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Center:2005年6月ー共振し不安を強める事例と背景

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共振し不安を強める事例と背景

〔B5版ノート3枚の手稿のメモ(未完成)。2005年6月7日の日付。タイトル「共振し不安を強める事例と背景」は元原稿になくサイト掲載時につけたもの。原文の98%以上を維持〕

夕食のため外出から戻ると、Aくんが寄ってきて、「ちょっと話を…」と言ってきた。
「さっきから電話が鳴っていて、それで気になることがあって…」という。
Aくんに限らず、ほとんどの当事者は電話がなってもとらないから、相当ひんぱんに電話は鳴り響いていたのだろう。
相談室に入って、Aくんから改めて何が起こっているのかを聞くことになった。
Aくんの話を整理するとこうなる。
Aくんは一昨日、携帯電話を変え、メールアドレスも変えた。その新しい番号とアドレスを友人の間に知らせていた。その中の一人にBさんがいる。
そのBさんに夕方5時ごろメールを送ったが、その直後にメールをよこすな、ストーカーみたいだ、最後には警察に通報する…というような携帯電話でのやりとりになった。
これはダメだと思いそれ以後、携帯に出ないようにしていた。ところがメールが入ってくるし、それを無視していたところ、情報センターの電話が鳴り響いている。
どうしていいのかわからない、怖い…というような主旨だった。

AさんはそのBさんとは今年の初めに、ちょっとしたやりとりがあった。
Bさんの方が携帯(番号とメールアドレス)を変えたのだ。それでBさんとの関係が切れたと思っていたところ、見知らぬアドレスとメールで[私とつき合って」というようなことが書いてある。
Aくんは、そのメールの番号が微妙にBさんのものを思い出させるものなので、おそるおそるメールを返してみるとBさんが出てきた。
「そんなメールを送ったことがない」といってつき返されてしまった。
それでその後は数か月の間、Bさんには連絡をしていなかったのだ。
Bさんが今回、携帯電話をしてきたのを機会に、AくんはBさんとおぼしき所の不審番号にメールを送ったところ、冒頭の事態が発生したわけだ。
この話しを聞き、Aくんから「もうBさんには連絡をとらない方がいい」というので私は「そうすればいい」と答えた。

その話が一段落したあたりで情報センターの電話が鳴った。
私が電話に出ると、Bさんが出てきた。
「申しわけないが、とても不安なので、ちょっと相談していいですか…」と話が始まった。
Aくんの話をBさんの側から見るとどうなるのかの内容になる。
BさんはAくんとの関係を断ってきたつもりでいた、なのに突然メールが入ってきたので、携帯電話で「やめてよ!」という調子で話したら突然に切られてしまった。
頭にきたので、すぐに携帯をかけたがつながらない。メールを送ったのだが無視された。
そこでこれからもこういう嫌がらせ行為が続くのではないかと不安になってくる。
カウンセラーのCさんに連絡したがつながらない。他に相談できないので、先さきほどから情報センターに何度も電話をしているが出なかった。いまやっとつながってホッとした。
Bさんが私に話したことによると、今年の初めにAくんに入ったいたずらメールはBさんからのものであることをBさん自身が認めた。
いまAくんから相談を受けたばかりなので、AくんからBさんの携帯にメールが行くことはない、という話をして終えた。

Bさんによれば、A君との関係を断ちたいと訴えたのは昨年初めにもあったし、秋にもあった。それでもときどき連絡が入ったこともあって今年の初めには携帯も変えた。それで断ち切ったはずだったのに「また」になる。

このエピソードにはいくつかの事態が表われている。
(1)双方は、それほど強く相手を必要としていない、また相性の点でもいいわけではないが、なかなか断ち切れないでいる。
Bさんは自身の携帯電話を変えたとき、いたずら電話の形のニセメールを送り、暗に新携帯番号を知らせている。
Aくんは、切ったつもりのBさんに対して、自分が携帯を新しく変えたときに“事務的に”知らせている。
ここにはAくん、Bさんそれぞれに信頼すべき友人はもとより、話す相手自体に不足している対人関係の渇望が表われている。
(2)AくんBさんとも、その事務的連絡や、いたずら電話の確認作業を受けたこと自体を、攻撃とかストーカー的行為と受けとめる感覚状態にある。
一方が不安、怒り、反発を感じ、それを示すと、それを伝え聞いた側がそれに輪をかけた不安、怖れ状態になり、共振し、増幅し、それぞれが怖れ、怯える状態になっている。
Aくんの「ちょっと相談…」、Bさんの「申しわけない相談」はそれを解消する目的のものだった。
(3)AくんとBさんは、これでしばらくは関係を断つことになるだろう。
しかし、完全に終えたと結論づけるわけにはいかない。
Bさんの自分を受け入れてもらえない孤独感が高じたとき、Aくんの心の底にあるBさんへのある種の憧れが刺激されるとき、必ずしも正攻法ではない形で点火される可能性はある。
しかしどちらの側もそういう不安定な状態での点火行動は、陰性反応を呼び起こしてしまい、事態を好転させる可能性は少ないと思える。

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