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自分で自分を育てる

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自分で自分を育てる―2003年10月17日の手紙

『デボラの世界』は171ページmで(半分弱)までいったところです。
藤沢周平の小説のように、人間描写の細部に不自然さがなく、筋の展開がスムーズで、あり得ることです。
ただこう書いて言うのも妙ですが、精神分裂病(統合失調症)の人の描写を「細部に不自然さがなく」と書く私もどうかしているのかもしれません。
統合失調症の人らしい描写が自然であり(いやこの場合、とりわく深い!)ということでしょう。
私が5年前に、(いやたぶん3年前でも)この本を読んでも、たぶん対比すべき想像世界が限られていて、よくわからなかったと思います。
途中で投げ出していたのかもしれません。
私の中に経験のないこと、理屈の空中戦をするしかなかったかもしれないからです。
しかし今は、参照すべき経験があります。
冥王星にいる人の経験をはじめ、少なくとも3~4人が、その行動・行為と言葉によって、この世界の一部を見せてくれるからです。
*(52字省略)。
その世界を見せてくれる人に対して、正直に白状しますとときどきは違和感のある行動と感じることはあります。
しかし怖れを感じることはありません。
いつからそうなのか?
たぶん私が20歳前後のことで、大学病院で働いていたころだと思います。確かにある人が私にこういったことがあるのです。
「患者さんの処し方に慣れている」。
もしかしたら未知の人に対するある種の怖れは初めにはあったのかもしれません。
しかし何しろ私は人間平等主義者だから、その自覚において意地でもその未知の人たちから距離をとることはなかったはずです。
それがいつの間にか「慣れている」状態になったのではないかと、いまふり返って想像します。
この精神障害者の行為、言葉、あるいは雰囲気は、いまの私には未知の世界のすぐ横にある、という気分でしょう。
それはまだ何かに覆われ(cover)ています。
それを取り除くこと(discover)とは要するに発見です。
人間の潜在力、奥深くあるものの発見といっていいでしょう。
しかし、私の側からその(cover)を取り除くことはできません。
<cover>は身体・精神と一体化していて、それを取り除くことは当の本人にしかできないでしょう。
<cover>は決して邪魔物ではなく、もしかしたら宝かもしれません。
その貴重な<cover>を外側にいる人間が取り除くこととは、もしかしたら人身攻撃であり、窃盗になるかもしれません。
私は、この作業を精神医学的な方法からアプローチするのではなく、人間発達論的な(教育学的な)アプローチからしていくのだと思っています。
それに気づいた(あるいは意識し始めた)のは、この2年間のことです。
あなたとの遭遇は、私にはこのタイミングであったから幸運でした。
私のやり方は、これまでも、そしてこれからも「行きあたりばったり」です。
その現場に直面したとき、状態を直感で判断し、自分にできそうなことをする、その繰り返しでしかありません。
文字通り経験主義であり、科学の時代においては、笑止といわれる方法です。 私にはそれしかできません。
それでできることは案外多いのです。
いやそれさえもなかなかやっていないでしょう。 普通の人間がやれることは案外多いということです。
科学の時代、違った言い方をすれば専門家の時代は、それに関する専門的知識や情報や手段を持たないフツーの人が、自然にできることを妨げている時代ともいえるでしょう。
フツーの人、フツウの大人が目の前にいる人に声をかけ、手を差し出すことを妨げられ、ためらわざるを得ない、「専門家に任せる」状態におかれていることは不幸です。
いつも必要な場に専門家はいないのです。
話が脱線していますから、ひとまず収束しましょう。
さてもう一度。
この本全部は。精神病(分裂症)を理解し、受け入れ…さらにそれをそのままにしておいた方がよい…というなら、私が何をすればよいのかわからなくなります。
一方、この本の原題、I Never Promised You,A Rose Garden の言葉を、医師のフリード博士<フェリイ>が語るのは141ページのところです。
その内容からすると、「だから、あなたは“自分で自分を育てる”つもりになってほしいのです」で落ち着くのではないでしょうか。
実はこの後者の言葉は、私の精神です。
「各自の中に隠された力の強さは、あまりにも深い秘密ですから。しかし最終的には…究極的には、その力だけがわれわれの味方です」(16ページ)
のフリード博士の言葉は、私にとっては“自分で自分を育てる”力の源泉を指すものです。
一部の(?)日本人が「人間のもつ自然治癒力」と考えていることと同じものだと思います。
*(以下、約150字省略)

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