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Center:2003年1月ー不登校情報センターと訪問活動トカネット

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不登校情報センターと訪問活動トカネット――あとがきに代えて

〔訪問サポート部トカネットの本を出す計画があり、原稿がまとまったので私が「あとがき」を書くことになりました。
その原稿です。
結局、本は出版しないままに終わりました。2003年1月23日執筆?〕

不登校情報センターを設立したのは1995年の秋。
それから6年以上が過ぎました。
当初は、不登校の子どもと家族の相談活動を続けています。
その一方で、不登校に対応しているフリースクールや親の会の情報を集め、出版物編集の形で情報提供をしていました。

翌1996年には、通信制・大検生の会という当事者グループを作り、細々と会合を続けてきました。
この当事者の会は広がり、現在では人生模索の会という名称になり、会合も週1回、30人位は集まるようになりました。
そのほかいくつかのグループが出来ています。
その当事者のグループに参加する一人が、同人誌を発行しました(1997年)。
それがきっかけで、相談を受けたり、訪問活動を始めるようになりました。
これが不登校情報センターとしての初めての訪問活動です。

これを見て、訪問活動をどう進めていこうか考えていたとき、トカネットの藤原さんと出会うことが出来ました。
その後はいわば訪問サポートが必要な場合は、トカネットにそれを任せることになったのです。
訪問活動に続いて、2000年12月には個人情報誌『ひきコミ』を発行し、不登校・引きこもり・対人関係不安の人たちの間で文通を進めています。
今では、文通参加者は数百人になりました。

翌2001年には、引きこもりの親たちの交流会を、定期的に開いてきました。
そして年末近くになって正式にIINA会(いいな会)という名称で親の会が発足することになりました。
一方、この6年間には、力を入れた割にはうまくいかなかったこともいくつかあります。
例えば『人材養成バンク』というものです。
引きこもりの人のうち、「仕事に就きたい」と思う人に働く場を探し、紹介しようという取り組みです。
うまくいきませんでしたが、引きこもりへのサポート活動の一分野に、精神医学や心理的対応を越えた、教育的アプローチともいえる分野があることに気付くことにつながっています。

人材養成バンクの後、仕事につながる取り組みをどうするのかは、今違った形で探しているところです。
文通が出来るのであれば、Eメールなどによる交流もできる―そう考えてEメールサークルも考えてみました。
これもうまくいきませんでした。
こうして、ある程度活動スタイルとして残り、継続している分野は次のようになります。
これが、不登校情報センターが何をしているかの内容です。

(1)相談・カウンセリング業務
(2)情報入手と出版・イベント形式の情報提供
(3)当事者の会(居場所)
(4)訪問サポート・トカネット
(5)文通と個人情報誌『ひきコミ』の編集
(6)親の会『IINA会』
このうちの訪問サポートの実情を、訪問している人たちが中心になって明らかにしたのが本書です。

不登校情報センターの活動の一断面、または私の考え方の傾向は、活動のマニュアル化は避けることです。
というよりは、私にはそういうのが生理的に合わない気がします。

人間味でぶつかる。
生身の人間同士の付き合いの中に、本物がある。
その場そのときの事態に、思いついた最善を尽くす。
それが対処方法です。
当然、失敗もありますし、後悔することも生まれます。
そういう潜在的要素があるからこそ、一つ一つの取り組みや言葉や行為に、人間らしさが如実に表れるように思います。
無機質な仕組みを感じさせない温かさです。

失敗は人間の証明です。
人間は、特に子どもや若者は失敗しながら成長します。
失敗は悪ではありません。
失敗ほど生きた世界、人間を学ぶ機会はないように思います。
失敗できることは、子どもにとっては権利ではないかと思うほどです。
それは成長のエネルギーであり、自分を知り、自分を超えていく自作の教材です。
失敗があるからこそ、その可能性を超えて何かを成し遂げたとき、充実感を得たり、自分の可能性を信じることが出来るのです。

そういう不登校情報センターの考え方や雰囲気が、トカネットの訪問活動のいろいろなところで、いろいろな人の取り組みにも見られます。
これは私にとっても、とてもうれしいことです。

不登校や引きこもりへの対応ー不登校情報センターには、引きこもりの相談ケースが2、3年前から急増していますーは、社会的にこの問題の所在が知られている割合には出来ていません。

私たちの活動全体の到達点、訪問サポートのレベルも、さらに成長する余地があります。
それでも、トカネットの活動の現実を生み出し、支えている若いサポーターの、若者らしい姿は愉快です。
私が想像した以上のことが生み出されています。
このような取り組みが、不登校や引きこもりへの対応方法として、全国各地で行政部門でも民間団体でも広がることを願っています。
本書に紹介されている内容は、そういう意欲を持つ機関や団体の参考になるでしょう。

最後に、今現在不登校や引きこもりでいる人たち、その家族に「方法はある」それを見つけて欲しいと呼びかけます。
私たちがそれを手伝えるならば幸いです。

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