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面前DV

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面前DV

面前DV 消えぬ心の傷 子供の前、親が配偶者に暴力 専門家「早期のケアが必要」
心理的虐待の一つで、子供の目の前で親が配偶者に暴力を振るう「面前ドメスティックバイオレンス(DV)」が道内でも増えている。
暴力の記憶は親と離れた後もなお、子供たちの心を深く傷つける。
だが被害の実態は見えにくく、支援は置き去りにされがちだ。専門家は「早期の心のケアが必要」と警鐘を鳴らす。
*耳に残る怒声
怒鳴り声、食器が砕ける音、殴られた母が壁にたたき付けられる音、母の悲鳴とうめき…。
札幌市に住む20代の麻衣さん=仮名=の耳から、今も離れない。
アルコール依存の父は麻衣さんが幼い頃から、母に暴力を振るった。
父の顔色をうかがい、気を張る毎日。母は夏も長袖を着てあざを隠した。
麻衣さんも止めに入り、強くはたかれたこともあった。
1人で別室に逃げても殴る音は聞こえた。
中学生の時、包丁を向けた父に「殺される」と母と家を飛び出した。
その後、両親は離婚。だが強い不安やいら立ちに襲われ、他人にきつく接したり、怒鳴ったりする自分に気付いた。
精神が不安定になり、現在もカウンセリングに通う。
札幌市の春香さん(16)=同=も、父が母を殴っていた4歳ごろの光景が目に焼き付いている。
場所は台所。罵倒しながら殴る父と額から血を流す母を「じっと見てるしかなかった」。
母が覆いかぶさり自分を守ってくれたこともあった。
父と離れた今もあの光景が浮かぶ度に体が震え、吐き気がし、「死にたい」と思う。
だが母に言えない。
*道内でも増加
昨年1~6月、虐待を受けた疑いがあるとして道警が児童相談所に通告した18歳未満の子供は1589人。
うち心理的虐待は7割超の1193人で、半数が面前DV。増加傾向が続く。
「母さんを守れなかった」。札幌市の40代女性は、中学生の息子が時折漏らす言葉がたまらなくつらい。
数年前に離婚した夫から10年以上暴行を受けた。
息子を抱いたまま殴られたことも首を絞められたこともあった。
夫は必ず息子の前で殴った。「私の精神的ダメージを狙った」と話す。
だが「よりダメージを受けたのは息子だった」。
夫から逃げ、2人で暮らし始めてから、息子は床に何度も頭を打ち付けたり、爪で強く腕をひっかいたり、自らを傷つけるようになった。
初対面の成人男性におびえ、硬直する体に触れるたび「この子の中で暴力はまだ続いている」と気付く。
*乏しい支援策
2001年に成立したDV防止法では大人が被害者で、子供はあくまで「同伴者」の位置付けだ。
独立した被害者とみなされず、継続的に心理的ケアを受けられるような支援策はない。
DV家庭に育った子供のトラウマ治療に取り組む、南平岸内科クリニック院長で精神科医の野呂浩史さん(54)は「『両親がけんかするのは、自分が悪いから』と強い自責感を持つ子も多い。摂食障害や脳の変容、自傷行為などにつながるケースもある」と指摘。
「恐怖の中に長くいるほど回復に時間がかかり、早い段階から専門的ケアが必要。緊急の施策として取り組むべきだ」と強調する。
麻衣さんは最近、月初めに前向きな「自己宣言」を手帳に書き込む。
「私は苦しい過去から解き放たれることを知っています」「自分の状況が良くなると知っています」…。
読み上げると、少し体に力が湧く。
父と関係を絶ち10年近く。ようやく暴力から母を救えなかったことを「子供だったから仕方ない」と思えるようになった。
書きためた宣言は自分へのエール。「自分の力で何とか人生を立て直したい」と願う。
◇児童虐待◇
《1》殴るなどの身体的虐待《2》性的虐待《3》食事を与えないなどのネグレクト(育児放棄)《4》言葉や態度で傷つける心理的虐待-がある。
心理的虐待は「子供の心を死なせてしまう暴力」とも言われる。
面前DVは2004年の児童虐待防止法改正で、心理的虐待と位置づけられた。
〔◆平成30(2018)年1月9日 北海道新聞 朝刊全道〕

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