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日本社会30年の停滞を招いた新自由主義の経済政策

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日本社会30年の停滞を招いた新自由主義の経済政策

長期の経済的な低迷という大きなマイナス状況が進んでいても、局在的には有効な面はあるーけれどもその局在面を見て、全体状況を判断するにも程度があり要注意です。
こう思い始めた理由はいろいろあり上手く説明できません。
政治的な面でいえば、「上から(支配的階層から)腐っていく」のを見る機会が多くなったことがあるでしょう。
日本にある2000兆円を超える預貯金(郵便預金や年金など)をアメリカが利用しやすくする、米などの農産物を輸入しやすくして農業を衰退させる…。
政府の政策は信用できないと考えていました。
従属性や言い過ぎかもしれませんが売国性を感じます。
他方では、コロナ禍においてエッセンシャルワークの重要性が鮮明になり、家事労働という毎日の生活に欠かせないものが少しも評価されていない現実をつきつけられたのもあります。
それはGDP(またはGNP)という国の豊かさを計る尺度に代わる新しい方法が考えることにもつながるでしょう。
そして1990年はじめのバブル経済崩壊以降の日本の低迷だけでなく、世界的にも新自由主義というよくわからない経済理論あるいは経済社会政策が広がっています。
これが資本主義において社会的格差を広げる元凶になるのを確認できる気持ちになったことも関係するでしょう。
ただこのあたりの理由を十分にとらえられず、わかりやすく説明できないでいました。

新自由主義の経済政策を書いている数冊読みましたが、正直なところ、何がどう問題なのかを全体的に鮮明にしているものに出合わなかった気分でした。
2023年秋に日本共産党が「経済再生プラン」を発表しました。
それは継続的な経済政策による経済発展を目標としています。
経済発展には国民の購買力を増やすことが大事であり「福祉は国民の購買力を高める」と明示しています。
社会福祉は格差の是正(とくに低所得者の収入増)であり、政府が負っている1200兆円を超える借金を相対的に減少させる面もあります。
大企業への減税は、大企業が貯め込むだけで投資に回して経済成長に結びついていないこともその通りです。
税金は大企業に減税し、国民が広く負担する消費税を高くすることではない(それは購買力を下げる)こともその通りです。
これらが新自由主義の経済政策への対抗策ですが、菊池英博『新自由主義の自滅』(文春新書、2015年)はそれを鮮明にしました。
発行が2015年なので、安倍政権のアベノミクスの全体を見届けたものではありません。
しかし、1990年以降の政府の新自由主義的政策の採用、日本に先立つアメリカのレーガン政権やイギリスのサッチャー政権の新自由主義的な経済政策を明瞭にしています。
特にアルゼンチンとギリシアでは「財政均衡」を求められ投資の抑制と国民の節約推奨が、国家財政を破綻させた事例もみています。
日本の30年の低迷はアルゼンチンやギリシアと同じ結果には至っていないのですが、同じ方向に進んできたのです。
経済を成長させる、社会福祉政策による支出を増大させる、大企業に減税して資金を預金に回して動かさない状態をつくらない——そういう積極的な経済成長政策が必要なのだとわかります。
水野和夫さんの「定常経済」は将来的に否定されるべきではないにしても、現在はそれを求める時期ではない、そう確信ができました。
経済成長と社会政策を通して、所得の格差が平準化し、その積み重ねた先に不安の少ない経済社会ができ、それが定常経済に近づく道だろうと思います。
財政均衡という名の投資抑制や大衆課税である消費税率増は国民の広範な層の購買力を下げます。
30年に及ぶ日本社会の停滞がそれを示しています。
レーガン政権はアメリカに双子の赤字(財政赤字と貿易赤字)を生み出しました。
サッチャー政権は国民全員に「人頭税」とやゆされる税負担を強いる事態になり退陣しました。
そしてアルゼンチンとギリシアにおける国家財政破綻です。
日本の場合は揺れ動きながらしかし持続的に新自由主義的な経済政策をとったおかげで、典型的な失敗ではなかったのですが、30年の長期停滞というもしかしたら最悪の事態を招いたのです。
この時期にいくぶんは偶然のめぐりあわせの要素も関係しますが、社会的ひきこもりが誕生しました。
長期の停滞をさらに続けてはなりません。
それでは国民の階層分化がさらに進み、ひきこもりを生み出すベースも続きます。
彼ら彼女らが負ってきた問題を生活面から軽減することはありません。

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