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家の中の蛙の視点から見る寿司テロ

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家の中の蛙の視点から見る寿司テロ

会報『ひきこもり周辺だより』(2023年3月号、71号)

世の中には案外馬鹿が多い。
最近のいわゆる「寿司テロ」ニュースを見ていると改めてそう思います。
回転寿司の卓上調味料の容器を舐め回したり、回ってくる寿司にいたずらしたり、いったいその行為の何が楽しいのか?
それは置いておくとしても、なぜ誰でも見られるSNS上に自ら証拠動画を晒して自爆してしまうのか?
その行為が他人から見て美しく見えるのかどうか、わずかな想像力を働かせることもできなかったのか?
まったく疑問は尽きません。
なぜこんな自爆行為が多発しているのか、最近はそんなことを考えていました。

まず第一に考えられるのは、こういった行為をやらかしてしまう馬鹿は昔から一定数存在していて、それがスマホやSNSの普及によって可視化されただけであるという可能性です。
これは最もあり得そうで、同時に最もそうであって欲しくないことです。
いちいち飲食店に行くたびに、この取皿はどこぞの輩が舐め回したものかもしれないなんて考えが少しでも頭を過ったら食欲なんてどこかへ行ってしまいます。
第二に、悪意を持った第三者が株価を操作する目的で馬鹿に金を握らせて迷惑行為を撮らせたという可能性です。
これはネットで見た説なのですが、なるほどそういう可能性もあるのかと感心させられました。
たしかにスシローの株価は急落し、たった1日で時価総額160億円以上の損失が生まれました。
これを利用して利益を得ようと考える者が出てきても不思議ではありません。
そして何より、この仮説に則るのであれば迷惑行為をやらかした馬鹿にも金銭的なメリットがあるわけで、なぜそんな不可解な行為に及んだのかということにも納得ができるのです。
昨今各地で多発している強盗事件、「闇バイト」と呼ばれる件でもそうですが、それが法的・倫理的に許されるかどうかは別として、本人にメリットがあるのならやってしまった理由は理解できなくはないのです。
金に困ってやった、と言われれば浅はかだなとは思っても一応の納得はできます。
ただ、私の考えではこういった経緯で起こった迷惑行為は実際にはほとんどないのではないかと思います。
その根拠としては大規模なチェーン店以外の飲食店でも迷惑行為が確認されていること、実際に迷惑行為がSNSにアップされてから最近になって発掘されるまで数年経過している動画も多いことの二点が挙げられます。
株価を操作して利益を得たいのなら小さな店でやっても意味はありませんし、何年も動画を寝かせておく必要はないはずです。
そして第三に、自己顕示欲を満たすためのものであるという可能性です。
第一の可能性と併せてこれが大きいのかなと思います。
私の世代はパソコン、携帯電話、インターネットの発達していく途中経過を最も身近で見てきた世代です。
You Tube、ニコニコ動画、2ちゃんねる、mixi、Twitter等いろいろなものに触れてきました。
その中で悟ったことがあります。
それは「普通の人はつまらない」ということです。
自分を例外にしたつもりはありません。
私を含めて普通の人は見ていてつまらないのです。
誰でもネットで自分の意見やパフォーマンスを世界中に発信することができるようになりましたが、その中で注目を浴びようとすれば過酷な競争が待っています。
一般人であっても何か見栄えのする一芸に秀でたものがあれば注目されますし、たとえテレビにも出ている芸能人であってもピンで面白くないのであれば見向きもされません。
そして世の中の大半の人は写真や動画で見てすぐわかるような一芸など持ち合わせていないのです。
だからろくに注目されることはありません。
一方で流行している(バズっている)ものはいち早く自分の目に飛び込んできます。
何万再生、何万PV、何万いいね達成!そんなものばかり見ていると脳が灼かれてしまうのでしょうね。
それらの指標が唯一の価値基準になってしまい、数字ばかりを追い求めるようになる。
芸のない凡人が無理やり数字を稼ごうとすれば、行き着く先は他の人はやらないような反社会的な迷惑行為や犯罪でしょう。
コンビニおでんをツンツンしてみたり、爆破予告をしてみたり、数えればキリがありません。
SNSの歴史はそういった自己顕示欲の暴走の歴史でもあるのかもしれません。
そうして稼いだ数字にどれだけの意味があるのか、得るものの代わりに失うものがどれだけあるのか、考えれば考えるほど愚かしい行為ではありますが、そうまでして人から認められたいと考えてしまうまでに飢えていたのかと思うと憐れみを覚えます。

と、まあここまでが前置きです。前置きが長くてすみません。
ここからは私の本音を書きますが、本音なんて他人に知られたいものではないので読者をふるいにかけました。
またここでひとつ断っておきたいのですが、これまでの前置きを書いたのは馬鹿の行為をこき下ろすことで自分よりも下の人間を確認して悦に浸りたかったからではありません。
そんなメンタリティだと誤解して軽蔑されるのは我慢ならないので念のため。
私を見下すのであれば正しく理解して、正しく見下していただきたいものですね。
むしろ逆なのです。
はっきり言って私は彼らがうらやましいのです。
自分が悪いことをしているなんて思いもしない、自分たちは面白おかしくやっているだけ、悪いのは批判してくる無粋な連中だけ、そう思えるのはさぞ幸せでしょう。
さぞ生きていて楽なことでしょう。
彼らは世間様という概念を持ち合わせていません。
自分と地元で一緒に馬鹿をやる仲間が世界の全て。
まさしく井の中の蛙。
私の立場でこれを言うのは傍から見て滑稽に映るかもしれませんね。
ですが彼らは世間という大海を知らないからこそSNSに自ら動画をアップして自爆するのです。
自分が動画をアップした場所は川を通じて大海原へ繋がっているなんて思いもしません。
想像力も共感性も社会性もない。
ないない尽くしであるが故に無敵。たとえそこが地雷原であろうと、それを知らなければ笑顔でタップダンスができてしまうのです。
いつか地雷を踏み抜き、全てを失うことになるその時まで。
これでも私はかつて今の若者は少しかわいそうだなと思っていました。
スマホネイティブ世代は凡人がお山の大将を気取ることもできないからです。
クラスで俺が一番マリオカート上手いぜ、とか言えないじゃないですか。
それを言うと、でもYouTuberのナントカさんのほうがすごいじゃん、と言われてしまう。
そんなことを考えていましたが、そうでもなかったみたいですね。
馬鹿はどうせ世間が見えていないから他人と自分を比較するなんてこともないわけです。
馬鹿はそれでよいのです。
一番よろしくないのが半端に利口な奴です。
半端に利口だから先が想像できてしまう。
望ましくない結果や批判が見えてしまうがために先に進むことが出来なくなってしまう。
真に利口であれば適切に対処することもできますが、半端者はそれもできません。
進むことも戻ることも出来ず、固まってしまいます。
そんな半端者が活路を開こうとするなら、やはり一時的にでも馬鹿になりきることでしょうかね。
そうすれば後先考えず何でもできますから。
うーん、それでもやっぱりああはなりたくないなあ。

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