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強制でなく着実な方法を取ってほしい

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強制でなく着実な方法を取ってほしい

会報『ひきこもり周辺だより』2023年1月号
先月の私が何やら「起業します!詳細は次号で!」みたいなことを言っていたようですが、実は特に追加でお伝えできることはありません。
これについてはあれから何も動いていませんからね。
今は半ばホラを吹いているだけの段階ですが、起業しようと考えているのは本当です。
具体的な話は来月の私がしてくれることでしょう。
……多分、おそらく、きっと。
さて、世の中にはいわゆる「引き出し屋」という商売があるそうじゃないですか。
親からの依頼を受けて、ひきこもり当事者を強制的に家から引きずり出して寮生活をさせることで矯正するというやつです。
そういうニュースを見ていると何だかもどかしいです。
そんな業者に頼むくらいなら私に声をかけてくれればいいのに、と思います。
私はまったく起業向きの性格をしていないと自負していますが、その私をして起業へ向かわせているのは、あれが商売として成り立つなら私がやったほうがマシなのではという思いです。
私ならあれの1/10以下の金額で引き受けます。
ただし、時間は100倍以上いただきます。
どんな物事でもそうですが、力ずくで急激な変化を起こそうとすればするほど、その反動はより大きなものになります。
変化を起こしたいのであれば、一気にやろうとせず少しずつ地道に働きかけるしかないんです。
例えば今の日本の政治に不満があるからと言って、国会議事堂や各省庁を武力制圧して新政府を発足させよう、なんて企みが成功すると思いますか?
仮に成功したとして、国民の支持や国際社会からの承認が得られると思いますか?
そんなことをやらかすのは三島由紀夫くらいで十分です。
事を性急に運ぼうとすれば反動はより大きなものになります。
どんなに崇高な理想や信念があったとしても過激すぎる行動には誰も付いてきてくれないのです。
事実、彼の演説に多くの人が賛同することはありませんでした。
本当に政治を変えようとするなら、まず自分の考えを代弁してくれる候補者や政党に一票を投じることです。
そうして少しでも多くの今の政治を変えようとする勢力を国政に送り出すことです。
それがたとえどんなに遠回りで困難な道のりに見えたとしても、その道を一歩一歩進むしかないのです。
そこで安易に近道を選択してしまう人は、そこにある落とし穴に気づいていないのです。
我ながら無茶苦茶なことを言っていますが、実際それくらい「引き出し屋」の手法は無茶苦茶だと思います。
たしかに、ある程度強制的に動かしてもらったほうが生活リズムが整って社会生活が出来るようになる人もいるのかもしれません。
ですが、それと引き換えに親子の関係は修復不可能になりますし、当事者からしてみれば一番近しい人に裏切られたという怨念を一生引きずることになります。
果たして、これは割に合った選択と言えるでしょうか?
もっとも、追い詰められてイチかバチかの選択をせざるを得なくなってしまったのかと思うと、それを愚かな選択と断罪することは私にはできません。
とはいえ、そうなる前にゆっくり着実な方法を取れるだけの時間はあったはずなのです。
そのときに私がいればとまでは言いませんが、信頼の置ける良心的な支援者がいてくれたらもう少し違った選択もあったのではないかと思うと悔しいです。
とまあ、よその業者をボロクソに言っていますが、私なら確実になんとかできたとは言いません。
どこまで行っても人間対人間なので、こうすれば確実に良い結果が得られるという方法はないのです。
私も相手の地雷を踏んでしまってそれ以降会えなくなってしまったケースがありました。
これが学習塾とかであれば、「成績向上保証!」とかの謳い文句をでっち上げるのかもしれませんが、「社会復帰保証!」なんて無理ですからね。
それに以前お話したように、私は当事者の社会復帰をゴールだとは思っていません。
本当に家に居たい、誰とも関わりたくないというのであれば気の済むまでそうすれば良いと思います。
別に突き放して言っているのではなく、自分の内に何の動機もなく、ただ人に言われたから仕方なく動くというのでは一時的に動くことが出来たとしてもどこかで限界が来ると考えているだけです。
むしろそんな理由で動くのであればやめておきなさいと言いたいくらいです。
実際、昔「ぼくも頑張って社会に出ないと」と言っていた子に対して「別に出なくてもいいよ。お天道様が許さなくても俺が許す」と言ったことがあります。
ですがその子はそれから程なく地域のボランティア活動に参加することにしたそうです。
もちろん本人の意思で選んだ道であればたいへん結構なことですが、なぜそんなことをする気になったのか、私のほうが聞きたいくらいでした。
そんなわけで今年ももうすぐ終わりですね。
私はクリスマスイブにこの文章を書いています。
家のブレーカーが落ちて、途中まで書いた原稿が全部消えたので泣きながら書き直しているところです。
来年の目標はどうしましょうかね。
やっぱり起業!……ではなく、なぜか自転車で日本列島縦断になりそうです。
まあ仕事より遊ぶことのほうが楽しいのだから仕方ないですね。
自分の老後がどうなるのか、そもそも自分に老後は存在するのか、未来の不安を言い出したらキリがないですが、そんなことを考えていても気が滅入るだけです。
それなら今日を精一杯楽しく過ごしたいです。
明日のことは明日の私が考えることです。明日の事を言えば鬼が笑う、と言いますしね。
それではまた来年お会いしましょう。

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