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日本人の潔癖性はひきこもりの要因になりうるか

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日本人の潔癖性はひきこもりの要因になりうるか

日本人にはマスクを日常的につける人が多く、これは衛生観念の潔癖性の表われの1つです。
COVID-19コロナ感染症拡大のなかで、マスク着用の高さが目立つ日本人の感染予防は世界的にも目を見はるレベルです。
日常の衛生面における潔癖性は以前から知られていたことですが、それが感染症予防で有効であり、個人レベルの予防策として効果を発揮したわけです。
もっとも諸外国の人たちが日本のやり方をベストと考えていたとは言い難いようです。
しかも、この潔癖性はいつの場合も有効だったわけではありません。
その1つの結果がアレルギー症状をもつ国民、とりわけ子どもが多いことに表われています。
栃内新『進化から見た病気—「ダーウィン医学」のすすめ』(講談社、ブルーバックス.2009.P52-53)に衛生面の潔癖性がどうなるのかを書いています。

《最近はめっきり少なくなったが、肉眼でも見えるような大型の寄生虫もいる。
頭髪や皮膚につくノミ・シラミ・ダニや、消化管内部に住むカイチュウ・ギョウチュウ、サナダムシなどは戦後の時代はきわめてポピュラーな存在であった。
今でも、保育園・幼稚園児や小学校低学年児を中心にシラミやギョウチュウの感染が一過的に広がることがあるが、食物の衛生管理や食糧流通環境の改善により激減している。
それによってわかってきたことのひとつは、これらの大型寄生虫は、ヒトに対してはそれほど深刻な症状を生み出さないばかりか、子供のアレルギーやアトピー症を抑える有益な働きがあることである。
医療はその黎明期(れいめいき)から感染症とたたかい続けてきた。
しかし、WHO(世界保健機関)が1980年に撲滅を宣言した天然痘ウイルスや大型寄生虫など特定のものを除くと、たたかいは終わることなく続いている。
それどころか、速い速度で進化を続けるウイルスや細菌とは永久戦争の様相も帯びている。
逆に、進化の結果ヒトと穏やかに共生していた細菌や寄生虫がいなくなることで不都合が生じることもあり、敵と味方を見分けることすら容易ではないのが現状である。》
*この本はCOVID-19コロナ感染症以前に発行されている点に注目してください。

保育園・幼稚園などでの寄生虫への対応策の役割を否定するつもりはないですが、もしかしたら行き過ぎているかもしれない、そんな気もします。
『清潔は病気だ』というタイトルで、衛生面の行き過ぎを書いた本を見たこともありますが同じでしょう。
どれくらいの日本人に、どのようなアレルギー症状があるのか、他の国の人と比べてどうなるのかの材料が手もとにはないので今のところ、示すことはできません。

実はこのアレルギーまたはアトピーと、ひきこもりの間にどの程度の相関関係があるのか私には正確にはわかりません。
確かに通所してきた人にアレルギー体質を自称する人、アレルギー性の皮膚炎や呼吸器系の問題をもつ人は少なからずいました。
アレルギー性皮膚炎を理由とする醜面(しゅうめん)恐怖という神経症があります。
それが対人関係の困難な原因になり、ついにはひきこもり生活になった人もいます。
けれども、このようなアレルギーにかかわる人の例を集めて、国民のなかでの表われの違いを示すことは難しいです。
日本には多数のアレルギーおよびアトピーの人がおり、これにひきこもりでアレルギーおよびアトピーの人との間に有意な差があるかは確かめられないのです。
しかし、国民レベルではどうでしょうか。
日本人全体のアレルギーおよびアトピーの人と他国の人との対比は可能でしょうか? 
これも手元にデータはないですが、もしその対比が可能であり、有意差が認められるならば、次の結論を仮定することもできるでしょう。
日本人の潔癖症が日本人に多いと思われるひきこもりの遠因の1つ、と言える…かもしれない。
2022年02月

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