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判断基準における「公平感覚vs親近感」のバランス

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判断基準における「公平感覚vs親近感」のバランス

〔会報『ひきこもり周辺だより』2017年9月号〕
親同士が話し合う場でのことです。
ひきこもり系の息子30代はあまり話さないし、家族のだれかが人を非難がましくいうときはイヤな表情を見せます。
しかし、あまり自分事とは言えない社会問題ではけっこう自分の意見を言います。
最近の例では加計学園と安倍総理大臣の関係なんかです。
テーマの違いにより反応は不思議なほど大きな落差があります。
こういう傾向は自由に話せる家庭内のひきこもり傾向の人によく現われることではないでしょうか。 この30代の息子さんをAくんとして話しましょう。
Aくんの思いや感覚は次のように解釈できます。
Aくんにはこの違いはよく意識されてはいませんが、自然に表れる言葉や表情です。
それを私がAくんの立場になって言語化してみました。
よく知らない事情なのに誰かを非難がましく言うのは同調しかねます。
その人のその状況を知らないのに、仮におかしいとしてもそこまで言うのは一方的と思うからです。
加えて「話には出てこない知らない面もある」のではないか。
周りで話す人はうわさ話をしているにすぎず、主観的な受けとめ方や感情が込められてみているのではないか。
自分自身にはそのあたりの確認ができません。
事態を公平に見て受けとめたい感覚が働くのです。
これには自分が何かのことで偏った、一方的な見方をされた経験があるのかもしれません。
しかし、そういう経験がなくても気質的・性格的に公平さを重視したいのです。
そういう気持ちなので、周囲の人に同調して小器用に対処したくはないのです。
そういうのはゆがみであり、ゆがみは嫌いです。
しかし、その程度のことで自分の内側で消化できるのならことならまだいい方です。
ところがこのような公平感覚は、周囲の人に必ずし好意的にみられません。
「自分のこととしてとらえていない」とか「傍観者的」と言われることもあります。
こうなるとときに人間不信的になります。
「勢いでうまくいうヤツの意見が通る、声のでかいヤツが言う方に曲げられる」感覚になることもあります。
その点、大きな社会問題になることは、少しは気が楽です。
ニュースなんかはよく見聞きしているので、親よりも情報量は多いです。
自分の公平感覚がそのまま意見に出せます。
加計学園と安倍総理大臣の関係なんかはわかりやすいものです。
安倍総理大臣が隠し通せると思っているほうがおかしいほどです。
いやバレているのを承知で公式には「無関係」と否定しているのです。
Aくんに話を戻しましょう。Aくんはこれから何をすればいいのでしょうか。 現状ではいい人間関係に進むのが難関です。
それでもそういう公平感覚を持つ自分を貫くというスタンスは貴重ではないでしょうか。
人との関係、特に友人関係ができるにしたがい、自前の公平感覚に上積みがされます。
特別の親近感や味方になる感覚、親密な感情が生まれます。
これは生来の公平感覚に自分の関わりが生まれ、自然な感情移入がされるためでしょう。
オーバーな言い方をすれば、無機質な動物的な生命体に生気が吹き込まれ、人間として成長するからです。
Aくんは、いやもう少し広く見れば長期に対人関係が停滞している人は、それぞれの程度においてこの成長が不十分です。
こういう個人的な関係ができれば、偏った判断をするようになると心配していませんか? 
いや確かにそうなっている人もいないわけではなさそうです。
しかし、Aくんタイプは生来の公平感覚も持ち合わせています。
私のこの文を見てうなずくことができるあなたなら大丈夫です。
その危うさを予見しながら成長を図ることができます。
Aくんはそういう社会状況や人間関係における体験や感覚を共有できる人を望んでいるのかもしれません。
そういうことができる友人関係や居場所を必要としていると思います。
そういう人の集まるところで個人的に親しくなれる人ができれば、親近感の増大と公平感のバランスを図りながら進んでいけます。
〔2017年8月21日〕

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