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ワークスペースとパソコン利用

〔2010年07月04日〕
創作活動を記述する前に、ワークスペースにも触れておいたほうがいいでしょう。
大塚時代(1998年~2001年)に、私の仕事を手伝ってもらう形でワークスペースの内容が始まったといえます。
『ひきコミ』市販前の見本誌は、2000年7月のことで、これは各自のパソコンやワープロによる文書入力によるものでした。
コピーや製本はメンバーの手作業でした。
進路相談会を開くたびに受付などの手伝いを頼みました。
手伝い料や交通費を支払いましたが、基準はなくその場の状況によりました。
中古のパソコンを1台提供してもらったのも大塚時代です。
ある人が独自に不登校情報センターのホームページをつくり、また有料のパソコン教室を始めました。

新小岩に移転してきた後もこれらの状況は引き継がれました。
これらの作業を意図的に持ち込もうとしたのは、「不登校情報センターを働ける場にして欲しい」という声がでてきた2002年ころからです。
「30歳前後の人の会」として定期的に会合を重ねながら、社会につながる出口が見つからず、ある日私が呼び出されました。
十人以上が集まり「内職をしよう、小遣い程度の収入」が要望になりました。
「あゆみ仕事クラブ」の発足です(名称は1年後に「あゆみ仕事企画」に変えました)。
地域の情報誌のポスティング、学校案内書のDM発送作業などに取り組みました。
作業費を支払うのもこの経過では当然でした。
支援団体の中では特徴的なのかもしれません。
2003年の途中からは「あゆみ書店」よりも多額の収入源になりました。
〔出典「収入になる取り組み等記録(1)」〕

作業にかかわる当事者の状況に左右され、“いざとなったら最終的には自分ひとりでカバーする”気持ちがないと引き受けられません。
その意味では、これらは“仕事の練習”であり、フリースペースの範囲からは抜け出ていません。
フリースペースの一種であり、会話コミュニケーションとは別の形の対人関係づくり、社会体験なのです。
職業的な仕事とは一線を画す意味でワークスペースなのです。
しかし、印刷機の贈与を受け、中古パソコン十台余りをもらい受け、助成金ももらいました。
ワークスペースの設備条件がすすんだのです。

パソコンはそのなかで、特別な要素でした。
当時もパソコン教室は続けてきましたが技術のある個人主催のものです。
私にはパソコンの技術がないので、情報集収を終えウェブサイトに掲載するのは全部任せるしかありません。

2004年に情報提供を出版物からウェブサイトに切り替えました。
振り返ると実にいいタイミングでした。
あゆみ書店をはじめ他の作業は衰退しましたが、ウェブサイト制作(情報提供)は不登校情報センターの本来業務として残り、そして成長しました。
今日ではあゆみ仕事企画とはほとんどパソコン業務に収斂していると言っていいでしょう。

2007年からはそのパソコン作業は個人単位での作業に加えて、チームの取り組みが加わりました。
パソコンを使う作業のなかに、ワークスペースの成長と発展が含まれる状況になったのです。
情報量の拡大、ウェブサイトの拡大、画像の取り込み、ブログの採用など広がりができました。
技術のない人のためにミニ教室的な機会がときどき開かれるようになったのが最近の様子です。

この状況の変化も、創作活動を進める上では一つのベースをつくりだしています。
ワークスペースの特徴とは何でしょうか。
それは当事者にひそむ望みから生まれています。
作業に参加する・しないは本人の自由選択です。
バックアップ態勢が求められる限りにおいて自立した業務組織とはいえません。
作業量に応じて支払いを受けられます。
作業を通して自分の能力・性格と向き合い、必要とされる対人コミュニケーションの成長を図るミニ社会体験です。
パソコンに関してはいくらかの技術・知識を得ることが可能です。
当事者のレベルからある高みにまで引き上げを感じる機会ですが、社会に入れるかどうかは未知数で個人差が大きく出ます。
私の判断では、依然として対人関係が最重要の課題です。
自己保存を潜在的・感覚的に優先しなくてはならず、30代以上の当事者にとっては、ここから就職などの社会参加に向かうのは困難が大きいと認められます。
もちろん個人差や周囲の環境条件が影響しますから自動的に全員が該当するのではありません。
  それらを超えていく一般的な方法は、
(1)この場自体が何らかの職場になるか、
(2)次のステップに進む手段は各自が実経験で感知し、判断し、見極める場にすることです。
社会福祉制度の利用を含めて、それは既に始まっています。
(3)支援者においてもこの2つの面の対応が求められています。
(4)一般に20代前半までは就職を含む社会参加を中心目標に置くことができるでしょう。

なお蛇足ながら付け加えておきます。
就職の形で仕事につけない対人関係に慎重な人が、事業所等で普通に働ける状態になる社会的条件づくりをワークスペースは象徴しています。
就職難の社会情勢のためにぼやけていますが、若者世代は“自分を生かし、自分のしたいこと”を働き先の企業に求めます。
それが満たされない事業所はこの世代からは拒否される時代に入っています。
就職難の時代が過ぎればはっきりするでしょう。
引きこもり経験者はそういう面も示しています。
“働く意欲の低下”とは、“働くに値しない社会”の潜在的な把握でもあります。
引きこもり経験者を“働けるようにする”力学だけではなく、企業や社会組織にも“受けとめられる”力学が働いているのです。

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