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父子世帯

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父子世帯

ひとり親世帯の経済状況、改善中も母子世帯は厳しい状況続く
厚生労働省の発表によると、ひとり親世帯の収入状況は改善しつつあるものの、父子世帯と比較して母子世帯の収入は依然として厳しい状況が続いていることが分かった。
■離婚が原因の父子世帯が増加中
15日、厚生労働省は2016年度の「全国ひとり親世帯等調査」の結果を発表した。
これは政策や福祉対策などを図る上で、ひとり親世帯の状況を把握するもので、およそ5年ごとに実施。今回は約4,000のひとり親世帯中、2,060の母子世帯、405の父子世帯、45の養育者(祖父、祖母など)世帯から得られた結果を集計している。
2016年度のひとり親世帯数(推計値)は、母子世帯が123.2万世帯(2011年度:123.8万世帯)、父子世帯が18.7万世帯(同22.3万世帯)。
ひとり親世帯となった理由をみると、母子世帯では離婚が79.5%(2011年度:80.8%)、死別が8.0%(同7.5%)に対し、父子世帯では離婚が75.6%(同74.3%)、死別が19.0%(同16.8%)だった。
離婚を原因とした母子世帯割合がやや減少する一方、父子世帯が増加しており、「離婚したら子供は母親に」の状況が少しずつ変わってきていることが分かる。
■年収は母子・父子世帯ともに改善しているが
平均年間収入は、母子世帯が243万円(2011年度:223万円)、父子世帯が420万円(同380万円)。
このうちの就労収入では、母子世帯が200万円(同181万円)、父子世帯が398万円(同360万円)だった。
また同居家族を含めた世帯全員の年間収入では、母子世帯が348万円(同291万円)、父子世帯が573万円(同455万円)となっている。
実感のない好景気と言われつつも、収入の面では、ひとり親世帯も改善しているようだ。
ただし就労状況をみると、母子世帯が81.8%(2011年度:80.6%)とやや増加しているのに対し、父子世帯が85.4%(同91.3%)と前回調査から5.9ポイント減少した。
ひとり親世帯となる前の就業状況は、母親(離婚後の母子家庭)は75.8%、父親(離婚後の父子家庭)は95.8%が就業していた。
つまりひとり親世帯となってから働き始めた母親が多い一方で、父子家庭では離職した父親が少なからずいることになる。
資料では、はっきりと理由を述べていないものの、ひとり親世帯になったことを契機とした転職理由の上位に、母子家庭では「収入がよくない」、父子家庭では「労働時間が合わない」があることから、父子世帯では子育てを含めた家事との両立が困難となっての離職がありそうだ。
■母子世帯の厳しい収入状況は変わらず
同省発表の2016年「賃金構造基本統計調査」と年収を比較してみよう。
母子世帯における母親の平均年齢は33.8歳。賃金構造基本統計調査をみると、30~34歳女性の平均賃金は24万3,400円(年収約292万円)。
母子世帯の就労収入は200万円のため、平均賃金と比較して7割未満に留まっており、手当などを含めた世帯収入(243万円)でも平均賃金に届いていない。
同じく父子世帯の父親の平均年齢は39.3歳。
賃金構造基本統計調査で、35~39歳男性の平均賃金は32万3,800円(年収約388万円)。
また40~44歳では36万700円(年収約432万円)。
父子世帯の就労収入は398万円のため、ほぼ平均賃金並みの収入が得られていることになる。
生活保護費を始めとした福祉関連手当の削減が進められているが、母子世帯では今後も厳しい状況が続きそうだ。
■養育費や面会交流の取り決め割合は増加
分かれた相手と養育費の取り決めをしているひとり親世帯は、母子家庭で44.2%(2011年度:38.5%)、父子家庭で21.8%(同18.1%)と、どちらも増加している。
取り決めをしていない世帯から得られた理由をみると、相手に支払い能力(支払い意思)がないとの答えが減っていることからも経済状況の改善が分かる。
ただし「相手を関わりたくない」との回答割合が母子・父子家庭とも増えているため、込み入った状況を伺わせる部分もある。
面会交流の取り決めをしている割合は、母子家庭で25.5%(2011年度:24.2%)、父子家庭で29.0%(同17.0%)。
それ以外に「取り決めしていなくても交流できる」との回答(母子世帯:19.7%、父子世帯:30.8%)がある反面、「相手と関わり合いたくない」「相手が面会交流を求めてこない」「子どもが会いたがらない」が一定割合存在し、養育費と同様に複雑な実態が垣間見える。
〔2017年12月18日 財経新聞(県田勢)〕

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