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児童相談所と警察署の情報共有

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==児童相談所と警察署の情報共有==
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'''〈児相改革〉3 現場は命がかかっている 家常惠氏'''<br>
<th>所在地</th>
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家常惠・元大阪子どもネットワーク代表 <br>
<td>宮城県仙台市</td>
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今年3月、東京都目黒区で5歳の女児が両親に虐待され亡くなった。<br>
</tr>
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事件を受け、国は緊急総合対策として、児童相談所の体制強化などを進める方針を掲げている。昨年8月に厚生働省が示した「新しい社会的養育ビジョン」以降、児童福祉は新たな転換期を迎えているようにもみえる。<br>
<tr>
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識者や現場の意見を聞いた。(3回の連載です)<br>     
<th>TEL</th>
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<td></td>
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1960年に大阪府初の福祉専門職として入庁しました。<br>
</tr>
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それから35年にわたって人生を福祉にささげ、最後は大阪府中央児童相談所長も務めました。<br>
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忘れられないのは95年、オウム真理教の麻原彰晃が逮捕された時のことです。<br>
<th>FAX</th><td></td>
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山梨県上九一色村にいた5人の子どもを一時保護することになりました。<br>
</tr>
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すると、親と信者が30人ほど押しかけてきたのです。<br>
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最初は部下が対応していましたが、らちがあかず所長の私が出て行きました。<br>
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事件についていろいろと報道で知っていたので、私は面会するなり「あなたたちのトップは殺人者ですよ」と言ったら、それはもう向こうがヒートアップしてしまいましてね。<br>
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部下には「所長、殺されますよ」と心配されました。<br>
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結局、子どもたちは情緒障害児短期治療施設に措置しました。<br>
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児相の現場はそのくらいの覚悟がいるということです。<br>
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怖い人とも対峙しないといけないし、関係機関と複雑な調整をするときもあります。<br>
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それなのに、現場の経験がほとんどなくても児相所長になれるんです。<br>
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国も本気で児相を立て直すならば、素人でもトップに立てる状況を改善すべきでしょう。<br>
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現場の児童福祉司だって同じです。<br>
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大学で福祉などを学んだ人の専門職採用をぜひ進め、意欲のある人を増やしてほしい。<br>
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最低でもケースワークやカウンセリング技術を学んで就職してほしいです。<br>
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私もさまざまな自治体に研修会の講師として行きましたが、昇進のめがない定年前の人や、やる気のない若手ばかりを児相に集めていた自治体もありました。<br>児相の現場は人の命がかかっているのに、がっかりしました。<br>
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児相と警察との連携については、私は慎重な立場です。<br>
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児相は児童福祉法に基づき支援する組織で、警察とは行動原理が全く異なります。<br>
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警察は権力で当事者を抑え込むというスタンス。<br>
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果たして、児相が警察と対等に議論し、当事者に寄り添う福祉的な支援ができるか。<br>
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児相職員時代に、警察の要請で非行少年を支援しました。<br>
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警察と関わることも多かったのですが、私が被疑者の関係者と間違えられ、刑事に怒鳴られたことがあります。<br>
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また、子どもを一時保護している場所をバラされ、トラブルになるなど警察のひどい面も見てきました。<br>
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もちろん良い警察官もいるんですが、組織として見たとき、何でも信用してはいけないと学びました。<br>
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児相がいくら慎重に支援していても、警察が児相に断りなく勝手に動くことも起こり得るでしょう。<br>
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児相は専門性が高く、公的機関が行う責任の重い仕事です。<br>
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民間とは異なり、行政だからこそできること、やるべきこともある。<br>
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日々悩んでいる全国の児相職員には「対象者の身に寄り添って頑張ってほしい」とエールを送りたいですね。<br>
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'''【いえつねめぐむ】元 大阪子どもネットワーク代表'''<br>
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1937年生まれ。京都大卒業後、大阪府に入庁。<br>
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府中央児相所長を経て、徳山大教授や大阪児童福祉事業協会理事長を歴任。<br>
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2003年には府内の関係者による分野横断型の「大阪子どもネットワーク」を設立。<br>
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全国の先駆けとなったことなどから、16年に毎日社会福祉顕彰を受賞した。<br>
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〔2018年08月01日 福祉新聞編集部〕 <br
  
===[[:Category:周辺ニュース|周辺ニュース]]===
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<htmlet>00raku_books_mikaiketu_20240409</htmlet>
ページ名[[児童相談所と警察署の情報共有]]、宮城県仙台市、(子どもの虐待のニュース) <br>
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'''児童虐待の通報 基準共有へ協定  宮城県と仙台市、県警'''<br>
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宮城県と仙台市、宮城県警は5日、児童虐待が疑われる事案の情報を児童相談所と警察が共有する基準を定めた協定を締結した。<br>
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基準は2016年4月に厚生労働省が出した通知に準じ、「刑事事件として立件の可能性がある重大な事案」「保護者が子どもの安全確認に強く抵抗することが見込まれる事案」とした。<br>
+
基準に沿う事案を覚知した場合、3者で情報を共有して迅速な対応を図る。<br>
+
児相を設置している県と仙台市、県警は13年3月、虐待の可能性がある事案の情報共有に取り組むことを申し合わせたが、具体的な基準はなかった。<br>
+
県子ども・家庭支援課によると、16年度に県内の児相に寄せられた虐待の相談は1555件。<br>うち825件が警察からの通告や相談だった。<br>
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〔◆平成30(2018)年7月6日 河北新報〕 <br>
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[[Category:ひきこもり周辺ニュース|じどうそうだんしょとけいさつしょのじょうほうきょうゆう]]  
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[[Category:子どもの虐待|0じどうそうだんしょとけいさつしょのじょうほうきょうゆう]]
[[Category:|じどうそうだんしょとけいさつしょのじょうほうきょうゆう]]  
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[[Category:児童相談所|0じどうそうだんしょとけいさつしょのじょうほうきょうゆう]]
[[Category:宮城県(地域)|じどうそうだんしょとけいさつしょのじょうほうきょうゆう]]  
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[[Category:厚生労働省|じどうそうだんしょとけいさつしょのぎゃくたいじょうほうのきょうゆう]]
[[Category:仙台市(宮城県)|じどうそうだんしょとけいさつしょのじょうほうきょうゆう]]
+
[[Category:警察署のニュース|じどうそうだんしょとけいさつしょのじょうほうきょうゆう]]
 +
[[Category:福祉新聞|じどうそうだんしょとけいさつしょのじょうほうきょうゆう]]

2024年4月9日 (火) 20:50時点における最新版

児童相談所と警察署の情報共有

〈児相改革〉3 現場は命がかかっている 家常惠氏
家常惠・元大阪子どもネットワーク代表
今年3月、東京都目黒区で5歳の女児が両親に虐待され亡くなった。
事件を受け、国は緊急総合対策として、児童相談所の体制強化などを進める方針を掲げている。昨年8月に厚生働省が示した「新しい社会的養育ビジョン」以降、児童福祉は新たな転換期を迎えているようにもみえる。
識者や現場の意見を聞いた。(3回の連載です)
      ◇
1960年に大阪府初の福祉専門職として入庁しました。
それから35年にわたって人生を福祉にささげ、最後は大阪府中央児童相談所長も務めました。
忘れられないのは95年、オウム真理教の麻原彰晃が逮捕された時のことです。
山梨県上九一色村にいた5人の子どもを一時保護することになりました。
すると、親と信者が30人ほど押しかけてきたのです。
最初は部下が対応していましたが、らちがあかず所長の私が出て行きました。
事件についていろいろと報道で知っていたので、私は面会するなり「あなたたちのトップは殺人者ですよ」と言ったら、それはもう向こうがヒートアップしてしまいましてね。
部下には「所長、殺されますよ」と心配されました。
結局、子どもたちは情緒障害児短期治療施設に措置しました。
児相の現場はそのくらいの覚悟がいるということです。
怖い人とも対峙しないといけないし、関係機関と複雑な調整をするときもあります。
それなのに、現場の経験がほとんどなくても児相所長になれるんです。
国も本気で児相を立て直すならば、素人でもトップに立てる状況を改善すべきでしょう。
現場の児童福祉司だって同じです。
大学で福祉などを学んだ人の専門職採用をぜひ進め、意欲のある人を増やしてほしい。
最低でもケースワークやカウンセリング技術を学んで就職してほしいです。
私もさまざまな自治体に研修会の講師として行きましたが、昇進のめがない定年前の人や、やる気のない若手ばかりを児相に集めていた自治体もありました。
児相の現場は人の命がかかっているのに、がっかりしました。
児相と警察との連携については、私は慎重な立場です。
児相は児童福祉法に基づき支援する組織で、警察とは行動原理が全く異なります。
警察は権力で当事者を抑え込むというスタンス。
果たして、児相が警察と対等に議論し、当事者に寄り添う福祉的な支援ができるか。
児相職員時代に、警察の要請で非行少年を支援しました。
警察と関わることも多かったのですが、私が被疑者の関係者と間違えられ、刑事に怒鳴られたことがあります。
また、子どもを一時保護している場所をバラされ、トラブルになるなど警察のひどい面も見てきました。
もちろん良い警察官もいるんですが、組織として見たとき、何でも信用してはいけないと学びました。
児相がいくら慎重に支援していても、警察が児相に断りなく勝手に動くことも起こり得るでしょう。
児相は専門性が高く、公的機関が行う責任の重い仕事です。
民間とは異なり、行政だからこそできること、やるべきこともある。
日々悩んでいる全国の児相職員には「対象者の身に寄り添って頑張ってほしい」とエールを送りたいですね。
【いえつねめぐむ】元 大阪子どもネットワーク代表
1937年生まれ。京都大卒業後、大阪府に入庁。
府中央児相所長を経て、徳山大教授や大阪児童福祉事業協会理事長を歴任。
2003年には府内の関係者による分野横断型の「大阪子どもネットワーク」を設立。
全国の先駆けとなったことなどから、16年に毎日社会福祉顕彰を受賞した。
〔2018年08月01日 福祉新聞編集部〕 <br


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