パソコンを扱う障害者支援B型事業所
パソコンを扱う障害者支援B型事業所
パソコンを扱う障害者支援B型事業所(その2)
Qくんとパソコンを扱う障害者支援B型事業所に行った話を先日書きました。このB型事業所をB事業所と呼ぶことにします。
B事業所を教えてくれたのは実はQくんの家族でした。といってもどこにあるか、どういう事業所なのかは詳しくは知らないようです。
居住の区役所に行き、家族にひきこもり的なQくんがいるので相談に行きました。
直接の対応策はありませんが、区が委託している相談所をすすめられました。ここをL相談所とします。
家族がこのL相談所に電話したら、B事業所を教えてくれました。
家族はこうしてB事業所を知ったわけです。
こういう状況を“たらい回し”といいます。何かを具体的につかまなければ“たらい回し”で終わります。
この経過を家族が私に教えてくれました。私はまずL相談所に電話をしました。ちょうど休みの日でつながりません。なかなかつながらない相談所です。
〔私の不登校情報センターも留守がちなので同じでしょう。〕
やむなく先にB事業所に連絡を取ったところ、「見学だけでもできる」となりました。それで先日の見学になったのです。
そのあとになってL相談所につながりました。L相談所の役割は、役所と事業所の間にあって相談で中継することです。
とくに相談者が障害者手帳を持っている、何らかの事情で「通常の就業ができない」証明書を発行することです。
これを証明するのに何がいるのか? 医師の証明書です。
それで近くQくんと一緒にクリニックに行きます。いまこの時点にいます。
この経過を振り返るとこうなります。
(1) 家族が先行してできるだけのことを役所と相談し調べておくのが大事です。
当事者の様子を知ること、居住地域の様子を私のような相談者では目が届かないからです。
(2) その過程は複雑な公のルートです。ここを自力で進むことは、エネルギーをつかい、途中で断念しやすいものです。
一か所ですべてできること(ワンストップサービス)はいいことですが、幅広い情報と経験を要する人が必要であって窓口をつくるだけで出来ることではありません。
(3) 私が関わったのはこの公のルートの途中からです。
私が一人で道を開いたのではありませんし、一人では届かなかったと予測できます。まだ途中です。
パソコンを扱う障害者支援B型事業所の見学
Qくんと一緒に見学にいったのは主にパソコンを扱う障害者就労定着支援B型事業所です。
ほぼ1時間、事前説明と数室に分かれている作業現場を見させてもらいました。
はじめに見た現場は、引き取った中古パソコンの倉庫。かなり広くて分類整理されている。
この場には誰もいませんでした。
次はかなり多数の人がパソコンの分解作業を机に並んでしている作業室。
そのコーナーにはHDごとデータを破壊する場もあります。
HDを再利用するために破壊ではない方法も取り入れられているといいます。
分解の中で“都市鉱山”ともいうべき、レアメタルなどの希少マテリアルを取り出します。
分解した部品を仕分けし、クリーニングするコーナーには数名が黙々と作業を進めています。
部品を組み立てるのは、再生・再活用と言っていましたが、修理の面もあると思います。
この再生パソコンは別室のインターネットオークションを通して販売されています。週末に行ったので発送数が多いとのことです。
市場価格よりも安くなるらしいです。
デザインというか創作部と言える部屋もあります。絵が描かれていたが、どうもアニメっぽいものが多い。
しかしかなり大量にあり冊子になっていました。ここには音部門もあって、いくつかの楽器と防音録音室までできていました。
創作活動中の人は見当たりませんが、デザインのところには数人が何かをしていました。
大きな一般商業施設の一角にこの事業所の販売部ともいうべきお店があります。陽気なこともあって、ここは日当たりがいい。
ここではパワーストーンを使うアクセサリーを作り、販売しています。インターネットオークションの作業はこのお店の中にあります。
この事業所見学の全部は書けませんが、かなりすごい。
静かで穏やかな仕事環境は、少なくともこの種の一般事業所の見本になるのではないかと思うほどです。
創作レベルを予測すると一般事業所に伍していける人は生まれるし、そういう事業所になる要素をもつと感じます。独立していく人も出そうです。
Qくんの感想はいつもながら少なめ。「(創作的なところを除くと)だいたいはわかるし、できそうだ」ということです。
自宅ですでにしていることも少なくないはず。