カテゴリ:米沢市(山形県)
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+ | 経済的に苦しい家庭の子ども向けの無料学習支援教室が県内で広がっている。<br> | ||
+ | 山形大学の学生が開く「学び場プラス」が4年目に入り、4月には米沢市でも始まった。<br> | ||
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+ | ほかにいるのは小学生から高校生が20人ほど。<br> | ||
+ | 山大のボランティア団体「学び場プラス」の無料学習教室に集まってきた生徒たちだ。<br> | ||
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+ | この学び場プラスは2012年に「『学びたい』と思う子どもに学習できる場所をつくりたい」と設立された。<br> | ||
+ | 当初は生徒も数人で不定期の開催だったが、県母子寡婦福祉連合会(県母子連)の協力もあり徐々に軌道に乗り始めた。<br> | ||
+ | 今は毎週土曜日の午後5時から8時、「サポーター」と呼ばれる山大生12~13人がほぼマンツーマンで生徒の宿題や課題を見ている。<br> | ||
+ | 生徒の中には、ひとり親や生活保護を受けている家庭の子どももいる。<br> | ||
+ | 小学4年と6年の息子2人を通わせている中国籍のシングルマザーの女性(47)は、休日も清掃の仕事をしているため家を空けることが多いという。<br> | ||
+ | 「仕事中も心は家にあり、いつも心配。でも、ここは勉強もみてもらえるし安心して預けられる」と感謝する。<br> | ||
+ | 生徒から「ちぃ先生」と呼ばれる、立ち上げからのメンバーで副代表の3年、多田智大(ちひろ)さん(22)によると、昨年度は中学3年の生徒12人全員が進学したという。<br> | ||
+ | 「イスに座っていられなかった子も『進学する』と意欲を持ってくれた。ここがなかったら高校に行かなかったんじゃないかと思う」と手応えを感じている。<br> | ||
+ | 「勉強しないけど毎回来る子もいる。居場所づくりにもつながっている」と話した。<br> | ||
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+ | 学生らの活動の原動力は「経済的な差を少しでも埋めたい」との思いや、自らの実体験だ。<br> | ||
+ | 山大2年の女子学生は高校生のころ、経済的な事情もあり親から「進学せず就職して」と言われた。<br> | ||
+ | それでも学びたくて、学費が比較的低い国公立大を必死で目指した。<br> | ||
+ | 「お金がなくて大学にいけない気持ちはよく分かる。でも、子どもがお金のことで悩むのはおかしい。みんなにも好きなように生きてほしい」 <br> | ||
+ | 学習教室は広がりをみせ、4月下旬から米沢市でも始まった。<br> | ||
+ | 学び場プラスの元サポーターで、今春から米沢キャンパスに移った工学部2年の藤本祐大さん(21)が「まなびす」を立ち上げた。<br> | ||
+ | 小中高校生が15人ほど通ってくる。<br> | ||
+ | 大学生と協力しながら無料学習塾を運営する県母子連の伊藤孝事務局長(63)は「受験を終えたばかりの大学生は即戦力になり、非常に助かる。感謝しています」と話す。<br> | ||
+ | 今後、鶴岡にキャンパスがある山大農学部の学生や、酒田市の東北公益文科大の学生らと協力して学習支援を広げていく方針という。<br> | ||
+ | □'''生活保護世帯の子582人、大学進学率17.2% 県全体の半数以下 14年、県まとめ'''<br> | ||
+ | 県のまとめでは、14年に県内で生活保護を受けていた世帯の子どもは582人で、大学の進学率は17・2%と県全体(44・7%)の半数以下だった。<br> | ||
+ | 13年の全国の生活保護世帯の平均(32・9%)より低い。<br> | ||
+ | 県内ではひとり親の家庭も増加傾向で、10年の国勢調査では1万1867世帯となり、00年から約3千世帯増えている。<br> | ||
+ | 県は、離婚率が上昇していることから、ひとり親家庭は更に増えると見込む。<br> | ||
+ | 「必ずしもではないが、ひとり親家庭は貧困に陥りやすい」と県子ども家庭課の堀弘幸課長。<br> | ||
+ | 「学ぶ道を諦めることで始まる貧困の連鎖を止めるためにも、教育支援は必要だ」と話し、子どもらの選択肢を増やす取り組みに期待している。<br> | ||
+ | 〔2016年5月31日・貧困ネット、平成28(2016)年5月23日 朝日新聞 東京地方版朝刊〕 <br> | ||
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2016年6月2日 (木) 14:55時点における版
米沢市
周辺ニュース
◆(リポートやまがた)広がる無料学習支援教室 先生は山形大生 /山形県
経済的に苦しい家庭の子ども向けの無料学習支援教室が県内で広がっている。
山形大学の学生が開く「学び場プラス」が4年目に入り、4月には米沢市でも始まった。
子どもたちの「学びたい」との思いを、学生たちが支えている。
「じゃあ、この四角を使って計算してみようか」
5月中旬の土曜日夕方、山形市の県総合社会福祉センターの一室で、山形大学の男子学生が小学5年の男子児童と向き合い、図を使って計算方法を説明していた。
ほかにいるのは小学生から高校生が20人ほど。
山大のボランティア団体「学び場プラス」の無料学習教室に集まってきた生徒たちだ。
河北町や上山市から通う生徒もいる。
この学び場プラスは2012年に「『学びたい』と思う子どもに学習できる場所をつくりたい」と設立された。
当初は生徒も数人で不定期の開催だったが、県母子寡婦福祉連合会(県母子連)の協力もあり徐々に軌道に乗り始めた。
今は毎週土曜日の午後5時から8時、「サポーター」と呼ばれる山大生12~13人がほぼマンツーマンで生徒の宿題や課題を見ている。
生徒の中には、ひとり親や生活保護を受けている家庭の子どももいる。
小学4年と6年の息子2人を通わせている中国籍のシングルマザーの女性(47)は、休日も清掃の仕事をしているため家を空けることが多いという。
「仕事中も心は家にあり、いつも心配。でも、ここは勉強もみてもらえるし安心して預けられる」と感謝する。
生徒から「ちぃ先生」と呼ばれる、立ち上げからのメンバーで副代表の3年、多田智大(ちひろ)さん(22)によると、昨年度は中学3年の生徒12人全員が進学したという。
「イスに座っていられなかった子も『進学する』と意欲を持ってくれた。ここがなかったら高校に行かなかったんじゃないかと思う」と手応えを感じている。
「勉強しないけど毎回来る子もいる。居場所づくりにもつながっている」と話した。
□「経済的な差、埋めたい」
学生らの活動の原動力は「経済的な差を少しでも埋めたい」との思いや、自らの実体験だ。
山大2年の女子学生は高校生のころ、経済的な事情もあり親から「進学せず就職して」と言われた。
それでも学びたくて、学費が比較的低い国公立大を必死で目指した。
「お金がなくて大学にいけない気持ちはよく分かる。でも、子どもがお金のことで悩むのはおかしい。みんなにも好きなように生きてほしい」
学習教室は広がりをみせ、4月下旬から米沢市でも始まった。
学び場プラスの元サポーターで、今春から米沢キャンパスに移った工学部2年の藤本祐大さん(21)が「まなびす」を立ち上げた。
小中高校生が15人ほど通ってくる。
大学生と協力しながら無料学習塾を運営する県母子連の伊藤孝事務局長(63)は「受験を終えたばかりの大学生は即戦力になり、非常に助かる。感謝しています」と話す。
今後、鶴岡にキャンパスがある山大農学部の学生や、酒田市の東北公益文科大の学生らと協力して学習支援を広げていく方針という。
□生活保護世帯の子582人、大学進学率17.2% 県全体の半数以下 14年、県まとめ
県のまとめでは、14年に県内で生活保護を受けていた世帯の子どもは582人で、大学の進学率は17・2%と県全体(44・7%)の半数以下だった。
13年の全国の生活保護世帯の平均(32・9%)より低い。
県内ではひとり親の家庭も増加傾向で、10年の国勢調査では1万1867世帯となり、00年から約3千世帯増えている。
県は、離婚率が上昇していることから、ひとり親家庭は更に増えると見込む。
「必ずしもではないが、ひとり親家庭は貧困に陥りやすい」と県子ども家庭課の堀弘幸課長。
「学ぶ道を諦めることで始まる貧困の連鎖を止めるためにも、教育支援は必要だ」と話し、子どもらの選択肢を増やす取り組みに期待している。
〔2016年5月31日・貧困ネット、平成28(2016)年5月23日 朝日新聞 東京地方版朝刊〕
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