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自傷他害の気持ちは意思ではなく精神状況(症状)です

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自傷他害の気持ちは意思ではなく精神状況(症状)です

少し前の話です。夕方になってTくんが電話をしてきました。
過呼吸がつづいている、これまでも過呼吸はあったがこんなに長く続いたことはなく、とても苦しい。
これが最初の言葉です。一呼吸おいてまた過呼吸が苦しいと訴えます。
それだけではない。自分では気づかないうちに何か変な動きをしている。
気づいてみたら部屋のなかをうろうろと歩き回っている。横に寝ているよりも壁にもたれている方が楽だがそれも長続きはしない。
居ても立ってもいられないというのはこんなことかもしれない。
包丁を握りしめていた。刃の部分を握っていて少し血も出ている。
聞いている私はパニック障害の発作、自傷行為、それ以上に重大な何かが起きていると思いました。
すぐにこれは入院を要するが、しかし…。
これにはすぐにある壁があると思い、「いまから行く!」といって急きょ出かけることになりました。
おそらく私が行けばTくんは少しは落ち着くと思いました。
外は雨でした。しかし、できれば短時間でもいいから一緒に雨に中を歩くのもいいかもしれないという思いが出てきました。
これはTくんの様子を見ながら決めないとストレス解消ではなく、ストレス加重になるかもしれず保留にしました。
バスの中でおにぎりとお茶を夕食代わりにして1時間後にTくん宅に着きました。
ベルを押し「Tくん!」とドアを開けながら呼ぶと、電気がつきました。
今日は玄関付近で待っていたようです。いつもは奥にいるのですが。
二人で椅子に座ったあとゆっくりと話し始めました。Tくんの言うことを聞くつもりです。
過呼吸は収まっています。1時間ばかり話しました。
Tくんは、八方ふさがりの追い込まれた状態で何がなんだかよくわからない精神状態を口にしました。
こんなに苦しいことをどうにかしたい。
忘れることはできないが紛らわすために最大音響でTVをつけているのに周囲の家からは何も言ってこない。
これでは何かを言われてもしょうがないと思っているのだけれども、誰も言ってこない。それがまた不安を増す。
対人恐怖が強まっている。誰かに話すことができない。
人を刺すとか、路上で暴発行動をするような気分になっている。
それが、はっとして何を考えていたのだ、何をしているんだろう、なぜ部屋のなかをうろうろ歩いているんだろう。そんな自分に気づく…。
「気づいたからそこから引き返してきた。
気づかなかったら戻れないかもしれない、戻れないままそこに定着したら病気ということになる」とこのあたりで一息入れます。
外は雨ですが、やや小雨になっています。「少し一緒に歩こう。50メートルでもいい」と誘うことにしました。
Tくんは同意して外に出ます。玄関を出たところが一番の難関です。そこを過ぎると気分がほぐれてきたようです。
このときの雨はよかったように思います。夜の7時ころの住宅街ですが、外を歩いている人がいません。
そのあたりを一周する感じで一緒に歩きました。5分以上、数百メートルになるでしょう。
あの時の状態では入院が正解だという思いはありますが、特別の事情が3つも重なりこれは勧められませんでした。
Tくんにその事情を話したところ、むしろそれを裏付ける事情を話してくれました。
このことも含めて今回は深い事情は書けませんし、かなり省略しました。
わかりづらいとは思いもいますが、Tくんのような場合、自傷他害の気持ちが(少なくとも表面に現れる)意思によるものではないこと、自然にわき起こってくる感覚的・情感的なものであることを説明したいために記録しました。
帰りがけにTくんから、少しはっきり(すっきり?)しました。
できる範囲で動いてみます、という言葉を背後で聞きました。

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