金宝寺
| 所在地 | 新潟県新潟市 |
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ページ名金宝寺、新潟県新潟市、子ども食堂、寺院・教会のニュース)
新潟市にある金宝寺(こんぽうじ)の朝倉奏(そう)副住職(35)はボランティア団体を立ち上げ、昨年5月から月2回開く。
チラシには「大切なあなたという存在のために安心できる居場所です」。
そうしたメッセージを伝える場として機能してきた寺。かつて地元では、日曜学校や子ども会が開かれていた。
しかしこの数十年で活動は衰退した。寺と神社の違いが分からない人もいる。「危機感を持つ僧侶は多い。私もその一人です」
金宝寺では4年前に小学生向けの英会話教室を始めた。中高生の「無料塾」も開く。
生まれた環境で人生の選択肢が狭められるべきではない、との思いからだ。
「寺での子ども食堂も、昔やっていたことを復活させているようなことかもしれません」
キリスト教界も動いた。関係者によると、全国の約30教会で開かれている。
首都圏に住むクリスチャンの60代男性は3年前、他の信徒と始めた。教会は場所を貸し、運営は別の団体が担っている。行政と連携しており、また利用者は信徒と限らないためだ。
食前の祈りなど宗教色は出さない。ただ、思いの中心には聖書の言葉がある。
「最も小さい者」――。イエスは、力のない人に奉仕することは私にしてくれることだ、と言う。そう理解し、行動につなげている。
「私は神様から多くの恵みを頂いてきました。感謝の気持ちを直接お返しはできません。『最も小さい者』に返していきたい」
□東日本大震災、支援の転機
聖徳太子や光明皇后は救護施設として「施薬院」「悲田院」を開いたと伝えられる。
仏教は長く、社会福祉的な領域に関わってきた。だが戦中・戦後にかけて社会保障制度の整備が進むにつれ、伝統仏教などの出番は減った。
社会のセーフティーネットの機能はバブル経済崩壊後、急速に弱まる。
宗教研究者は、特に2000年代から宗教の公共的な性格に注目。
「社会参加」「社会貢献」を評価し始めた。宗教の側も盛んに勉強会を開くようになった。
転機となったのが東日本大震災。被災地支援の経験を経て、貧困や社会的孤立など様々な「苦の現場」での活動が芽生えている。
7人に1人の子どもが貧困状態にあるとされる中、子ども食堂もその一つだ。
宗教社会学が専門の大阪大学大学院・稲場圭信教授は言う。
「厳しい社会状況を敏感に受け止めた宗教者が現れ、子ども食堂などに関わり出している。『人々と共に生きる』ことの意味を問い、もう一度、自らの歩む道を見つめ、信仰の原点に返ろうとする動きと言える」
〔◆平成30(2018)年5月9日 朝日新聞 東京朝刊(磯村健太郎)〕
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