告する基準の5%以上を大株主としてみると、東証1部2166社(3月末時点)のうち約1830社で公的マネーが大株主になった。
両者の間接保有分が10%以上も約630社。
最も高いのは半導体大手アドバンテストの29・0%で、TDK26・6%など、20%超も28社にのぼる。
保有額全体ではGPIF36兆円、日銀31兆円と計67兆円分。東証全体の時価総額約550兆円の12%を占める。
〔朝日新聞デジタル2020/10/23〕

日銀、最大の株式投資家に ETF購入10年、約45兆円
日本銀行 本店(東京都中央区)
日銀が、金融緩和の一環として上場投資信託(ETF)の買い入れを始めてから15日で10年となる。
中央銀行がリスクの高い株式関連資産を購入するのは極めて異例だが、日銀が目指す2%の物価目標は達成できないまま。
一方で保有残高は時価ベースで約45兆円に膨張し、日銀は国内最大の株式投資家になったとみられる。
株式市場は「官製相場」の様相を帯び、株価のゆがみに対する懸念も強い。
新型コロナウイルス感染が再拡大する中、「出口」は見いだせない。
【図解】日銀のETF保有残高推移
日銀がETF購入を始めたのは、白川方明前総裁時代の2010年12月。
株価の底割れを防ぐことで経済の好循環をつくり出し、物価上昇につなげる目的だった。
当初の購入枠は4500億円。しかし、度重なる追加緩和で買い入れ額は拡一途をたどり、今年3月には上限が年間12兆円にまで引き上げられた。
日銀によると、11月末時点のETF保有残高は簿価ベースで約35兆円。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾上席研究員の推計では、株価上昇を背景に時価ベースでは約45兆円となった。
これまで最大の株式投資家だった、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を2000億円程度上回ったもようだ。
井出氏はまた、日銀がETFを通じ発行済み株式数の5%超を実質的に保有している東証1部上場企業は395社と試算。
株主の権利を行使することがない日銀が事実上の「大株主」になる企業も増加している。
また日銀の買い入れにより、業績見通しの良くない企業の株価が上がることも多い。
企業の株価が実力以上に押し上げられている面は否めず、コロナ禍でも株価がバブル崩壊後の高値を更新するなど、相場の過熱感が台頭している。
株価が暴落し、日銀の財務が悪化すれば、通貨の信認が揺らぐことにもなる。
黒田東彦総裁は「ETF買い入れはこれまで大きな役割を果たしてきており、引き続き必要な施策だ」として、当面、見直す必要はないとの考えを示す。
日銀内の一部には「いつまでも購入は続けられない」(幹部)との声もあるが、株価が暴落しかねないことへの警戒感からやめられないのが実情だ。
ただ、ETFは国債と違って償還がなく、買い入れを続ければ日銀の保有残高は増える一方だ。
みずほ総合研究所の門間一夫エグゼクティブエコノミストは「日銀はETFの処分に向けた方策をなるべく早く検討すべきだ」と指摘している。
〔2020/12/13(日) 時事通信〕


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ADHD(注意欠如・多動症)当事者の借金玉さん。 発達障害の僕が発見した「学校に適応できず破滅する子」と「勉強で大逆転する子」の決定的な差 『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』が5万部のベストセラーとなっている、ADHD(注意欠如・多動症)当事者の借金玉さん。まだ34歳だが、その生い立ちは「ジェットコースター」という言葉がぴったりの、波乱万丈な内容だ。 発達障害を誰にも理解してもらえないまま、不登校を繰り返してきた小中高校時代。「このままじゃヤバい」と一念奮起して早稲田大学に進学し、大手金融機関への就職を果たした大逆転時代。しかし結局「普通」の仕事がまったくできずに退職し、起業にも失敗した「うつの底」時代……。 30歳の頃には、死ぬことばかり考えて「毎日飛び降りるビルを探していた」借金玉さんが、どん底から脱することができた理由。それは、生活、そして人生を立て直す「再起」のテクニックをひとつずつ身につけていったからだった。 今回は、学校にほとんど行かなかったのに借金玉さんに、それでも大学に受かった勉強のポイントについて話を聞いた。 (取材・構成/樺山美夏、撮影/疋田千里)

●何があっても「学力」をつければサバイブできる

――前回の記事で、「学校に行かなくていいから勉強はしよう」と子どもたちに呼びかけていました。 借金玉 発達障害といっても千差万別で、「学校」に適応できないだけで、「勉強」ができないわけじゃない子もたくさんいます。でも、学校で「ちゃんとしろ!」「なんでできないんだ!」と怒られ続けると「自分は勉強が嫌いなんだ」と勘違いしてしまう。これは、本当にもったいないことです。 何があっても学力だけは身につけておいたほうがサバイバルできることを、当事者にも親御さんにも知ってほしいですね。

――借金玉さんが、不登校によって小学校の授業で習う「基礎学力」の部分を身につけられなかったことは、その後の進路にも影響したと思います。どう克服していったのでしょうか。

借金玉 僕は、小学校4年生からほとんど学校に行っていません。結果、「鶴亀算」とか「日本地図」とかを習わないまま中学に入学したので、ものすごく苦労しましたね。 試験中、数学の問題を解くときに手が止まっちゃうんですよ。解法はわかっていても計算ができなくて……「3+2」を間違えたり。今でも2桁の計算は、計算機アプリのお世話になっています。

 僕の勝手な分類ですが、勉強には ・「知識」が必要なもの ・「練度」が必要なもの の2種類があります。

先ほど数学の問題を解くときに解法はわかると言ったのが「知識」。計算で手を動かすのが「練度」を必要とする部分ですね。 僕ら発達障害傾向の強い人間は「ウォーーーーッ」と徹夜して知識を詰め込むのは得意な人が多いと思うんです。ただ、このやり方には盲点があって、ある一定の分野は、コツコツ「練度」を高めていない限り試験本番でどうしても手が動かない。先ほどの計算もそうだし、英単語の暗記なんかもこの部類です。小学生時代に繰り返しやる計算問題ってつまらないけど、やる意味があるんだなと後から気づきました。 練度が必要な問題には、受験だけではなくて就職試験のSPIでも出会うことになるので、注意が必要です。

――中学、高校時代はほとんど学校に行っていなかったそうですが、成績はいかがでしたか? 借金玉 成績は悪くなかったです。ただ、中学時代はあまり素行が良いとは言えなかったので内申点が悪すぎて、進学先が限られてしまったんです。仕方なく入った高校は授業の質が低すぎて、「こんな授業だけ受けていたらどこの大学にも行けないぞ」と。 それで、高校時代の終盤は大学受験の勉強(過去問を繰り返すこと)だけに集中していました。「進級に不必要な点を1点たりとも取らない」というモットーで。 先生は「授業をちゃんと聞けば東大でも行ける」っていうんですよ。でも、3年生になって大学の受験要綱を見たらそもそも教科すら足りてない。いわゆる履修漏れ問題に当たったんですが、あれは「教師や学校なんて信用できない、自分で考えて決めないと大変なことになる」という素晴らしい教育でしたね。

●文章が読めると、あらゆる教科で有利になる ――学校に行かなくても、学力をつけるために必要なことは何だと思いますか? 借金玉 具体的に大切なことは、2つあります。 ひとつは家に、学習用の机とイスを置くこと。

僕はかつて補習塾の講師をしていたことがあります。いわゆる、学校の学習についていけない子どもたちをメインの顧客とした学習塾です。そこで気づいたことは、学校の学習についていくことに苦戦している子どもたちの多くは、「学習のための机とイス」を持っていないという事実でした。 彼らは、ご飯を食べるためのちゃぶ台(こたつ)しかない家に住んでいた。専用の場所がないために、学習習慣がいつまでたっても身につかないのです。 2つめは、本を読むことです。読書を積み重ねると「文章を読む力」がつきます。これは、いわゆる教科ごとの学習「以前」のあらゆる勉強の基盤となります。「読み書きそろばん」というやつですね。

具体的な成果としては、参考書や問題文を読むのが速く、正確になる。結果、2倍、3倍とテストの点に跳ね返ってきます。 それから、文章をちゃんと読めると、物事の流れや因果関係がつかめます。たとえば歴史を一問一答の語呂合わせで丸暗記するのには時間的にも限界がありますが、流れがわかっていれば、どこが試験に出ても対応できます。 僕は小さい頃からジャンルを問わずありとあらゆる本を読んでいました。学校の休み時間、友達が一人もいなくて机に突っ伏して寝てるの、辛いじゃないですか。そういうときも、本を読んでいれば誰も話しかけてこないし、不自然じゃない。 最初は学校でも家でも居場所がなくて現実逃避で始めたことが、後から僕を助けてくれた。本当に幸運でした。辛い現実から逃げる力に後押しされていなければ、僕は「本を読む力」を身につけられなかったと思います。

●発達障害の人には、都会のマンモス大学がおすすめ

――1度合格した大学が合わなくてやめて、2回目の受験で早稲田大学に合格したんですよね。キャンパスライフはいかがでしたか? 借金玉 何の苦労もなかったです。授業はすべて自分で選べましたし、教授にどれだけ逆らっても、それが当たり前のような文化の大学ですから。それと今は数が減っちゃったんですけど、大学校内にあった喫煙所がすごく楽しかったんですよ。喫煙所って、大学の人間関係からはみ出した人が集まる場所なので。 たとえば、26歳になるまでフラフラしてたら家業を継ぐことになって、親から「せめて早稲田ぐらい出てこい」と言われた人とか、暴走族にいたけど飽きたから早稲田に入ってきた人とか。8年ぐらい大学にいる先輩もいましたね。仏像を背負っている人がいたときは、「なんで仏像を背負ってるんですか?」って聞いたら、「今考えごとをしているから」と言われて、「なるほど」と妙に納得したり(笑)。

変わり者は自分だけじゃないことがよくわかって、めちゃくちゃ面白かったです。僕みたいに、他と協調したり縛り付けられるのが苦手な発達障害者は、できるだけ均一化していない自由度の高い環境(例えば都会のマンモス大学)を選ぶことを何より重視したほうがいいと思います。 おかげで僕は「不登校生活が長かったにもかかわらず早稲田大学を卒業できたこと」が、社会へ出て行く上で大きな自信につながりました。その自信も結局打ち砕かれることにはなりましたが、それでもないよりはずっといいですね。

【大好評連載】 第1回発達障害の僕が「毎日怒られていた子ども時代の自分」に絶対伝えたい2つのこと 第3回 発達障害の僕が失敗から見つけた「向いている職業」「避けるべき職業」(★10/10~掲載) 第4回 発達障害の僕が伝えたい「意識高い系」の人が人生から転落する危うさ(★10/11~掲載)

ダイヤモンド社書籍編集局 〔2020年10/9(金) ダイヤモンド・オンライン〕


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不登校は不幸じゃない
「不登校は不幸ではない」といえる確かな理由
どうしたら不登校の子どもたちは、「不幸だ」という感覚に陥らずにすむでしょうか
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、不登校の子どもが増加しているようだ。
「これまで休みがちだった児童が、完全に不登校になるという事態が起きている。
保健室登校も増加した。コロナの不安から学校に行きたくないと言う子どもも出ている」と、ある小学校教諭は話す。
全国の小中高校や特別支援学校を対象にした調査(「新型コロナウイルス感染症に関する学校の対応について」)によると、「学校再開や夏休み明けに不登校や保健室登校の子どもが増えた」という回答が2割超にものぼった。
「要因として、コロナ禍で休校措置が取られたために新年度の4月にクラスでの人間関係をつくることができなかったということが考えられる。
友達という『居場所』がないので学校に行きにくくなっているようだ」とフリースクール全国ネットワーク代表理事の江川和弥氏はその背景について語る。
また教師が、授業の遅れを取り戻そうとしたり、カリキュラムを調整したりといった業務に追われ、子どもたちの不安を察知しにくい状況もあるようだ。
■「不登校=不幸」なのか
かつて「#不登校は不幸じゃない」というハッシュタグが起こした、不登校経験を肯定するムーブメントが話題となったことがある。
「不登校になること」イコール「不幸」ではないというメッセージ。
どうしたら不登校の子どもたちが「不幸だ」という感覚に陥らずにすむのか。
それぞれの子どもによって事情や思いは異なるだろうが、ヒントを得るために当事者に話を聞こうと考えた。
今回は不登校の渦中の子は声を上げづらいという状況を鑑みて、不登校を経験した子どもたちに振り返ってもらった。
現在通信制の高校に通う福岡県在住の中井けんとくんは、地域の公立小学校に通っていた4年生の後半からいじめにあい、5年生には完全に不登校になった。
当時中井くんは、真面目に学校で勉強し、将来は公務員になりたいと考えていたという。
だから、どんなに辛くても、学校からは逃げてはいけないと思っていた。
保護者からも「いじめに負けるな」と励まされていたが、通学する時間になると嘔吐や壁に頭を打ち付けるなどのパニックを起こすようになる。
学校に行かなくなり、最初の1週間ほどは「もういじめっ子に会わなくていい」という安堵感があったという。
しかし、しばらくすると、「学校に通うという一般的な道を外れてしまって大丈夫だろうか」という不安や、「僕がいじめに耐えてきた1年間はなんだったんだ」など自分を責める思いがフツフツと湧いてきた。また、どんどん外出もしにくくなっていったという。
「近所で、『あの子、不登校じゃないの?』といわれているような気がしていました。
学校のチャイムが聞こえてくることや、テレビに学校に通っている子どもの姿が映し出されると自分が『負け組だ』と言われているような気持ちにもなりました」
■「学校に行っていない」という劣等感が和らいだ
そんな中、母親から講演会と交流会が一体となっているイベントに誘われた。
外に出る怖さがある一方で、「このままではいけない」「何かが変わるかもしれない」という思いもあり、参加した。
誰かと話すのが怖ければ講演だけ聞いて帰ればいいと思うと少し気持ちが楽になった。
「今振り返ると、母は僕が興味を持ちそうなイベントを探して声をかけてくれていました。
交流会で会った人に、『不登校ということは休みがたくさんあるということだよね。
学校に行ったらできないことをすればいいんじゃない?』と言ってもらえたんです。
不登校になった自分はダメなんだとしか思えなかったのですが、そうした言葉で少しずつ元気を取り戻すことができました」
算数をすっかり忘れていたことに危機感を覚え、自宅で勉強も再開した。
「勉強して何よりもよかったのは、『学校に行っていない』という劣等感を少しずつ和らげることができたことでした」
しかし最後まで、「いじめた人を許せない」という感情だけは残り続けた。ある時、中井くんはその思いを絵本に描き、それをワークショップイベントで販売した。
お客さんに、理解してもらったり褒めてもらったりすることで、自分の思いを認めることができ、いじめた人を恨む気持ちが薄れていったという。
すると、次第に「なぜ彼らは僕をいじめなければいけなかったのか」と考えるようになったという。
「いじめていた時のことを思い出すと、彼らは『習い事ばっかりで時間がない』とか『やりたいって言ったのに親がダメっていった』など愚痴を言っていたんです。
抑圧されたストレスをいじめという表現でぶつけてきたのかもしれないと思うようになりました」
自分が絵本を描いて人に認めてもらえた経験から『自己表現』できる場があれば、抑圧された感情を暴力ではなく表現に変えることができる。
これにより負の連鎖を断ち切ることができるのではないか--。
中井くんはこの思いから2018年に、こどもがつくるこどものためのワークショップイベント「こどもばんぱく」を開催し1000人以上を動員した。
その後2019年にも実施し、今年2020年もオンラインで開催した。
「学校以外に夢中になれることができて、僕は自分を肯定することができるようになりました。
そして、いじめられていた時は『全人類誰も信じられない』という気持ちになっていましたが、人と協力しながらイベント準備を進めるうちに、世の中にはいろいろな人がいるし、助けてもらえることもたくさんあるのだと理解していくことができたんです」
■学校に通わない選択があっていい
兵庫県立の特別支援学校に通っていたミウラタケヒロくんは、小学校から中学校にかけて不登校を経験した。
ミウラくんは先天的な心疾患があるために、個別の対応ができるだろう特別支援学校へ入学した。
しかし、小学校3年生頃から違和感を覚え、6年生には1年間休み、中学校も1年生の2学期から完全に行かなくなった。
そう語りながら、不登校は期間の問題ではないとミウラくんは付け加えた。
「『いつからいつまで不登校だったの?』という質問をよく受けます。
そして、長期間だと『大変だったね』と言ってくださる。
しかし、実は期間はあまり関係なく、1日でも学校に通えなければ辛いんです。
毎日決められた通りに行くのが当たり前なのに、僕だけが行けないという自分を責める思いに期間はあまり関係ありません」
ミウラくんが、不登校になる原因は複数あった。
特に「個別の指導」がなされないことに不安な気持ちが大きかったという。
例えば、味覚過敏で食べられないものが多いため、保護者がそれを一覧にまとめて学校に渡していたにもかかわらず、「一口でも食べなさい」という指導が続いたこと。
ほかにも、心臓病のために長く歩く体力がないミウラくんだが、エレベーターの使用を認められなかったり、クラスメイトと同じような運動を求められたりしたことなどがあった。
「学校に行くか行かないか、ずっと迷い続けていました。
『みんなは行っているんだ』と思うと、焦ったりイライラしたりする。
もう親に決めてほしいと思うことすらありました。
後から聞いた話ですが、母は学校に行かないことよりも僕が迷っている姿を見守ることが大変だったそうです」
中学2年生の時、そんな迷いが突然ふっと消えた。
「学校に行ったり行かなかったりする時期は、ずっと罪悪感を持ち続けていました。
しかし、行かないと決めたら、学校ではできないことをしようという気持ちに切り替わっていきました」 ミウラくんは学校に行けない時間は、「自分の会いたい人に会う」と決めて、分身ロボットOriHimeを開発している吉藤健太朗さんや『五体不満足』の著者・乙武洋匡さんなどに会いに行くようになった。
「僕は先天的な心臓病で、平均寿命も告げられていました。
だから、我慢して学校に通うよりも、会いたい人に会うこと、したいことをすることに時間を使いたいと思うようになっていきました」
2018年には、ミウラくんは一般社団法人こどもエンターテインメントをお母さんと立ち上げ、「助け合いが自然にある社会への導線をデザインする」を掲げて活動を始めた。
さらに、2020年にはこれまでの活動を記した『TKマガジン』という自著も作った。
ミウラくんは高校への進学の道は選ばず、フリーランスとして自身の活動を続けていく道を選んだという。
「学校に行くことには理由はいらないのに、学校に行かないことには理由が必要。
でも、子どももそれぞれ違う個性を持っています。
学校に通える人は通えばいいけれど、通わない選択肢もあってよいのではないのではないでしょうか。
これからは、子どもの頃から自分の意思で自由に選択できる社会システムができたらいいなと思っています。
年齢に関係なく、人が幸せに生きていける社会を目指したいと思っています」
■自己治癒能力を信じてのんびり構える
不登校経験がある2人に共通していたのは、学校以外の世界を見つけて没頭していたことだ。
子どもたちは「学校が世界のすべて」になりがち。
だからこそ、不登校になると自分の居場所を失ったと感じ、絶望してしまうこともある。
学外の社会と接続し、孤独にならないようにすることが大きなポイントといえそうだ。
「学校での出来事や本人の心の動きにいつも以上に耳を傾ける。
その際、『大人としてのアドバイスをしない』ことにも注意したい。
本人の思いや判断を大切に受け止めてほしい」と、江川氏は家庭における子どもへの接し方の重要性について強調する。
「一番はのんびりと構えていること。
『学校に行かなくなった』という事態に保護者の方は慌ててしまい、意外とこの『のんびり構える』ことが難しい。
傷つく経験があったとしても、子どもは自己治癒能力を持っている。それを信じることが大切だ」(江川氏)。 全国の不登校は小学校1年生から6年生までで総数53,350人、中学校は127,922人に上る
(「令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(文部科学省)」)。
コロナウイルスの猛威が続けば、不登校の子どもたちはさらに増加する可能性がある。
しかし、学校に行かないことと、そうした選択をした子どもたちが不幸かどうかはまた別の問題。
学校に行くことも、学校に行かないことも、選択肢の1つ。
子どもたちを信じた、大らかな社会が求められている。
佐藤 智 :ライター・教育コラムニスト
〔2020年12/17(木) 東洋経済オンライン〕 


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小学校の35人学級 3密回避、迫られた対策 小学校の35人学級 中学対象外に懸念残す 小学校における35人学級の学年別導入年度 令和7年度までに小学校の全学年で35人学級が実現する見通しとなった。今回のタイミングは教室の「3密」回避など新型コロナウイルス対策に迫られた形だが、中学校は対象とならず、義務教育の中で学習環境に格差の広がりが懸念される。増員に伴う教員の質をどう確保するのかも課題とされ、効果の実証には高いハードルが待ち構えている。 「隣の建物(財務省)の壁は高かった」。萩生田光一文部科学相は17日、報道陣に財務相との閣僚折衝の感想をこう表現した。

文科省は当初、「30人学級」を掲げ予算獲得に臨んだが、財務省は少人数化による効果の検証が不十分なことなどを理由に反対。直前まで平行線をたどり、最終的に「35人学級」という妥協点で落ち着いたのは15日夜だった。文科省幹部は「本当に今日という日を迎えられるのかと思っていた」と苦笑いする。 文科省は以前から、少人数学級の拡充を目指すも財源の壁に阻まれてきた。平成27年度以降は概算要求してこなかったが、この時期に再び少人数学級の推進を打ち出したのは、学校現場のコロナ対策が喫緊の課題に浮上したためだ。

例えば一般的な教室の広さは63平方メートル(縦9メートル、横7メートル)で、40人学級では子供同士の十分な間隔確保が困難な状況だった。さらに、コロナ禍で一部の学校で、分散登校による一時的な少人数学級が実現した自治体側からは不登校の解消などの事例も報告された。 9月には政府の教育再生実行会議が少人数学級を推進するよう要請する中間答申をまとめたほか、その後も与党や地方3団体(全国知事会、全国市長会、全国町村会)などが次々と同様の要望をした。文科省幹部は今回の合意を「痛み分け」とした上で、「例年の教育効果だけをめぐるやり取りとは状況が違っていた。実際に現場を抱える自治体が声を上げたのが大きい」と振り返る。

約17万人の小学生を抱える横浜市教育委員会の担当者は「これまでは各自治体が独自に負担するしかなかったが、財源的な措置が取られたことは良かった」と前向きに捉えた。 ただ、中学校での導入は見通しが立っておらず、学習環境について小中学校間での格差やスムーズな接続に支障をきたすことも懸念される。さらに35人学級化に伴い、最終的に約1万4千人の教職員が増員されるが、教員志望者が減少する中で教員採用試験の競争率低下が一段と進むことが予想され、優秀な人材を確保できるのかは不透明だ。 〔2020年12/17(木) 産経新聞〕 

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オンライン教育業界
コロナで爆伸「オンライン教育」の超有望企業
UZUZ就活チャンネルと『会社四季報 業界地図』が公式コラボ!就活生やビジネスパーソン向けに動画と記事でわかりやすく最新の業界動向を解説します。
第2回はコロナ下で急速に普及している「オンライン教育業界」です。 新型コロナウイルスによる休校措置で一気に注目が高まった「オンライン教育」。
世界的に後れをとっていた日本のオンライン教育ですが、2019年から政府は「GIGAスクール構想(小中学生に1人1台のパソコン、通信環境の整備)」の予算を盛り込んで、本格化しました。
新型コロナによる一斉休校をきっかけにオンライン教育の導入が今後さらに加速していくことが考えられます。
オンライン教育が進めば、たとえ休校措置が採られても授業が受けられるようになります。
またそれだけでなく、一人ひとりの学習レベルに合わせた学びが可能になったり、採点の自動化などによって教員の業務が効率化されたりするなど大きな期待が寄せられています。
■「GIGAスクール構想」が前倒しに
日本のオンライン教育を語るうえで欠かせない政策が、「GIGAスクール構想」です。
「GIGAスクール構想」とは、「小中学生に1人1台のパソコンと高速大容量の通信ネットワークを提供することで、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、 子供たち一人ひとりに公正かつ個別最適化された教育環境を実現させる」というものです。
政府はコロナの影響によって、2023年度を目標にしていた「GIGAスクール構想」の実現を2020年度に前倒しすることを決めました。
ICT化が取り入れられた教育現場では「ICTを活用してこれまでにできなかった学び」を実現できます。例えば、
・休校措置が採られても、学びを継続できる
・学びの記録がデータ化され、そこから効果的な学習方法が分析できる
・遠隔技術によって海外の学校との交流を図れる
・電子黒板で子どもの解答を一覧表示し、議論の活性化が期待できる
など、ICT化でさまざまな可能性が期待できます。ICT化が加速することで、オンライン教育業界全体が急成長を遂げるでしょう。
さらに、生徒の授業への反応を確認したり、学習履歴の記録がとりやすくなったりするため、一人ひとりの理解度に合った学習方法を先生は提案できるようになります。
「GIGAスクール構想」で、日本の教育現場は大きく変わっていくことでしょう。
政府は2019年度の補正予算案で「GIGAスクール構想」への予算を盛り込み、2020年度の補正予算ではパソコン配備への予算が積み増されています。
その結果、4000億円以上もの巨額の政府予算がオンライン教育業界へ流れていく見通しです。2020年は好調、2021年はさらに市場が拡大していくでしょう。
『会社四季報 業界地図2021年版』の業界天気図では、2020年度後半は晴れマーク、2021年度は快晴マークとなっています
(快晴マークは市場が急拡大し大半の企業が利益を伸ばしている絶好調の状態を指します)。
オンライン教育業界の代表企業には、「校務支援システム」や「デジタル教科書」「無線LAN整備」など学校向け教育ICTの全般をサポートする国内最大手の内田洋行や、グーグルのPC「クロームブック」に対応した商品で受注を伸ばしている新興企業のチエルなどがあります。
そのほかにも、電子黒板や投影機に強みを持つテクノホライゾンや、中学生向けドリル集などのデジタル教材を販売する学研ホールディングス、オンライン授業サービスで有名な「スタディサプリ」を運営するリクルートホールディングスなど、プレーヤーは扱う商材によってさまざまです。
『会社四季報 業界地図』でイチオシの企業は、次の会社です。
すららネット:小中学校・学習塾向けにAI搭載のオンライン学習教材を提供。
偏差値30~65の学力にまで幅広く対応しており、学習障害や不登校の子どもに対応。
一斉休校の際にサービスの無償提供を開始し、今後契約数の増加が期待できる。
■年収・キャリアアップしやすい
就活生や転職活動中の方にとってそんなオンライン教育業界で働くことの、メリットは何でしょうか? 
①今後伸びていくことが予想される(メリット)
政府が巨額の予算をつぎ込むこともあり、市場は大きく拡大するでしょう。
教育に関わる企業だけでなく、多岐にわたる関連企業が伸びると予想されています。
その結果、新たな需要も生まれます。
例えばオンライン教育ではビッグデータを収集できるので、データを解析して教育現場の課題解決に活かしていくデータサイエンスの需要も高まると考えられます。
今後拡大していく業界に就職すれば、新たなスキルを身につける機会が多くなり、結果として年収アップ・キャリアアップがしやすくなるメリットがあります。
②子どもたちの未来に携われる(メリット)
ICT化の導入によって、今後子どもの教育現場は大きく変革していくと考えられます。
これまでは授業についていけなくなったり、不登校の場合には学習レベルに追いついたりするのが大変でした。
しかしICT化によって授業の受け直しが可能になったり、個別レベルに合わせた学習ができたりと、すべての子どもが取り残されることなく資質・能力を育成できるようになります。
また遠隔技術により、海外との交流が盛んになりグローバル化も進むでしょう。
オンライン教育で、子どもたちの潜在的な力を引き出し未来への期待値を高める一助を担えるため、子どもが好きな人・教育に関心を持っている人はやりがいを感じられるでしょう。
一方、オンライン教育業界を志望するうえで気を付けたいデメリットもあります。
①「やりたい仕事」を担当できるかはわからない(デメリット)
オンライン教育業界は裾野が広い業界で、教育サービス専業の会社だけではなく、電子機器メーカーや、オフィス家具、通信事業など、さまざまな企業がオンライン教育に携わっています。
この記事で紹介している企業もオンライン教育をメインに事業展開している企業ばかりではありません。
そのため、「オンライン教育に携わりたい」という想いで入社しても、まったく違う部署に配属される可能性があります。
ミスマッチを防ぐためには、あらかじめ企業の事業展開をよく調べておくことが重要です。
■長期的には少子化の逆風も…
②少子化が影響してくる可能性も(デメリット)
オンライン教育業界は短期的には市場の急成長が予想されますが、日本国内では子どもの数が減少しているため、長期的に見ると市場規模は縮小していく可能性があります。
そのため、与えられた仕事をただこなしていくだけではなく、プラスアルファのスキルを身につけていく姿勢が重要です。
オンライン教育業界に関してポイントをまとめると、次のようになります。
■オンライン教育業界とはさまざまな企業(教育事業、通信事業、電子事業、IT事業など)が学校や学習塾、家庭においてオンライン教育を受けられるように環境やサービス・商材を提供する業界を指す。 ■学校や保護者に対して端末・教材・ネットワーク環境やコンテンツサービスなどを提供してその対価を受け取るビジネスモデル。
■業界動向としては2021年度は「快晴」(市場が急拡大)。
■業界で働くメリットは、「成長している業界」で、「子どもたちの未来を一緒に築いていける」こと。
■業界で働くデメリットは、「やりたい仕事を担当できるかわからない」ことと、また長期的な視点で見ると「少子化の影響を受ける可能性がある」こと。
今後大きな変革を遂げるオンライン教育業界。まずはICT化の地域差を埋め、子どもたち一人ひとりに最適な学習環境が提供されることが重要です。
関わっている企業について、より詳しく知りたい人は『会社四季報 業界地図』に、企業ごとの売り上げ、利益、競合関係といった情報も解説付きで詳しく載っていますので、覗いてみるといいかもしれません。
川畑 翔太郎 :UZUZ 専務取締役
〔2020年12/18(金) 東洋経済オンライン〕 





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