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Center:2014年2月1日ー社会参加できる見込みがないと道は開けない

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社会参加できる見込みがないと道は開けない

〔『ポラリス通信』2014年2月1日〕
引きこもりの解決・改善とは何でしょうか。
家から出られない、人との関係がうまくいかない、家族関係が崩れている、心身の調子が悪い…などの日常的なことへの対処が必要です。
しかし、その先にあるのは引きこもりの経験をした人たちが、自分なりに、自分を生かし、自分なりに納得して社会参加を遂げていくことです。
個人的な相談や要望を受けてその事態に対処しながら、他方では社会に眼を向け、可能な協力関係をつくって共同の取り組みを続けることです。
社会的な動きがなければそのつどの対応は一時的なものにとどまります。
社会的な解決・改善の動きのなかで個別への対処が生きてくるものだからです。

かつて「引きこもりの人が望む将来生活の姿」という調査をしました。
10年以上も前のことです。通所者を中心に71名から回答をもらいました。
20代後半の人がいちばん多く、30代の人はそれに次いでいました。
年齢平均もほぼ10歳は若かったです。
全体として何らかの形で社会参加を希望していましたが、年齢が上がるにしたがい男女ともに就職よりも、自営業型とSOHO・自由業型が増えていきました。
十年を経てこのときの様子はより明確になっています。
会社に就職する通常の形では働けない状況がはっきりしています。
社会状況としても自分の身体状況としても意識せざるを得ない人が多いのです。
あわせて両親の高年齢化など家族事情なども変わってきました。

2002年ごろに30歳前後の人のグループから「不登校情報センターを働ける場にしてください」という要請がありました。
いかに現実を見据えた要請であったのかを改めて感じています。
事態はすでに十年前にはわかる人にはわかっていたのです。
その要請に対する私の返事は「不登校情報センターを収入の得られる場にしよう」ということでした。
それが可能な返事でしたし、その取り組みを始めたはずですが、不十分であったことは確かです。
日常のそれ以前の個人的な相談や発生する事態への対応を優先せざるを得なかったのです。
全体的な力量不足があったのです。

2005年にNPO法人化した目的の一つは、不登校情報センターをベースにして、各個人が得意なことを始めやすくする条件をつくることでした。
①学校のようにある期間、技術訓練や対人関係を含む就職型の支援をする方法、
②障害者支援を受けるなど福祉制度を活用しながら条件に合わせて働く方法、これがそれまで知られている支援方法でした。
引きこもり支援の就職型・福祉型支援は多くの団体で追求しています。
引きこもり支援にはそれらは必要ですが、同時にまたそれでは適合しない人も多くいます。
これに加えて、③自活型の支援方法を探りました。
そういう取り組み方法が大事になると考えて始めたものです。
その面での取り組みが社会全体として遅れている、ほとんど見られないなかで独自の取り組みを始めたことになるのかもしれません。
自活型の支援活動は、不登校情報センターの場合は二重構造になります。
共通のベースになるのが不登校情報センター自体の仕事づくりです。
ここでの作業が収入を得られるようなものにすること、そのためにはその作業が収入になるものでなくてはなりません。
不登校情報センターが収入になる取り組みをすることです。
私の編集業務を手分けすることから始めました。
やがてインターネットに対応する情報提供作業に移行しました。
それは現在も続いていますが、収入面での到達状況は初歩的レベルです。
ここでの作業費から得られる各自の収入の合計(1人当たりではありません)は毎月15万円前後です。
超低目の安定ができています。
このベースのうえに各自の取り組みを想定しています。
それは自営業型のものとSOHO・自由業型のものを想定しました(調査「将来生活の姿」のよる)。
事態の進行のなかで浮かんできた業務内容は、
①創作活動における作品の商品化、
②対個人サービス的な取り組み(体験発表・訪問活動・セラピストなど)です。
これらは散発的な取り組みがあるだけで系統的・固定的な活動はまだ現われていません。

しかし、引きこもり経験者の置かれた状況はだんだん切迫してきています。
全体的な様子を見ながら、また周辺のいろいろな社会状況や共同を図りながら、不登校情報センターの活動の重点を決めなくてはなりません。
今年は、不登校情報センター自体の収入を上げること、それに参加する当事者の収入を全体として引き上げることを重点にしなくてはならないと思っています。
各自が何かを試みるときの共通のベース、事務局、広報・企画・営業の支え部分の強化です。
不登校情報センター自体の収入を上げることに関しては、この3年間に前進はありました。
ホームページが充実してきました。
全国の支援団体や学校などの情報を幅広く収集することに成功しています。
これをさらに広げることと収益に結びつけることです。
昨年は事務作業グループができました。
系統的にこれを追求できる条件ができました。
インターネットの活用を研究し、独自に収入に結びつける可能性も生まれています。
昨年秋にCSR(企業の社会的責任)が求められる今日的状況にそって、ある広告会社からその発表の場として不登校情報センターのホームページの活用を持ちかけられたことがあります。
これは技術的な理由で成立しませんでしたが、研究対象になります。
類似ではありますがまた別の提案も受けています。
これらはホームページが充実していることを社会から評価され、その活用のしかたを企画するように要請されている状況です。
巨大なホームページという関心を引く装置や道具を持っているのでそれをもっと広く活用してはどうですか、と問われているのです。

これらに取り組むなかで、引きこもりの経験者が、今年は少しでも自分なりに納得して社会参加をする方法の見込みや展望が持てるようにしていきたいと思います。

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