カテゴリ:尼崎市(兵庫県)
尼崎市
周辺ニュース
◆SIB:社会課題解決へ 試験導入
社会的な課題を民間の資金をもとにNPOなどが実施し、効果が出たら、行政が費用を払う「ソーシャル・インパクト・ボンド」(SIB)が注目されている。
欧米を中心に広がっており、日本では昨年度、日本財団が出資し、試験的に3件9自治体で始まった。
兵庫県尼崎市では生活保護世帯の若者をNPO法人「育て上げネット」が訪問し、就労支援につなげる。
引きこもりなど行政の手が届きにくい若者に、食事や映画などまず外に連れ出して社会に慣れてもらい、その後、市の事業に参加してもらう。
市よりきめ細かい対応ができ、交通費などの経費もSIBで賄える。
これまでに約20人の若者を訪問した。同NPOの高崎大介さん(37)は「ちょっとしたきっかけで若者は動けるようになるが、費用などがかかっていた。
SIBで行政と連携でき、より支援に取り組める」と喜ぶ。
このほか、神奈川県横須賀市で一般社団法人「ベアホープ」による乳幼児の特別養子縁組が行われている。
児童相談所や病院と連携し、子供を産んでも養育する意思のない親からの相談や、養親希望者とのマッチングを実施。
福岡市、熊本市など7自治体では公文教育研究会による認知症予防が行われている。
試験導入なので日本財団が経費を出し、自治体や利用者の費用負担はない。
各事業は大学など第三者が成果があったかどうかを評価する。
正式に始まれば、成果がある場合のみ自治体が費用を出すため、行政は予算の無駄遣いをしないですむ。
例えば横須賀市で4件の特別養子縁組ができれば、市と国を合わせて養育費や児童養護施設の費用など約5100万円の予算削減が将来的に見込まれる。
日本財団では、自治体が財政赤字に苦しむ一方、社会的課題は増えており、SIBが解決策になると期待する。
日本財団の工藤七子・社会的投資推進室長は「今年度はさらに国や他の自治体とも話し合いを進めており、来年度の正式導入を目指したい」と話している。
〔2016年4月30日・貧困ネット、平成28(2016)年4月24日 毎日新聞 東京朝刊〕
カテゴリ「尼崎市(兵庫県)」にあるページ
以下の26ページがこのカテゴリに含まれており、そのうち26ページが表示されています。
あ |
あ の続きえかこさし |
すそとひぽみわ |