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大学生とボランティア

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大学生とボランティア

松村淳子(助走の場・雲)
私ごとですがこの一年、東京都立大学のプレミアムカレッジという中高年向きの学びの場に参加していました。
その修了の要件は修了論文の作成と発表でしたので私もがんばって何とかクリアして要件を満たすことができました。
内容は「大学生がボランティア活動をすることの効果と学びについて」というものでした。
その基本資料として不登校ひきこもりの居場所支援と学習支援をしている「フリースペース雲」でボランティア活動をしてくれている学生や過去に関わってくれたOB・OGに対してアンケート調査をしました。
現役生だけでなくOB・OGからも回答を得ることができ、彼らが私の考えていた以上にこの経験から多くの学びを得ていたという事が明らかになったのです。
今回はそのお話を。

この居場所支援対象者は主に不登校の中高生でしたから、大学生という「ななめの関係」に当たる大学生がボランティアとしてかかわることで大きな効果があるという事は実感として感じていたところです。
不登校をした子たちは親子関係や教師の対応に対する反発など、縦の関係に難しさを感じています。
また、クラスメイトができているのに自分にはできない「登校」ということに大きなプレッシャーを感じていて、彼らが同い年の子たちとフランクに付き合えるようになるのはかなり時間が経って自分の整理ができるようになってからのことが多いように見受けられます。
そんな彼らにとって縦でも横でもない、大学生とのななめの関係は大きな意義を持つのです。
少し上のお兄さんお姉さんと共通の話題を持ち、特別な存在ではなく自分もちょっとがんばればなれそうな大学生である彼らの存在。
そんな身近なロールモデルとしての効果があるようです。
大学生の中にはこの活動に関わることにより、過去の自分の姿を彼らの中に見出し、自分の来し方を見直したり評価しなおしたりして、自分の過去の癒しに繋がった学生もいました。
特に不登校経験をしてきた学生にとってはその効果は大きかったようです。
また、何より人のために一生懸命なにかに取り組んだり考えたりすることの充実感で人としての成長も見られるのです。

そんなことを象徴する言葉として、今回寄せてくれた回答を次にそのまま二つほど挙げてみたいと思います。
①あるOBのことば
「人がこれほど成長し、変わっていく様を他に見たことがなかったです。
このことで、自分が行き詰まった際には励みになりますし、他人にも希望が持てるようになったと思います。
人間関係についての課題は生涯生じ得ると考えているので、そういった問題にぶつかった際に自身の土台となるものを一つ増やせたことはとても価値があったと思います」
  ②ある現役学生の言葉
「大きいのは互いに認め合うことの大切さです。
人は『スタートも違えば、ゴールも違う』ということをここのスタッフと話すことによって、より強く実感することができたし、これでいいんだと、等身大の自分を受け入れることが活動を通してできるようになりました。
その点も自分の中で大きな『学び』でした。
今後の自分にとってプラスになることはいっぱいあるとは思うのですが、一言で表すとしたら『人はそれぞれの事情を抱え、平然と生きている』ということを理解できたことです。
ときに少し辛いことがあると『自分だけどうして』とか意固地になることあるのですが、周りを見てると多くの人が何かしらの事情を抱え生きているんですよね。
それを身をもって体験できたし、自分と同じように困っている人がいたら、何かしら力になりたいと思えるようになりました。
困っている人がいたとしてもみんながみんな助けを求めているわけではないし、全員助けてあげられるわけではないですよね。
でも、自分の中ではやれることをやればいいんだと、ある意味線引きできるようになったのが、ここで学んで今後に活かせる一番のことです」

その他にも多くの経験の重みや自分なりの学びを伝えてくれる素晴らしい言葉の数々がありました。
今回のアンケート結果はフリースペースをこれまでやってきたことへの何よりのご褒美の言葉として受け取ることができたのでした。
今後の糧にしていきたいと強く思っています。

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