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Center:2011年5月ー「フリースペース」掲載を実務面から検討する

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目次

「フリースペース」掲載を実務面から検討する

〔2011年5月1日、『ひきコミ』第90号=2011年5月号に掲載〕

ウェブサイト上の「スクールガイド」ページをWikiシステムの移行する作業が終了に近づいています。
最後の点検がいくつかありますが、その一つに「スクールガイド」ページのなかの「フリースペース」をどう扱うかがあります。

というのは「フリースペース」項目は「スクールガイド」ページにあるのですが、「親の会ネットワーク」や「自立・就業支援」ページに掲載の団体にも見られるからです。

関連してもう一つ、「学校の案内書・パンフ」ページに福祉関連施設のパンフレットなどの紹介を増やしてきました。
このページの本来の趣旨を外れるのですが、入手した関連情報の仮保管場所としていたところが膨らんできたものです。
ここにも居場所、当事者の会の案内書が増えました。
東京とに限りますが現情は学校関係、心理関係、福祉関係の案内書を一緒に紹介するページになっています。

この2つの不都合さを前進的に解決しようと思います。
それはパソコン編集の技術問題ではなく、フリースペースの持つ基本的な役割から考えるて必要であるとわかります。

(1)フリースペースの範囲

「スクールガイド」にあるフリースクールの成立を見ると、
(1)親たちが子どもの学習や友達づくりのために生まれたもの(親の会)、
(2)学習塾や家庭教師として不登校の子どもに関わってきた人がつくってきたもの(学習支援)、
(3)教育相談や心理相談で不登校の子どもと親に関わってきた人が設立したもの(相談者)、
おおよそこの3種の成立過程があります。

この学習支援、親の会、教育・心理相談の3分野は単一組織内であるか、協力ネットワークの形になるかの違いはあっても、不登校対応運動においてはセットになります。

(1)の親の会が始まりになったものを例にすると、親たちが集まる場に子どもを一緒につれてくることが起こりです。
それが自然に子どもの居場所になり、フリースペースの様相を帯びるのです。
その延長にフリースクールが生まれます。

「スクールガイド」ページに含まれるフリースペース項目はこういうことに関係します。
なかにはフリースクールなのかフリースペースを呼べばいいのか、よくわからないものもあります。
教科的な学習はなくても友達ができるのは、生きた人間学習であり、教育として、人間成長・人格形成として、社会に入る力を身につける上の基本的なものです。
あるフリースクールに教科的学習がなく人間学習や、自然体験や遊びを中心にしていても、フリースクールである要件を欠いているとは言えないのです。

逆にその状態ならあえてフリースクールとは言わないとするところもあります。
「スクールガイド」ページに含まれるフリースペースとは、それらの両方を含めて見ておかなくてはなりません。
同じ状態がある場所ではフリースクールと見られ、別の場所ではフリースペースと考えられるのです。
どちらが正しくどちらが間違いとはいえません。
しかし、フリースペースの中には「フリースクールにはなっていない」と考えられる状態も含まれるというのもまた確かなのです。
だから両者は区別して扱われるのです。

(2)フリースペースの状態像と名称

「スクールガイド」ページに含まれるフリースペースも状態は一律ではありません。
これに「親の会ネットワーク」ページや「自立・就業支援」ページに見られるフリースペースを加えると多様性はさらに大きくなります。

不登校情報センターのサイトにあるのは、不登校、引きこもり、発達障害と周辺事情の人たちに関係します。
フリースペースもその範囲の人たちの広がりを持つことになります。
逆にその範囲の人に制約されるともいえます。
フリースペースの状態は、不登校の子どもたちのもの、引きこもりの青年たちのもの、発達障害の人中心のものが含まれます。

違いのなかでは集まる人たちの年齢層の違いは大きく感じられます。
ほかに障害者のためのフリースペースがある一方、カフェなどの当事者に限定しないフリースペースもあります。
これは「学校の案内書・パンフ」ページを拡張しているなかで見つけたものです。

親の会も親たちの自助グループの一つですが、ここでは考えの外にしておきます。

フリースペースの名称も違います。
居場所とフリースペースとほぼ同じで役割があり、限られたある分野にフリースペース・居場所が使われるのではなく、いろいろな状態に使われています。
スペースは場所の面から、居場所は人の面から見る名付けです。

自助会、自助グループと当事者の会はたぶん心理的・医療的課題を意識したアプローチではないでしょうか。
学習スペースは学習を持ち込んだフリースペース、ワークスペースは作業・仕事を持ち込んだフリースペースと理解しています。

エンカウンターグループや医療機関のデイケアもこれらに近い要素をもつと思いますが、系統的な指導の下にある点が基本的に違うとしてここでは除外します。
しかし、統一的な基準が設けられてはいませんので、使用方法にも違いはありうると考えなくてはなりません。
一般にスペース(場)が名称につきやすいし、付いているものはフリースペースの一種になる可能性があります。

(3)フリースペースの継続と専門職

フリースペースは成立過程からみて、それ以上に発展しフリースクールや作業場などになるのかもしれません。
少なくともその芽はあるように思います。
しかし自動的にそうなるのではなさそうです。
一般に集まるメンバーが入れ替わること、その中心は新しいメンバーが加わることで“卒業する”メンバーが補充されることです。
それによりフリースペースは継続します。

補充されないと消滅します。
事実、2004年ころに引きこもりのフリースペースは多くが消滅しました。
背景には社会状況が関係します。
そのときはニートと、発達障害という見方が急速に普及したことが関係します。
適応指導教室が広がったことやNHKの“ひきこもりキャンペーン”が2004年3月に終了したことも影響したと思います。

このときは特別条件が重なりましたが、通常はここまでにはなりません。
フリースペースがフリースクールになり、通信制サポート校・高卒認定準備塾などの輪郭のはっきりしたものになったところは生き残りました。
ワークスペースからサポートステーションのような就労準備機関に成長したものもあります。

このようにスペース(場)は独自の運動法則をもちます。
システムとして安定するのは公的機関の適応指導教室の形です。
しかし半公的機関ともいえるサポートステーションの様子を聞くとそれだけでは安定するわけでもなさそうです。
事態に的確に対応していることが前提になります。

NPOが運営するフリースペースはそこまでの安定性は得ることはできません。
財政的な条件が不十分であり、運営者の熱意や創意性に頼らざるをえないからです。

フリースペースの経過を振り返ると、変化のなかで何らかの成長をたどっていないと、縮小・消滅に向かうもことが多いと思います。
フリースクールへの発展や職業準備的施設への発展はそのオーソドックスなものといえるでしょう。

変化において運営者の役割は、その存続・廃止に強い影響を与えます。
親の会の場合は、そこのリーダーが心理職やスクールや施設開設に向かうことが目に付きます。
このような専門職は、学生時代の専門的な学習と資格取得によるものとは違います。
実際にその問題に関与した経験と実績による専門職の誕生です。
小さくても組織の運営者を兼ねるようになります。
さらには体験者・当事者が専門職に加わっていく可能性が開かれている意味でも重要です。
私はこれらを肯定的に見ますし、期待している部分もあります。

(4)サイトの「フリースペース」扱い

ウェブサイト上の「フリースペース」の扱いは2つの方向で改善を図る予定です。

1つは「相談・支援団体・公共機関」ページ群に「フリースペース」ページを置きます。
(1)ただしそこには独自の詳細ページは設定しません。
そのページは「スクールガイド」「親の会ネットワーク」「自立・就業支援」の該当ページにリンクします。
(2)詳細ページはリンク先の該当ページに設定することがあります。
もう一つは「学校の案内書・パンフ」ページを発展的に考えます。
資料請求により学校(および他の施設)の案内書を無料配布し、資料提供の学校等からは委託配布料を収入にできる仕組みにします。
「不登校・中退生受入れ学校無料配布」のように名称も変えます。
それ以外の各種の案内書は教育福祉関係の非営利的なところ・自助グループなどに限定していきます。
ここを仮称「スペース案内書紹介」ページにします。

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