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中国のタンピンと日本のひきこもり

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中国のタンピンと日本のひきこもり

日本人の精神文化の表われ方
中国の2021年の流行語の1つに躺平(タンピン)が入った。
意味は寝そべりとか横たわりということで、躺平主義と使われることもあるという。
これは中国共産党の人民日報が今年の十大流行語として発表したものです。
少し詳しくみると、若者の中ではよく使われるけれども官製メディアでは批判的に扱われています。
タンピンは不正義で恥ずかしいこと、何の価値もない、回避しなければならなる…となる。
私はこの記事を日本共産党「しんぶん赤旗」と産経新聞により知りました。
産経では中国出身のジャーナリスト石平さんの論評です。
石平さんによればタンピンは「社会の不公平に対する若者たちの静かな反乱」としてさらに詳しい。
「今の中国では貧富の格差の拡大と社会階層の固定化が進み、競争の激化と競争条件の不公正が常態化している。
その現実の下で、多くの若者たちが(タンピン主義に)傾くのも自然の成り行きで、彼らにとっての賢い選択肢の一つであろう」となる(同紙.2021年6月11日)。
中国で経済発展とともに貧富の格差が拡大し、習近平政権もそれを気にした措置をしているようです。
このタンピン主義にある程度重なるのが日本におけるひきこもりではないかと思います。
詳しく語ることはできないですが、両国民の精神文化の日常行動面での表われ方の違いと思えます。
中国はより意図的であるのに対して日本のひきこもりはより受動的反応です。
日本人は全体として消極的な賛成や消極的な反対を示しやすいのではないでしょうか。
ひきこもりは以前ほど否定的には受けとめられなくなったと思います。
というより、多くの日本の若者の行動が、ひきこもり的な生活スタイルに近づいてきたのかもしれません。
これらは当然のことですが、個人差が大きいことを前提にしているし、日本におけるひきこもり及びその周辺状態の人がとりわけ多いと言っているのでもありません。
国や自治体は「ひきこもり対策」としてあれこれ取り組んでいるのですが、大した成果は出せないでいます。
ひきこもりを非難がましくいっても空振りに終わる事態がつづき、反省期に入っているようにさえ思えます。
そういう事情も少しは関係しているように思います。
日本におけるひきこもりの発生と広がりがどこまでに及ぶのかは予測しがたいです。
ただこれは日本社会が大きな変動期にさしかかっていることの表われなのは確かだと思います。
その根底的な原因には私は二つの面があるとみています。
一つは家族関係の変化―自分の家族の様子を冷静にみると日本の若い世代の半数以上は、親世代や祖父母世代と自分が属する今の家族とは様子が違うと知っているのではないか。
それくらい変化に広がりがあります。
もう1つは、若者世代の就業、とくに雇用関係の変化です。
若者世代の半数以上は非正規就労になっているのも、一世代前とは大きく異なります。
この雇用関係の変化は、産業構造ないしは生産関係の変化に基づくことも事態を追求していけば見えてくるでしょう。
この二つの大きな変化が、日本ではひきこもりとなって表われています。
中国のタンピンのことは推測にとどまりますが、中国でも経済社会の発展により大きな変化があり、そこを根にして家族関係にも変動が生まれ始めているように思うのです。
タンピン主義はその予告ではないかと思います。

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