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Center:2005年10月ーワークスペースの向上をめざして

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目次

ワークスペースの向上をめざして

『ひきコミ』2005年10月号(第25号)に掲載。

(1)新しい環境での条件作り

2005年8月、不登校情報センターの事務所を第一高等学院新小岩校(旧校舎)から近くのマンションに移転しました。
9月初めにはほぼ移転作業も終わり、新しい環境のなかで取り組みが始まっています。

新しい拠点はスペースが狭く重点を決めてスペースを利用する必要に迫られています。
とくに「あゆみ仕事企画」として始めている引きこもり等経験者の社会参加、収入になる取り組みを中心におきたいと思います。
その裾野になる部分は、旧事務所の新小岩校時代の4年間につくられたことです。

移転作業の期間にいったん中止していたポスティングは既に再開しています。
フリースクール等の学校案内書等の「DM発送作業」も9月に入り行いました。
「学校案内書展示コーナー」も整理が進み、相談業務も始まっています。
秋以降は進路相談会などいくつかの催し物を開くのが恒例で、準備も進んでいます。

一方、新たに月島相談室(中央区月島の小阪クリニック「あすなろの木」)を開設し、講演・体験発表会を開きました。
11月には杉並区社会教育センターで「情報提供の場」企画も準備しています。
これらはフリースクールやカウンセリング相談室との共同企画的な取り組みで、継続的に協同関係を結ぶ場にしたいと考えているものです。

不登校情報センター内の、新小岩親の会(月例会)とフリースペースは広い場所を要するために葛飾区立新小岩地区センターを会場にして続けます。
フリースペースは毎月第4金曜日を「第4フライデイ」と称する公開フリースペースの日に設定します。

引きこもり経験者の収入になる場づくりと、これらの活動分野にはそう結びつきがないように見えるかもしれませんが、大きな関連があります。
不登校情報センターにとって、また「あゆみ仕事企画」にとって、現在までの主要な収入源の一つは、これらフリースクールなどの教育機関や相談室だからです。

催し物(イベント)を開く企画力や来場者数が、これら不登校・引きこもり等の支援機関に、不登校情報センターの情報提供機能を利用しようという動機を与えるのです。
信用性は、たとえば催し物案内が新聞記事になっている、実際にその催し物に行ってみれば来場者もいるし内容も充実している、
…それらを確かめる条件がこれらの催し物にはあるのです。

(2)NPOにし「生産性対応・自活指向」をめざす

不登校情報センターは設立10周年を迎え、この機会に特定非営利活動法人(以下、NPO法人という)にすることにしました。
6月に設立総会を開き、いまは監督官庁の東京都から認証されるのを待っている時期です。
「あゆみ仕事企画」活動の内容説明に入る前に、組織的性格、基本的に何をめざしていくのかを明示しておきます。

まずNPO法人を選んだ点です。
学校型や社会福祉型とは異なる事業所型を目指したことになります。

法人として職業訓練法人というのがあり一時期この選択を考えたことがあります。
引きこもり経験者が「指導料の支払い」を受け、職業上の技術・知識を身につけ卒業して社会に出る(社会参加する)目的のものです。
これは「指導料支払い・学校型」になり、引きこもり経験者の重要部分には適合しないのではないかと思います。

社会福祉法人も考えました。
現実の社会福祉法人は、公的な支援を得て(それだけに設立条件も厳しく)成り立っています。
そこで働く場を獲得している人たちは社会保障で生活の土台をつくり、働いています。
私はこれを「低収入・社会保障型」と考え、引きこもり経験者の多くが望んでいる姿とは少し違っていると感じました。

私は一般に「指導料支払い・学校型」も「低収入・社会保障型」も否定するつもりはありません。
むしろもっと充実させるのが社会全体にとってもよいと考えています。
しかし、引きこもり経験者にとって第一にめざすのは、働きに応じた収入が得られ、貧しくても自力で生活できるだけの収入が得られる場と方法だと思いました。
これを「生産性対応・自活指向型」と考え、引きこもり経験者の感覚にフィットするように思います。

そこでこの方向をめざすわけです。しかしNPO法人の中にその要素が仕組まれているわけではありません。
NPO法人を選んだあと、その仕組みをつくっていくのが宿題として残されているのです。
不登校情報センターの仕事場をそのような内容をもつ構造にしたいのです。

(3)複合型SOHOが一つの目標

この道は平坦ではなさそうです。
不登校情報センターにおけるこの3年間ぐらいの事例からみた判断です。
生産性は(熟練する機会が少ないことを差し引いても)一般の非熟練労働と比べてもかなり低いものと覚悟しなくてはならないでしょう。
仕事量が増えてくれば、熟練によって生産性はいくぶん高まるとしてもです。

私の見るところでは、この生産性は、
(1)仕事の速度の遅さ、
(2)休憩時間の多さによって低くなるのですが、
最大の要因は(3)自分での臨機応変の判断を避ける傾向によってより重大な影響を受けるのです。
ただ全員が平均してそうなるわけでもなく、個人差は相当に開きがあります。

どんな事業所になり、事業内容に何があるのか。
下請け的な単純労働が主になりますが、実はかなり複雑なことも視野に入れていいと思います。
そこを考慮に入れると、この事業所は自営業または自由業を含む複合的なSOHOではないかと思います。

SOHOとはSmall Office, Home Officeの略であり小さな事務所という意味です。 
不登校情報センターのばあい、いろいろなことに取り組んでいますから一つひとつがSOHOの取り組みです。
それが複数あり、組み合わさっていくので複合型SOHOとなるわけです。

引きこもり経験者が集まり、対人関係づくりを兼ねた内容をもち、社会的な経験不足を補い、ある技術ある知識を促進し、学び合う関係が平行して求められます。
感性・感覚の優れた人たちが集まり、なかには創作、創造活動による作品づくりをする可能性もあります。
これらを総合して考えると、この仕事場は、作業場であり創作工房であり技術と知識 を交流し取得する学習の場であり、対人関係づくりの場でもあります。

以下のさまざまな要素が、NPO法人という制度の下で積み重ねられることが必要です。
その成長によって、ここが引きこもり経験者にとっての収入になる場(複合的SOHO)文字通りのワークスペースになります。
それが引きこもり経験者にとっての社会参加の場であり、社会経済生活の基盤になります。

ある人が卒業していくのは否定しません。
ここを離れて就職その他の方法で自分の人生を切り開くことは認められ、歓迎されます。
一方ここに踏みとどまって、生活の基盤にしようとする人がいるとき、それに応えられる内容にしたいのです。
その場合、ここでは先輩格になったとしても平等な一人の会員です。

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