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Center:2012年9月ー大学生に不登校が広がる理由

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大学生に不登校が広がる理由

〔2012年9月ころ〕 なぜ不登校は減少せず大学生にまでひろがるのですか。
不登校が減少せず、むしろ小学生や大学生にまで拡大しているのはなぜですか。
こういう質問を受けました。
それに関して考えたことです。

子どもは社会を映す鏡といいます。
10代の子どもの不登校が社会の問題を先取りして社会を映すものなら、大学生に不登校が現れるのはむしろ当然です。
社会の変化は、子どもの変化に遅れてやってきます。
しかし、その表われ方は。年齢や生活分野や地域により違って当然でしょう。
もっともこれらの全体を語ることは私にはできません。

大学生の場合は、高校生や中学生の場合と似ていることはありそうです。
それはまた青年期の人の表われ方に共通すると予測できます。
大学生の場合は、休学や退学の増大として表面化する可能性を感じます。
大学生の不登校はカウントしづらいのに対して、休学や退学は大学の事務室でカウントしやすいからです。
休学や退学は不登校とは同一ではありませんが、そのカウント数が示すマウンドの下には不登校が確実に埋もれていることは確かです。
ある大学の先生は「まもなく大学の不登校が社会問題に上がってくる」といったのですが、大学内部ではすでに気づいていることでしょう。

しかし、この現象は時代の変革期における青年が表現する反面を示しているのです。
その片方では新しい現象も見られます。
「就職したら3年ぐらいでやり方を覚えて後は独立をしていきたい」という人がいます。
政府機関の調査で、卒業後3年以内に就職した人の半数は退職しているという報告があります。
その一面は、会社にうまく適応できないといえますが、この自分で独立して何かをしたいという人も含まれるのです。
また「社内で昇進したくない人も多い」という報告もあります。
これもまた似ている面があるのです。

不登校情報センターは不登校の子どもへの訪問サポートをしていますが、訪問をする学生のなかに、中学・高校時代に不登校を経験した人がいます。
彼ら彼女らのなかには自分がなぜ不登校になったのかを考える、自分の不登校体験が役に立つのではないかと思う学生もいます。
この答えはみな違うようですが、共通性は不登校になる子どもの繊細な気質、社会的な背景を感じることです。
最近は発達障害の面から理解したほうがいい例もあります。
不登校は減少していません。
それは不登校への対応が進み、適応指導教室への登校を不登校にカウントしないなどの対応が進んでいるなかでも増えています。
大学生の不登校は社会との関係がより大きな意味を持ちます。

T大学という有名な大学があります。
出版社で編集者をしていたころそこの先生がおおざっぱな言い方ですが、T大学の学生の20%ぐらいは少し変だといっていました。
最近の様子は聞いていませんが、たぶんおかしさが拡大していると思います。
変であるとかおかしいというのは、人間関係や社会への適応の面に現れます。
T大学では学力の面では相当に優れた人はあふれているのです。
このおかしさは、今日では発達障害的な自閉気質や不登校に結びつく繊細な感受性と関係するだろうと思います。
神経質というと否定的な響きがありますので私は繊細な感受性といいます。
そういう学生だからこそ社会の異変を感じ、動物としての防衛本能を働かせていると思います。
多くの学生は不登校以外の意志の表現をします。
意志の表現を超えていること重大性があると思えるのです。

学生と社会の関係で見ると、内閣府など政府の調査に表われています。
3年前に大学を卒業し就職した人は同じ会社で働いているのは50%未満です。
就職しての社内で出世したくない、役職につきたくないという人もとても多くなっています。
就職して3年ぐらいしてある程度仕事を覚えたら、自分で仕事を立ち上げようとする人が増えています。
時代はそのようなセミナーがあちこちにできています。
学生の不登校はこのような時代の変化への対応があります。
そして中学生や高校生の不登校や中退とかなりの部分でつながっています。
中学生や高校生の不登校や中退が生み出したものは、これまでの学校教育制度にならんで、通信制高校や通信制サポート校を生み出しました。
高校といえば従来は全日制高校ですがその5000校の全日制高校のなかで本気で不登校・中退に取り組んであるのは1%もありません。
大学生が就職や仕事で選ぼうとしている傾向の中心は会社就職のように見えます。
それは否定できないのですが時代の変化を感じています。
セミナーの中ではソーシャルビジネス、社会的企業と呼ばれるものがあります。
従来になかったものです。
営利追求とともに社会貢献をめざすものです。
大学生の感じる社会のおかしさはこのような形で社会の変化に対応しています。
ある大学の先生に話したことがありますが、まもなく大学生の中退問題が社会問題として大きく扱われるようになるでしょう。
中学生や高校生の不登校問題は、子どもたちの優れた感受性により30年近く前に社会の変化を予告しました。
いまそれが大人社会の変化になっており、それが大学生や青年期の人の行動の異変として表われているのです。
私はここでも大学生や青年期の人の味方になるのがこれからの社会の変化を理解する鍵になると思っています。

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